転生したと思ったらママになっていた件   作:大神降ろし

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第八十一話

 

 一頻りポラリスとアトリアを愛でたエルフィナは二人をシリウスの膝の上に戻した。

 

「お帰り、ポラリス、アトリア」

「ま~」

「ままー」

「ママですよ~♪」

 

 先ほどエルフィナに頭を撫でられたり、頬擦りされたがやはり母親のシリウスが一番だった。シリウスに甘えるように抱き着きシリウスも戻ってきて嬉しいので抱き締めている。

 

「ふふふ、やっぱりお母さんが一番よね」

 

 シリウスに甘えるポラリスとアトリアをエルフィナは優しく見つめているが、ふと二人と一緒に抱き締められているスピカが目に入った。

 

「(そういえばずっと帽子を被ってるわね…何かあるのかしら?この子だけずっと怯えてるように見える…この年頃の子供なら引っ込み思案な性格でももう少し反応を見せるはずだけど…それにずっとシリウスちゃんに背負われてるわね。足が悪いのかしら…気にはなるけど…まだ踏み込むわけにはいかないわね…)」

 

 この数日ずっと帽子を被り続けていて自分も含めて他人に強く怯えた反応を見せているスピカの事が気になったが、今は触れないでおく事にした。一頻り抱き締めた後、依頼を受けるために掲示板の前にやってきた。

 

「今日はどうするか」

「シリウスちゃんは討伐系はしないの?」

「ん-…今ここにある魔物とは戦った事は無いので、ちょっと悩んでます」

「なら、これはどうかしら?〈ジャイアントスパイダーの討伐〉。縄張りから出たはぐれを討伐してほしいって。糸に気をつければジャイアントアントと要領は一緒よ。素材も売ったらそれなりの額になるわ。私も手伝うからどう?」

「うーん…じゃあそれで」

「はーい♪じゃあ受けてくるわねー」

 

 エルフィナは依頼書を持って受付へ向かった。

 

「ジャイアントスパイダーか…脚とか硬いんだろうな。狙うなら目と腹かな。お腹の先から糸を出してくるんだっけか?後は体当たりと噛みつきと前脚か。木の上に巣を作って待ち伏せしてくるんだったよな」

「正解。よく知ってるわね」

「色んな所のギルドで調べましたから」

「勉強熱心ね~。えらいえらい♪」

「だから何で頭を…いや、もういいです…」

 

 事あるごとにシリウスの頭を撫でてくるエルフィナに諦めてされるがままになっている。一頻り撫でて満足したエルフィナと共にギルドを出て準備を整えてから王都を出発した。

 

「今回の依頼の場所は北にある森よ。その森の奥にある山にジャイアントスパイダーの縄張りがあって普段はそこから出てこないんだけど偶に山を降りてくるのがいるの。森の中に巣を張られたら厄介な事になるから早めに討伐依頼が出たみたいね。今回は複数いるみたいだけど、まあ多くても五体ぐらいだろうから大丈夫よ。私が隙を作るからシリウスちゃんはトドメをお願いね」

「分かりました」

 

 北の森は王都周辺にある他の森と比べて高所にあって道中の道も険しいらしいので今回ウェズンは留守番だ。王都を出発してから一時間ほどすると岩が出てきて道が険しくなってきて、そこからさらに三十分ほど進むと北の森が見えてきた。高さが10mほどある木ばかり生えている森で上の方が枝で覆い隠されており西の森よりも薄暗かった。

 

「ここよ。見ての通り薄暗いから音を頼りにしてね。ほんの少しの音でも気になったらちゃんと確認する事。確証が持てなかったら私に言ってね」

「分かりました」

 

 エルフィナを先頭にシリウスは森へ入っていった。

 中に入ると外から見るよりも薄暗く、時折聞こえる魔物であろう声も相成って不気味な雰囲気を醸し出している。ポラリス達は怖がってシリウスに抱き着いて顔を埋めており、シリウスはポラリス達を撫でてあやしながら周辺を見ながら警戒している。木の根っこや石が出張っており、僅かに生えている草にも足を盗られそうで非常に歩き辛い。

