弾幕は、パワーだぜっ!?   作:霧雨、お前……やれるのか?

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前話よりは短い。


第11話

「うぅ……寒……くない!」

 

「寒かったらこの服で登山なんてできないだろうし、ゲーム仕様で助かるよね」

 

「箒が使えないのはめちゃくちゃ不便だけどなぁ」

 

 風強過ぎて変なところに飛んで行きかけたんだよなぁ、地味な飛行対策しやがって運営め……。

 

「登山して欲しいんだろうね、ここを作った人たちは」

 

「だろうなぁ、空中にモンスターも多く配置されてるし……ぐぬぬ」

 

「あはは、まぁでも特に問題もなく進めて良かったねー」

 

「一応襲われてたけどな、メイプルが」

 

「まぁ、ぱっと見一番わかりやすくて狙いやすいランカーだもんね」

 

 ちょっと前に追加された防御貫通系のスキルってやつか。確かに前回のイベントじゃ圧倒的防御力と【毒竜】……あと【悪食】が大暴れしてたもんな。

 

「盾に触れない、強い毒耐性を付ける、防御貫通スキルを適当に使い続ける……ができるんならメイプル倒せるもんな」

 

「あぅ……絶対無敵の盾の夢が……」

 

「まぁそんなことを完璧に熟せる人の方が稀だから、あんまり気にしなくて良いと思うけどね」

 

 それはそう。私が知る限りのプレイヤーなら……ダメだ、知り合いのプレイヤーが少な過ぎる。なんか悲しくなって来たな。

 

「……あれだな、トッププレイヤーって噂の……って話してる暇はなくなりそうか?」

 

「……敵発見! メイプル!」

 

「任せて!」

 

「キキッ!」

 

「ほー、魔法か!」

 

「【カバー】! ……サリー!」

 

「おっけー! 行くよマリサ!

 

「あいよ!」

 

「!?」

 

「【パワーアタック】!」

 

「キギギャッ!?」

 

「!」

 

「【マジックバリア】!」

 

「ありがと! 長引くと大変そう……こうなったら! 【ダブルスラッシュ】! 【パワーアタック】! 【スラッシュ】!」

 

「ギギギッ!」

 

「ぅ……マリサ!」

 

「わかってるって! 【ファイアジャベリン】!」

 

「ギギャア!?」

 

 メイプルが受け、サリーが翻弄し、私が補助兼火力役……これが三人での

基本形だ。メイプルのメインウェポンの【悪食】に回数制限がある以上、こうするのが一番安定する。

 

「サポートありがと、あれがなかったら【超加速】を使ってたかもだし」

 

「中ボスってところかね、そこらのモンスターよりしぶとかったし」

 

「だね、やっぱり何かしらダンジョンがあると思って良いかも」

 

「やっぱり私も攻撃に参加した方が……」

 

「メイプルはボス戦に備えておいて、私やマリサの使っても大丈夫なスキルで十分戦えるからね」

 

「そうそう、だから道中はマリサさんたちに任せとけ?」

 

「……わかった! でも危なかったら【カバー】するからね! 二人とも!」

 

「ありがと」

 

 メイプルに守られる、って以上に安心できる字面はない気もする、防御力的に。まぁ実際はちょいちょい不安が残るんだけどな。

 

「お、山頂か」

 

「到着ー!」

 

「ほー……祠か」

 

「移動用の魔法陣だ!」

 

「待って……マリサ」

 

 はいはいっと、プレイヤーは……四人か。

 

「言われなくとも……メイプルは盾持ち替えといてくれ、一応」

 

「う、うん……」

 

 ここまで登って来るんだし結構……ふむ、どうなるかね。

 

「……って、クロムさん!」

 

「おっ!? ……メイプルか!」

 

 クロム? ふーん……大楯で前回九位なのか、メイプルみたいに変な型なのか? てか二人は知り合いだったんだな。

 

「ここで再会するのか……俺たちに戦う意志はない、戦って勝てるとも思えないしな」

 

「私も戦いたくはないですね……良いかな、二人とも」

 

「メイプルに従うさ、私は」

 

「……まぁ、そうだね、無駄な消耗は私たちも避けたいし……でも、この祠はどうするの? この先がダンジョンだったらさ」

 

 確かに。先に到着したのは私たちだし、先に入るくらいなら許されそうだが。

 

「あっ、先に攻略した方しか報酬貰えない……!」

 

「「……」」

 

 悩むメイプル。まぁこんな状況じゃあな。知り合いにはめっぽう弱いのもメイプルだし。

 

「んーと……二人とも、クロムさんに譲っても良い?」

 

「んなっ……」

 

「だよな」

 

「でも……ううん、メイプルが構わないならそれで良いよ」

 

「サリーに同じく、構わないぜ」

 

「ありがとう二人とも! ……と言うことなので、どうぞクロムさん!」

 

「えっと……本当に良いのか?」

 

「大丈夫です! 攻略されても文句はありませんから!」

 

