向日葵のフレア   作:Aa_おにぎり

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#20

作戦が始まり、富士プライマリピラー攻略作戦が始まった。

無数の英霊機やシールド隊が離陸し、富士へと向かう。

 

「各部隊、展開完了。司令」

 

本庄の報告を聞き、一旦息を整えた里見は指示を出す。

 

「ふぅ……第二次ラグナロク作戦を開始する」

 

その命令と同時にグランドスラムを積んだランカスターから地中貫通爆弾が放り投げられ、富士ピラーの外郭に巨大なダメージを与えていた。

 

「始まったね」

 

そしてその爆発はタイフォンの中で待機中のクラウディア達も聞いていた。この場に、陽奈と橘花の姿はなかった。

 

「前回と同様、爆撃からだな。作戦通りだ」

「でも…ワルキューレの数は前よりずっと少ないよね」

「ああ、ずっと少ない」

 

そこで駒込はそうなったわけを話す。

 

「富士ピラーが攻撃されれば、各国のピラーが一斉に活性化する。前はそれで大きな損害を出したからな」

「結果、各国のワルキューレは自国の防衛に当たり、この攻撃は国内の戦力が大半。そして、私達は温存の身だ」

 

その瞬間、近くで爆発音が聞こえた。

 

「ミコちゃん、気持ちは分かるけど……」

「わかってる、うちらは切り札。でしょ?アズが考えた作戦だもん。頭っからつま先までアズを信じている」

 

そう言うと、駒込やや恥ずかしそうにし、園香はそれをみて微笑んだ。

 

「いつもの空気」

「気負いすぎて居ないのもいいことだ。あとは……」

「どこまでうち達を、エースを温存できるかだ」

 

そう言うと、駒込は無線機を入れる。

 

「陽奈、そっちの状況は?」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

駒込や陽奈が激論を繰り広げて考えた作戦はこうだ。

まず初めに、前回のデータをもとに敵の防衛網を考えて四つのポイントを作成した。そこまで戦術姫隊の温存を考えていた。

最低の第一、できれば第二、出来過ぎの第三、そして奇跡の第四ポイント。しかし、第三ポイントまで行ければ御の字であると推測していた。

 

そして各方面から接敵の連絡を受けていた。

 

「901戦闘隊交戦中!」

「タイプC、砲台型。以前海ほたるで確認されたセカンダリ」

「再生怪人の出番じゃないっての!!」

 

そう言い、以前の対策案を持ち出して攻撃を仕掛け、効率的に敵を殲滅していた。

 

「セカンダリ無力化!第一ポイント、通過します!」

「まだだ、こんなもんじゃないだろう。オーディン」

 

司令室で攻撃の甘さに里見は未だ真剣な顔を崩さなかった。

 

 

 

 

 

富士ピラー内部。ヴァンドランデの近くで座ってオーディンはその戦いを観戦していた。

 

「あのスウェイズを残して居たとは……食えない連中だ」

 

そして次々と流れる映像を見てオーディンは余裕ぶって呟く。

 

「クラウディアがいない?温存策とは思い切ったもんだ。……これも彼女の入れ知恵か?」

 

次々と現れる映像を見てオーディンは思わず顔を顰める。

 

「私の娘を懐柔しようとした盗人が……」

 

映像を回し、その者の顔を思い浮かべて思わず座って居た椅子を叩き割りそうになった。

 

「だが、いつまで耐えれるのか……」

 

その者をこの場に引き摺り出すためには、やはり殺すしかない。

 

 

 

 

 

「うりゃぁぁぁあああっ!!」

 

一二.七ミリ六門の機関銃が火を吹いてターシャリを倒していく。

 

「作戦第三ポイントを到達!」

「敵戦力、なおも増加中!!」

 

レーダーに映るセカンダリの数は増える一方。確実に敵の防御力は上がる一方だった。

 

「くるみ!聞こえたでしょう?!第三ポイント、ここまでやれば……」

『まだだよ、萌ちゃん』

 