 

「ウェズンを連れてこなくて正解だったな。あの子じゃここは辛すぎる」

「シリウスちゃん、大丈夫?ちょっと休憩する?」

「大丈夫です。これぐらいじゃへこたれませんよ」

 

 二人は周囲を警戒しながらジャイアントスパイダーが目撃された場所へ向かって森の中を歩いている。北の森に入って一時間ほど経ち、ようやく目的の場所に辿り着いた。そこはちょっとした広間みたいになっていて、そこだけ日の光が差し込んで明るくなっており、地面には綺麗な草花が咲いていた。

 

「綺麗な所だな。長居はしたくないけど」

「よく分かってるわね。ちなみに理由は?」

「こっちから周囲が確認し辛くて、向こうからは丸見えだからです。暗いのも相成って全然見えない」

「正解。だというのに…見て」

 

 エルフィナが地面を指差した場所には焚き火の跡が残っていた。

 

「全く…こんなとこで野営なんて何を考えていたのか…」

「そこをジャイアントスパイダーに襲われた、とかですか?」

「あー…あり得そうね。血痕も残ってるし」

 

 焚き火の跡の回りにはエルフィナの言う通り固まった血痕がビッシリと残っていた。

 

「ここで襲われたのは間違い無し。血痕は森の奥に続いてるわね。襲った後獲物を運んだみたいね。そっちに行きましょう。ここからはより慎重にね」

「はい」

 

 二人は身を低くして血痕を追って森の奥へ進み始めた。進むにつれて血痕だけでなく大きな何かが茂みを押し退けて通ったような跡や特徴的な足跡も出てきてこの先にジャイアントスパイダーがいる事は確実だった。しばらく進み木の陰から覗いてみるとそこには五体のジャイアントスパイダーが巨大な蜘蛛の巣を現在進行形で作っていた。

 

「思った通りね」

「襲われた人は?」

「んー…あそこね。あら?まだ一人生きてるわね」

 

 エルフィナの視線の先には蜘蛛の糸で雁字搦めにされて吊るされている獲物が複数いた。その内の一つで人ぐらいの大きさの糸の塊が時折モゾモゾと動いているので中の人はまだ生きているようだったが、いつ餌にされるか分からないので早急に救助せねばならなかった。

 

「早く助けないとですね」

「そうね。じゃないと今日の晩御飯にされちゃうものね。とは言え…どうしましょうか…」

 

 ジャイアントスパイダー達は巣の拡張に勤しんでいるが、一体だけ木の上の方に作られた巣から周囲を見張っていた。

 

「確実に見つかりますね…なら、私が囮をしますのでその間にあそこの人を助けてください」

「駄目よ。危なすぎるわ」

「でもそれぐらいしか手は無いですよ。上の奴を先に倒しても他の奴が暴れてあの人に当たらない保証も無いですし。この場合、引き剝がすのが最善ですよね?」

「ぐぬぬ…!この時だけはシリウスちゃんの賢さが恨めしい…!確かに、それはそうだけど…!」

「じゃあそういうことで。逃げるだけなら何とかなりますよ」

「…本当に気をつけてね。いざとなれば私を置いて逃げてもいいからね」

 

 心の底から心配しているエルフィナと一旦別れて少し離れた木の裏に移動した。

 

「ふー…よし、行くか」

 

 ごく自然に木の裏から出てジャイアントスパイダー達の前に姿を晒した。

 

「まずは挨拶だ。【マジックボルト】!」

「ギギィ!?」

 

 ジャイアントスパイダー達が反応する前にシリウスは頭上のジャイアントスパイダーにマジックボルトを放った。顔面にいきなり攻撃を受けて頭上のジャイアントスパイダーはプチパニックを起こし、暴れた拍子で蜘蛛の巣が壊れて落下した。

 

「ギ!?ギギギ!?」

「ギキィ!?」

 