 申し訳なさそうなクロム……さん? ふーむ、パーティメンバーを見る限り真っ当な大楯使いなのか? 私らみたいな例外はそうないだろうし。

 

「……どうする? あの人たちの攻略に寄っては魔法陣が復活するかも」

 

「うーん……なら、ちょっと待って……ええ!?」

 

「うぇ?」

 

 待て待て、入ってまだ一分くらいしか経ってないぞ。

 

「……あれか、ボスのいない探索系のダンジョンとか」

 

「確かに! それなら速攻で攻略したって考えられるよね」

 

「それならそれで良いんだけど……もう一つ、考えられることと言えば……強力なモンスターになす術もなくやられた、とか」

 

「……一応、あのクロムって人前回のランカーなんだけどな」

 

「そうなの?」

 

「ああ、同名の別プレイヤーかもだけど、合ってるならメイプルを除いた中でも結構上澄みの大楯使いだと思うぞ」

 

「……」

 

 大楯を使う以上耐久力中心になるわけだが、そうなると普通は攻撃や速度が足りなくなるからな。そんな中でキル数上位ってのは上澄みだろうよ。

 

「……どうする? メイプル」

 

「うーん……スキルは温存してるし、【破壊成長】で装備の【VIT】も+40くらいになってるし……万全の状態だよ、私は」

 

「私も【超加速】は温存できてるし【蜃気楼】も残ってるよ」

 

「私もMPに問題はないぜ、スキルは軒並み温存できてる」

 

 大体お世話になってる【過剰魔力】は回数も相性も要らないパッシブスキルだし、回数制限があるのはMP関連だし問題はない。

 

「……じゃあ、行こう」

 

「わかった」

 

「りょーかいだぜ」

 

「入ったらすぐに大楯を構えるから、二人は私の後ろにいてね!」

 

「わかった、でそのあとは……」

 

「こう言うのも良いんじゃないか?」

 

「だったらこうしようよ!」

 

 なんて、あーだこーだと話し合い、準備を済ませて……。

 

「よーし! 行こう!」

 

 移動用の魔法陣に踏み込む。さぁてどんなボスがいるのかなっと……お?

 

「クロムさんたちはいないねー?」

 

「やられて初期リスに戻ったんだろ」

 

「それにしては早過ぎると思う……し、あの巣……うん、多分鳥型のボスが来るよ」

 

「ほー、ってことは近付いたら現れるタイプか」

 

「多分……二人とも、備えててね」

 

 巣に近付いて……うお、凄い風。

 

「……こりゃ、手強そうだな……!」

 

「っ! 二人とも来るよ!」

 

 巨大な鳥は……ご丁寧に魔法も使うのか、器用だな!

 

「【ファイアジャベリン】! ……って負けたぁ!?」

 

「ええっ!? 【カバー】!」

 

 私渾身の魔法が競り負けた……!? どんだけ数値高いんだよこいつ、これでも前回イベントよりレベルも【侵食】の補正も上がってるはずなんだけどな!

 

「でか……おいおいどうなってんだこいつ!」

 

「っ……二人とも、作戦通りに! 行くよメイプル!」

 

「うん! 【カバームーブ】!」

 

「飛べ! 箒星! ……いつまで待つかなこれ……!? 二人とも!足元だ!」

 

「!? やば……」

 

「【悪食】っ〜!?」

 

 間一髪、メイプルの悪食が間に合った……みたいだな、だったらこっちはこっちの役割を続けなきゃな!

 

「【フォトンレーザー】! 【マジックミサイル】!」

 

「【超加速】!」

 

「【カバームーブ】! 【カバー】……【悪食】っ!」

 

 私の魔法でも全然削れねぇ……耐性が高いのか体力が高いのか? 【悪食】も大した削りになってない。後者か?

 

「まだまだ! 【毒竜】!」

 

「ッ   !!!」

 

「毒竜を凍らせやがったか……! 【ウィンドジャベリン】! 【ストーンバレット】! 【スターダスト】!」

 

「っ……」

 

「こいつHPがアホみたいに高いタイプだぜ!」

 

「【悪食】でもこれくらいしか削れないのか……!」

 

「【カバームーブ】! 【カバー】! ……ってこれ貫通攻撃だー!?」

 

「【マジックバリア】! 回復は頼むぜサリー!」

 

「【ヒール】!」

 

「あうぅ……二人ともありがとう……!」

 

「【ファイアストーム】! 【ウィンドストーム】!」

 

 あまりメイプルばかり狙われても困るからな……っ!?

 

「やべっ!?」

 

「マリサ!?」

 

 氷柱に全方位囲まれた……! 諦めてたまるかっての!

 

「【魔女の小瓶】……行け!」

 

 込めた魔法は全て【マジックバリア】だ、これで耐え忍ぶ!

 

「擬似的【多重障壁】……ってな!」

 

 同時展開のスキルは欲しいけどまだ持ってないからな! 無理矢理再現してやったぜ!

