王都に来て次の朝。
目を覚ましたシリウスはいつものように着替えてポラリス達のおしめを変えて洗濯をした後、朝食を取りに食堂に向かった。既に席についていたエベッタとクルフと合流して朝食のスープとパンを食べている。ちなみに昨日と同様ポラリス達の分のスープは水を入れて薄めている。
「今日はどこに行くんだい?また町を見て回るかい?」
「いや、今日はギルドに行ってみようかと思っている。金も稼がないとならんしな」
「あー…確かに。僕もそんなに持ってないしね…」
「オラも少なくなってるだよ…」
「決まりだな。ギルドに行ってできそうな依頼があれば受ける。それでいいか?」
「うん」
「分かっただ」
朝食を食べ終えて部屋で準備をした後、宿屋を出てギルドへ向かった。ギルドは東通りと南通りの中間にある巨大な建物で、その大きさはシリウスが今まで通ってきた町のギルドを優に超えていた。大きいだけでなくテトラニーアのギルドよりも豪華な装飾が施されている。
「デカいな…」
「凄いね…流石王都のギルド…」
「おー、デッカイなー」
中に入ると広々としたロビーにハンターが大勢おり、依頼を吟味したり、受付で職員と素材の買い取りの交渉をしていたり、ロビーの椅子に座って世間話をしていたりとこれまで見たギルドと同じような光景があった。
「広いだけで他とは変わらんな」
「そうかな?他より皆強そうに見えるけど…」
「装備がちゃんとしてるからそう見えるんじゃないのか?」
あっちこっちをキョロキョロと見ているエベッタを引き摺ってシリウスとクルフは依頼が張ってある掲示板の前まで来た。
「何だあいつら?」
「依頼人か?」
「なら何て依頼を見てるんだ?」
「…おい、ペンダントを付けてるぞ」
「おいおい、同業者かよ」
「子連れでか?世も末だな…」
どこでも子連れのハンターは珍しいのか周囲から注目を集めている。
「(まーた見られてるな…無視無視)依頼は…ワイルドウルフの討伐。グラスウルフよりデカくて強いんだろ、無理。オーガの討伐。確か…鬼みたいなやつだったな。それが集団でいるのか?一人なら何とかなるが集団は勝てない、無理。フェイクツリーの駆除。フェイクツリー?…文字通りなら木に擬態した何かって事か?情報が足らん、保留。ファイアードレイクの討伐。火を吐くデッカイ蜥蜴か。勝てない、無理。討伐系じゃなくて採取系や労働系の方がいいかもな」
「シリウス!これはどうだい?ロッククラブの討伐!エベッタが防いで、シリウスが動きを止めて、僕が止めを刺す!どうだい!?僕達ならきっと勝てるさ!」
「勝てる訳無いだろ。お前は何を言っているんだ」
「ええ!?で、でもハンターなのに採取系とか労働系をするなんて…」
「皆、最初は労働系と採取系をするんだよ。それにまだこの辺りの地理を把握してないんだ。どこに、何があって、何がいるのか、どんな場所か、全部把握していないと勝てるものも勝てんぞ」
「うーん…そういうものなのかい?」
「そういうもんだ」
今一納得がいっていないクルフだが、周囲のハンターは皆頷いておりシリウスの言葉に同意していた。
「あの嬢ちゃん、分かってるな」
「ああ。見た目よりしっかりしてるな」
「全部把握する。最近の奴らはそういうのを疎かにするから駄目なんだよな」
「それを怠って死んだ奴なんて大勢いるぜ」
「その点、あの娘は分かってるわね」
「ホントね。若いのに凄いわね」
意図知れずシリウスの評価が上がったがシリウスは何やら見られている程度にしか感じていなかった。
「あ!?シリウスちゃーん!」
「ん?」
シリウスが振り向くとターエルで出会った〈ヴィクオール〉がそこにいた。依頼を達成して戻ってきたようだ。
