向日葵のフレア   作:Aa_おにぎり

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#7

「あぁ〜……これまでにない酷い船旅だ」

 

漁船は迂回ルートを移動し、岩礁に到着する。

 

「アズ、大丈夫か?」

「あ、あぁ……」

 

今にも吐きそうな彼女。無理もないあんなむさ苦しい空間にいたら気持ち悪くもなる。二度と乗りたくない船だ。

そして駒込の手を取り、先に移動したクラウ達の後を追うとそこには岩礁に隠れる様に作られた空間があった。

 

「こんな所から地下へ?」

「そうだぁ!、だが、安心したまえ!中は意外と快適だ!」

「リゾート気分をお約束するぜぇ!」

「いつかクラウちゃん達をエスコートするために気合いを入れて作ったんだぜぇ!!」

 

そう言うと三馬鹿はケツドラムを叩き、その音が反響する。

てかリゾートって、お前ら地下帝国でも作る気かよ。帝愛じゃねえんだぞ……。

 

しかしそこでふと陽奈は思う。

 

「そう言えばお前ら……」

「何でしょう姉御?」

 

そこで陽奈はその場が凍りつく質問をした。

 

 

 

「どうやってうちらの三サイズを見た?」

 

 

 

やけにピッタリな水着を見ながらそう問いかけた。その問いにグラサンが正直に答えた。

 

「簡単だ!俺たちは毎日姉御達を見ている。三サイズを目測する事なんて簡単なのだあぁぁああああっ!?」

 

正直に答えたグラサンに陽奈の横蹴りが飛ぶ。そしてそのまま陽奈は顔をすこし赤くしてグラサンにタイキックを喰らわす。恥ずかしさよりも怒りの方の赤さだった。

 

「あおんっ!?」

「この馬鹿野郎がぁ!!変態がぁ!!何晒しとんじゃぁああっ!!」

 

そしてそのまま陽奈に踏みつけられる様を見て周囲の人間は羨ましそうにしていた。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

少しして気が済んだ陽奈はややボロボロになったグラサンをまるで犬の糞を見る様な目をしていた。

すると今度はロン毛が言う。

 

「ここより先はピラーの勢力圏に入る!皆、衰弱に警戒を!!」

「「ビィ!!」」

 

お前ら、ついに知能まで猿以下とかしたか!?

 

「お前ら、クラウちゃん言うことをよく聞くんだぜ!!」

「俺達のミコちゃんもなぁ!!」

「うん!勿論!!」

 

このままで本当に基地まで辿り着くのだろうか……?

 

「安心してくれ。俺達は今、活力にわいている!!」

 

そう言い自慢げに筋肉を見せる馬鹿ども。嫌な予感しかしねぇ……。

 

 

 

 

 

進んだ先は所々脆く、すでに何人かの隊員が落下していた。

 

「さぁ姉御、私を踏んでください!」

「するか馬鹿!」

バキッ「あっ…」

 

先ほど自ら橋になろうとした隊員が水に落下する。いや、そもそも跨げる距離だし踏まねえし。

 

「これは……随分と大胆なデートコースだな……」

「どっちかって言うとマッドマックスだよ!!」

 

クラウの呟きに陽奈は突っ込む。

 

「吊り橋効果も期待大だぜ!」

「おう、そのまま落下するがな」

「可笑しい、こんな過酷じゃなはずなんだが……」

 

もはや突っ込み担当になっている気がする現状。っておい最後!ロン毛!どうなってんだよ!!製作者!!

 

「しかし、これもピラーの影響か……」

 

しれっと戻っているが、さっきこいつ落ちていなかったか?あの高さからどうやって戻った?

