引退したバンドのベーシストがクズ面白い話   作:あおーいあお

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久しぶりに小説書いたので色々と悲惨ですが大目にみてください。
(途中で作り直すかも?)


第1話 ベーシストのお兄さん

 

 

 

人とは夢を見る生き物である。

夢を見てなければ空虚に生きるしか無い悲しい生物でもある。

志半ばで燃え尽きるとより惨めだ。

 

 

 

「俺の6万…」

 

 

 

さっそくパチンコで志半ばで燃え尽きた。

惨めである。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が何をしたというのだ。

確かに常日頃から酒に溺れてパチばっかりの生活だがちゃんと稼ぎはあるし、良いことだって結構してる自信がある。

この前澤 数多(まえざわ あまた)、聖人さには自信があるぞ。

 

なのに朝っぱらから今カノに関係を切られ、憂さ晴らしのパチンコで6万飛んだ。

さらにあんま帰らない住処に帰ろうとしたら騒音で迷惑だからと大家さんに怒られて出ていくことになるとは……。

 

やってられるか。

酒だ酒。

 

そう思って適当に歩いているとライブハウスが目に入った。

…ライブハウスねぇ…。

 

今では顔だけが取り柄のパチカスアル中の俺だが、バンドを組んでたことがある。

まあまあ前に解散したがそこそこ有名だった。

というかメジャーデビュー目前で解散したのだ。

今でもネットで調べれば出てくるだろう。

 

男2女2のバンドで名前は“STAR/DUST”。

高校からの同級生である俺の相方のギタリスト、大学で出会った最高13股のアホギタリスト、大学に行く途中で初対面の俺をライブハウスに拉致って練習に付き合わせてきたクレイジードラマー、酒大好きでピアスバチバチイケメンベーシストの俺の4人。

 

バンド名の由来は俺たち4人がクズ(dust)で、当時仲が良かったツッコミ担当の暴力女の名前に(star)が入っていたから。

 

解散理由は相方が交通事故の後遺症で楽器を握れなくなったから。

メンバー全員、あいつ以外を入れる気にはならなかった。

ゆえの引退。

 

今は皆どこで何やってるかわからない。

暴力女とも当時俺が荒れた時に疎遠になった、向こうも向こうで大変なことが起きてたと風の噂で聞いたが。

 

…今でも音楽は好きだ。

未だにベースの練習は欠かさないし、大事に楽器も手入れしている。

未練タラタラってとこか。

だからなのか知らないが、なぜか吸い寄せられるように階段を降りてライブハウスに入ろうとした。

 

 

 

このライブハウス、“STARRY”に。

 

 

 

 

………開店前でした(震え声)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開店してなかったライブハウスの前で項垂れる俺。

あんなしんみりした気持ちで入ろうとして開いてないのは罠だろ。

そもそも中は光ついてたし、やってると思うじゃん…。

あ、あ、あ、やばい…ネガティブ思考に陥ってしまう…!!

 

陰キャ拗らせた高校一年…相方と暴力女が支えてくれて身体が液状化や、崩れなくなりクズ度が増した高三と大学時代……。

ボクはなんて情けない生き物なんだ…そもそも思えばクラスの隅っこ暮らしのボクがこんな陽キャ様みたいなことするのが間違って…。

ボクは食物連鎖の最下層…ミカヅキモ前澤です…。

 

聴いてください…“カッコつけて入ろうとしたライブハウスが開いてなかった時のレクイエム”。

 

 

 

「まだ開店前ですよ……っ!?」

 

 

 

 

俺がBADに入っていると誰かに話しかけられる。

哀れんで話しかけに来た店員さんだろうか?

すぐさま声の方向を向くと金髪ロングの女の人が……ん?

 

 

「星歌…?」

 

 

暴力女こと伊地知星歌その人がそこに立っていた。

昔と比べて綺麗さが増してる彼女はその場でプルプル震え始めた。

久しぶりの再会で泣き始めたのだろうか。

 

確かに納得だ。暴力を振るってくるとはいえ、愛のこもった暴力を振るって来ていた。

信頼関係の成り立つワザである。

それくらい互いに信頼しあっていたのだが、連絡を一切取ってなかった。

 

 

 

ゆえに次に来る行動がわかってる。

 

 

 

 

「………連絡も寄越さないで何してたんだぁぁぁぁ!!!!」

 

「ごぶはぁ…!?」

 

クリティカル。

 

半分正解で半分不正解。

泣きながらラリアット。

吹き飛ぶ俺、泣きながらマウンティングポジションを取る星歌。

危なっ、階段のほうに倒れ込むところだったぞ。

 

追撃数発を喰らう。結構力加減なしの攻撃で痛い。

少しずつ威力が弱まっていき泣きながら俺の胸に顔を押し付ける。

 

 

 

「手が先に出るの…変わってねえのな…(死に体)」

 

 

 

「…うるさい」

 

…相変わらずあざといやつめ。

年を取ってもあざとさが変わらないの…あざといな。

ツンデレの見本のような女め。

 

「良いのか…?星歌」

 

「…少しの間こうさせろ」

 

いじっぱりなやつめ。

甘えたいって素直に言えば良いのに。

 

まあ、白昼堂々こんな人の往来があるところでだなんてロックだね。

良いのか?って俺は言ったぞ?