「久しぶ……………増えてるー!?」
「あん?何が、っておいおい!?子供増えてるじゃねえか!?」
「えぇ!?増えたんですか!?」
「何で増えるんだ?」
「どこかで拾ってきたのかもしれんな」
アトリアとスピカが増えた事に驚愕の声を上げ、その声に周囲のハンターも何事かと注目し出した。
「あの嬢ちゃん、〈ヴィクオール〉と知り合いなのか…!?」
「マジかよ…しかもかなり親しげだぞ」
「見たところランクは五級だろ?なら師弟関係とかか?」
「あー…あり得そうだな」
「でもあの娘、見た事無いわよね?」
「確かに。ならどこで知り合ったのかしら?」
周囲のハンターは一斉にシリウス達を見てヒソヒソと話している。
「…一旦場所を変えましょうか」
「そうだな。部屋を借りよう。こっちだ」
ルゥトが受付に一声かけて個室を借りた。個室はハンターと依頼人が詳しい依頼内容を説明したり、ギルドと依頼人が話し合ったりする時に使われる部屋だ。
「初めての人もいるから自己紹介しておこう。俺達は〈ヴィクオール〉。俺はリーダーのルゥト・エルグリードだ」
「俺様はゴルド・リッドンだ。よろしくな」
「私はセレム・ルドフスクだよ」
「ミラミス・リウルトと言います」
「レネイ・ピュリア・リーネンドだ」
「あの!えっと!ぼ、ぼぼぼ僕は!く、クルフ・ビットリンと言います!」
「オラはエベッタ・ルドリットって言うだ」
「よろしく頼む」
「クルフ。お前は何を緊張してるんだ?」
「そらこうもなるよ!〈ヴィクオール〉って言えば一級を確実視されている今一番乗っているハンターなんだぞ!受けた依頼は全て完了して、数々の偉業も立てている英雄だぞ!そんな彼らが目の前にいるんだから緊張もするよ!」
「お、おう。そうか…」
クルフに怒涛の勢いで畳み掛けられて珍しくシリウスが気圧されている。
「ハッハッハ!俺達も有名になったもんだな!」
「ゴルド、うるさい」
「そういえば、昇級試験はどうなっているんだ?」
「ああ。以前聞いた時は試験の内容を吟味している最中と言っていたな」
「ならもうすぐ決まるかもしれませんね」
「いよいよかぁ…!」
「腕が鳴るぜ!」
「ふっ…私の力があれば簡単だ」
「うぅ…大丈夫でしょうか?」
「いつも通りやれば問題ない。皆となら必ず一級になれるさ」
「一級の昇級試験ってことは今は二級なんですか?」
「ああ。ここまで長い道のりだった…」
「大変だったもんね…」
「依頼人に騙された事もあったな」
「ありましたね。確か私達に潰された盗賊団の生き残りでしたね」
「罠に嵌められて囲まれたと思ったら魔物の襲撃まであった」
「魔物は俺達と盗賊にも襲い掛かって、盗賊も俺達と魔物に襲い掛かってで滅茶苦茶だったな」
「あれは本当に大変だった…無理矢理活路を切り開かなかったら、誰か死んでてもおかしくはなかった」
「支援魔法を重ね掛けして、付与魔法も重ね掛けして、魔戦技も重ね掛けしたんだっけ?」
「ああ。剣は砕けて身体もボロボロになったが何とか生き残れた」
「魔法とか魔戦技も重ね掛けできるんですか?」
「ああ。支援魔法は二、三回はできるな。それ以上は身体が悲鳴を上げる。付与魔法も武器が持てばいくらでも掛けられる。魔戦技も同様だな」
「へー」
「す、凄い話を聞いてしまった…!」
「皆凄いんだなー」
シリウスは役立つ情報を得て感心し、クルフは〈ヴィクオール〉の秘話を聞いて興奮し、エベッタはいつも通りのんびりしていた。
「まあ、俺達の話はこれぐらいで。シリウスは五級になれたんだな。まあ、あの魔物を倒せば当然か」