 

「取り敢えずリベンジだ。この先には……あっ」

 

また足場が崩れ、イケメソは落下していく。

 

「イケメソ!イケメソォォォォォ!!」

 

隊員他が叫ぶが、あいつなら大丈夫だろ。ソンビみたいに蘇っているし。そんな中、園香ふと呟く。

 

「どうせなら万人橋でも作って基地まで繋げばいいのに……」

「「「「それだ!!」」」」

「それだじゃない!!」

 

ってか誰だ!園香に男塾読ませたやつは!!ってか、園香地味に体格良いなおい。

そして馬鹿ども、もうケツドラムすんな!クラウディアと宮古が真似し出したぞ。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「「「イケメソ~!!」」

「無茶するなぁ!!」

「美味しいことするなぁ!」

 

そして予想通り、さっきのイケメソは崖の間で橋となって待っていた。それを見て文句を言う野獣ども。

 

「さぁ!勇気を持って来てくれ!!」

「あ、じゃあ……」

 

意を決して園香はイケメソを踏む。

 

「あぁっ!!」

「イケメソー!!」

 

そして踏まれたイケメソはそのまま幸せな顔で落下していき。頼む、どうか成仏してクレメンス……。

 

「ちくしょお……!!」

「「「俺も!!」」」

 

もはやカオスと呼ぶにふさわしい状況がそこにはあった。

 

 

 

 

 

そして順路も終盤に差し掛かり、そして前の四人が進み最後に陽奈だけが反対側に残る。この距離では飛び越えられないと思っているのだろう。万人橋を作り、野獣どもは踏まれる事を望んでいた。

 

「どうかな?」

 

少し後ろを確認し、陽奈は軽く助走をつける。そしてそのまま岸を踏みつけて飛んだ。岸には足跡が残り、おおよそ人とは思えぬ跳躍をしていた。

 

「なっ……!?」

「おぉ!!」

 

この距離を飛び越える事に驚くグラサン達。そしてそのまま反対側に着地すると陽奈は余裕げに振り返る。

 

「残念だったねぇ君たち。踏まれたいならもうちょっと長い距離を用意しなきゃ」

「「「「くっそぉぉお!!」」」」

 

その顔はさぞ悔しがっていた。それこそ口の中から鉄の味がしそうなほど歯を食いしばっていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

万人橋を越え、次に見えた景色はウォータースライダーだった。なるほど、三馬鹿が話していたのはこいつに事だったか。

 

「これで基地まで一直線だね!」

「このための水着ですか!」

 

違う、そうじゃない。宮古達よ、この馬鹿どもがそんな思いでこの水着を作ったと思うかい?

 

「じゃあおっ先〜!」

「あっ!ちょっと!!」

 

宮古やクラウ達が先に進み、最後に残るは駒込と陽奈。スライダーに怯える駒込に陽奈は後ろから支える。

 

「っ!?」

「はいはい、落ち着いてね」

 

そう言い駒込に姿勢を取らせ、そのまま一緒に滑る。その様子を見てグラサン達は思う。

 

「ああ言うおせっかいなところが姉御だな」

「あぁ、ごもっとも」

 

どことなく宮古とも違う母性を感じる。まるで経験したかの様な母性を……。

滑り終え、その様子を見ていた宮古から言われる。

 

「すごいね陽奈。本当にお母さんみたい!」

「誰がこいつを母親だって!?」

「はいはい、落ち着いて」

「落ち着けるか!!」

 

興奮する駒込を抑え、プールを出て外の扉を静かに開ける。

 

「あれから……」

 

そこには館山城の上にいる紫のチンアナゴピラーを見た。ぴたりとも動いていない。

 

「いいか、絶対に音を出すなよ」

 

駒込よ、世の中ではそれをフラグというのだ。

 

「へっ…へっ……!!」

 

言った矢先に宮古がくしゃみを仕掛けている。駒込が言うよりも先、反射的に陽奈は宮古の口を押さえていた。

 

「危なかったぁ……」

 

そう思った矢先。

 

「クシュンッ!!」

 

別の場所からくしゃみが聞こえた。したのはクラウディアだ。

 

「あら可愛いくしゃみ……じゃなくてっ!!」

「走れ!!」

 

そして格納庫まで一直線で走り出す。クラウディアのくしゃみに反応してピラーが動く。うわっ、小型ピラーまで出てきやがった!!マズイマズイマズイ!!

