先生は周りにバレずに意識させたい   作:名無しのRちゃん

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先生は何かを自覚したい

 

 

どうも、受注生産の10万をゆうに超えるフィギュアをこっそり購入したことがバレてユウカに2時間半の説教を食らった先生です。

上手く隠したと思っていたのだけれど、まさかコトハが裏切るとは…。確かに冷蔵庫の奥にあった高そうなプリンを勝手に食べちゃったのは申し訳なかったと思っている。

思っているけど、これから3ヶ月趣味に1万円以上の買い物禁止はあんまりだとは思うんだ。先生。

……まぁ食べた私が悪いか。ここはあまんじて受け入れよう。

 

 

「ほら、先生!何時までも拗ねてないで仕事してください!」

 

 

「わ、分かった。やるから!だからそのフィギュアを人質に取るのはやめて!」

 

 

先生。さすがに私の何ヶ月分かも分からない食費を費やしたフィギュアに銃を向けながら仕事しなさいは人のやる所業じゃないと思うんだ。

 

 

「ほら、先生。今日はコトハが居ないんですから。早くやらないとまた徹夜になりますよ。」

 

 

…何か心寂しいと思っていたら、言われてみれば朝からコトハの姿を見ていないな。寝坊しているだけだと思っていたけれどどうやら違ったみたいだ。

 

 

「今日はコトハ休みなの?」

 

 

「なんで先生が知らないんですか?私は当番だからって昨日連絡貰いましたよ。」

 

 

「あ、あれぇ?コトハからは休むなんて言われてないけどなぁ。」

 

 

コトハは何かある時はしっかり連絡してくるし。昨日に限って忘れていたなんてことはないと思うんだけど…。昨日…昨日か……。

 

 

________________________

 

 

「ん〜なんだか甘いものが食べたいなぁ…。冷蔵庫でも覗いてみるか。」

 

 

「お、なんだか高そうなプリンがあるぞ。…そういえば前カズサがお土産にスイーツを持ってきてくれてたな。その時は手が離せなかったから冷蔵庫に入れてもらったけど、多分その時のかな。ありがとうカズサ。じゃ、いただきまーす。パクッ」

 

 

「……な、なんだこのプリン!普通のに比べてとてつもなく甘いのに一切くどさを感じないぞ!それも、思わず頬が緩んでしまうほどに口の中でとろける!そしてそこにほろ苦いカラメルが合わさってとてつもないハーモニーを生み出している!こんなの食べちゃったら、もう普通のプリンには戻れないよ……」

 

 

「先生〜今時間大丈夫ですか〜?明日についてなんですけ…ど……って!あーー!!!!私が朝イチで行列に並ぶためにシャーレの業務を前日に次の日の分まで終わらせてまで買ってきたプリンが!」

 

 

「えっ!コトハ!あ、これコトハのだったの!ごめん!本当にごめん!またこれいっぱい買ってくるから!」

 

 

「夜にゆっくり堪能しようと思ってたのに……先生。今日という今日は許しませんよ!先生には明日然るべき報いを受けてもらいます!プリンの恨みは凄いんですから!これに懲りたらもう冷蔵庫のスイーツを勝手に食べないことですね!」

 

 

「そ、そんな!コトハ、本当にごめん!先生にできることなら何でもするから!」

 

 

「ふーんだ!私は自室に戻らせてもらいますよー!」

 

 

「ま、待ってコトハ!せめてその然るべき報いだけでも教えて!な、なんかすごく先生の大事な何かを押さえられている気がするんだよ!」

 

 

「嫌でーす!人のプリンを勝手に食べる先生は、それでずっと悩んでいてください!」

 

 

「そ、そんなぁ。あ、コトハ、待って!ってなんでユウカに電話を掛けているの!も、もしかしてフィギュアのことバレてるの!?深夜にこっそり買ったのに…。あ、待ってってコトハ!駆け足で逃げないで!」

 

 

