やはり俺のSAOはまちがっている。   作:あすなっち

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最終話:ようこそ実力至上主義のSAOへ(後編)

~ 第75層ボス部屋 side 比企谷八幡 ~

 

 

「やあ、見事な活躍だったね、ありす君」

 

 

「有り難うございます、ヒースクリフ団長。それとも茅場晶彦さんとお呼びした方が宜しいでしょうか?」

 

 

ありすの言葉に、微笑を湛えたまま固まるヒースクリフ。周りのプレイヤーたちも瞬時に凍りついた。え?なに?ヒースクリフが茅場とか、そんなんもう、カヤバーンや!!(意味不明)あ、キバオウのセリフ取っちゃった。(汗)

 

 

「・・・どうやら、言い逃れは時間のムダらしいね」

 

 

「理解が早くて助かります」

 

 

そして、あっさり認めるヒースクリフと冷静に応じるありす。なんか、いきなりシリアスムードになったけど、知らぬ間に原作が名探偵コナンに変わったりしてない?

 

 

「いかにも、私が茅場晶彦である」

 

 

改めて堂々と名乗る茅場。いまだにゲームマスター気取りらしい。だが運営母体はすでにレクトへ移っており、いまさらやつが干渉する余地などあるはずもない・・・よね?(匂わせフラグ)

 

 

「ウソだろ・・・」

 

 

「そんな・・・まさか団長が?」

 

 

「ずっと俺たちを騙してたのかよ・・・」

 

 

そして、予想外の展開に動揺を隠せない攻略組プレイヤーたち。中には殺気を漲らせているやつも居るが、ユニークスキル持ちの茅場には敵うまい。

 

 

「ククク・・・まさか君のような美少女が追っ手だったとは。完全にしてやられたよ。所属は警視庁か?それとも、総務省の仮想課あたりかな?」

 

 

一方、ありすはただ微笑むばかりである。よもや彼女の所属があの高度育成高等学校だとは、誰ひとり知る由もあるまい。え?なんで俺がそれを知っているのかだって?そりゃ、誰かがナレーションやらなきゃ話が進まないからに決まってるだろ!(ぶち壊し)

 

 

「まあ、いいだろう・・・ソードアート・オンラインは実力でプレイヤーを評価する。年齢も性別も関係ない。私が作り上げたこの作品は、まさしく実力至上主義の世界なのだ」

 

 

見事な原作タグの回収、ご苦労様です。(爆)てか、そりゃそうだろう。なんせ、超絶美少女から自称最高傑作にネカマのおっさん、果ては拗らせぼっちまで居る世界なんだしな。最後のは余計だが。

 

 

「ふふふ・・・ご高説、痛み入ります・・・?!」

 

 

不意に茅場の左手から短剣が飛び、小さく微笑んだありすの顔面を襲う。彼女がそれを弾いた時には、すでにやつの右手がメニュー画面を開いていた。まずい、逃げられちまうぞ?

 

 

「さらばだ、諸君」

 

 

しかし、いつまで経ってもヒースクリフのアバターは消えない。ぷっ!ここでバグとか、超ウケるんですけど。

 

 

「なにっ・・・?!」

 

 

余裕の笑みを浮かべていた茅場がメインメニューに視線を向け、愕然としたように目を見開いた。いったいどうしたのかな?早く説明プリーズ。

 

 

「ふふふ・・・茅場さん、あなたのメインメニューからログアウトボタンが消滅していることには、すでにお気付きかと思います。しかしそれは、ゲームの不具合ではありません。繰り返しますが、それは不具合ではなく、ソードアート・オンライン()()()()()です」

 

 

「くっ?!貴様っ・・・」

 

 

なんかよく分からんけど、銀髪ロリ(ありす)が勝ったらしい。めでたしめでたし。(超適当)

 

 

「あとはわたくしが関係部署に連絡すれば、あなたはおしまいです。ああ、逃げようとしてもムダですよ。ログイン情報をもとに、現実世界におけるあなたの居場所もすでに特定されていますので」

 

 

ありすさん、マジ容赦ない。もうこの子が主人公でいいんじゃね?

