向日葵のフレア   作:Aa_おにぎり

6 / 30
伝説の第四話じゃあ!!


#6

その日、突如館山に現れたピラー迎撃に出た。しかし……

 

「発射!」

 

バルカン砲の射撃と機体下部に取り付けたロケット弾ポッドからハイドラ70が発射されて撃破するも、新たなピラーが発生する。

 

「くそっ、ポンポン湧いてきやがる。モグラ叩きじゃねえんだぞ……」

『燃料もそう長くは持たないよぉ〜!』

『どうします?このままだと街に被害が……』

 

無線の奥。クラウディアは指示を出す。

 

『全機、遅滞戦術で接近中のピラーを街に接近させるな!』

「『『『了解!』』』」

 

現段階でできる事はそれしかない。しかし、彼らはどうやって増幅しているのか……。向こうのレーザーを避けながら考えていると無線には混乱する声が広がっていた。

 

『アズアズ!何か無い?!』

『うっさい!無線が乱れているせいで二倍うるさい!』ドゴォォンッ!!『しまった!!』

「何してんだ!!」

 

接近して状況を確認すると主翼の先端部が切り落とされたように抉れており、さっきの鈍い動きからもおそらく……。

 

「この馬鹿!また徹夜しやがって!!」

『うっさい!とにかく不時着する』

 

こいつ、自分の事を棚に上げやがって……ってか、そっちは枯渇現象が起こっているはずでは?

ピラー自体の攻撃は軽いので余裕で交わしながら観察していると、案の定倒れた。オーディンの加護があるから枯渇現象下でも一般人より長い時間活動できるが、ありゃ体調不良が原因だな。

 

「司令部、不眠馬鹿が倒れた。救助する」

『アズズ倒れたの?!早く助けにいって!!』

『枯渇現象で倒れたのか?だとすれば体調不良か?』

『アズちゃん徹夜したんだね……』

 

クラウディア以外の面々は慣れた様子で答える。普段の行いやぞ。

 

「整備班、機体の回収を頼む。私は駒込を近くのキャンプに引っ張る」

『了解です』

「アンタ達も基地に戻って。補給を受けなさい」

『『『了解』』』

 

ピラーの攻撃範囲に館山基地が入っていない現状、補給を揃えれば何とかなる。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ったく、体弱いのに無理するから……」

「……うっさい」

 

おや、目覚めた様だ。今、宮古達はキャンプで配っているカレーを取りに行ってもらっている。その間、キャンプの簡易ベッドの上で駒込に陽奈は静かに叱りつける。

 

「駒込、お前がそう焦っている理由も理解できる。だが、元より弱い体に酷使をした結果がこれだ」

「うぐ……」

 

駒込を見下ろす様に腕を組んで陽奈は叱る。

 

「耳かっぽじってよく聞きなさい。今回はたまたま主翼を掠めただけだったけど、胴体を真っ二つにされていたらどうする気だった?」

「っ!!」

「本来、アンタはこんな前線には出られない様な腕前だ。それでも、お上の意向で今は館山にいる」

「……」

 

ただの事実の羅列だが、駒込は何故か言い返せない。いや、事実であるからこそ反論の余地もなかった。

 

「お前はいつも自分の頭脳を無駄にしたくないだのと言う理由で寝る時間を削っているが、それが原因で戦闘中に死んだらどう責任を取るつもりだ?」

「しかし……」

「しかし?寝不足でまともに戦えなくなるのであれば論外だ」

 

ピシャリと陽奈は的確に駒込の弱いところを指摘し、彼女は軽く歯噛みした。

 

「目覚めたなら軽くマッサージするぞ。少しは眠気もとれるはずだ」

 

そう言うと、駒込は明らかに動揺し顔を青ざめ、逃げ出そうとする。しかし、彼女の疲労の溜まった体は思う様に動かなかった。

 

