先生は周りにバレずに意識させたい 作:名無しのRちゃん
私こと、先生には好きな人がいる。
トリニティ総合学園の3年生で連邦捜査部S.C.H.A.L.Eの最古参部員で部長でもある、如月コトハという生徒だ。
ここで先生なのに1人のことを、しかも生徒を好きになるなんて、と思う人もいるだろう。
私はそのような考えを持っている人たちにこう言いたい。
「一緒に居れば分かる、好きにならん方が無理」と。
金髪で長めのサイドテール、透き通った淡い青色の瞳、身長は低めなのに対し、胸部は身体にしては大きめで、背中からは白色の翼が生えている。
もうね、癖。私の好みを全て合わせたかのような外見。この外見で私と結婚しないなんて常識的に考えて有り得ることでは無い。
外見の時点でも私が愛を説くに足り得る生徒であるのは間違いないが、それに加え性格もありえないくらいに良い。
基本的に全ての人に優しく、平等に接し、困っている人を見かければそれが知り合いだろうと、赤の他人だろうと、自分の身を顧みず助けに行く、そんな生徒である。
もちろん、私もその性格に魅入られたうちの1人だ。
始まりはシャーレ襲撃の日。
私たちがワカモと不良たちを相手に交戦している時、彼女はいきなりやってきた。
片方にはSG、もう片方にはSMG、そして背中にSRを背負った欲張りセットの権化のような彼女は、そのまま1人で戦場に突っ込んでいき数多くの不良たちを一網打尽…………することはなく、普通に返り討ちにあっていた。
そして、ボロボロの状態でこちらに帰ってくるや否や 「やっぱり1人じゃキツかったですね」と言い放つ有様。
この間わずか10秒の出来事である。
これにはユウカも「なんで対して強くないのに1人で突っ込むのよ!」と、初対面の彼女に言い出す始末。
そんなユウカに対し、彼女は「皆さん困ってそうだったので、私が解決してあげればなと……まぁ、速攻で返り討ちにあったんですけど」と返す。
この時点でほかの生徒たちは呆れ返っていたが、私はそれよりも別にどこか彼女にシンパシーを感じていた。
悩んでいる人が居たら手を差し伸べ、その人を助けるためなら自己犠牲も問わない、そんな生徒。今思えば、この時から私は彼女に魅入られていたのかもしれない。
その後は彼女と共に不良たちを倒しシャーレの奪還に成功した。
そしてコトハがシャーレに加入した。
……展開が早すぎると思うかもしれないが、実際そうなのだ。
リンちゃんからシャーレの説明を受けたあとに生徒たちと話すタイミングがあったのだが、本当にいきなり「先生、私シャーレに入りたいので入部届けあるなら欲しいです」と。
さすがの私も少し動揺したが、最初に出会った時のコトハの在り方を考えれば、納得するのに時間は掛からなかった。
こうしてコトハはシャーレの最古参部員、そしてシャーレの部長として私と共に活動していくことになった。
そこからはみんなが知っている通りアビドスの皆とカイザーを倒したり、ゲーム開発部のミレニアムプライス受賞の手助けをしたり、補習授業部のみんなと試験合格を目指したりと、それはもう色々なところに行ってはコトハと一緒に生徒たちに手を差し伸べ、シャーレとしての功績を次々と挙げてきた。
まぁ、その功績の裏にはコトハと徹夜でゲームをして仕事中に寝落ちしたり、仕事を放置してプラモデルを組み立てているところをユウカにバレて叱られたり、闇鍋パーティーを開催して2人して1日寝込んだりと、色々仕出かしていたが、それら全部を含めてコトハと何かする時は本当に楽しかったし、コトハとならどんな困難も乗り越えられると本気でそう思っていた。
……コトハとは、私がシャーレに来た日からずっと一緒にいた。
だからだろうか、ある日コトハが1日中居ない日があり、私はそれに酷い寂しさと自分の中に渦巻く『何か』を強く感じた。
そうして次にコトハに会った日には、自覚してしまったのだ。
私はもうコトハが居ない生活では満足出来ないのだと。
私はコトハと1日会えないだけで酷く憂鬱になるのだと。
私はコトハとずっと一緒に居たいと心の底から思っているのだと。
そう、自覚してしまったのだ。
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だいぶ話がズレてしまったが、話を本題に戻そうと思う。
私はコトハが好きだ、もちろん恋愛的な意味で。
しかし、さすがに生徒と先生と言う関係上、付き合うという行為は世間的には良い印象は抱かれないし、手を出すなんて以ての外だ。
だがそれはそれとしてコトハとイチャイチャしたい!膝枕されながら耳元で囁かれたい!首筋にキスマークがあることを他の生徒に指摘された後に、昨日の夜のことを思い出して赤面して欲しい!!!
そんな私の夢をかなえるために、今のうちに私に対して意識して欲しいのである。
どのくらいかと言えば、卒業式の日に告白、なんならプロポーズしてそのまま泣きながら抱きついてきて欲しい。そしてそのまま人目を一切気にしないで、濃厚なキスをコトハからしてくる……、このくらいまでは関係を深めたい。
そうと決まればささっとお出掛けでもなんなりとして関係を深めてこいよと言いたくなるだろう。
もちろん私もそう考えた日から実行に移そうと思っていたのだが、ここで一つ問題が生じた。
「あ、コトハ、今から一緒にカフ「せ〜ん〜せ〜い〜!この領収書はなんですか!またおもちゃに○○万円も使って!今日は先生の家計簿つけるまで帰しませんからね!」……はい」
「ラーメンの割引券貰ったんだけど、コトハいっし「先生〜!聞いてよ〜!ナギちゃんとセイアちゃんがね、私のこと……」……それは……大変だったね……」
「あれ? コトハ今日はお弁当無いんだね」
「あ〜その〜、実は昨日夜更かししてモモフレンズのアニメ一気見しちゃって……、それで寝坊しちゃったんですよね」
「それなら、今からどこかご飯にでも食べに行く?ちょうど私もまだ、昼ご飯買ってなかったし」
「あ!いいですねそれ!じゃあそうと決まれば今から「あなた様♡私、あなた様のためにお弁当を作って参りました♡まだお昼を召し上がられてなければ、いかがですか?」……あ〜、その、私、エンジェル24でご飯買ってくるので、席外しますね」
「あっ、コト……ありがとうワカモ、じゃあ頂いてもいいかな?」
そう、生徒たちが私のことを大好きすぎるのである。
もちろんそれが嫌なわけじゃない。
むしろ先生としてはこれ以上ないくらいには嬉しいことだと、胸を張って言える。
だがもし私が他の生徒たちの誘いを断り、コトハだけを優先し続けたらどうなる?
そう、私がコトハのことを恋愛的に好きということがバレて社会的にも、多分物理的にも私が死ぬ。*1
だからといってコトハに私を意識させるという目標を蔑ろにする訳には行かない。
それが今の私の問題であり、一番の悩みだ。
まぁ、ここまで色々と述べてきた訳だがもちろん諦める気は毛頭ない。
ハッキリ言ってその程度の障害など、私のコトハへの愛に比べれば些細なものだ。
だから私はここで宣言する。
「生徒たちに一切バレることなく、コトハに私を意識させる!」……と。