弾幕は、パワーだぜっ!?   作:霧雨、お前……やれるのか?

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長め。


第10話

「「……」」

 

「右も左も、後ろも前も全部草原!」

 

「きっちり地平線まで草原ね……もう見たくない……」

 

「だなぁ……」

 

「広すぎるよぉー」

 

 ゴブリンだらけ、草原だらけで流石に飽きてくる。もう一時間はゴブリン倒し続けてるぞ。

 

「マリサぁ、その箒に乗せてってよぉー」

 

「この箒、乗れても二人までなのはさっき試してわかったろ」

 

「そこをなんとか」

 

「無理なもんは無理だっての、装備の性質上私は絶対に乗らなきゃだけど、私以上に【AGI】が早い奴いないから結局変わらないぜ」

 

「うぅー」

 

 んーどうしたもんかね……サリーも特別速い訳じゃないからなぁ。まぁ私が装備込みで早過ぎるのもあるが。

 

「【INT】と【AGI】が共に三桁なのがおかしいだけでしょ」

 

「極振りで一個特化のメイプルが四桁だからな? ほとんど二つ特化の私もこれくらいないとやってられないっての」

 

 MPにも振ったことはあるが、【絶対防御】とやらもHPやMPは例外らしいし、私も二個特化みたいなもんだろう。

 

「ね、ねぇ二人とも!」

 

「ん? どうしたんだよ」

 

「何か見つけたの?」

 

「さっき、ゴブリンがいきなり消えたんだけど……」

 

「いきなり消えた? 倒したとかじゃなくてか」

 

「うん」

 

「それってもしかして……マリサ」

 

「……試してみるか、どこら辺で消えたんだ? そいつは」

 

「あの辺りだったよ」

 

「ふむ……【ウィンドカッター】!」

 

 風の刃が大地を……切り裂かなかった。当たりか。代わりにモヤのようなものを切ったな。

 

「運営もいい趣味してるぜ、わざわざこんな広いところにぽつんと隠すなんてな」

 

「多分【蜃気楼】とかの応用なんだろうけど……確かに意地が悪いね」

 

「ねぇねぇ! ここならメダルもありそうだし入ろうよ!」

 

「そうだなぁ、どうするよサリー」

 

「んー……メイプルに従おっか!」

 

「レッツゴー!」

 

 そこからはまぁなんと言うか……ただの洞窟だったなぁ。途中でゴブリンが湧いたり、ちょっと複雑な迷路が続いていただけで……と。

 

『オオオオオオオオッ!』

 

「!」

 

「ボス……かね? 何かの合図でも出したみたいだが……」

 

「二人とも!ゴブリンが集まって来てる!」

 

「みたいだな、ここに来るための通路は二つだし……どうするよ、サリー」

 

「……一つはメイプルに任せる! もう一つは私が……で、マリサは中央で支援をお願い!」

 

「わかった!」

 

「りょーかいだぜ」

 

 撃ち漏らしとかは……まぁ出ないだろう、メイプルはあの【毒竜】で多分一掃するから良いな、主な仕事はサリーの手伝いか。

 

「……ふむ、ちょいちょい大きいのが混ざってると……【フォトンレーザー】!」

 

「グガッ!?」

 

「ナイスマリサ! 【ダブルスラッシュ】! 【疾風斬り】!」

 

「そう言うサリーも……って聞こえてなさそうだな」

 

 ゴブリンの鳴き声やらでうるさそうだ、まぁよく避けるよなぁあいつ……後ろにも目が付いてるって暴露されてもなんら不思議には思わないぜ。

 

「あっちは片付きそうだし、一応メイプルも……うわ」

 

 なにあの毒沼……え、怖……あんなのに触れたら私もサリーもただじゃ済まないぞ。

 

「【リフレッシュ】でもキリがないなありゃ」

 

「メイプルの方も……ってうわっ」

 

「あ! お疲れ二人とも! 【悪食】を使わずに【毒竜】が使えるようになってて良かったー!」

 

 MP強化小のお陰……とか言ってるしサリーがその辺をちゃんと教えたんだろうな、私は大体メイプルの足になってダンジョン攻略とか素材集めに従事してたし。

 

「こりゃまた派手にやったね」

 

「えへへー、さー行こう!多分この先がボス……って二人とも?」

 

「サリー、後ろに乗れよ、危ないし」

 

「ありがと、そうさせてもらうわ」

 

「?」

 