 

 

追い詰められた茅場が、何かをストレージから引き抜いた。例の手鏡だ。

 

 

「ふはははは!国家の犬め!!いくら外見をロリ幼女にしようとも、どうせ中身はしがない小役人なのだろう?さあ、お前の姿を見せてみろ!」

 

 

ほーん・・・自暴自棄になって、ありすの中身を暴露しようってか?大人げねぇな。でも折木さん、あの子の中身、わたしも気になります!

 

 

「なん・・・だと?!」

 

 

だがしかし。またも愕然として言葉を失う茅場晶彦。そう、佇むありすのアバターには、何の変化も起こらなかったのだ。ありすの中身はありすでした。おしまい。あの子、やっぱコナンの女の子バージョンだったのね。(早とちり)つかカヤバーン、あんたさっきから何回愕然としたら気が済むのよ?

 

 

「ふふふ・・・ならばひとつ、あなたにチャンスを差し上げましょう」

 

 

「チャンス、だと・・・?」

 

 

あ、こいついま、幼女とか言われて絶対ぶちギレてるだろ。さらば、カヤバーン。

 

 

「この場で全損決着モードのデュエルをしませんか?もしあなたが勝ったなら、見逃してあげますよ」

 

 

「「「なっ?!」」」

 

 

息を飲む一同。てかこの子、勝手なこと言っちゃってるけど大丈夫なの?あとで省庁間の責任問題に発展したりしない?

 

 

「ふふふ・・・天才ゲームデザイナーを葬るのは、生まれながらの天才であるわたくしこそが相応しい」

 

 

「ほぅ・・・まだSAOを始めて2週間の君が、私を葬れるのかね?神聖剣を持つ、この私を」

 

 

「ええ、瞬殺です」

 

 

さらに茅場を煽る、潜入名探偵ありす。いかにもなタイトルだが、こいつが主人公なら日曜朝には放送出来ないだろうな・・・(残念)

 

 

「良いだろう。その勝負、受けて立つ!」

 

 

どこぞの洗濯用洗剤かな?

 

 

「分かりました。ではきよぽん君、お願いします」

 

 

「は?オレ?」

 

 

さっきから空気と化していた最高傑作が、驚いたように言った。てかあいつ、驚いても無表情のままなのかよ・・・ありすはありすで、最初から丸投げする気満々だったみたいだし。ま、とにかく気を取り直して、デュエルスタンバイ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて最高傑作君。聞けば2週間でユニークスキルまで習得したそうだが、SAOでも違法ツールの使用が禁止されているのは知っているだろう?」

 

 

デュエルの準備を終え、対峙するふたり。攻略組プレイヤーたちも、固唾を飲んで見守っている・・・あの、見せ場の邪魔はしたくないんだけど、俺の出番、いつ?(小声)

 

 

「違法ツール?お前はいったい何を言っているんだ?オレはただ、まとめサイトの内容を2週間、忠実に再現してみただけだ」

 

 

「なん・・・だと?!」

 

 

またまた驚愕する茅場。だから何度目よ?

 

 

「・・・では見せてもらおうか。どんな策を用意してきたのかな?」

 

 

「策?そんなものはない。オレはただ、あんたを倒すだけだ」

 

 

淡々と答える最高傑作。その言葉に、茅場は余裕の笑みで応じた。

 

 

「ククク・・・君は分かっているのか?これはゲームであっても遊びではない。やはり、所詮はプレイし始めて2週間のビギナーだな。私の神聖剣を前に、どうやってこの窮地を乗り切るつもりかね?」

 

 

「素朴な疑問なんだが、今の俺は窮地なのか?」

 

 

「なにっ?!」

 

 

「あんたじゃ、オレは止められない」

 

 

最高傑作の決めゼリフに、茅場の表情が一変する。どうやら、やる気スイッチが入ったようだ。つか俺からも素朴な疑問なんだけど、この二次小説の主人公って俺だったよね?(いまさら)

 

 

「ふざけたことを。素人の付け焼き刃など、私の神聖剣で打ち砕いてやろう」

 

 

あとカヤバーン、それ完全に負けフラグだから。

 

 

そして開始のブザーが鳴った。

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

「す、すげぇ・・・」

 

 

「つ、強すぎだろ・・・」

 

 

「団長・・・いや、茅場のHPがあそこまで削られたの、初めて見たわ・・・」

 

