寒い日が続きますが皆様体調に気をつけてください。
日が落ち、漆黒と静寂に包まれ、風と砂の世界にアークエンジェルはいた。
ストライクを助ける為にコースを変えたことで突入コースにズレが生じ、北アフリカに降下した。
降りて早々にストライクからキラ君を引き摺り出し、医務室に運び込んだ。カタログスペックでは大気圏突入は出来るが、それはそういった姿勢をとり、メンテナンスを万全にしたうえでの話だ。戦闘で大小様々な傷を負い、メンテナンスも不十分な機体での話ではない。
コクピットは高熱に襲われ、サウナを軽く越える温度になっていた。キラ君は高温に晒されたあと、突入後の急激な気温低下で熱を出した。
とりあえず軍医に解熱剤の処方を頼み、持っていた薬を幾つか渡した。これで幾分か楽になったのか寝ている。問題は魘されている事だ。恐らくは目の前で民間人の乗ったシャトルをデュエルに撃墜されたのが原因だろう。彼は心優しい子供だ。心に来るものがあったのだろう。
私はラミアス少佐達に簡単な情報提供をすると、直ぐに機体に乗り込んでいる。一刻も早く地上戦用にOSやパラメーターを切り替えている。
現在、キラ君は熱でダウン。フラガ少佐は機体がない。つまり戦える戦力は私しかいないのだ。戦闘が出来る状態にプロトを持っていかないと。
「俺、こういうの苦手なんだけどな………。シグーからの流用と数値変更でいけるか?」
元愛機の数値をキーボードでカチャカチャしていると手元に陰が落ちた。
「どうです一佐?終わりやしたか?」
マードック軍曹が覗き込んでいる。
「多分ね。後は戦闘で不都合があるかどうかの確認だな。」
パラメーターや駆動系の数値を見て、ここらで止める。地球に降りてから休みなく動いていたから流石に疲れた。このままでは俺も体調を崩しかねない。
マードック軍曹に今日は切り上げて休むと伝えて部屋に向かう。
水を一口飲み、プレイヤーでラクスのアルバムを流して椅子の背もたれを45度位に倒す。ゆっくりと優しい声音に安らぎを覚え、すぐにウトウトしてきた。
連合軍士官3人が顔を突き合わせて、会議をしている。
「とりあえず無事に地球に降りることはできた。」
「ザフトの勢力圏ど真ん中だけどな。」
「……………。」
私の言葉にフラガ大尉は事実を述べ、バジルール大尉は黙して語らず。
「問題はここからはどうやってアラスカに向かうか。」
頭が痛くなる問題ばかりで嫌になる。
「キリュウ一佐の話では砂漠の虎が北アフリカは管轄しているそうだな?」
「ええ。カーペンタリアに移動になるまではそうだったと。」
「戦力は聞いたのかい?」
私の顔が渋くなったのが分かったのだろう。2人共憂鬱そうな表情に変わる。
「直轄の1個大隊。周辺にも他の部隊を配しているだろうから合わせて3個大隊はいてもおかしくないそうです。」
「大部隊だな。それを突破してアラスカ?気が遠くなりそうだ。」
フラガ少佐の溜息混じりの言葉に頷いた。確かに気が遠くなりそうだ。
「他の部隊はどうなのです?ほかの地域から援軍が来るとかは?」
バジルール大尉が尋ねてきた。それに対してキリュウ一佐から聞いた情報を伝える。
「ジブラルタル、マドリッド、パリ、ベルリン、ウィーンに大部隊を置いているそうです。問題はパリの高機動空挺攻撃大隊とウィーンの重火砲特別編成大隊です。」
「「……………。」」
連合軍の士官なら皆が知っている部隊だ。開戦当初、ジブラルタルを攻略したザフト軍は5個大隊を先鋒として進撃した。
キリュウ一佐、いやカナデ・ドウジマの特殊作戦群、ウィリアム・ハーレイ率いるディンで構成された高機動空挺攻撃大隊、ウォーレン・バーンズコック率いるザウートと高火力型ジンで構成された重火砲特別編成大隊、アンドリュー・バルトフェルド率いるバクゥで構成された高機動地上攻撃大隊、アレクシス・サンチェス率いるシグー、ジンで構成された特別攻撃大隊の5個大隊だ。