「そうだよ!最後に見た時はベッドの上だったもの!あの時は心配したんだからね!」
「あー、あの時ですか…すいません」
盗賊の討伐の依頼を終えてオーベルダーナに帰る前にシリウスに会おうとしたが、シリウスは重傷で寝込んでいたので挨拶できずに別れてしまった。
「シリウスー、何をしただ?」
「デカいフォレストエイプと相討ちみたいになってな。それで重傷で病院行きだ」
「シリウスがかい!?信じられないな…」
「あの時はまだ六級で経験もそんなに無かったしな。今なら魔法もあるからあの時みたいには早々ならんよ」
「もー!そういう状況になっちゃ駄目なんだよ!」
「善処します」
「駄目ったら駄目!」
「善処します」
「…こりゃ、またやらかすな」
「みたいだな。何故そこまで無茶をする?」
「私が無茶しないで誰がこの子達を守るんです?」
「それは…」
「この子達を守れるならどこまでも無茶をしますよ。あの時だってそうです。逃げる事ができず、戦えるのが私だけな状況だったんです。同じ状況になれば何度だって同じ事をしますよ」
抱っこしているポラリスと膝の上にいるアトリアとスピカをギュッと抱き締めた。
「ま~」
「ままー」
「…ぁ、ぅ…」
「大丈夫だよ。ママが守るからね」
「ハッハッハ!ルゥトの負けだな!」
「はぁ…みたいだな」
「むー!」
「こいつは何をむくれてるんだ?」
「えーっと…多分、シリウスさんの言う事もは分かるけど無茶して欲しくないからモヤモヤしてるんだと思います」
「はぇー…シリウスは凄いなー」
「…怖くないのかい?」
「この子達を失う方が怖い。だから私はどこまでも頑張れる」
シリウスの覚悟を目の当たりにしてルゥト達は説得を諦め、クルフは圧倒されて何も言えなかった。
「ところで君達はこれからどうするんだ?」
話題を変えようとルゥトはシリウス達に無難な質問をした。
「そうですね。取りあえずは王都の散策と金稼ぎですかね」
「お、なら俺達が案内してやろうか?いい武器防具とか美味い店とか色々知ってるぜ」
「美味い飯!」
「エベッタ。有難いですけど予定があるのでは?」
「いや、依頼も終わって後はギルドに報告するだけだ。その後は何も予定は無いから安心しろ。皆もそれでいいか?」
「私はいいよー!」
「私も構いません」
「ああ、いいぞ」
「…ならお願いします」
受付で依頼完了の報告を終えたルゥト達の案内で王都を巡る事になった。まずルゥト達に連れられて来たのは昨日とは別の武器屋だ。
「ここは俺達もよく使っている店でな。鍛冶屋も兼ねているから特注もできる」
「俺達の武器もここで特注したのさ」
「いらっしゃい。なんだルゥト達か。整備か?それとも新調か?」
「よう。王都に初めて来た知り合いを案内しててな。それで寄っただけさ」
「そうかい。まあ、ゆっくり見ていきな。何かあれば呼んでくれ」
店主の中年の男性は奥へ戻っていった。
「…そういえばターエルで使っていたのとは別の武器なんですね」
「ん?よく見ているな。あの時は予備の剣を使っていた。こいつを少し酷使させすぎてな。整備に出していたんだ」
「こいつは刀身が全部オリハルコンなんだぜ。凄いだろ?」
「全部オリハルコン!?」
「ほへぇー、すげぇなー」
「…やっぱり高いんですよね?」
「君がまず気になるのはそこか…ああ、かなりしたな。確か…5000万リクル、だったかな?」
「5000万…そんなにするんですね…」
「オリハルコンの鉱石を持ち込んだからこれでも値引きしてもらってるんだがな…」
「値引きなしだったら一億はするらしいぜ。ちなみにアダマンタイトはさらに値が上がるぜ」
「うわぁ…」