 その下で巣を作っていた他のジャイアントスパイダー達を巻き込んで地面に叩きつけられた。ジャイアントスパイダー達にとって不運な事に作っていた巣が絡まって身動きが取れずにいた。

 

「おおぅ…とんでもない事になったな…あの人は…」

 

 ちょっとした嫌がらせ程度と思って放った魔法が功を奏して引き剥がす必要も無くなった。エルフィナもこの隙を逃さず素早く移動して糸を切って捕まっていた人を助け出した。

 

「聞こえるかしら?」

「むっ!?むー!むー!」

「無事そうね。ここから離れるからジッとして」

 

 捕まっていた人は無言で頷きエルフィナは最初に隠れていた場所まで連れていった。シリウスも囮を続ける必要が無くなったのでエルフィナに合流した。

 

「糸を切るから動かないでね」

「むぅ!むぐむぐ…ぶはぁ!はぁ、はぁ…た、助かった…」

 

 糸の中から出てきたのは高価な装飾品と豪華な服を着た小太りの中年の男性だった。

 

「どうしてあんなとこで野営したんですか?あそこじゃ狙ってくださいといってるようなものですよ」

「うぅ…し、仕方が無かったんだ…わしは商人で王都に品物を卸していたんだが、盗賊団に襲われて…護衛が応戦したのだが、相手はこちらの倍以上の数がいて逃げるしか無かったんだ。四人の護衛と共に辛くも逃げてきたのだが夜になり暗くて道も分からなくなって…走れないぐらい疲れていたからとにかく休もうとなって火を起こしたらこんなことに…」

「ああ…だから荷物がほとんど無かったのね」

「そ、それで他の者は?わしは一番早く糸に捕まってあんな風になったから周りの状況は分からなかったんだが…」

 

 男性は一縷の望みを賭けてエルフィナに問い掛けたが、エルフィナは首を横に振るしかできなかった。

 

「そうか…長い間わしの護衛をしてくれた者達だったのだが…すまん。皆、すまない…」

 

 男性は地面に座り込み項垂れてしまい、シリウスは男性の背中を擦って慰め、エルフィナは男性をしばらく見た後ジャイアントスパイダーの様子を窺った。ジャイアントスパイダー達は何とか絡まった糸を取り払う事ができたようで立ち上がっていた。そして自分達をこんな目に合わせた不届き者を懲らしめようと辺りを探し始めている。

 

「来たわね。シリウスちゃん、そろそろ始めるわよ。あなたはここに隠れてて」

「分かりました」

「わ、分かった…」

 

 シリウスはエルフィナの傍に寄り、男性は木の陰に身を潜めた。

 

「ジャイアントスパイダーの弱点は目とお腹よ。目を一つでも潰せば痛みで暴れだすからその隙を付けばお腹を狙いやすくなるわ。お腹は柔らかいから剣も突き刺さるわ。後、狙えるなら頭も効果的よ。私が目を潰すから隙を見て攻撃してね」

「分かりました。私はいつでも」

「じゃあ…行くわよ」

 

 エルフィナは木の陰から飛び出して近くのジャイアントスパイダーに一気に駆け寄った。ジャイアントスパイダーがエルフィナに気づいてそちらを向いた時、視界の一つにはナイフの刀身しか映っていなかった。エルフィナがジャイアントスパイダーの動きを先読みして既にナイフを投げていたのだ。

 

「ギイイイィィィ!?」

 

 目の一つを潰され痛みで暴れ出すジャイアントスパイダーを放置してエルフィナは次のジャイアントスパイダーへ向かっていった。シリウスは暴れるジャイアントスパイダーを掻い潜って懐に入り込み無防備な腹部に剣を深く突き刺した。

 

「むんっ!」

「ギギュ!?ギギギ!?ギィ、ギギ…」

「よっと!腹は結構柔らかいんだな。さてエルフィナさんはっと」

 