「私らは毒に強耐性とか持ってないから、即死しちまうんだよ」

 

「そう言うこと」

 

「あっ……でも、これって味方同士でも効くの?」

 

「味方の【ファイアボール】は受けても大丈夫だけど、その【ファイアボール】で燃えたものは熱いでしょ? そう言うことになるからさ、よろしくお願いします」

 

「……気をつけるね」

 

 とまあメイプル味方キル未遂事件とかも起きつつ、なんやかんやで……。

 

「ボス部屋到着!」

 

『オオオオッ!』

 

「またこれ……早く倒しちゃお!」

 

 ボスもまたゴブリンだが……おお、フェイントとか仕掛けてくるのか、中々やり手だなあのゴブリン、まあ私には関係なさそうだが……サリーとメイプルがいるし。

 

「【カバームーブ】! 【カバームーブ】! なんか楽しい!」

 

「ちょ、ちょっと怖いー!?」

 

「なにやってんだあいつら……【ウィンドカッター】!」

 

 なんか楽しそうだし……。そのままボスに倒されないでくれよ、サリー。

 

「グオオオッ!」

 

「メイプルっ!」

 

「【カバームーブ】! からの……【悪食】っ!」

 

「グオオオッ!?」

 

 おー聞いてる聞いてる、悪食って防御力貫通なのかねぇ……ま、関係は……あ、メイプル掴まれ……そのままポイ捨てされたな。確か【カバームーブ】ってスキル使用後ダメージ2倍だとかだった筈だが。

 

「大丈夫か……? 【ファイアボール】!」

 

「ゼロの2倍はゼロ!」

 

 無事で何より、装備も壊れて治る……あれか、【破壊成長】……壊れたらああなるのか、勉強になるな。

 

「っと、残り四割……マリサ! 仕掛けるよ!」

 

「あいよ! 【スプラッシュバレット】!」

 

「【超加速】! 【パワーアタック】!」

 

 私の魔法に合わせてサリーが仕掛ける、んで当然ゴブリンはサリーを排除しようとするが……。

 

「甘いっての! 【ストーンバレット】! 【フォトンレーザー】!」

 

「グオオッ!」

 

「【マジックバリア】!」

 

「【ダブルスラッシュ】! 【ウィンドカッター】!」

 

「グ、ルルォ……!?」

 

「【フォトンバレット】!」

 

「【ダブルスラッシュ】!」

 

 流石に私が面倒だと判断したのか、サリーごと私の方に向かって来るが……。

 

「グオオオオオオッ!!」

 

「……良いのかよ、こっちばかりで? 後ろにいるのは私らよりおっかないぜ」

 

「【毒竜】!」

 

 後ろにいたメイプルに残りのHPを全て持っていかれて、消滅……火力えぐいなぁほんと。

 

「メイプルの火力に、私とマリサのコンボでギリギリなのおかしいよね……」

 

「【INT】に寄らない毒ダメがここまで強いとはなぁ」

 

「二人の連撃も凄かったよ!? ボスが何もできてなかったもん!」

 

「そうだね、ナイスサポート、マリサ」

 

「へへ、そっちこそナイスグレイズだったぜ、当たらなくてボスが苛立ってたしな」

 

「ぐれいず?」

 

「かするって意味よ、マリサは時々回避のことグレイズって呼んだりするからさ」

 

「へー……」

 

「で、あの謎挙動は何なの?」

 

「【カバームーブ】のこと? 良いよね! 移動後に攻撃ができるし、私の何より機動力確保ができるし!」

 

「どう判断したら味方を守るスキルを移動兼攻撃に転用するんだよ」

 

「ねー、そんな使い方するのはメイプルだけだと思う」

 

「サリーも凄かったよ! 最後の速いの!」

 

「あれは【超加速】っていうの、マリサも取ってそうだけど……」

 

「あー……それ、多分代わりのスキルとして【流星】にされてるんだと思うぜ、探したけど取れなかったからな」

 

「そう言うことかー……まぁ【流星】って明らかに【超加速】の上位互換みたいな性能してるしね」

 

「まぁな……と、宝箱確認しようぜ、何が入ってるんだ?」

 

 【超加速】と【流星】を重ね掛けしてみたい気もするけどな、操作できるかは別として。

 

「中身は……銀のメダルが三枚と……剣が入ってる?」

 

 

『ゴブリンキングサーベル』

 【STR+75】【損傷加速】

 

