「あぁ、香萃戻ったのか…」
そこには疲れ切った傑と椅子に座り怒りを露わにしている七海が、1人の遺体を見ていた。
「灰原は?」
香萃は、目の前にいる死体を見ながら七海に聞く。
「なんて事のない二級呪霊のはずでした。産土神信仰。あれは土地神でした。一級案件だ!」
その発言で七海は、怒りが最高峰に来たのか椅子を投げつける。
「クソ!」
椅子が壁にあたりぶつかった音が止み辺りに謂れの無い静けさが漂う。
「任務は悟が引き継いだ。」
傑がそう言うと七海は疲れ切ったように
「もうあの人だけで良くないですか?」
そんな弱音とも言える事を吐くのだった。
「灰原…」
香萃は、上半身だけになった灰原の首辺りに手を置き「すまなかった。」そう一言呟くのだった。
香萃が去った後残された七海と傑はそんな香萃の一言で一気に現実に戻された。
「香萃先輩のせいではないです。」
七海は、香萃の言葉に灰原が死んだのだと再認識しさらに項垂れる。
「香萃は、優しいからね…」
傑は、更に思い込んだように自らの拳を固く握る。
灰原の死体を見た香萃は自分が嘘をついた事に酷い罪悪感を覚えた。
「約束したのにな…灰原…」
香萃は自分の手に持っていた土産袋を見ながら任務に着く前の灰原との会話を思い出していた。
「香萃先輩!お土産に蟹買ってきてくださいよ!」
灰原は、香萃に唐突に言ってきた。
「何でだよ。高いだろ蟹。せめてお菓子にしてよ。」
香萃ははぁ?と言った表情で灰原を見る。
「最近、夏油先輩元気ないみたいなんで皆んなで蟹パしたら元気でそうじゃないですか!」
灰原はどうやら夏油の心配をしていたようだった。
「そうだな…確かに傑は最近頑張りすぎだもんな…よし!任務が終わったら豪快に宴と洒落込もう!灰原達は任務はあるのか?」
香萃が、ガははと笑い次の任務のことを聞く。
「まだ特に指示はないっすね!まぁもしかしたら任務入ってくるかもしれないですけど七海とどうせ行くんで大丈夫じゃないですか。」
「そうだな…七海優秀だもんな…」
そう言うと灰原は嬉しそうに。
「うっす」
と笑った。
「宴をするって約束したのにな…」
約束…なんて事のないただの約束。
「っち!私は嘘が嫌いなんだよ。そんな私に嘘をつかせるんじゃないよ…まったく。」
怒りか、悲しみか、哀れみかどんな感情かわからないまま香萃は自室に向かう。
灰原が死んでから少し時間がたった。
「伊吹瓢に三種の分銅?」
それはたまたま任務中に見つけた特級呪物並びに特級呪具が書かれているかつての文献だった。
「伊吹…」
香萃は、自分の名前が入っているその伊吹瓢に強く興味を惹かれる。
「封印場所は…」
香萃が封印されていると思われる場所を探すと二つの座標を指しそのクロスする場所は。
「賀県米原市岐阜県揖斐郡揖斐川町、不破郡関ケ原町【伊吹山】…私の住んでいた所。私は岐阜の方の麓ではあったが確かにここを指している。」
香萃は、任務の日程と照らし合わせて自分の故郷に戻りこの伊吹瓢と三種の分銅について調べようと決めた。
「香萃!」
自室で休んでいた香萃の部屋を勢いよく開けたのは五条だった。
「傑が…」
焦ったように信じられないよう五条が息を整える。
「どうしたの?悟。」
その慌てぶりから傑に何かよくないことが起きた事は理解した。
「傑が村人を皆殺しにした。自分の家族も…」
五条の発言に香萃は、意味がわからず。
「はぁ?」
ただそれしか言えなかった。
故郷は、大江山にするか伊吹山にするか迷いましたがそこまで関係ないのでとりあえず伊吹山にしています。
やるか未定ですがこの世界にもし萃香がいた時の本誌感想スレとかやったら面白いですか?
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やれ
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やるな