通行人にガン見されてんぞ。

 

「店長〜…あ。…店長がイケメンを襲ってます〜」

 

中から出てきたピアスバチバチの女の人がパシャパシャと写メを取り始めたところで我に帰った星歌。

顔が真っ赤に染まっていき、そのまま俺の頭にチョップ……俺は意識を失うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はっ!?ここはどこ?ボクは誰?」

 

確か暴力の擬人化に頭をチョップされて倒れたはず…。

あれが暴力の魔人だったのか…。

 

「あっ!数多さん起きたよ、お姉ちゃん!」

 

目を覚ました俺はソファーに寝かされており、どこかの一室に居るようだった。

目の前に居るのはミニドリトスを生やしたリトル星歌…じゃなくて虹夏ちゃん。

星歌の妹だ。しばらく見ない間に随分と大きくなったなあ。

 

「星歌。いきなり抱きついて来て都合が悪くなったら意識刈り取るの良くないと思…」

 

星歌に対して真っ当な意見を述べるとちょっと目を泳がせながら申し訳なさそうにしている星歌が目に入る。

 

…あざといかよ。

 

「えー!?お姉ちゃんそんなことしたの!?確かに数多さんは連絡も無しに失踪した薄情な人だけ…ど…数多さん、やっぱりもう一回気絶させていいですか?」

 

虹夏ちゃんは虹夏ちゃんで殺意の波動に目覚めたのかニコニコと拳を握っている。

昔の星歌を思い出すフォーム…俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

 

「理不尽が過ぎるだろ伊地知姉妹。あー、まあ、連絡しなくて悪かった。虹夏ちゃんも成長…(ある部分を見て)した?みたいでよかったよ」

 

「やめろ虹夏早まるな!?」

 

「退いてお姉ちゃん、数多さんを殴れない」

 

殺意がさらに溢れ出した虹夏ちゃんを見て怯えて居ると、収集がつかなくなるから簡潔に質問に答えろと星歌が言い始めた。

ふ、さすが俺のことわかってるぜ。

 

「…なんかその顔腹立つな」

 

「ひょんひゃことにゃいでひゅよ(そんなことないですよ)」

 

俺の頬を引っ張り始める星歌。もちもちなのが腹立つ…とか、なんで私より肌綺麗なんだよ…とか言っている。

それはボクの肌が素晴らし過ぎるだけだよという意味を込めてサムズアップしたらどつかれたので真面目にすることにした。

 

「お前、まだ楽器やってんの?」

 

「イエス」

 

「…他の奴らとは連絡とってるのか?」

 

「ノー」

 

「新しくバンドを組んだのか?」

 

「ノー」

 

「職業は?」

 

「ノージョブ」

 

「今どこに住んでんの?」

 

「ノーホーム」

 

「彼女は?」

 

「今朝フラれた…って意味あるか?この質問」

 

後半から星歌と虹夏ちゃんが憐れみの目を向けて来て辛い。

稼ぎあるが?家も追い出されただけだが?

彼女は…まあ、うん。

 

「うちに住むか?」

 

「は?」

 

「辛かったね、数多“くん”」

 

「は?」

 

星歌は憐れな子を見るような目、虹夏ちゃんは明らかに子供を慰める感じの声色。

2人共明らかに可哀想な人を見る目である。

 

「別に俺はちゃんと収入あるからな?まあ家は追い出されたし…彼女…には…フラれたけど………ぐすん」

 

三角座りでソファーに座り込む、成人男性。

傍から見ると相当にシュールな絵面である。

 

ボクはなんてダメな人間なのだろうか…。

不労所得に胡座をかき、家では騒音を出して追い出されて……彼女にフラれた…。

 

 

「ごめんなさい…ミカヅキモがイキがってごめんなさい…… 」

 

「数多さんがぼっちちゃんみたいになってる!?」

 

「ぼっち…?…友達とも連絡取れないチキンでごめんなさい…」

 

「数多さん!?急に体がモノクロ映像みたいになってるよ!?」

 

「…数多」

 

体育座りでバイブモードに入っていると急に頭に温もりを感じる。

顔を上げると星歌が手を頭に乗っけてるようだった。

 

「まあ、なんだ。悩みなら聞いてやるから落ち込むなよ」

 

「星歌ぁ……!!」

 

星歌にそのまま撫でられると素晴らしい多幸感が…。

星歌は口元を少し緩ませながら優しく撫でるのを続ける。

これが星歌ニウム…ツンツンツンデレのデレの部分からしか味わえない成分。

これは…先輩と後輩が逆転して…逆転してしまう…!!

 

 

「星歌せんぱぁい…(甘い声)」

 

 

「「(本当に年上…?)」」

 

 

疑問に思う伊地知姉妹であった。

 

 

 

 

 




本当に久しぶりに書いた上にほざろにわかなので許せ、サスケ。
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