「俺だって信じてない。」
五条は、何かの間違いだとそう言っている。
「香萃。もし傑にあったらすぐに教えてくれ。」
五条は、必ず連れ戻す。と言い香萃の元を後にする。
「傑…そうかお前はそこまで…」
香萃は、傑の気持ちが少し分かっていた。元々呪術師の在り方に疑問を持っていたのだろう。それをひたすら悩んでいたのがここ最近の傑だったのだろう。
「でも…私が声を掛けたぐらいで何かが変わるとは思えないけどな…」
香萃は、手に入れた文献を引き出しにしまい傑の最後に担当した任務を見て次会う時の言葉を考えた。
しばら日にちが経ち硝子から連絡が来た。
「あぁ。香萃。うん見つけたよ。」
「悟には」
「もう伝えたよ。少し遠くにいるみたいだから香萃の方が早く来れると思う。」
「分かった行くよ。」
香萃は、電話を切り傑の元へ向かう。
「目元のクマ少し減ったね傑。」
香萃に気づいたのか夏油は、笑顔で香萃を見る。
「久しぶりにあった気がするよ。」
傑は、手を振りベンチに腰をかける。
「どうしてとは聞かないのかい?」
傑は、自分がどうしてこんな事をやったのかを聞かないのかと香萃に聞く。
「何となくだけど分かる気がするからね…同意はしないけど理解はしている。」
傑は、香萃の発言に少し目を丸くして。笑う。
「やっぱり君は変わっているね。理解してくれるなら一緒に来て欲しいけどね。香萃の力は悟にも引けを取らない気がするからね。」
傑は、握手を求めてくる。
「悪いけど、私は乗る気にならないな。正直私には傑や悟みたいに誰かを守りたいと思うほど強い正義感はないよ。」
香萃は、延ばされた手を上から押すように引っ込ませる。
「正義感か…村人と家族を殺した私にもまだそんな事を言うのかい?」
傑は意地悪そうに香萃に言う。
「正義感さ。私からすれば。お前達2人は形は違えど自分ではない不特定多数に目をむけている。親しい自分の周辺ではない。見えない存在まで救おうとしている。これを正義感と言わないなら何と言うんだ?」
香萃は、手に持っていたルートビアを飲みながら傑に言う。
「本当に君は…じゃ君は何の為に力を振るうのさ。弱者生存か?それとも別の何かかい?」
傑は、さっきの笑みから一点真剣な眼差しに変わった。
「わからない。何も。自分が何なのか。何をするべきなのか。曖昧な記憶の中に何があるのか。やりたいこともやるべきことも私にはわからない。」
香萃は、自分の手を太陽に翳しながら喋る。
「私は非呪術師の醜さを知った。だからそんな猿どもは、1人残さず殺すべきだと思ったさ。」
傑は、真剣に香萃を自分側に引き込もうとする。
「わたしはまだ直接その悪意を受け取っていない。全て間接的だった。だからまだ傑の意見には賛同できないし、傑のやり方では私らしくない。そう思っただげ。」
香萃の返答に傑ははぁーと息を吐き空を見上げる。
「理解も同意もしてくれそうだけど直感で生きる君が僕とは何かが違うと言うのであれば同じ道を歩む事はできないね…残念だ。」
傑は、心の底から残念そうにする。
「でもね香萃。君は必ず猿どもの悪意に晒される。そこで絶対に猿どもを見限る。私には分かるさ。初めて会った時からそんな気がしていたからね。」
傑は、そう言いながら立ち上がる。
「その時は意外と近いかもね…でも私と傑では歩む道が違うさ。結果が同じになろうとも私は私の納得する道を選ぶよ。じぁね傑。」
そう言い香萃は、傑とは反対に歩き始めた。
「さよなら香萃。」
傑は、少し悲しそうにその場を後にする。
(後少しもしたら悟が来る。傑は、任せよう。私は私の事を。)
そしてその足のまま。香萃は、伊吹山に向かう。
全ての始まりの場所へ。
自分の事を知る為に。
人間の悪意を知る為に。
母の愛を知る為に。
次話さしす編最終回
やるか未定ですがこの世界にもし萃香がいた時の本誌感想スレとかやったら面白いですか?
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やれ
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やるな