あまりの高額にエベッタとクルフは絶句しシリウスも呻いている。
「だが一級や二級になればこのぐらいの装備が無いとかなり苦しいぞ」
「そうそう。普通に鋼鉄以上の皮膚を持つ魔物もいるからな。二級になればそういう奴を討伐する、なんて依頼もあるからな。まっ、深く考えるなって。報酬はその分くれるし、分割払いもできるしよ」
「…そうですね。そういう武器が必要になるのはまだ先ですよね」
「そうそう。そういやお前さんは何を使ってるんだ?」
「これです」
「ソルジャーアントか…整備はされているが…」
「あー…やっぱりちょっと劣化してきてるな。そろそろ変えた方がいいかもしれんぞ」
「やっぱりそうですか…うーん…でも金がなぁ…」
ルゥトとゴルドの言葉に武器を変える事に前向きになってきたが、今聞いた値段の話で若干及び腰になっている。
「あ、あの!ぼ、僕のも見てもらえませんか!?」
「どれどれ…おめえ、ちゃんと整備しろよ…せっかくいい槍使ってるんだからよ…」
「ええ!?」
「ふむ…鋼鉄か…整備を怠ってるな。整備すればまだまだ使えるぞ」
「うぅ…ちゃんと整備します…」
「オラのは?」
「おめえさんのは…ちゃんと整備されてるな。まだ使えるぜ」
先達に苦言を言われ凹むクルフと褒められて喜ぶエベッタを横目にシリウスは飾られている剣を見ている。
「シリウスちゃん、これなんてどう?」
「鋼鉄ですか。鋼鉄は予備のがあるので」
「予備で持ってたの!?それするの四級ぐらいからだよ!?」
「過保護な先輩がくれたんですよ」
「ならこっちはどうだ?ミスリルだから硬いが軽いぞ」
「いいんですけど、値段が…」
「ミスリルになると途端に値段が上がりますからね…」
「50000ぐらいならすぐ出せるんですけど、それ以上になると流石に…」
「ならまずは稼ぐ事だな」
「ですよねー」
購入は今回は見送る事にして店を出て次の店に向かった。次は昨日と違う魔具の店で中は用途ごとにキチンと整理整頓されていた。
「ここは相変わらず綺麗だな」
「几帳面なだけだろ」
「この指輪欲しいんだけどな~…高いんだよなぁ…」
「私もこの腕輪があればだいぶ楽になるんですけどね…」
「私は別に無くても困らん」
「ここも高そうなのがいっぱいだ…」
「おー、すげーなー」
「見やすくていいな」
店の中に店主の姿は無かったが、奥で作業をしているから用があれば呼び鈴を鳴らしてほしいという張り紙があった。各々が好きに見て回っており、シリウスも買うかどうかは置いといて見て回る事にした。
「力が上がる指輪、魔力が上がる指輪、毒を防ぐペンダント、暗い場所が見えるピアス、感覚が鋭くなるイヤリング、体力が回復するブレスレット。こう見てると全部欲しくなるな…」
「分かるぞ、その気持ち」
「でも到底お金が足りないんだよね…」
「「「はぁ…」」」
シリウスとゴルドとセレムは同時に溜め息を吐いた。
「だから自分にとって一番必要な物は何かを考えて選ばないといけないんだ」
「嬢ちゃんは何がいるんだ?」
「んー…今のところ戦闘では困った事とかは無いんですけど…子供達を守る盾みたいなのが欲しいですね」
「盾か…盾の腕輪とかならあるが…出るのは一つだけだな」
「じゃあ駄目ですね」
「確か…魔法であったような…何だっけかな…」
「思い出したら教えてください。最優先で覚えます」
「えっ、う、うん。分かったよ」
「食い付き早えな…」
「それだけ子供達の事を想っているという事なんだろ」
「どれも高くて買えないよぉ…」
「お金無いだ…」
「まずは金を稼ぐんだな。それからどれか一つを厳選して買ってみるのもいいと思うぜ。あるのと無いのでは全然違うからな」