「っ!?や、やめろ!!それだけは……!!」

「やられたくなきゃしっかり寝とけば良かったんだよ」

 

そう言うと陽奈は親指を立てるとそのままじわりじわりと顔を青ざめる駒込に近づいた。

 

「や、やめろ……やめてください……!!」

 

そして……

 

「ぎゃぁぁあああああああっ!?!?」

 

テントに駒込の悲鳴が轟いた。

 

 

 

 

 

「うぅ……」ピクピク

 

体を小刻みに震わせ、至る所から煙が上がっているのが見えてきそうな間抜けな姿の駒込。その横で軽く手を叩いて手についた埃を払い落している陽奈。それだけで彼女を知っている者からすれば御愁傷様ものであった。

 

「あーあー、やられちゃったか……」

「仕方ないですよ。寝不足を一時的に回復させる為にはこれが一番良いですから」

「さっきの悲鳴が?」

「はい」

 

その手に大量のカレーとおにぎりを抱えて戻ってきた宮古達はその惨状に各々反応する。

 

「多分、アズちゃんを叱った後に地獄のマッサージをしたんでしょう」

「大当たり」

 

そう言うと、震えている様子の駒込を肩に担ぐとそのままテントを出た。

 

 

 

テントを出て、近くのベンチに座って五人は食事をとる。

 

「ほら食え。この後も作戦は続くんだ」

「っ!分かっている」

「残さず食えよ」

「お前は私の母親か!!」

 

横で喚く駒込を見て宮古達も同じ事を思った。

 

「でも好き嫌いばかりあると大変だよ?」

「そうそう、美味しいものもいっぱいあるしね!」

「うるさい!」

 

意地っ張りになってカレーを食べる駒込に、夢中でおにぎりを平らげているクラウディアはそんな駒込を見ながらやや首を傾げて言う。

 

「こんなにもハム上手いのに…ハムアノニュームはハムカレーが嫌いハムなのか?」

「違うし!」

 

クラウ、食べながら話すのはやめようね?

そんな言葉がでかかったところで陽奈もカレーを食べ終える。

 

「これからどうしようか……」

 

取り敢えず戦闘が終われば基地のベットに駒込を押し込もうと考えていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「かと思えば今度は館山城にピラーですかい……」

「相変わらずフラグ建築が得意ですね。アズちゃん」

「私は関係ないだろう!?」

 

遠くに映るピラーを確認しながら駒込が叫ぶ。しかし……

 

「基地までの直線距離が使えないとはな……」

「だが、あのピラーの弱点も分かった」

 

きっかけは子供達の撮った動画にあった。彼らはモスキート音を介して連絡を行っており、撃破する度に地脈を通じて上がってきていたのだ。

モスキート音は歳をとると聞こえない音だ。その為、基地要員のほぼ全員が聞こえなかったわけで……。

里見司令に睨まれて本庄さんは顔を真っ赤にしていた……南無三。

 

「兎も角、あの館山城に張り付いたピラーのせいでうちらは直接基地に戻れないと来た」

「どうすればいいの?」

「強行突破は無理だな」

「そうだな」

「何処か周り道を探すしか……」

 

ピラーの活動再開時刻までおよそ九〇分。それまでに基地に帰還すれば……。

 

「「「話は聞かせて貰ったぁっ!!」」」

 

雄叫びにも似た声が響き、後ろを振り向くとそこにはあの三馬鹿が腕を組んで立っていた。あんたら何でこっちにいるんだ?

