ぐだこがレイシフトしました。
レイシフトとは霊子化した魔術師を過去へタイムトラベルさせるシステム。
通常は専用のポッドに入って行う。レイシフトした魔術師は常にバイタルを確認されるがここに例外が存在する。
眠っているだけでも特異点に強制的に召喚されてしまう魔術師、もといカルデアのマスターがいた。
気がつくと空中に落下していた。
「え?えええ~!?またなの!?」
天上も床もなく掴めるものなどもちろんなく、落下の際に体勢がくるくると変わる視界からは灰色のどんよりとした空と荒廃した山と古い洋館と道なりに村が見えた。
「だれか!誰でもいいから!!着地おねがい~!」
少しの浮遊感の後、願いも空しく私は古びた洋館の屋根を突き破り埃りまみれのベッドへダイブした。
ドオオン!!
「ぎゃあああぁ、あ、痛くない」
思ったよりも着地の衝撃は少なかった。ベッドに落ちて幸いだった。
「ぶへ、ごほ!ごほ!!」
視界を防ぐほどすごい埃が舞う。屋根の一部と長い間放置されていた部屋の埃で何も見えない。
少し待って落ち着いたら服に付いた埃を払い立ち上がり周りを警戒する。何度も体験した。大丈夫。
こういう時はカルデアと通信の確認。駄目そう。令呪、ある。サーヴァントの召喚。いける?
「あれ、出撃制限かかってる。」
サーヴァントはアルトリア顔のみ召喚可能。
「なんで?」
イベントかなぁなんてこの時は悠長なこと思ってたんだ。
「まずはここから出ないと」
落下する時に村が見えた。そこで情報収集しよう。方針を決めて出口へ向かう。何度かモンスターと出会ったけどサーヴァントのおかげで無事脱出できた。私も逞しくなってきたなぁ。
道なりに進むと村が見えてきた。村人もいる。よかった。
「あの、すみません」
「なんだ余所者。この村になんか用か」
不躾にジロジロと見られて、いきなりで驚いたけどここで引いちゃだめだ。
「この村の名前ってなんていうんでしょうか?道に迷っちゃって・・・」
「ニブルヘイムだ。嬢ちゃん。あんた荷物もなく山越えてきたんか」
「途中でモンスターに襲われて、その無くしちゃいました」
「そりゃ難儀だったな。あーあんたムラマサに似てるな。妹かなんかかい?」
「え!おじいちゃんいるんですか!?」
「おじいちゃんって歳でもないだろあんな若いの」
「その!刀匠で赤毛でじじくさい若者だったらおにいちゃんです。どこに居ますか?」
「あっちだ。村のハズレだよ」
「ありがとうございました!!」
村正が知っている人物だという保証はないが教えてもらった家へ向かう。家は外観は古い日本家屋で下総国と同じような造りになっている。家の外から声を掛けてみるが誰かいるだろうか。
「立香!!」
家の中からアルトリアキャスターが出てきた。
「久しぶり!アルトリア!」
「お久しぶりです。カルデアのマスター」
おかしい。妙だ。アルトリアキャスターは私のことをカルデアのマスターと呼ぶだろうか?
「アルトリア?」
「おう!嬢ちゃん久しぶりだな」
「村正!!やっぱりいた!!よかったー!」
「なんだってこんな所にカルデアのマスターが?」
「それが良くわからなくて、気が付いたら空中に投げ出されて無重力状態。じゃなくて結局重力で下に落ちちゃったんだけど」
「いやいや、よくわからないでここに来ちまったって?カルデアのレイシフトで来たってわけじゃないんだな?」
「う~ん。えへ」
「まぁ家、入りな。話は聞いてやるから。ついでに飯食って汚れも落としていきな。アルトリア、飯と風呂沸かすぞ。」
私は料理をごちそうになり、風呂と寝床も貸してもらった。なお村正の料理はとても美味しかった。
アルトリアは家に帰るそうでご飯を一緒に食べてから出て行った。家?一緒に住んでないのか。
詳しい話は明日ってことでその日は眠りについた。お休み。
「それを手にしたが最後、君は人間ではなくなるよ」聞こえたのはどちらですか?
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女の声
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男の声