 

「おソノ!早く早く!」

「渡来!急いで!!」

「ま、待って……!!」

 

園香は中学生の割には大きい体つきのため走るのが遅い。それが今ではでっかい仇となっていた。

そして彼女の真後ろを小型ピラーが掠めて行った。よりにもよって一番無防備な園香を狙い始めた。

 

「ちっ、やるしか無いか……」

 

陽奈は何か落ちていないかを探す。滑走路などには基本的に不純物を吸い込んでぶっ壊れない様のするためにそう言った小石などは落ちていない。

なので先に格納庫に突っ走り、そこで古いネジを見つける。

 

「ラッキー」

 

ネジを手にし、陽奈はそれを園香の後ろにいるピラーに向かって投げつける。

すると投げたネジはそのまま淡い熱を持ってピラーを一匹撃破する。その隙に……。

 

「園香!」

「え?ふあぁあっ!?」

 

園香を拾い上げて滑走路を走る。すでに格納庫には駒込達が到着し、自分達を見ていた。

 

「走れ走れ走れ!!」

 

火事場の馬鹿力とも言うべき足並みで格納庫に向かって走る。すぐ後ろにはピラーがおり、徐々にその距離は縮まりつつあった。

 

「(まずいな……)」

 

どうするべきかと少し考えた時。

 

ダダダダッ!!

 

発砲音と共にピラーが爆発。銃声のした方を見ると、そこには一機の双発機が飛んでいた。

 

「(ラッキー)」

 

内心運がいいと思いながら陽奈はそのまま格納庫に滑り込む。すると、その双発機を見た園香は一言。

 

「お姉ちゃん……」

「ん?何か言った?」

「何でも…ない……」

 

そう言い、予想外だったが援軍到着にホッとしながら聞く。

 

「班長!準備は!?」

「小僧どもがへばらんうちに済ませた。行ってこい!」

 

今回は耐Gスーツなしでの戦闘、あまり無茶はできないな。軽く整備を終え、エンジンを回転させる。こんな危機的状況でも動ける班長らには感謝だな。

 

『第606戦術姫隊、全機出撃!』

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

『食い込む食い込む食い込む~!!』

『ふざけるなよ、想像する!』

『アズちゃんのエッチ!!』

『ハァ!?』

 

空中戦。それも水着を着た状態でだ。Gが掛かる上に水着がズレると言う無線が公開されたら大惨事な内容だった。

 

『お嫁に行けなくなるぅ〜!!』

 

大丈夫だ。そう言う奴ほど後々気にしない。

すでに双発機はターシャリの処理を行っており、自分たちはピラーの早急な対応をしなければ。

 

「雑魚はうちがやる。あんた達はピラーの破壊を!」

『『『『了解!』』』』

 

そして陽奈はF7Fに近づくと無線を繋げる。

 

「タイガーキャットさん。お手伝いします」

『……あいよ』

 

そして二機は掃射を始めた。F7Fは重装備だ。こう言うターシャリに対しては絶大な破壊力を持っている。

 

 

 

 

 

そして四人同時にピラーを破壊し終え、館山基地に帰還した彼女らはそれぞれの健闘を讃える。

 

「今日もアズの作戦、大成功だねぇ!皆もありがとう!!」

「「「ニィ!」」」

 

ポーズをとって褒められた事に浮き上がる三馬鹿。

 

「流石アズちゃん!俺達の推しメン!!」

「あ~はいはい・・・・・」

 

そしてそんな三馬鹿に言われ、適当にあしらう駒込。すると奥から里見が出てきて言う。

 

「皆~ご苦労さん、今回もしんどかったね~」

 

するとそこでクラウディアが里見に聞いた。

 

「里見司令、あの青い双発機はどこの所属なんだ?」

「それは……本人に直接聞くといい」

 

そう言うと夕焼けの太陽を背にして先ほどのF7Fが着陸する。そして機体から降りてきたのは青髪に赤い目をした女性であった。

 

「あんた達、何て格好で飛んでんだい」

 

開口一番そんな特大ブーメランになる言葉が飛んできた。

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