ザフト軍と地球連合軍の戦争で戦史に燦然と輝く一戦があった。あのナポレオン・ボナパルトの戦争で有名なアウステルリッツの会戦だ。そこで一戦することになった。そしてカナデ・ドウジマは軍神として地球でも名を上げた。
ユーラシアは西方軍4個師団を動員し、ザフト軍を追い払おうとした。対するザフト軍もユーラシアの大兵力をここで撃滅し、欧州の統治を盤石のものにしたい目論見があった。
ザフトの総司令官は宇宙で数多の武功をあげ、地球でもジブラルタル、カーペンタリア攻略戦、防衛戦に参加し、欧州制圧戦でも武勲著しい男が就いた。ザフトの黒騎士とプラントでは讃えられ、黒い死神と連合宇宙軍で恐れられたカナデ・ドウジマだ。
数で大きく劣るザフト軍が敗れるか後退すると大西洋連邦もユーラシアも、何ならザフトも予想していただろう。
しかし結果はザフトの完勝となった。数で劣るザフトがまさかの包囲殲滅戦を試み、それを成した。
4個師団の内、逃げ帰ることができたのは1個大隊をギリギリ越えなかったという。そして大半は東欧の地に屍を晒すことになった。
これはザフトが戦力差から降伏勧告をしている暇などなく、ひたすら戦い続けるしかなかったからである。
多大と言っても過言ではない戦果をあげた部隊の一つでも、この北アフリカに増援としてくる可能性がある。その事態を想像するだけでげんなりする。
「で、来る可能性は?」
フラガ少佐も不安気だ。バジルール大尉も縋るような目をしている。
「低いそうです。」
私の言葉に2人がホッとした顔をする。
「理由はユーラシアと緊張状態にある為、この2つを動かせば情勢のバランスが崩れるそうです。問題はジブラルタルにいる特別攻撃大隊ですが、これは砂漠戦を想定していないので改修が必要なために来る可能性は限りなくゼロに近いと。」
「とりあえず最悪の最悪は回避できたか…………。」
「「……………」」
「ともかく、本艦の目的、および目的地に変更はありません。」
そう2人に告げ、会議を終えた。バジルール大尉は早々に艦長室を出て艦橋へ向かった。
溜め息を吐くと、向かいに腰掛けたムウが“大丈夫か?”と優しい声音で尋ねた。視線を合わせると、彼が穏やかな色をたたえて自分を見ているのに気付いた。
「ええ………大丈夫よ。」
「そっか。なら、いい。」
“よいしょっと”と声を出しながら腰を上げた。
「じゃあ、俺は坊主の様子を見てから寝るよ。あんたももう寝な。艦長がそんなクタクタのボロボロじゃ、どうにもならないぜ。」
いつも通りの軽い口調で、手を振りながら彼は出て行った。彼が退室し、扉が閉まったのを確認すると冷めてしまったコーヒーを飲み干し、モニターの地図を見つめる。
キリュウ一佐と今後の事を色々と話し合わなければ。
「どうかな?噂の大天使の様子は。」
聞こえてきた上官の声に、赤外線スコープを覗き込んでいたマーチン・ダコスタは顔を上げた。
「はっ、依然何の動きもありません!」
振り仰いだ先には、長身の精悍な男の姿があった。砂漠用の迷彩服を纏った体躯は引き締まっており、面長な顔は日に焼け、強烈な野性味を漂わせている。
「地上はNジャマーの影響で電波状況がめちゃくちゃだからな。」
男は片手に持ったカップを口に運び、一口飲み表情を変えた。
「むっ!?」
ダコスタはサッと身構える。
「なにか!?」
異変でもあったかと周囲を警戒する彼の前で、上官は満足そうに顔を綻ばせた。
「いや、今回はモカマタリを5%減らしてみたんだがね、こいつはいいな!」