視線の先にはまだもやセカンダリの姿があった。

 

「あれを越えれば、第四ポイント」

『最低の第一、できれば第二、出来過ぎの第三。その先…』

「奇跡の第四ポイント」

 

その瞬間、ジェット機の音と共にF-4に搭乗するあの老人パイロットが聞いてくる。

 

「値千金のチャンスだが、そんなことがあると思うか?」

『十万が一ってこともあるかもしれんだろ』

 

そんな陽気に話す間も、鈴原が確認をする。

 

「データはある。武装、最低限。人類の勝利には、奇跡が必要……」

 

様々な案を模索した結果、石動は決断した。

 

「指示します!お付き合いお願いします!」

『『『良し来たぁ!!』』』

 

待ってましたと言わんばかりに彼らはF-4を走らせる。そして彼らは老体に鞭を打つかの如くきつい旋回軌道を行い、ターシャリを倒していく。

そして、鈴原と石動のペアはシールド隊と協力してセカンダリピラーを一体撃破した。

 

「倒した……?」

 

そう思ったのも束の間、前から飛んできた攻撃で一機のF-4が撃ち落とされた。

 

「そんな……」

 

しかしそうも言って居られなかった。前に館山で発生したあのモスキート音を発するピラーが現れたのだ。

 

「怖い怖い怖い……!!」

 

する鈴原に無線が入る。

 

『『『俺たちに任せな!!』』』

「え?」「ふぇっ?!」

 

その瞬間、スモークを焚きながら三機のF-15Jが現れる。そしてその陰から複数の戦闘機が現れた。

 

「あれは!!」

 

そして煙幕の影からクラウディア達が現れ、鈴原達の下を飛んでゆく。

 

「お前ら……館山の戦術姫隊か!!」

 

それに応えるのは三馬鹿トリオだ。

 

「そうとも!俺たちのアイドル!」

「うちの子達は一味違うぜ!」

「俺たちがどんなふしだらなことを考えて居ても許してくれる。広い心の持ち主なのだ!」

 

するとすかさず駒込がツッコミをかけた。

 

「軽蔑はするからな!!」

 

しかし、そんなツッコミも目の前の敵で一気にかき消された。

 

「第四ポイントは、最善の最善だ」

「そのための犠牲も大きい」

「みんなのために、頑張らないと」

「まずはあれだね。私たちのチームプレイを見せてやろう!」

 

そう言い、目の前の四体いるピラーを駒込に合わせて一斉に攻撃を行い、最も簡単に倒していた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

その頃、外の司令室では通信員が不思議な報告をあげた。

 

「司令、900戦闘隊から入電。見たことない英霊機がいるそうです」

「「「「え?」」」」

 

その報告にまず御厨が聞き返す。

 

「例のスヴァルトワルキューレじゃないの?」

「違います。なんでも深緑色の胴体で日の丸が描かれていたと……」

「……」

 

すると今度は別の方から連絡が入った。

 

「司令!」

「なんだ?」

「中にいるワルキューレからです。基地で見かけなかった機体がいると……そしてその機体に助けられたとも」

 

どう言うことだと困惑する司令所で里見はその報告官に聞く。

 

「……他には?」

「はい、機体は零式艦上戦闘機。カラーリングは深緑に大きな日の丸。……旧日本軍の塗装と全く同じです」

「……」

 

この予想外の事態に司令部は混乱していた。しかし、里見はそこで推測を言う。

 

「それはつまり……どこかの誰かがこの戦いに混ざっていると言うことか?」

「そこまでは……」

 

再び司令所は沈黙に包まれる。新たに現れたその敵は旧日本軍と全く同じカラーリングをしており、ワルキューレを助けた。

 

「まだ詳しい情報が入っていない。ただ、注意喚起だけはしておけ」

「は、はいっ!」

 

敵か味方か分からない上に、まだ報告が少ない。たまたまかも知れない事を考えて里見は事を慎重に運んでいた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『全員、聞こえているか?』