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…そういえば最初、コトハが何か私に伝えようとしてたな…。私がコトハのプリンを勝手に食べていたことに全集中を持っていかれたみたいだけど。これ完全に私のせいだな。うん。とやかく言える立場では絶対になかったみたいだ。今になって思えば、あの時からフィギュアという弱みを握られていたみたいだし。というか、朝イチから説教を食らったおかげで気づかなかったけど、私の机の上になにやら可愛らしい付箋があるな。もしかして、コトハが連絡を忘れたことに気づいて置き手紙を書いたのかな。さすがコトハだ。こういうところはしっかりしている。それに、一応連絡をしてくるってことは、もしかしたらプリンの件を許してもらえてるかもしれない。私、もう十分然るべき報いを受けたと思うな。どれどれ…。

 

 

「私のプリンを勝手に食べた先生へ、明日私は人のプリンを勝手に食べない補習授業部のみんなとお泊まり会をするので、休みます。明後日の朝には帰ってきますので、あまり寂しがらないで、しっかり仕事に取り組んでくださいね。まぁ、人のプリンを勝手に食べるような先生にそんな感情は持ち合わせて居ないでしょうが。人のプリンを勝手に食べないコトハより。 P.S 私が朝、とても苦労して行列に並んで買ったプリンのお店の住所をここに書いておきます。しかし、朝に弱く、人のプリンを勝手に食べるような先生に買えるとは思いませんが。私のように前日に次の日の分を含めた全ての仕事を終わらせてから早起きして行かなければなりませんからね。まぁ、それも結局意味はなかったのですけど。あはは。」

 

 

…思っていた50倍はブチ切れていた。なんなら、ここまで怒っているコトハは初めて見た。昨日の言動も何処か可愛らしかったから、正直そこまで怒っていないのかと思っていたが、全くの見当違いみたいだ。これは本格的にあのプリンと、高級スイーツバイキングを奢るしかないな。

というか、普段怒る気配が微塵もないコトハにここまで言われると、なんというか、その、めちゃくちゃダメージがデカい。あの可愛らしい見た目のコトハが私に対してこんな皮肉の塊のような置き手紙を書くなんて…。あぁ…なぜだろうか。これから数日はコトハに素っ気ない態度を取られることを考えると悲しくなってくる。それも有り得ない程には。

 

 

「う、うわぁ……。先生、どうやったらここまでコトハを怒らせることができるんですか…?」

 

 

「うぅ…本当にごめん……コトハ…帰ってきたらちゃんとお詫びするから……」

 

 

「と、とりあえず今日の分の仕事終わらせますよ、先生。先程も言いましたけど、今日はコトハが居ないのでその分仕事も多いですからね。」

 

 

「わ、分かったよ。ユウカ……、とりあえず仕事始めよっか…」

 

 

「そ、その、先生?見るからに元気無さそうに見えるんですけど、本当に大丈夫ですか?」

 

 

「大丈夫。大丈夫だよユウカ。この先コトハに素っ気ない態度を取り続けられ、挙句には無視されようと…、先生は…ウッ…、大丈夫……ウッウッ…、だか……ら。ウッ」

 

 

「せ、先生?泣いてるんですか?た、確かに私もコトハからこんなこと言われたらそうなりそうですけど……。もう!大人なんですから何時までもくよくよしてないで、しっかりとコトハが帰ってきた時に謝って仲直りしてください!ずっとその調子だとこっちにも移りそうです!」

 

 

「ユウカ……。うん、そうだね。やっぱり大人としてこういうところでしっかりしないと駄目だよね。こんなところ生徒には見せられないし。」

 

 

「もう私が手遅れなくらいには見ちゃってますけどね……」

 

 

「う〜ん。でもユウカになら、私のこう言うところを見られても大丈夫かな。」

 

 

「は、はい!?(ど、どういうこと!?わ、私になら他の生徒に見せれないところを見てもいいって…そ、そういうことなの!?ど、どうしよう…この後の仕事に集中出来なくなりそう……)」

 

 

「よし!それじゃあ仕事、始めよっか!」

 

 

「わ、分かりました!(い、今のうちにシャワー浴びてきた方がいいのかしら…)」

 

 

まぁユウカには、フィギュアを買いたくて地面に寝転がりながら駄々を捏ねたこともあるし、この程度今更だろう。だが、さすがにここまでの行動が大人としてろくでもないことは確かなのでここから挽回しなきゃかな。