どうやら飲んでいるコーヒーの感想だったらしい。がっくりと拍子抜けする。この上官の趣味は、コーヒーの自己流ブレンド法なのだ。いくらコーヒーの産地が近いとはいえ、そこまで凝ることもあるまいにと内心呆れている。
だが上官はいかにも美味そうにカップの液体を飲みながら、子供の様に上機嫌だ。
「次はシバモカあたりで試してみるかな………」
こうしていると変わり者の巫山戯た男にしか見えないが、彼には別の顔がある。ザフト軍地上部隊における屈指の名将にして名パイロット、アンドリュー・バルトフェルド―――通称、『砂漠の虎』である。
作戦行動中とは思えないほど悠然とした態度で、バルトフェルドはコーヒーを飲みながら、砂丘をスルスルと下っていく。空になったカップがポイと放り投げられ、ダコスタは慌ててそれを受け止める。
月の光を受けて、白く輝く砂丘の麓に、動かない巨大な機体とヘリコプターやバギー、そしてその周囲で動き回る男達の姿があった。
バルトフェルドの姿に気付いた男達は、素早く整列した。そして彼らの隊長が口を開く。
「では、これより地球連合軍新造艦“アークエンジェル”に対する作戦を開始する!」
声を張っているものの、その口調はどこか無造作で軽い。
「目的は、新造艦および搭載モビルスーツ2機の戦力評価である!」
その言葉を受けて、パイロットの1人がニヤニヤしながら質問した。
「これだけの戦力で倒してはいけないのでありますかぁ?」
するとバルトフェルドは“う〜〜ん”と少し考えた。このパイロットの気持ちは分かる。近隣の部隊に招集を掛け、動かせるだけの戦力を集めた。バクゥ12機に戦闘ヘリ10機、戦闘車両5両、そして戦艦を2隻も持ってきたのだ。それで威力偵察だけとは不満も口にしたくはなる。
「別に構わんが……あの艦とモビルスーツは特戦群が解散した今、宇宙軍でも名の通ったクルーゼ隊が遂に仕留め損ない、第八艦隊のハルバートンが命を投げ出しても守った艦だ。努々油断して無様を晒すなよ?」
不敵な笑みを浮かべながらの警告にピリッとしたムードにはならない。
「それとあのプロトタイプ。クルーゼは黒騎士と同等だと評している。それが事実ならお前さん達も私も命懸けだ。」
肩を竦めての最後の一言に空気が凍り付いた。ここにいるパイロットの大半がアウステルリッツの参加者で欧州攻略戦、北アフリカ攻略戦で共に戦った。
私はその後の赴任なので知らないが、皆が口を揃えて味方で良かった。敵なら死んでると言う。
「さぁ、戦争の時間だ!」
「総員搭乗!」
「「「「「「「「ハッ!!」」」」」」」」
指揮官の激にもなっていない激を受け、命令を出した。それを聞き、皆が自機に向かって行く。
地球に降下して3日目が終わる。
日中に機体を砂漠で動かし、問題がないことをチェックした。スカイグラスパーも順調に調整しているそうで明日のチェックで飛ばすことを目標にするそうだ。
昼過ぎにはキラ君が目を覚ましたと聞き、様子を見に行ったが元気そうだった。
夕食を食べた後、ラミアス艦長とコーヒー片手に作戦会議をする。そろそろ動かないと敵に見つかるか攻撃される。
そう言うと、此方の戦力がしっかりしてから行動したいそうだ。慎重論になる気持ちは分かるが此方が時間をかけるということは、敵にも時間を与えるということだ。
個人的にはあまり面白くない。だが雇われの傭兵の身ではな。仕方ない。
椅子のリクライニングを傾けて休む。いつもの様にラクスのアルバムを流して眠りにつく。
警報が鳴った。いつの間にかラクスのアルバムが止まっている。幾らかは眠れたのだろうが、タイミングが悪い。
どうせパイロットスーツを着るのだ。そのままの格好で更衣室に向かい、パイロットスーツに着替えて機体へ乗り込む。
「ブリッジ!」
『キリュウ一佐!』
艦橋の責任者を呼ぶとラミアス艦長が出た。どうやら彼女も艦橋に上がってきていたようだ。