 

その無線は戦域を飛ぶ全ての航空機につながる。その無線に誰もが会話を中断した。

 

『司令部より通達。現在その空域に不明機が飛んでいる可能性あり。

機体のカラーリングは深緑色に、胴体に赤い日の丸が描かれているそうだ。見つけ次第報告してくれ』

 

そこで無線が切れ、ちょうど司令部に話しかけようとしていたクラウディア達は首を傾げた。

 

「不明機?」

「ワルキューレとピラー以外に誰がいるってことか?」

「分からない。だがそれよりも……」

 

クラウディアはそこで無線を繋げた。

 

「司令部」

『はい、こちら司令部』

 

里見の返事を聞き、クラウディアは報告する。

 

「司令部、陽奈の機体が見当たらない。そちらで確認できるか?」

『了解、すぐに調べる』

 

そして少し間を開けて返事が帰ってくる。

 

『こちら司令部、陽奈の機体はレーダーに映っていない。司令部のレーダーも若干映りにくくなっている』

「……そうか」

 

報告を聞き、クラウディア達の間に一瞬緊張が走った。

 

 

 

 

 

きっかけはあのチンアナゴピラーを倒した直後のことだ。

本来、シールド隊を率いて飛んでいたはずの橘花の姿がどこにもなく、駒込がシールド隊に聞いていた。

 

「おい、あのぐうたらはどこだ?」

 

そんな駒込の問いにシールド隊の三人は口々に答える。

 

『姉御ですか?』

『あれ?』

『さっきまでいたよな?』

 

彼らは馬鹿だから正直に答える。だから彼らの首の傾げ方は本物。だからこそ……

 

「あの馬鹿!どこに行きやがった?!」

『す、すいません!』

『姉御を見失いました』

『姉御!どこですか!』

 

咄嗟に無線で呼びかけるも応答なし、ひたすらザーッという音が聞こえるだけだった。

 

「おい……おいおいおい!嘘だろ?!」

「落ち着け!アノニューム!」

 

無線でクラウディアが怒鳴る。姿が見当たらず、無線も繋がらない。そして司令部に聞いてもこの状況。

 

この状態で考えられるのは一つしかなかった。

 

「し、しかし……」

「まだ生きているよ。だって陽奈だもん」

 

動揺しかける駒込に宮古が言う。

 

「陽奈は生きている。絶対にね、みんなも知っているでしょう?陽奈の運の良さは」

 

そんな宮古の意見に一瞬全員が沈黙する。

 

「……そうだな」

「そうだね。陽奈さんは強いもの」

 

まず初めにクラウディアと園子が、

 

『そうだぜ!』

『姉御の生命力は!』

『世界一いぃぃぃいいい!!』

 

そして三馬鹿が答える。それは今までの実績があったからこそ言える話だ。それだけ、彼女は強い。

 

「だからきっと、誰かの救援にまわっているだけだよ」

 

宮古はそう言う。確かに、陽奈の機体は元々支援用に改造を加えており、今回の装備も支援用の機関銃ばかり搭載していた。

 

「……そうだな」

 

彼女は生きている、そうに違いない。皆の話を聞き、駒込は自分を奮い立たせた。

 

「さて、いくぞ。とっとと作戦を終わらせて、あの馬鹿を探すぞ」

『『『『『了解!』』』』』

 

すると一気に編隊は進む。

 

『いくぜいくぜいくぜ!』

『遅れるな!』

『女の子だけ先行かせるなよ!』

『ここで活躍したやつは、ご褒美がもらえるってよ!』

 

カッコつけるのが下手な三人組に笑いながら全身を続けると、そこで異変が起こった。

 

「っ!!司令部!トールが起きる!」

 

その瞬間、トールのいる柱や周辺からピラーが多発していた。

 

「さぁ、前回と同じ物量作戦だ。これをどう凌ぐ?」

 

トールはどこか楽しんでいる様子で起き上がる自らの軍隊を見ていた。

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