 

 

________________________

 

 

「……あ、コトハ。そこの書類取っ……今日はコトハ居ないんだった…」

 

 

「…先生。私が代わりに取ってあげますから。」

 

 

「あ、あぁ。ごめん、ユウカ。ありがとう。」

 

 

________________________

 

 

「う〜ん。コトハ、このファイルの整理任せてもいいかな?……コトハ?」

 

 

「…先生。今日はコトハは休みです。それも、私がやりますから」

 

 

「…そうだったね。ありがとう、ユウカ。助かるよ」

 

 

「……はぁ」

 

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「そろそろ休憩にしよっか。」

 

 

「そうですね、もうお昼時ですし。」

 

 

「冷蔵庫に貰ったケーキが余ってるんだけど、食べる?」

 

 

「いいんですか?じゃあ、お言葉に甘えて。私、飲み物用意しますね。」

 

 

「あぁ、大丈夫だよ。飲み物はコトハのオリジナルブレンドコーヒーがあるからね。最近研究し始めたらしいんだけどさ、毎回そのスイーツにあったコーヒーを淹れてくれるんだよ。すごくない?うちの部長。」

 

 

「………先生。いい加減にしてください。コトハは今日、お休みを取っていて居ないんですよ!どれだけいつもコトハに頼りっぱなしなんですか!」

 

 

「…あっ。……うぅ…ごめんユウカ…いつもコトハが居るのが普通だからそれが抜けなくて…」

 

 

まさか私がいつもここまでコトハにお世話になっているとは…。多少自覚はしていたけれど、想像をゆうに超える甘えっぷりだったみたいだ。……居なくなってから気付くなんて、私もまだまだだなぁ。それにコトハが居ない今の現状をまだ受け入れきれていない自分もいるし…。

それと、さっきから私の胸に確かに存在しているこの「何か」はなんなんだ?コトハが居ないことによる寂しさ?いや、それにしては何だか重すぎるような…。

 

 

「はぁ…業務中もどこか上の空でしたし、……そんなにコトハのことが好きなんですか?」

 

 

好き?いや、この「何か」は好きでは無いはずだ。むしろ、それより大きなものだと感じる。何故分かるのかと言えば、私は生徒のことが全員好きだからだ。さすがの私でもこの「何か」が、この好きと同じだとは思えない。…でも、好きを否定するのは絶対に違う。きっと好きも含まれるような「何か」なのだろう。

 

 

「うん。もちろんユウカもね。」

 

 

「……さすがの私でも、それは違うって分かりますよ。」

 

 

「?私は生徒のことはみんな好きだよ。」

 

 

「それは痛いくらいには分かっていますけど…自覚してます?朝、コトハが居ないことを伝えてからずっとコトハのこと考えてますよね?」

 

 

そ、そうなのかな?ちょっと振り返ってみよう。コトハが休みと聞かされてから昨日のことを思い出して、…切れているコトハとどう仲直りしようか考えて、業務中にコトハを何回も呼んで…居ないと分かる度に胸が苦しくなって。そして今、コトハと関係がありそうな「何か」について…

 

 

「…言われてみれば、確かにそうかも……」

 

 

「…はぁ。本当に自覚してなかったんですね…」

 

 

これが私の中にある「何か」に直結することなのだろうか?う〜ん、関係はあるとは思うのだけど、なにか、あと少しが足りない気がする…

 

 

「…とりあえず、先生も今のままで仕事をしても集中して取り組めないでしょうし、1度仮眠を取ってきたらどうですか?」

 

 

「え!?さ、さすがに悪いよ。このあとの仕事を全部ユウカに任せるってことでしょ?気持ちはありがたいけど…」

 

 

「大丈夫ですから、先生。私、これでもセミナーの会計なんですから、このくらい本気を出せばちょちょいのちょいですよ。」

 

 

さすがにちょちょいのちょいはないとは思うのだが…確かにユウカの言う通り、今の私が仕事に取り組んでも微塵も集中出来ないと思う。最近も四時間以上寝れてないし、甘えてしまおうかな?