 シリウスが倒れたジャイアントスパイダーの腹から剣を引き抜いてエルフィナの方を向くとそこには信じられないような光景が広がっていた。エルフィナ目掛けて振り下ろされる前脚も、吐き出される糸も最小限の動きで流れるように避けつつ、短剣で脚の関節を斬り、目にナイフを投げつけている。

 

「ギギギ!?」

「ギギュ!?」

「ギィ!?ギイイイィィィ!?」

 

 脚を斬られて倒れたり、目を潰され暴れて倒れた仲間に当たったりと大惨事が広がっていた。エルフィナは倒れたジャイアントスパイダーの頭に次々と短剣を突き立てていき、暴れるジャイアントスパイダーの懐に飛び込んで勢いのまま腹部に短剣を突き刺した。

 

「ギィ!?ギ、ギギギ…」

「ふぅ…こんなものね」

 

 シリウスがお膳立てしてくれたジャイアントスパイダーを倒している間にエルフィナは四体のほぼ無傷のジャイアントスパイダーを瞬く間に倒していた。しかも大して疲れてもおらず、まさに歴戦のハンターと言える強さだ。

 

「すご…」

「おお…あの容姿、そしてこの強さ…間違い無い。あの人は…!」

 

 シリウスが思っていた以上にエルフィナは強く、男性はエルフィナの事を知っているらしく感嘆の声を上げている。

 エルフィナは短剣を鞘に納めシリウスに手を振りながら戻ろうとしたその時、頭上から巨大な何かが降ってきて土煙を上げながら着地した。

 

「!?危ない!」

「!!がぁ!?」

 

 遠くから見ていたシリウスからは何かがエルフィナ目掛けて腕らしきものを振るうのが見えたのでシリウスは咄嗟に声を張り上げた。シリウスの警告を聞きギリギリ反応し腕らしきものと胴体の間に左腕を差し込んだが骨が折れる音と共に吹き飛ばされた。

 

「がはぁ!?」

「エルフィナさん!」

 

 木に叩きつけられ血を吐くエルフィナにシリウスは駆け寄った。

 

「ギイイイィィィ!!」

 

 土煙の中から出てきたのはジャイアントスパイダーよりも数倍大きい銀色に輝く蜘蛛の魔物だった。

 

「ぐぅ…!フルメタル、スパイダー…!変異種、なんて、はぁ…聞いてな、いわよ…!?」

「変異種…!」

 

 変異種とは通常種が魔力の濃い場所、魔力溜まりと呼ばれる場所に長時間留まって突然変異を起こした魔物の事だ。今回で言えば通常種がジャイアントスパイダーで、変異種がこの全身が鋼でできているフルメタルスパイダーだ。

 

「ぐぅ…!?左腕と、あばらが二、三本、逝った、わね…!」

「しっかりしてください!ほら、立って!」

 

 エルフィナに肩を貸しながらシリウスは残っている土煙に隠れながら何とか木の陰に隠れた。シリウスが様子を窺うとフルメタルスパイダーはシリウス達を見失ってるらしく目をキョロキョロさせながら探しているようだ。

 

「ヤバいな…」

「どどど、どうするんだ…!?このままは見つかる…!い、嫌だ…!死にたくない…!」

「私だって死にたくない。いいから黙ってろ(くっそ、どうする…!?エルフィナさんがこんなになるほどの強敵だ。多分一人じゃ勝てんな…いや、勝つ必要は無いか。逃げ切ったら私達の勝ちだ。だが、そのためには多少なりとも足止めしないと。フルメタルスパイダー…身体が金属でできてるのか。雷で感電する、かなぁ…してほしいが、希望的観測だよなぁ…なら、セオリー通りに目を狙うか。動きはあの大きさの割には速いな。足を止める事ができたら…手はあるが、効くか?一瞬は止まるだろうけど…あの大きさだしなぁ…取りあえずここから引き剝がさないとな)」

 

 シリウスはエルフィナを介抱しながら覚悟を決めて立ち上がろうとした。

 

