弾幕は、パワーだぜっ!? 作:霧雨、お前……やれるのか?
「んー……場所的にはこの辺りだな」
メイプルってのはどこにいるんだろうか。
「流石にあの毒だらけの城? にはいない……よな」
アレってああいう場所だと思ってるんだけど。ほらよくある襲撃で滅んだ城跡みたいな。
「【
「え?」
城の後地っぽい場所からモンスター出てるんだけど、何アレ。そういうスキルか?
「流石に食らったら死ぬなアレは……実際死んでるし」
余程強力な毒なのか、ばら撒かれる毒の中にポリゴン片がちらほらと。なるほどアレの使い手がメイプルか。
「……毒かぁ、相性良いとは言えねぇなぁ」
【リフレッシュ】でもジリ貧だろこれ。一秒で全損するなり、再度受けてジリジリ削られるにしろな。毒を魔法で弾くことはできる。けどアレは見るからに魔法扱いだから連発できる訳で……どうだろうか、一発も毒に当たらずに術者を倒し切れるかね。
「倒す手段は、【過剰魔力】か【彗星のオーラ】かな」
前者の理想は近付いて一撃。できなくても一撃離脱を繰り返すこと。後者も私の速度ならかなりの威力にはなる筈、魔法より高いかどうかは不明だが。
「……行くか!」
さーて、私の運命やいかに、ってな!
「あれ? 今度は空から誰か……【毒竜】!」
「【ウィンドストーム】!」
間近で見ると凄い迫力だな! でも私には早々当たらないぜ!
「うぇっ!? だったら……【パラライズシャウト】!」
「麻痺まで持って……!」
デバフ特化かよ! 持ってて良かった【リフレッシュ】入りの【魔女の小瓶】。麻痺らせて猛毒とはまたえげつないことしてんなぁ。けどここまで近付けたらいける筈!
「あれっ!? 動いてる!」
「【フォトンレーザー】!!」
「わわわっ!?」
渾身の【フォトンレーザー】、MPをほとんど注ぎ込んだ極太の極光に飲み込まれて……。
「……どうだ?」
【一度限りの奇跡】でMPに問題はないが……。この一撃を耐えるようなら、勝ち目がほとんどなくなるからやめて欲しいけども。
「あぅ……眩しかった……」
「げ……マジで生き残ってんのかよ!?」
嘘だろ? あれ生き残るってどんな【VIT】してんだよ。これでも【INT】300超えてんだけどな。【侵食】状態だからもっと高いか。
「次の手考えねーと……」
「……魔理沙?」
「ん?」
誰だ私の名前呼んだの。この場には私とメイプルってプレイヤーしか……んん?
「……もしかしてメイプルって……」
そういやメイプルって楓の英語名なんだよな……マジでか?
「んーと……楓?」
「! やっぱり魔理沙だー! すっごいそっくりだったもん!」
「マジでか……」
え、私より後に始めたプレイヤーに渾身の一撃防がれたのか? どんなプレイしてきたんだ……。
「わ、とと……いきなり飛び込んで来るなよ、危ないだろ」
「えへへ、そう言いながら受け止めてくれるのが魔理沙だし」
「今度から避けてやろうかな……」
「酷い!?」
危機感が少なすぎるんだよな本当にさ……あ、危機感と言えば。
「私は良いけど、ゲームの中でリアルの名前は御法度な、あいつのこともサリーって呼ぶように」
「あいつ?」
「現在ゲーム禁止中のあいつ」
「理……サリーだね! わかった!」
「良くできました……んで、メイプル硬過ぎだぜ、どんなプレイして来たんだよ」
「? 私はポイントを防御に全部振ってるよ」
「極振りか」
「うん! 痛いの嫌だからね!」
「はは……理由がなんともメイプルらしいんだぜ」
おそらく他にもスキルがあるんだろな……【一度限りの奇跡】的なのがあるんだし、極振りの時だけメリットが大きい系のスキルとか。それでこんな惨状を作り出してるのか……えげつねー……。無知がある意味最強の武器かもしれないな。
「そういうマリサも、その黒いアザどうしたの?」
「あーこれ、私のスキルの影響でな、あんまり気にしなくて良いんだぜ」
【侵食】の度合いが目視可能ってのはこういうことだったんだよな。文字通り。禍々しい呪いみたいだぜ、呪いだけど。
「んー……メイプル、これからどうしたい?」
「え? どうって……」
きょとんとしてるメイプル。んーまあそうなるかなぁ。
「このまま戦うか? ってことだよ、私はどっちでも良いぜ」
「? なんでマリサと戦うの?」
「いやこれバトルロワイヤルだからな」
この子バトルロワイヤルで敵と馴れ合うつもりなんだろうか、マリサさん怖い。まあメイプルの【VIT】的に攻撃なんてただのじゃれ合いに等しいのかもだけどさ。
「あ、そっか! んー……」
「戦いたくないならそれで良いぜ、私は別の……」
「え」
「ん、何か問題あったか?」
戦わないんなら別々の場所に行くのかセオリーだと思うが……。