 

「これでも厳しいか……!」

 

 パリンパリンと容易く破ってくれるぜこの鳥め……だったら多少は傷覚悟で避けて……!

 

「【カバームーブ】! ……【悪食】!」

 

「っ! 助かった!」

 

 メイプルのお陰で穴ができた、そこを駆け抜ける!

 

「【跳躍】! 【スラッシュ】! ……麻痺毒入った! 二人とも!」

 

「うん! 【毒竜】!」

 

「【フォトンレーザー】! 【スプラッシュレーザー】!」

 

「【ダークボール】! 【ウィンドカッター】! 【ファイアボール】!」

 

「ッ……ッッ!!」

 

「でえーい! ……で!? あ、【悪食】っー!」

 

「!?」

 

 うっそだろメイプルにダメージ与えやがった! あの【VIT】超えの【STR】に私より高そうな【INT】だと……!?

 

「ぐ……こりゃ、マジでやばそうだな……!」

 

「長期戦したら確実に負ける! 【跳躍】! 畳み掛けよう!」

 

「わかった! 【ファイアジャベリン】! 【ウィンドストーム】! 【スターダスト】!」

 

「【毒竜】! 」

 

「【ダブルスラッシュ】! 【スラッシュ】! 【疾風斬り】!」

 

「! 【カバームーブ】!」

 

「あと半分か!」

 

 ようやくか、くそ……【一度限りの奇跡】はもう発動したからな……あれの氷柱にぶつけられる威力となるとMP消費が激し過ぎる。競り負けるぞ……!

 

「って!?」

 

「マリサ!」

 

「っ……間に合えっ!」

 

 HP半分で攻撃パターン変更か! メイプルのところまでさっさと行かねぇと!

 

「【カバームーブ】! 【カバー】!」

 

 瞬間、放たれる極太のレーザー……くそ、悔しいことに私のよりずっと強力だな!

 

「……【悪食】、あと一回だよ」

 

「私の方はMP切れが近い」

 

「メイプルはまたレーザーが来そうなら全力で【カバームーブ】して、あんまり離れないようにしてね、マリサももうメイプルから離れないように、MPを温存してて」

 

「……隙は私が作るから」

 

 そう言い放ち、駆けて行くサリー……流石だなぁ本当に。相手の攻撃全部避けてやがるぜ。

 

「【跳躍】! 【ダブルスラッシュ】!」

 

 あの感じは……麻痺毒狙いか? 確かにずっと蓄積させてた筈だしそろそろ……。

 

「【スラッシュ】! 効いて来た! 今だよ二人とも!」

 

「【ファイアジャベリン】!」

 

「【毒竜】!」

 

「あと三割! ってわわわー!?」

 

「麻痺が解けたか……」

 

「このまま……!」

 

「いや、待って」

 

 鳥のHPが……。

 

「残り一割……!」

 

「っ、来るぞ!」

 

「っ〜!? 速い! けどこのまま最後の【悪食】で……ぁ!?」

 

「メイプル!? ぐ……!? 【フラッシュ】!」

 

「【跳躍】! こっち!」

 

「飛べ!」

 

「【カバームーブ】!」

 

 あぶねー……今のは流石にひやっとしたぞ……。

 

「あっぶな……」

 

「ありがと二人とも……」

 

「今のでMPが……! まだ油断  !?」

 

「ッッッ!!!」

 

 おいやばいって! まだメイプルは回復できてない! だが今の私はただの役立たずだ、こうなったら……!

 

「「  私が引き付ける……!?」」

 

 サリーもおんなじ考えかよ……だがこれで確実にメイプルは……!

 

「……【カバー】!」

 

「!?」

 

「メ……!?」

 

 生き……残ってる? って今はそんなことよりだ!

 

「ッ……行け! 最大のチャンスだ!」

 

「! 【跳躍】!」

 

「【カバームーブ】!」

 

「勝った!」

 

 MP切れでもできることはある……!

 

「ッッ!! ……!?」

 

「……私の【蜃気楼(とっておき)】はどうだった?」

 

「【カバームーブ】!」

 

「ッ……!!!」

 

「【流星】っ! やらせねぇっての!」

 

 メイプルを弾こうとした奴の目に箒ごとぶつかりに行く。ダメージがミリでも流石に目は痛いだろ?

 

「……【毒竜】っ!」

 

 メイプルの放った【毒竜】に、鳥が食われて……砕け散った。鳥ボス撃破……完了……か? 良かった……。




とんでもないミスしてたのでこの場で謝罪と解説を。

イズさんに装備作成を頼んだ5話のお話なんですけども、その時点ではほとんど作れない筈のスキル付き装備を作り、それを当然のように受け入れてる件について。

スキルを消すかこじ付けるか迷ったんですけど……とりあえず、激レアダンジョン【魔術師の館】のモンスターが落とす素材で作った魔法職系統装備(INT やAGI、MP主体の装備)かつ作り手がレベルの高い生産職である際にスキル付き装備が高い確率で作成できる、と言うことにさせてください。

本当に申し訳ないです。
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