「し、シリウス、ちゃん…だ、だめ…に、にげて…!」

「大丈夫ですよ。逃げるだけなら何とかなりますから。すみませんがポラリス達をお願いしますね。ポラリス、アトリア、スピカ、ママはちょっと行ってくるから

いい子で待っててね」

「ま~」

「ままー」

「…ぇ…ぁ、ぅ…」

 

 木に寄り掛かって座り込んで痛みに耐えているエルフィナの近くにポラリス達を置いて、シリウスは剣と小剣を抜いてフルメタルスパイダーに立ち向かおうとした。

 

「ぐぅ…!うご、け…動け…!今、動かないと…!また、私は…!」

 

 痛みに苦しみながらも何とか動こうと藻掻くエルフィナの脳裏にはある光景が思い出されていた。

 燃える村。

 転がる遺体。

 そして、首だけの男性と子供の―――。

 

「くぅ…あああぁぁぁ!!」

 

 目を見開いて痛みで満足に動かない身体を気迫だけで動かし立ち上がった。腰のポーチから割れていないポーションを呷り、効果が出るのを待たずに木の陰から飛び出して短剣を引き抜き体勢を低くして構えた。

 

「魔戦技!【武装付与】!【剛力】!【神速】!」

 

 武器を魔力で保護及び強化する【武装付与】、膂力を倍増させる【剛力】、瞬動の上位互換の【神速】、三つの魔戦技を重ね掛けしフルメタルスパイダーの前に立った。

 

「ぐうううぅぅぅ…!あああぁぁぁ!!」

「ちょ!?エルフィナさん!?」

 

 怪我で弱った身体に負担の掛かる魔戦技を二つも重ね掛けしているので身体が悲鳴を上げているが、エルフィナは歯を食いしばりながら走り出した、と思った次の瞬間エルフィナの姿が消え、その直後フルメタルスパイダーの前脚の関節が斬られ鮮血が飛び散った。

 

「ギィ!?ギギギ!」

 

 フルメタルスパイダーは痛みで下がるが、すぐに周囲を見回して警戒し出した。しかしエルフィナの姿は全く見えず、それどころか他の脚の関節も斬られ続けた。

 

「ギィ!?ギィ!?ギギギ!?ギギュ!?」

 

 全ての脚の関節を斬られ堪らずその場に倒れたフルメタルスパイダーの目に映ったのは短剣を構えて突っ込んでくるエルフィナだった。

 

「ギイイイィィィ!?」

 

 目に短剣を深々と突き立てられ余りの痛みで悲鳴を上げるフルメタルスパイダーだがエルフィナは止まらなかった。

 

「あああぁぁぁ!!」

 

 突き刺した短剣から手を離して予備の短剣を他の目に突き刺した。更なる痛みに悶え苦しむフルメタルスパイダーの身体を蹴って一度距離を取ったエルフィナは、助走を十分に取ってから再びフルメタルスパイダーに突進した。両腕の篭手から剣が飛び出て、それをフルメタルスパイダーの腹部に深く突き刺した。

 

「ギイイイィィィ!?ギイイイィィィ!?」

「あああぁぁぁ!!」

 

 口から血を吐きながら苦しむフルメタルスパイダーに構わずエルフィナはさらに深く剣を突き刺している。後が無いのはエルフィナも同じで身体はとうに限界を超えており今は気力だけで動いているだけだった。エルフィナも血を吐き身体が訴えてくる激痛に苦しみながらも剣を突き立てている。

 だが先に限界を迎えたのはエルフィナだった。

 

「ごふっ…!?」

 

 魔戦技の効果時間が切れた所為で身体から力が抜け血を吐きながら糸が切れた人形のように地面に倒れた。

 

「エルフィナさん!」

 

 シリウスが未だ生きているフルメタルスパイダーに構わずエルフィナに駆け寄った。フルメタルスパイダーは全身を斬られまくり、目を半分も潰され、腹部を深く突き刺されて瀕死の状態だったが、やがて目から光が消えて完全に息絶えた。

 不意に遭遇した上位個体との戦闘は辛くも勝利を収めた。

 

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