「一緒に残りの時間いるのは、ダメ……?」
「うぇ?」
そうだったメイプルにセオリーなんてなかった。んでもまぁ……。
「残り、三十分か」
ほとんどは他の上位層に狩り尽くされてそうではあるな。順位が変動していない以上はそういうことだ。
「……良いぜ、一緒に空の旅でもするか!」
「あ、そう言えばマリサ飛んでたよね!? そういうスキルなの?」
「そーそー、多分メイプルと似たような理由だよ、ユニーク装備ってやつ」
イズさんとかの生産職にオーダーメイド頼めるほどのお金を稼いでいるとは思えない、どっちかって言うとモンスター愛でるタイプだし、ユニーク装備が一番あり得る。
「そうなんだねぇ……空を飛ぶってどんな感じなの?」
「そりゃ、それを今から体験するんだろ? 聞くまでもないぜ」
▼少女飛行中…
「わー! 凄いすごーい!」
「にしし、そこまで素直に喜ばれるとこっちも嬉しいんだぜ」
「さっきまでいた場所がもうあんなに小さいよ!?」
「はしゃぎ過ぎて落ちないでくれよ、回収するの難しいからな」
落ちても無事な気がするのは気の所為だろう。なんだよ【大物喰らい】と【絶対防御】って、条件はアレだけど四倍はおかしいだろ、私でも条件付きで二倍なんだが。
「あ、他のプレイヤーだ」
「ん? ああまだ結構いるんだな……倒して 」
「【毒竜】!」
「え」
ちょっと待てメイプル、こんな上空でそんなことしたら……。
「あー……えげつないことに……」
「?」
致死性の毒雨のかーんせーい……。じゃなくてね?
「これがメイプルの強さの所以かー」
「えへへ、それほどでもないよ?」
「褒めてない、何が噛み合えばこうなるんだろな」
『ガオー! しゅーりょー!』
おお、終わりか。結局最後に稼げなかったかぁ、最後でどれだけ差をつけられたか、だなぁ。
『結果は、最後にメイプルさんがドレッドさんを抜いて二位になったドラ! その他に変動はなかったドラよー」
「まああんなことすればな」
私の順位は……うーん十一位、大量に倒してたのは前半だけだしなぁ。こんなもんか。
『お次は二位のメイプルさん!振り返って見てどうだったドラ?』
「え、えっと……その……いっぱい耐えれてよかったでしゅっ!」
「なんだそりゃ」
そこで噛むのかよ、メイプルらしい。
「おーいマリサー?」
「ん? フレデリカか」
「そーだよー、何番目だったの?」
「十一番目だよ、ギリギリ入れなかったの悔しいぜ」
「そうなんだ、なんか意外だね、もう少し上にいると思ってた」
「まあ、最後の方は空の旅を楽しんでたからなぁ、仕方ないっちゃ仕方ないんだけど」
「あー、あの上位のメイプルって子と一緒のだよね?」
「そうそう」
「知り合いだったりしたの?」
「そんなとこ、まさかあんな戦い方してるとは思わなくてな、あのままだったら負けてた」
「凄い威力の【フォトンレーザー】でダメージなかったもんね……あの子は要マークかなぁ」
あの防御力を貫けるぐらいの火力を目指すのが目標かなぁ。極振りに早々追いつける気はしないけど。
「次は負けないぜ、メイプル」
▼少女移動中…
ーとある運営秘話ー
「「「「……」」」」
「メイプルやばくね?」
「マジもんの要塞じゃん、どうするよアレ」
「それは後で色々調整するとして……マリサの方も結構やばくないか、今回は十一位だしメイプルの陰に隠れてたけども」
「確かに、あの空中爆撃は……まああんなもんかってなるけど」
「あれ【マジックミサイル】だろ? 避けれない魔法ではない筈なんだが……まあ初見殺しがうまく働いたって感じか」
「【魔女の小瓶】は全体的にうまく使ってるよな、メイプルの時も麻痺解除に使ってたし」
「だよなぁ……最後の【フォトンレーザー】は意味わかんねえけど」
「あれは【侵食】で補正がかかってたの理由じゃないか? ほら、見えるところだと右腕と首筋、足の辺りに広がってるだろ」
「え、あー……そうかその手があったか! デバフめちゃめちゃキツい代わりに結構な補正が掛かるんだっけアレ!」
「ああ、あの状態なら大体1.7倍くらいだな」
「それであの極太レーザーか……」
「てかあのスキルって順当に上がって行ったらやばいスキルに繋がってなかったっけ?」
「「……あ」」
「まだ何か作ってたのかお前ら……」
「ま、まぁどうにかなるだろ……ははは」
「……とにかく、今回はメイプル対策を主な目的として調整して行くぞ、良いな?」
「「「了解でーす」」」
マリサちゃんの大体今の【INT】値は515くらい、夜なら687程度にはなります、夜なら【過剰魔力】込みで第一回イベントのメイプルにダメージが入ったかも……?
倍率と配分の差が……極振りの強いところが出てる出てる。