先生は周りにバレずに意識させたい   作:名無しのRちゃん

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先生は布団で添い寝したい

 

 

 どうも、古今東西ゲームで『可愛い』が来たら

 自分の番でなくとも真っ先に「コトハッッ!!!」と答える系男子の先生です。

 さて、今日のシャーレ当番はアビドス高等学校の3年生、対策委員会所属の小鳥遊ホシノだ。

 ホシノはお昼寝とお魚が好きな生徒で、前の当番の時も『うへ〜』と鳴きながらソファでだら〜んとするホシノは見ていて癒されるものがあった。

 それと今のうちに言っておくが、これは浮気とかそういうのでは断じてない。

 そもそもとして私は先生だからね、自分の生徒達はみんな愛らしいんだ。その中でもコトハだけを愛してるだけでね。だからこれは浮気とかじゃないんだよ。

 それじゃあ話を戻すけど、ホシノはお魚とかの水に棲む生き物がが本当に好きで、どのくらいかと言えばわざわざ遠方までアクアリウム関連のホビー雑誌を買いに行くほどなんだ。

 え?なんだかやけに詳しくないかって?そりゃ自分の生徒のことだからね、当たり前のことだよ。だからこれは浮気とかじゃないんだよ。

 それと前一緒にアクアリウムに行った時に知ったんだけど、普段はゆるい喋り方なのに好きな物に白熱した時は一転して早口になるんだよね、ホシノは。いやぁ、本当に愛らしいよホシノ。最高にかわいいね、ホシノ。

え?い、いやだから浮気じゃないって。違うんだよ、本当に誤解なんだ。

確かにホシノは存外に可愛いしなでなでしたい気持ちもあるが、結婚したいとか、ありえないほど濃厚なキスをして腰を抜かさせたいとかまでは考えてないんだよ。そんなこと考えるのは後にも先にもコトハだけなんだよ。本当だよ。だからこれは浮気とかじゃないんだよ。

 

「うへ〜、先生、コトハちゃん、おはよ〜」

 

 ほら、ホシノも来たしこの話はやめにしようか。

 

「いらっしゃい、ホシノ」

 

「いらっしゃい!ホシノちゃん!」

 

 ふぅ……やっぱりコトハだな。先生、コトハの声を聞くだけで頭が煩悩塗れになるんだ。先生をこんな身体にしたコトハにはしっかり責任を取って貰わないとね。ほら、コトハ口開けて。先生今からコトハの口の模型を作るから。型を取れたら先生、毎朝それに口付けを交わすからね。回し飲みとかで他の人が口をつけたところに、唇を重ねるのが間接キスと言うらしいけれど、コトハの口のレプリカに唇を重ねるのは間接キスではないにしろ、間接キス以上の繋がりはあるはずだよね。だからコトハは責任を取って先生と結婚しなきゃいけないんだよ。先生、シャーレの棚にあとはサインするだけの婚姻届100枚くらい常備してあるから、もし結婚したくなったら言ってね。直ぐにでも結婚出来るよ、コトハ。

 

「先生〜来ていきなりで悪いんだけど、少しだけお昼寝してもいいかな〜?15分くらいでいいから〜」

 

 ああ、そういえばホシノはいつも真夜中までアビドスのパトロールをしているんだったかな。当番とはいえ私の仕事を手伝わせているようなものだし、少し寝させてあげよう。それにちょうど会話を切り入れるための口実が欲しかったところなんだ。

 

「何時間でも大丈夫だよ。そっちに仮眠室があるから、ゆっくり身体を休めてきてね。遅くまでお疲れ様」

 

「……うへ〜、それじゃお言葉に甘えて……おやすみ〜」

 

「おやすみ、ホシノ」

 

「ぐっすりしてきてくださいね!ホシノちゃん!」

 

 よし、ホシノは仮眠室に行ったみたいだ。ここで勝負に出る!

 

「コトハ?実は私も少し夜更かししてしまってね、少し仮眠を取りたいのだけれど、コトハもどうかな?」

 

 さぁ頼む。私の作戦よ、成功してくれ。

 

「先生もですか?実は私も今日夜更かししちゃいまして……。ゲーム開発部の皆さんからテストプレイを頼まれたモモフレンズのゲームが想像以上にやり込み要素が多くて熱中しているうちにいつの間にか朝に⋯⋯。あ、もちろん1モモフレンズファンとして完全クリアしましたけどね!」

 

 よし!完璧だ!ゲーム開発部のみんなに頼み込んでとにかく時間のかかるモモフレンズのゲームを作ってもらった甲斐があった!