 

 

「ごめんユウカ。本当に助かるよ。また今度空いている日にでもご飯に行こうか。もちろん私の奢りでね。」

 

 

「…ありがとう…ございます。では、先生ゆっくり体を休めてきてくださいね…」

 

 

「?うん。本当にありがとう。助かったよ、ユウカ。」

 

 

少し、雰囲気が違ったような気がしたけど本当に大丈……いや、きっとここでユウカの元に戻る行為が、一番ユウカにとって良くないことだろう。せっかくユウカが作ってくれたこの時間、有効活用しなきゃな。とりあえず仮眠室でこの「何か」について考えることにしよう。

 

 

________________________

 

 

「ふぅ…だいぶ進めたけど…」

 

 

机を見れば、少し目線を上にしないと天井が見えない程の書類の山。

 

 

「さすがに、3人分の書類は私でもキツいわよ…」

 

 

…でも、それで先生が少しでも恋心を自覚できるなら、少しでもあの鈍感が治るなら……そう、思わないと泣いちゃいそうだから。

 

 

「初恋…だったのにな…」

 

 

そんなことを思いながらも、書類を進めていく。

 

 

「こんな私にも、優しく、してくれて…」

 

 

そんなことを思いながらも、書類を、進めていく。

 

 

「ユウカならって言葉も、全部嘘…だったのかな…」

 

 

そんなことを思いながらも、書類を、…進める手が止まっていく。

 

 

「そんな訳ないじゃない…あの底抜けに優しくて、自分の生徒のことを一番に大切にしてる、あの人が嘘をつく訳ないでしょ…」

 

 

書類に水滴が落ちる。

 

 

「あ〜あ。なんで私、自分の初恋を捨てるような真似したんだろ…」

 

 

嘘だ。本当は、分かっている。でも、それを今度こそ口に出してしまったら、もう抑えられそうにないから。

………それでも、私はきっと口に出してしまうのだろう。だって、それが無かったのなら、今の私も居ないのだから。

 

 

「…そんなの……そんなの………先生が大好きだからに決まってるじゃない…」

 

 

机に水滴が溜まっていく。

 

 

「先生のことが大好きな私だから、先生のことを一番に思っている私だから、……先生の幸せを願っている私、だから。」

 

 

もうダメだ。この先の言葉を言ってはならない。…ならない、はず、なのに。

 

 

「だけど!…それでも、先生が幸せになれる場所に、私が、隣に居られればって…」

 

 

言ってしまった。自分から先生の恋心が報われるよう、行動を起こしたくせに、何を今更言っているのだろうか。本当に……何を今更…。

…やっぱり分かってしまう。そりゃ自分のことだから当たり前なのだが、…今だけは、分かりたくなかった。当たり前が当たり前じゃなくなることに縋りたかった。…だって、私は…

 

 

「ここまでしたくせに…私はまだ、この恋心を、この初恋を諦められないんだもの。」

 

 

自分で言っていて、自己嫌悪してしまう。まさか私がここまで執念深いなんて思わなかった。

 

 

「あぁ…本当に、どうしてかしらね…」

 

 

…好きな人に話しかけられただけでその日の気分が良くなってしまう私も、好きな人が他の人と話しているだけで嫉妬してしまう私も、……何時までも未練たらしく好きな人に縋っていたいと思う私も、全部、先生が居たから分かった自分なのに。私を、私じゃない私にしたのは先生なのに。

 

 

「それでも、先生は、私を選んではくれないのね…」

 

 

誰もいない部屋に、そんな声が静かに響き渡る。

 

 

________________________

 

 

「……ん。」

 

 

瞼を閉じていても感じる眩しさに意識が戻れていく。

 

 

「いつの間にか寝ちゃってたのか…今は…朝の6時。…18時間も寝るって…どんだけ疲れてたんだ。」

 

 

結局あの後考えたが「何か」については分からずじまいで、そのまま寝落ちしていた。

 

 

「せっかくユウカが時間を作ってくれたのに……はぁ…。」

 

 

ユウカにどうお詫びをしようか考えていた、その時。

 

 

「あ、先生!おはようございます!起きてたんですね!朝ごはん出来てるので食べましょ!」

 

 

笑顔のコトハを見た瞬間、私の中の「何か」が少し鮮明に感じられた。それと同時に、昨日感じていた心寂しさも無くなった気がした。でも、それについて考える前に、私にはやらなきゃいけない事があるだろう。

 

 

「コトハ。その、一昨日のこと、ごめん。謝って済むことではないと思うけど、それでもごめん。私が食べてしまったプリンは買ってくるし、それとは別にスイーツバイキングでも一緒に行こう。もちろん私の奢りだから。」

 

 

「あ、あ〜。それについてはですね…」

 

 

私の知らないところで何かあったのだろうか?