 

「城に生えた謎ピラー!!」

「ちょいと通して下さんし!!」

「ご用意がなくても通させる!!」

「「「押したらダメでも押し通す!!通してくれよう戦乙女!ニィ!!」」」

 

もはや暑苦しいレベルだ。おまけに人の目もよく引く。正直他人にフリをしていたい。と言うか、あの三馬鹿を見ていると思い出してしまうな……。

 

「そんな都合の良い方法があるなら……」

「「「あるよぉ!!」」」

「ハァ!?」

 

三馬鹿の言葉に驚く。

 

「あるの?」

「「「あるよぉ!!」」」

 

本当なのか?しかし、嘘はついていなさそうだ。ってか、地味に某警察ドラマの行きつけ店の店主やめぇや。

 

「クラウちゃん達にも頑張って貰う必要が、あるよぉ!!」

「「「ニィ!!」」」

 

怖ぇ、こいつらやばいよ。

 

「もちのろん!!私達が頑張るのは当然!!」

「流石、俺達のミコちゃん!!それでこそだぁ!」

「「「ニィ!!」」」

 

宮古、お前まで乗るな乗るな。あぁ、もうおしまいだぁ……。

 

「でも、どうやって?」

「それは……」

「「「簡単だぁ!!」」」

 

今日はやけにあんたらハモってんな。どうした?何か変な食いもん食ったか?

 

「簡単!?」

「「「俺達を基地へ!!誘ってくれるもの!!それは……!!」」」

 

すると三馬鹿は空に飛び、地面に着地するとそのまま着ていた服を脱いで褌一丁となった。

 

「それは……海!!」

「とりあえず…海!!」

「何がなくとも海!!」

 

海海うるさいぞ馬鹿ども!このままだとお前らただの変態だぞ。

 

「「「パパンが、パン!」」」

 

尻を叩くな尻を。

 

「「「俺たちの海!」」」

「五月蝿ぇぞ!変態ども!!」

 

真っ先に陽奈は怒鳴る。その三馬鹿を見てクラウディアは思わず口にする。

 

「これが日本人か……」

 

違う、断じて違うぞクラウディア……。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

彼らは移動し、港に向かった。

 

「敵ピラーが再活動するまでの間に英霊機を飛ばす!その為には!!」

「我々のいるこの大房岬から索敵圏外の海を通り……」

「高周波が届かない地下ルート使ってなんやかんやで戦乙女を……」

 

それぞれどっかの戦隊ものかボディービルの体系を取りながら言う。

 

「「「基地へ送る!!」」」

「なんやかんや……?」

 

そして三馬鹿は尻を数回叩く。

 

「「「じゃあ、何か質問は?」」」

「ひとまず、何で褌?」

 

その問い三馬鹿は尻をまた叩く。しつこいぞ!!あんたら!!

 

「それは……」

「まず……」

「日本人は……」

 

パチンパチンパチン!!

 

「「「形から入るからさぁ!!」」」

「じゃあ……なんでうち達まで水着なんだよ!?」

 

そう言い、駒込は何故か着替えた水着姿で突っ込む。

 

「「「パンパンパパパン!パパパン!パンパンパン!!」」」

「早かったんでもういっちょ!よぉ~!!」

「「「パンパンパン!パパパンパン!パンパンパン!パパパンパン!パンパンパン!パパパンパン!パンパンパン!パンッ!!」」」

『皆、すっごく可愛いわよぉ!!』

「やっぱし……!!」

「「「海は水着じゃ~ん!!水着じゃ~ん、水着じゃ~ん、水着じゃ~ん……ビィッ!!」」」

「「「ビィ!!」」」

 

こいつらどっから太鼓持ち出してきやがった。ってか男多すぎ!汗臭ぇ!

 

「うわぁ男臭~い!!臭~い……」

「お前ら近寄るな!臭い!!」

 

褌姿の隊員達(馬鹿ども)が集まり、おしくらまんじゅう状態になった。

 

「お前ら……!」

「隠密作戦だぞ!」

「くれぐれも……

 

 

 

 

 

目立たないよう細心の注意をなぁ?」

 

そう言い、三馬鹿は船首に立って格好つけていた。民間人から借りた漁船で何してんだこの馬鹿どもは……。

 

 

 

「隠密なら、船首に立つな旗を出すな大人数で叫ぶな!!」

 

 

 

よく噛まずに言えたな自分。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。