「出るぞ。ハッチを開けてくれ。」
『しかしまだ敵の姿も見えていません!』
この間の悪さに苛立ちを感じる。実戦経験の少なさからくる対応の遅さがイライラさせられる。
「これは第一波だ。直ぐに二波が来る。そして本命のご到着だ。その前に外に出ておかなければ出撃のタイミングを逸する。」
『分かりました。キリュウ一佐よろしくお願いします。』
『X100ベーシス発進させる。ハッチ開放!』
やっと動き出した。次々と指示を出す。
「装備はエールストライカーを。フレア弾は1分間隔で頼む。」
『分かりました。………ご武運を。』
「サンクス。カナデ・キリュウ、プロト出るぞ!」
機体が外に躍り出る。砂丘の上に着地すると此方をターゲットにした戦闘ヘリが3機向かってくる。ミサイル攻撃をしてくるも砂丘を滑り降りて避ける。そしてお返しに頭部バルカンを放ち、落とす。爆発する機体、損傷し墜落する機体、躱す機体と様々な行動が見れた。
少しの間、静寂に包まれた。そしてそれを破るけたたましい警告音がコクピットに流れる。レーダーにサッと目をやるとミサイルが飛んできている。狙いは俺か!
スラスターを吹かし、後退する。そしてミサイルに向かってライフルを放つ。そのビームに穿たれたミサイルが爆発する。誘爆し、此方に飛んできていたミサイルの大半が消えた。残り数発のミサイルも砂丘を盾にして防ぐ。
『ストライク出るぞ!ハッチを開けて!』
『キラ!』
どうやらキラ君も出撃したいようだ。だがな………。
「邪魔だ。待機していろと伝えてくれ。」
『キリュウ一佐?』
「砂漠戦にはコツがいる。調整も無しにやるものじゃない。」
砂丘をバクゥが飛び越えてきた。俺の上を跳んで行くバクゥ。隙だらけだな。ライフルで一機を撃ち落とす。大炎の花を咲かせる
。
『いいから開けろ!僕が行ってやっつけてやる!』
なおも言い募るキラ君。いつもと様子が明らかに変だ。
『キリュウ一佐、ストライクは艦上で支援をさせます。』
「そう判断したのなら文句はない。」
『ストライク発進させて。ストライクはアークエンジェルの援護を!』
此方がアークエンジェルとの会話に気を取られた一瞬に一機のバクゥが間合いを詰めてきた。チィッ。
抜き打ちのビームサービスで真っ二つにした。後方で爆発するのを感じながら機体を動かす。離れた位置にいるバクゥに目を付ける。砂丘に隠れたが相対速度を合わせて出てくる所にビームを放つ。出てきた瞬間にビームに貫かれ、大爆発を起こす。
周囲を煌々と照らす。間髪入れずにライフルを放つともう一機に吸い込まれ、撃破。これで4機。
「やるな〜、あのパイロット。砂漠でのモビルスーツ戦ノウハウを理解している。」
私の感嘆の声にダコスタ君はまさかと言い募る。
「砂漠戦のノウハウって、まさか!?」
「あの砂丘の使い方。スラスターとバーニアの細かい操作による低空飛行によるホバリングでの高速移動からの柔軟な戦い方。まさかナチュラルではあるまい。十中八九、コーディネーターさ。それも飛び切り優秀なやつさ。ジェイソン、代われ!」
手元の通信機を持ち、全機に聞こえるのもお構いなしに声を掛けた。
「隊長!!」
「戦ってみなければ分からないこともあるのさ。」
止めるようになおも言い募る副官を無視して、傍に待機したバクゥに乗り込む。
「アンダーソン、ジェイク!フォーメーションデルタだ!他はもペアを組んで行え!」
指示を出すと、即座に動き出した。三位一体の連携。誰かが必ず敵機の背後か側背をとるフォーメーションだ。そしてあの機体はPS装甲がない。こちらの攻撃を喰らえば致命傷になる。
ミサイルが多数向かうが、相手は後方に下がりながらライフル、頭部の砲で叩き落としていく。そして砂丘を盾にして防ぐ。やるな、地球軍のパイロット!