 

 

「え、えっと。何か問題でもあった?」

 

 

「あ、いやその。食べられた時に怒っていたのは本当なのですけど…このことを補習授業部のみんなに話したら、ハナコちゃんがちょっとした仕返しでもしましょうか♡とか言い出してですね…」

 

 

…もしかしなくとも、これは…

 

 

「多分、あの付箋で先生は悩んでたんだと思いますけど、あれハナコちゃんから送られてきた文章をそのまま書いただけの付箋なんですよね……だから私昨日の時点でもう怒っていなくて……えっと…すいませんでした。」

 

 

…やっぱりハナコの仕業か。さすがにあの文をコトハが書くわけないよな……良かった。私の知っているコトハで。………私の知っているコトハで?

なぜ急にそんなことを思ったのだろうか。私が知らないコトハがいることで、何か自分でも自覚していない、私に嫌なことがあるのだろうか。

 

 

「?そんな難しそうな顔をしてどうしたんですか、先生。」

 

 

「い、いや、大丈夫。なんでもないよ、心配してくれてありがとう。」

 

 

さすがに、これについて少ししか分かっていないのに、このことについて言うのは悪手だろう。それに、これ以上コトハに心配を掛けたくない。

 

 

「…先生。私は何時でも、どんな時でも先生の味方ですから。あんまり1人で背負い込まないでくださいね。」

 

 

「!……うん。ありがとう、コトハ。」

 

 

その言葉をかけられた瞬間、私の中の「何か」が明確なものになった。

私の知らないコトハが居ること、これはきっと嫉妬なのだろう。朝、私が感じていた心寂しさは、毎日のように聞いていた、見ていた、コトハの笑顔とおはようございます、これが無かったからなのだろう。そして、私がずっとコトハのことを考えていたのは……きっと彼女のことが恋愛的に好きだから…なのだろう。…ユウカは私のこの感情に気づいていたのだろうか。だからこそ、あそこであのような行動をしたのだろうか。本当に、つくづく彼女には頭が上がらないな…。

 

 

________________________

 

 

 

さて、私の中の「何か」を自覚出来たのはいいのだが…、先生が生徒のことを恋愛的に好きになるなんて、常識的に考えてあってはならないことだろう。ひとまず、この感情については隠し通さなきゃかな…

 

 

「先生?聞いてますかー?朝ごはん出来ましたから食べますよ〜」

 

 

「分かったよ私のコトハ。私のために朝ごはんを作ってくれたんだもんね。先生、コトハの手料理を食べれるだけでこの先も頑張れそうだよ。それはそうと先生朝弱くてさ、ちょっと手元がおぼつかないからあ〜んで食べさせてくれないかな?大丈夫、安心して、あ〜んの時にどさくさに指も食べようなんて少し、いやだいぶしか思ってないからね。」

 

 

「はい?す、すいません先生。ちょっと早口過ぎて聞き取れなかったです…」

 

 

は、は?は!?…待て待て!私は一体何を口走っているんだ!そんなこと全然思っているけど!じゃない!!相手は生徒だぞ!そんな頭のおかしい煩悩をぶつけていい相手じゃない!それはそれとしてあ〜んはしてもらいたいけど!だからじゃない!!!止まれこの煩悩馬鹿!!い、一体どういうことだ。たしかにコトハのことが好きだとは自覚したが、これは好きの範疇を超えてい…る……………そういえば、私ユウカにコトハのことが好きかと聞かれた時に、この「何か」は好き以上の何かな気がするとか思っていたな。………もしかして、もしかしてだけど、私、コトハのこと好きなんじゃなくて………愛してる?

 

 

 

 

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