 

「【STR】たっかいな……」

 

「でもその代わりに壊れやすいみたい」

 

「しかもこれ、誰も装備できないよね?」

 

「「「……」」」

 

「装備は外れかぁ……」

 

「だな……誰が持っておくか」

 

「マリサで良いんじゃない?」

 

「ん、了解」

 

 これどうするかな、私は【侵食】で【STR】にも補正が掛かってるが……使えないんじゃなぁ。

 

「一旦外に出る?」

 

「そうだね、後ろのあの魔法陣から出られそうだし、さっさと出ちゃいましょ」

 

「んー……悪食はあと……八回かぁ」

 

「日が変わるまでに使えたらお得だな」

 

「そうね、でもまずはこの草原から抜けることを考えないと……」

 

「……そうだったな」

 

 そういや広い草原に放置されてるんだったな私たち……さっさと移動して一旦休憩したいもんだが。

 

 

▼少女移動中…

 

 

「移動したは良いものの……」

 

「ま、マリサっ!? さっきあっちが……」

 

「あ、火の玉がふよふよ浮いてる、可愛いなぁ」

 

「ひぃっ!?」

 

「……おーおーよしよし、怖くないぞー」

 

「うぅ……」

 

 皆の頼れるサリーがくっ付いて動かなくなっちまった。サリーってお化けだけは昔から無理だもんなぁ……。

 

「小屋があって良かったね、ここなら休憩できそう」

 

「お化けがいなきゃ最高だったがな……サリー的に」

 

「あはは……」

 

「窓は見ない窓は見ない窓は見ない……」

 

 サリーが本格的に壊れ始めたな。どうにか雰囲気を変えないと……。

 

「私何も持ってないからなぁこう言う系……」

 

「大丈夫! 私トランプとか持って来たからさ!」

 

「うぇ? おー凄いな、ババ抜きでもするか?」

 

「しようしよう! サリーもやろ!」

 

「う、うん……」

 

 ババ抜き、神経衰弱、けん玉、オセロ、チェス、カルタ……いや持って来すぎだよどんだけ入れてるんだ?

 

「色々持って来たなぁメイプル」

 

「えへへ、三人でこのゲームするのが楽しみ過ぎて……見つけたゲーム全部持って来ちゃったんだよね」

 

「……」

 

「あはは、メイプルらしいね」

 

「サリーも食料いっぱいだね!」

 

「食事は必要ないんだけどね、やっぱりちゃんと食べないと調子上がらないからさー」

 

「修学旅行みたいで、ほんとに楽しいね!」

 

「……にしし、そうだな」

 

 修学旅行みたい、かぁ……それにしちゃ私は何も持って来てないが。なんか申し訳ないことしたな。

 

「……そうだメイプル、一旦休憩したらどうだ?」

 

「え?」

 

「いくらゲームでも、睡眠は気分をリフレッシュさせてくれると思うしさ」

 

「え、でもサリーとマリサは?」

 

「だから交代で、ってことだよ、最初はメイプルとサリー、んで次は……って感じでな」

 

 一応一人が起きとけば、誰かが来てもなんとかなるだろう、このメンバーなら。

 

「うーん……わかった、先に寝てるね」

 

「おう、ほらサリーも」

 

「……わかった」

 

 明かりを消し、二人が横になる。さて……。

 

「……勝ち負け以外、ね」

 

 考える時間が欲しかったからな。色々と……一人でな?

 

「勝ち負けも、間違いじゃ、ない筈」

 

 実際今まではそれで楽しかった筈なんだがな、最近はどうも……なんだろうな、サリーが言うには焦ってるらしいが。

 

「んー……ダメだな、私はどうしたいんだ?」

 

 焦ってるつもりはなかったんだがな。どうにも私の中で何かもどかしい感じがする。なんだこれ。

 

「言ったでしょ、あんたはただ焦ってんのよ」

 

「……起きてたのか」

 

「まぁね、私も丁度話したかったし……」

 

「……私が焦ってるってのは、またどうして」

 

「それは……私とゲームで毎回競い合ったり、協力して他のプレイヤーと競ったりしたからね、それが原因」

 

「?」

 

「わかりやすく言えば……そうね、ゲームをプレイするからには勝つ、って目標が、勝つためにゲームをし始めてるんじゃないのって言ってるの」

 

「……確かに」

 