「うーん…僕なら体力が回復する魔具かな…」
「オラなら何がいるかなー」
「エベッタなら力を上げてもいいし、感覚を鋭くしてもいいんじゃないか?」
「ふむ、確かに。前衛ならその辺りを上げて損はしない」
「そうかー?ならどっちか頑張って買ってみるだ」
シリウスは買うのを見送ったがエベッタとクルフはある程度目星を付け、まずはお金を稼ぐ事にした。
「そろそろ昼時か…どこかで食事でも取るか」
「お?なら俺様の行きつけの店に案内するぜ」
「そこ、お酒以外もある店よね?」
「安心しろ。酒以外に美味い飯はちゃんとあるぜ」
ゴルドの案内で一行が来たのは東通りの奥にあるゴルド行きつけの食事処だ。外観はかなりボロいが出てきた客は満足そうな顔をしているので隠れた人気店のようだ。
「よう来たぜ」
「お、ゴルドじゃねえか。久しぶりだな。今日はお仲間も一緒かい?」
「まあな。八人と子供三人だ」
「子供?まあ、構わねえが…空いてる席に着いてくれ。すぐに行く」
「ちょっとゴルド。ここは何があるのよ?」
「ん?ここは肉料理専門の店だ」
「肉!」
「お肉かい!?」
「なるほど…ゴルドが好きそうな店だな」
「だろ?分厚いステーキを食いながら酒を飲む。くっー!たまらん!」
「た、食べきれるでしょうか…?」
「少しなら食べれるが、私は肉だけは辛いな…」
「食べれなさそうなら後は私が食べますよ。この子達が食べれる物があればいいんですけど…」
「おう、待たせたな。今日のオススメはビッグボアのステーキだぞ。ゴルドはいつものでいいとして、量も選べるぞ」
「俺は普通で」
「私は少なめ」
「わ、私も」
「私もそれでいい。後、サラダもくれ」
「オラは大盛りだ!」
「僕も!」
「私は普通で。後、この子達用の味が薄めのスープとかできます?」
「えー、大盛り三つと普通二つと小盛り三つだな。後はサラダと…薄いスープだな。待ってろ」
店主は注文を聞いて厨房に戻っていった。
「作ってくれるんだ…あの見た目で」
「見た目の事は言ってやるな。あんな見た目して子供好きだぞあいつ」
「あれで?」
店主はスキンヘッドで片目に眼帯をしている大男で子供に近づけば、子供が泣き人攫いだと通報されそうな見た目をしている。
「人は見かけによらないんだな」
「見た目で判断しちゃ駄目ですよね」
「うっ…」
「まだかなー、まだかなー」
「早く食べたいなー」
「お前達は少し落ち着け」
世間話をしながら料理を待っていると店主が大きな皿をいくつも持ってやってきた。
「おう、待たせたな。こっちが大盛りで、こっちが普通。で、こっちが小盛りだ。それとサラダとスープだが、味はこれでいいか?」
「失礼します…はい、これで大丈夫です。態々ありがとうございます」
「気にするな。それじゃゆっくり食いな」
テーブルの上には熱々で分厚いビッグボアのステーキが鎮座している。
「これだよこれ!あぐっ!うめぇ!」
「美味いだー!」
「このお肉最高だよ!」
「おお…柔らかくて美味しいな」
「うまっ!なにこれうまっ!」
「美味しいです~」
「美味い。美味いが…胸焼けしそう…」
「ポラリス~、あ~ん」
「あ~」
「アトリア~、あ~ん」
「あー」
「スピカ~、あ~ん」
「…ぁ、ぁー…」
「(プルプル)」
「(ぐぬぬ…美味しそうな匂いをさせて…私だって食べたいのよー!)」
「(カペラとピーニには悪い事したな…夕食は何か良い物食べさせるか)あむっ、美味しい」
大丈夫とは思うが中々踏ん切りが付かずルゥト達にカペラとピーニの事は言えずにいた。心の中で溜め息を吐きつつシリウスはステーキを頬張った。