 これで私の今日の計画、コトハと一緒に添い寝してあわよくば腕に抱きついてくれたら嬉しい作戦が実行出来る!

 ……さすがに一日で完全クリアされるのは予想外だけど。

 私も少しだけやらせてもらったけど、中々に難易度が高かった筈だけどなぁ。ヒントなしのすり抜けれる壁の奥にあるパズルやら、ノーダメ前提のシューティングゲームやらで一筋縄では行かないはずなんだけど。

 というかこの2つの要素って普通のゲームだったら交わらなくない?

 まぁこれも彼女らの個性か。それに、先生の頼みだからと作ってくれたものにケチつけるのはさすがに人としてダメだろう。

 私は先生だからね、ちゃんとそこら辺は弁えてるんだ。

 

「それじゃあ一緒に仮眠室に行こっか」

 

「あれ?確か仮眠室のベッドって1つだけでしたよね?今仮眠室はホシノちゃんが使ってるから寝れる場所無くないですか?」

 

「あ⋯⋯⋯⋯確かにそうだね。う〜ん、どうしようかな……」

 

 そうだった。ホシノに仮眠室を使わせたんだった。コトハと添い寝することしか考えてなかったから脳死で貸してしまった⋯⋯。

 困ったなぁ。仮眠室のベッドは二人でギリはみ出さないで寝れるサイズでしかないし⋯⋯。

 正直コトハとホシノくらいなら詰めれば寝られそうだけど、私の理性が持たないからダメだ。何故かは分からないけど、あの2人に似た体型の人を見ると妙に理性が働かない。きっとコトハが原因だな。これはあとで責任取って結婚して貰わなきゃいけなさそうかな。って、話がズレてしまった。

 とりあえず今は何処でもいいから寝れる場所を見つけないと。

 折角掴んだチャンスなんだ、絶対に成功させる。

 

「あ、先生。そこのソファなんてどうです?」

 

 コトハが指を刺した先にあるのはどこの家庭にもありそうな、人2人が()()()くらいのソファだった。

 

「えっ、コ、コトハ?これ私1人でも少し狭いくらいなんだけど」

 

「大丈夫ですよ。私先生の上で寝るので」

 

 え、コトハ?なんで急にこんな大胆な行動を?私の記憶が正しければ、コトハはそういう過度な密着は恥ずかしがって気にするタイプだった気がするのだけれど。

 

「ほら、先生早く行きましょう。あそこでペロロ様が手招きしてますよ」

 

「何を言ってるのコトハ!?そこには何もいないけど!?」

 

「先生こそ何を言ってるんですか。さっきから先生の首にウェーブキャットさんが巻きついてますよ?絞め殺すくらいには」

 

「え!?何それ怖い!取って!!」

 

「いいじゃないですか可愛いですし。ね、スカルマン?」

 

「コトハ!それはスカルマンじゃなくて植木鉢だよ!」

 

 完全に理解した。ゲーム開発部のモモフレンズゲームで脳が破壊されてしまっていたのか。

 少し考えればわかる事だった。

 あのテイルズ・サガ・クロニクルを作った彼女らだぞ?続編がミレニアムプライスで特別賞を取ったからといって、彼女達の本質が変わる訳では無い。そんなゲームを彼女はモモフレンズへの愛と言う動力のみで、夜更かししてまで完全クリアしたんだ。そんなの自律神経が崩壊してしまったって、仕方ないとも言えるものなんだ。

 きっとコトハは自覚していたんだ。自覚していてそれを無理やり封じこめていたところに、私が仮眠をしようなんて提案してしまったから……。

 ふぅ……今回の件は全て私の失態だな。だから、今からするこれは仕方の無いことなんだ。意識が朦朧としているコトハを抱き抱えてソファで寝るのは仕方の無いことなんだ。私は先生であり、大人なのだから。その責任は自分で取る。

 

「分かったよ、コトハ。じゃあ一緒にそこのソファで寝よっか」

 

「わかりましたせんせぇ〜はやくねましょ〜」

 