「昔のマリサなら、私に勝つためにー、って先にプレイしたり、影響を与えたりー、なんて考えずにメイプルと一緒に初めてたと思うし」

 

「……」

 

「確かに勝ったら楽しいけどさ……私だってゲーマーだし、その気持ちはわかるけど……昔みたいにワイワイやりたいとも思うよ……私は」

 

「……おう」

 

「最近は明確に私を避けてたしね、それもそう言うことでしょ?」

 

「うぐ」

 

「……私だって、避けられたら嫌なんだからね?」

 

「……すまん」

 

「ん、よろしい……で、ご自分の気持ちを理解したご感想は?」

 

「うぇ? んー……あれだな、モヤっとしてたのが晴れた気分」

 

「その割にはまだ納得いってなさそうだけど」

 

「勘弁してくれだぜ、避けてたのは謝ったし、許してくれただろ?」

 

「ふふ、やっぱり嫌かな、許して欲しかったら……」

 

「欲しかったら……?」

 

『ァアァ……アァ……』

 

「っっ!?」

 

「!? あだっ!?」

 

 いきなり突撃してくるなよサリー! 頭痛い……。

 

「あたた……ダメージ受けてないよな……?」

 

「て、テーブルに出たっ!? 出たー!?」

 

「えぇ……締まらないなぁ……おーいメイプル、一旦起きろー?」

 

「むにゃむにゃ……ぅん? おはよー二人とも……」

 

 

▼少女調査中…

 

 

「地下通路か」

 

「この下に何かいるっぽいねー」

 

「だな、二人で行って来るから、サリーは……」

 

「わ、私も行く……二人じゃ倒せない敵がいるかもだし」

 

「へ? 大丈夫?」

 

「いや、別に二人で」

 

「良いから私も行く!」

 

「お、おう……メイプル、前頼めるか?」

 

「大丈夫! 前は任せなさーい!」

 

 そうして、メイプル、私、サリーの順番で地下を探索してみると……。

 

「痛い……痛い……」

 

「苦しんでる人がいるね」

 

「んー何か既視感……?」

 

「ねぇ、痛がってるし治してあげられない?」

 

「おお、私【ヒール】持ってるし治してみるか」

 

「わ、私も……」

 

 と言うことで二人でヒールを掛け続けてみる。めちゃくちゃいるなこれ……ってそうだ、例の魔術師関係のクエストに似てるぞこれ。既視感それだ。

 

「……」

 

「治ったっぽい?」

 

「だな、特に……っておお?」

 

「あり……がとう……」

 

 そう言い残して男は消えて……本当にあのクエストみたいだなぁ、あの時ほどは喋らないしドロドロも出てこなかったけどな。

 

「これ……」

 

「ん?」

 

 

『命の指輪』

【HP+100】

 

 

「あの人のお礼かな」

 

「流れ的にはそうっぽいな」

 

「これ、メイプルにあげる、私が持ってるより良いと思うし」

 

「えっ!? いいの? イベント限定だったりするかも……」

 

「気になるなら貸しってことでさ、私に必要そうな装備があったら……」

 

「……わかった!その時はサリーにあげるね! ……後その机重くないの?」

 

「あー、【STR】の差だね」

 

「私にはちょい重めだしなー」

 

 【STR】にちょっとだけ振ってみるか? 補正分も含めてこれくらいの机を持てるくらいにはなりたいかもしれない。

 

「んー……あれ、十二時のイベントっぽいね……」

 

「眠いなら寝とけよ、私が見とくぜ?」

 

「……ダメ、マリサも一緒に寝なさい」

 

「うぇ?」

 

「さっきのお願い、一緒に寝たら許してあげる」

 

「えぇ……」

 

「良いよ? 二人とも寝ててよ、先に私が見張り役するから」

 

「……んー……」

 

「それにマリサ、無理してるでしょ、ちょっと眠そうだよ」

 

「む……わかった、見張り役頼むぜ、メイプル」

 

「任せてよ!」

 

 横になり目を瞑る……んん? 何か横から……。

 

「……サリー?」

 

「言ったでしょ……私を避けてた罰……ん、おやすみ……」

 

「絶対寝ぼけてるな……おやすみ」

 

「えへへ、おやすみ二人とも」




アンケート結果
欲しい人が17名。
欲しくない人が16名。
防振りのキャラに東方キャラの能力が12名。

でした、思ってたより接戦でした。
なので元々予定して二人は最低でも追加します。欲しくないに投票してた人、すみません。
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