今の動きだけでもエース級だ。ザフトでも出来るものはそうそういない。ならこれならどうだ!
「フォーメーションデルタアタック!」
『『『『『了解!!』』』』』
これは3機一組で2機が遠距離から攻撃し、その間に一機が体当たりを喰らわせて体勢を崩して、二次攻撃で撃破するコンビネーションアタック。
私とジェイクがミサイルとレールガンを放つ。レールガンをシールドで受け止めただと!ミサイルを急加速で掻い潜る。私に狙いを定めたか!?
間合いを詰めてきた敵にレールガンを放ちながら後退しようとしたが敵の方が速い。躱しながらビームサーベルを一閃。前脚を斬り飛ばされた。敵モビルスーツは追撃をせずに後ろに大きく下がった。
『隊長!!』
「大丈夫だ!後方から援護する。ダコスタ!」
『はい!!』
「レセップス、ピートリーに打電。艦砲で艦を攻撃させろ。」
『了解!』
私がやり取りしている間にも一機、もう一機とバクゥを落とされた。あの機体捌き、戦い方。どうにもあの男の影がチラつく。
レセップス、ピートリーの艦砲がアークエンジェルを襲った。ギリギリの所で撃ち落とせたが、この状況ではあの艦に反撃オプションがない。一方的に攻撃出来る。モビルスーツは厄介極まりないが艦が落とされればどうにもなるまい。
プロトタイプが艦砲を落とそうとするもバクゥが遠距離から攻撃して妨害する。そう簡単に仕事はさせんよ。
もう何発もアークエンジェルに艦砲が当たっている。迎撃しようにも。
「くっう!!」
ミサイルをシールドで受け止める。激しく機体が揺れる。直ぐに機体を動かしながら敵機を狙う。遠巻きから牽制しかしてこないので、撃破するのは難しい。
といって艦砲を狙うと多重攻撃でおちおち狙っていられない。このままではと思った瞬間、ストライクが高く飛び上がった。
「キラ君?」
肩の砲を砂漠に撃ち込み、大量の砂埃を巻き上げた。次の瞬間、砂埃から出てきたバクゥをアグニが貫いた。もう一機も落とした。そして砂漠に着地し、下からアグニを放ち、飛んでくる艦砲を撃ち落とした。
アグニ、そして艦砲が爆発したことにより戦場が煌々と照らし出される。キラ君の妙技に見惚れている動きを止めた愚かな敵がいる。それを過たずに撃ち抜く。これで更に2機!
俺の攻撃に敵が我に返った。敵の数が半分を切った。
このまま押し切る。そう思った時、バクゥの側面を砲撃が襲った。微かにレーダーに反応がある。カメラをズームで操作すると10台ほどのジープが此方に向かって来ていた。
『あれは………?』
「レジスタンス………か?」
あの貧弱と言ってもいい装備でバクゥと相対するつもりか?死んだほうがマシなのか?死にたがりの愚か者か?
敵が一斉射を行なってきた。俺とキラ君は機体を後退させる。さっきまでいた所にミサイルが大量に振り注ぎ、敵との間に広大な爆炎、黒煙が広がる。そしてそれが晴れた時には踵を返して撤退を行なっていた。
判断が素早いな。ストライクが砂漠戦に対応している。そして戦力が半分になったことで不利と判断したのだろう。
『敵艦より入電!諸君の健闘を称え賞する。アンドリュー・バルトフェルド。以上です。』
アークエンジェルから、CICを勤めるミリアリアさんが敵艦からの電文を読み上げた。やはりそうか。
『アンドリュー・バルトフェルド!敵は砂漠の虎ということね。』
ラミアス艦長の多少の驚きと敵が確定したことによる覚悟を決めた声が響いた。
次はアオのハコを更新する予定です。