 私が一緒に寝ると言った瞬間、すぐに大量の眠気が来てしまったみたいだ。それにしても夢現なコトハ可愛すぎるなぁ。結婚したら毎日一緒に寝ることにしよう。そろそろ私の結婚したあとコトハとやりたいこと100リストも半分行きそうだな。

 

「よし、じゃあ行こっか」

 

「は〜いせんせぇ〜」

 

 コトハを抱きかかえてソファに向かい、ソファの肘掛けの部分に座り背中から倒れる。膝から下がソファから飛び出て、足と床がくっつきそうになっているが、そんなことはもうどうでもいい。

 

「すぅ……すぅ……」

 

 コトハが私の胸に顔を埋めて小さな寝息を立てている。

 それが現実なことをしっかりと噛み締めてから私も眠るとしよう。

 正直この場面を人に見られれば色々と終わるが、幸いここには誰もいない。なんなら、こんなにも幸せな気持ちが味わえるならもうバレて怒られるのも別にいいかとさえ感じている。

 

「くぁぁ……寝顔を見てたら私も眠くなってきちゃったな……」

 

 寝てしまったらもうこの幸せな光景を見ることは出来なくなると分かってはいるけれど、今はただコトハと一緒に寝たいと、そう感じていた。

 

「おやすみ……コト「なに寝ようとしているのかな?先生?」……えっ?」

 

「なんだか騒がしいと思って起きてきてみれば……これはどういうことかな?おじさん、よく分からないから分かるように説明して欲しいな?先生?」

 

 前言撤回。やっぱり怒られるのは嫌だ。

 

「えっと〜……これは……その……そう!コトハが眠そうだったから寝かせてあげようと思ってね!」

 

「ふ〜ん、それはいいことだね。コトハちゃんも先生と同じくらい徹夜しててみんなからよく心配されているし。でもそれならなんで先生が一緒に、それも同じソファで寝る必要があるのかな?しかも抱きついて」

 

 あっ終わった。

 

「い、いや、これは〜……そのぉ……」

 

「私にはしてくれなかったくせに……((ボソッ」

 

 ヒェッ。な、なんか今すごく「過去」を感じた気がする。何故かは分からないけど。一体どうすればホシノの怒りを沈めれるんだ。見当もつかない!

 

「あれぇ?ホシノちゃんおきちゃったの?」

 

「あ、コトハちゃん?おはよう。で、どうして先生と一緒に寝てたのかな?」

 

「コ、コトハ、これはその……」

 

 これはまずい。かなりマズイ。めちゃめちゃ不味い!このままだとコトハにも嫌われてシャーレ追放とかの未来が有り得るかもしれない。確かにコトハに抱きついて一緒に寝転ぶのは人生で1位を争うほどには至福の時間だったが、さすがにこれでコトハともう関われなくなるのは嫌だ!

 

「?よくわからないですけど、2人ともまだねたりないですよね?」

 

「なら、かみんしつのベッドでさんにんでおひるねしましょ〜」

 

 コ、コトハ!やっぱり君は最高で最強の私の嫁だよ!きっとホシノは私にコトハを取られることが嫌だったんだな!シャーレ部員のみんなはコトハのこと好きだし、どうせ寝るなら一緒に寝たかったとかそういう理由だろう。とりあえずこれで私がコトハと関われなくなることは無くなったな。危ない危ない。私の生きる意味が無くなるところだったよ。

 

「う〜〜ん。まぁ、いいか」

 

「ごめんね先生。きっと先生のことだし、先生の方から抱きついた訳じゃないよね、ちょっと意地悪が過ぎたかも」

 

「い、いや。大丈夫だよホシノ。それよりもコトハがみんなでお昼寝したいって言ってるけど、どうかな?」

 

「ふっふっふっ〜、先生?私がそのお誘いを断ると思う〜?」

 

「流石だね、ホシノ。じゃあみんなで仮眠室に行こう!」

 

「「お〜!」」

 

 

 

 

 こうして、3人は仮眠室で仲良くお昼寝をしましたとさ。

 

 

 ⋯⋯そして起きた頃には既に21:00が終わろうとしていて、当番のホシノはともかく、先生とコトハはシャーレ就任以来の地獄を見ることになったそうな。

 

 

 

 

 

 

(ちなみにコトハは脳破壊されていた時の記憶はありません。あったら先生を意識し始めて3日後くらいに結婚します。ですが、結局はifの話です。先生はまだまだ結婚出来ません。)

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