弾幕は、パワーだぜっ!? 作:霧雨、お前……やれるのか?
今話は前話とは別の意味でアレかも。
超絶短いです。どうにかせねば……。
「あっははははは! ほらほら鹿さんこちら! 手の鳴る方へ!」
「ガルルルル……!」
「おっとっと! 【マジックバリア】!」
脆い障壁も私ぐらい【INT】が高いと効き目がある。ここまで来れるかは別として【INT】極振りが使えばもっと悪用できるだろうな。
「ガルァ……」
「あはは……ふぅ……良いね、まだまだ戦えるってか」
体力が二割以下になるとそこまで回復する能力を持つこの鹿……二層へ行く為のフロアボス的な奴と、かれこれ三十分は戦っているだろうか。
「要の林檎は落としたってのに、しぶとい奴だぜ」
「ルァァ!」
おまけに色々ダメージを貰ったな。致命傷は避けたがこれ以上は不味い。
「【ファイアジャベリン】!」
放った炎槍が、鹿を焼いて……まただ、焼き切れる前に回復される。
「させねぇっての! 【フォトンレーザー】! 【ウィンドストーム】!」
「グル、ルルル……!」
まだ足りないのか、欲張りさんめ。……だったら、もっとやるよ。
「【流星】! そらそら受け取れ! マリサさんのとっておきだ!」
「グルッ!?」
MPはもう尽きたからな、これで倒せなきゃ正真正銘私の負けだ。
「グ、グル、ァ……」
「……ようやくかぁ」
ポリゴン片となり砕け散る鹿、耐久力に関してはとんでもなかったぜお前。できれば二度と戦いたくない。
「……っと、そんな気持ちじゃだめだな、切り替えねぇと」
第二回のイベントにも寄るが、またバトルロワイヤル系統になるんなら、相手は鹿以上の要塞、メイプルだ。
「サリーだっている……にしし、今度は十一位じゃ終わらないんだぜ」
さて、第二層はどんな感じかね。
「飛べ……ふむ、一層の番外編って感じか?」
森林みたいな、ファンタジー的な自然がメインの一層、高いところから見渡す限りに見えるのは……森林と砂漠と荒れ地、あんまり変わらないな。
「まずは……って、ひどいなこれ」
【侵食】状態が左腕にまで見え始めた……うーん、これぱっと見痛い人の模様に見えて誤解生むんだよなぁ、どうにかならないか。
「……悩んでも仕方ないかぁ」
包帯でも巻けばマシに見えるかな……いや本当に痛い人になるだけか? うーむ……。
「……ひとまず、もう寝るか……疲れた」
▼少女睡眠中…
「結局なにも変化なし、かぁ……」
あれから時は過ぎ、早くも第二回イベントが始まろうとしている。
「……どうすっかなぁ」
魔術師関連のイベントも、探し方が悪いのか見つからなかったなぁ。予想だと層を跨いだ大規模シナリオなのかなぁとか考えてたんだが。
「変わったのはレベルと【侵食】とかだけ……」
その分強くなってはいるんだろうが。やはりなんとも言い難いなぁ。
「なーに悩んでるのよ、らしくもない」
「……別に、悩んでなんかないぜ」
「あんたの嘘はお見通しだって前も言ったわよ、どうせ変化があまりないとかって思い詰めてるんでしょ? バトルジャンキー」
「うぐ……」
「あんたの負けず嫌いは良いところだし、そう言うところは私も好きだけど……もう少しゲームを楽しんでみたら?」
「は? 楽しんでるが……」
「焦り過ぎって言ってんの、メイプルやら他のプレイヤーに感化されたんでしょうけど、勝ち負けの楽しさに拘る必要はないでしょ」
「……だけどなぁ……」
「つべこべ言わない、わかった?」
「……はいはい、わかったぜ」
オカンめ。私のことよく見てやがるなぁ本当に。てか勝ち負け以外の楽しみくらい私だって知ってるっての。
「知ってるしエンジョイしてても、マリサは勝ち負けが中心にあるでしょ、それをやめろって言ってるの」
「ぐぬ……」
「別にずっとやめろって言ってるわけじゃないから、そうね……今回のイベント、私とメイプルと一緒に動いてる間だけで良いからさ」
「え?」
「一人旅するつもりだったんでしょうけど、諦めなさい……少なくともメイプルはそのつもりだから」
「……」
「あんたもメイプルを悲しませてまで別行動はしないでしょ……行くわよ」
「……わかった」
別に勝ち負けに拘ったって良いだろ、楽しいじゃんか。
「あ! マリサー!」
「ほら、メイプルが呼んでるわよ?」
「ぐぬぬ……後で覚えてろよサリー……おーメイプル、どうしたんだよ」
「えへへ、三人でゲームするのが楽しみでさ!」
「……そりゃ良かったな」
「うん! 久しぶりだし思いっきり楽しもー!」
「……」
確かに久しぶりか、三人でのゲームって言えば。最近はメイプルとサリー、私とメイプルみたいな二人組で動いてた訳だしな……。
『ガオー! まもなく第二回イベントが始まるドラ!』
「あ! ドラぞうくんだ!」
「ドラぞうくんて……別に性別わからないだろ、アレ」
「確かに! じゃあドラぞうちゃん?」
「ドラぞうで良いだろ」
『今回のイベントは探索型! 目玉は移転先のフィールドに散らばる銀のメダルドラ! これは十枚集めると金のメダルとして換算するドラよ、そしてその金のメダルはイベント終了後に装備品やスキルと交換できるドラ!』
「アレって……」
「メイプルが前回イベントで貰ったって言う、アレじゃない?」
「あ! そうかも!」
『前回イベントで上位十名だった人たちは、一枚ずつこの金のメダルを持ってるドラね?』
「わわわっ!?」
「落ち着けってメイプル、この場でメイプルを倒させやしねぇっての」
「そうそう、ランカーなんだしどーんと構えててよ」
「マリサ、サリー……!」
『倒して金のメダルを奪うも良し、無理だと判断して銀のメダルの探索に集中するも良し、それぞれイベントを楽しんで欲しいドラ!』
『期間は一週間! 現実世界での二時間をゲーム内の体感時間で七日間に調整するドラから、途中参加はできないドラよ』
『それではカウントダウンを始めるドラ!』
『5……4……』
「あ、そうだマリサ、サリー」
「ん?」
「どうしたの?」
『3……2……』
「すっごく楽しもうね! 二人とも!」
「ふふ、そうだね」
「……おう」
『1……0! ゲーム開始ドラ!』
合図と共に光に包まれ……。
「……すっごい広い草原だな」
「わー……終わりが見えないねぇ」
「確かに、凄いわねこれ」
終わりの見えない草原だった、どうするかね?
マリサちゃんは昔から超絶負けず嫌いです、お年頃だし拗らせたのかもしれません。
アンケートは次話の投稿後に締め切ります。