 

ボス部屋に反響する金属音と、呆れたようなプレイヤーたちの呟き。半ば予想通り、デュエルは一方的な展開となった。一見、激しい攻防が繰り広げられているようには見えるが、実際には茅場のHPゲージばかりが減ってゆく。やがてその色がイエローからレッドに変わると、茅場のしたり顔から余裕の表情が消えた。対する最高傑作きよぽんは、いつもの無表情のまま、凄まじい剣撃を繰り出し続けている。地味に怖い。そのスピードたるや、もはや目視が困難なほどであった。うん、ありゃ絶対2週間で到達できるレベルじゃないわ。てかあなた、ネトゲ廃人ですね?

 

 

「くっ・・・!!それほどの実力を持ちながら、初心者を装い、他人を見下してプレイするのは楽しかったかね?」

 

 

「そんなことは、考えたこともない」

 

 

「そんなわけがあるかっ!!」

 

 

再び茅場が斬りかかるも、最高傑作は難なくそれを跳ね返す。やつにとってはもはや、単なる作業ゲーらしい。あ、これはもうゲームであってしかも遊びなんですね分かります・・・そして最高傑作の剣が茅場の盾を弾き、続く必殺の一撃が無防備となったその頭部へと吸い込まれる。殺ったか?!(お決まりのフラグ)しかし・・・

 

 

「「「なっ?!」」」

 

 

迫る最高傑作の斬撃を、茅場はあっさりと躱した。は・・・?ちょっと待て。なんなのよアレ。いまのは明らかに、ゲームシステムの制御を超えた動きだろ。この土壇場で覚醒しちゃうとか、ニュータイプさんなのかな?(違う)ま、おそらく何らかの隠しコマンドでも発動させたのだろう。てかあなた、せこいですね?

 

 

「さらばだ、最高傑作きよぽん君」

 

 

勝利を確信したのか、高々と剣を振りかぶったカヤバーンがドヤ顔で言い放つ。て言うか素朴な疑問なんだけど、お仲間(最高傑作)が大ピンチなのにありすさんがずっと沈黙しているのはなぜ?

 

 

「だから、お前はさっきから何を言っているんだ?」

 

 

次の瞬間、最高傑作の左手が振り下ろされた神聖剣を受け止め・・・粉砕した。

 

 

「ば、馬鹿なっ?!」

 

 

砕けた刀身の欠片が光のエフェクトとなって宙を舞い、技後硬直に陥った茅場を包み込む。あ、これヲワタ・・・

 

 

「チェックメイトだ」

 

 

そんな最高傑作の言葉が聞こえた時にはすでに、一閃したソードスキルが茅場の身体を貫いていたのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルの終了を告げる電子音が鳴り響き、勝者の名前が表示される。終わってみれば、呆気ないもんだな・・・て言うか素手で武器破壊とか、最高傑作きよぽん、マジぱない・・・(語彙力喪失)

 

 

「あんな子供だましが、お前の言っていた隠し球なのか?坂柳」

 

 

「・・・チートを超えるチート。さすがです、きよぽん君。さすきよ」

 

 

若干引いてるありすさん。まあ、そうなるな。あと一度でいいから、俺もあれを子供だましと言ってみたい・・・(白目)

 

 

結局、作られたバーチャルな世界の中でも、作られた天才が敗北を知ることはなかったのである・・・あ、いまのは俺のセリフじゃなくてナレーションだからね?

 

 

「ふふふ・・・皆さん、こんな格言を知っていて?作られた天才は、相手も場所も選ばない」

 

 

唖然とする俺たちの間を、ありすの上品な忍び笑いが通り過ぎて行った。つかその言い回し、作品が違わない?(ガルパン・ダージリン様)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、あっちで茅場はどうなるんや?ありすはん」

 

 

まだ驚き覚めやらぬ中、キバオウが口を開いた。あら、こいつまだ居たのね。

 

 

「事前に警官隊が出動済みです。ログアウトしたらきっと、周りはお巡りさんだらけですよ」

 

 

やることがエグいな、オイ。あとやっぱ、リアルではこいつらと関わっちゃダメ!絶対!(確信)

 

 

「茅場氏は、ログアウトボタンに拘り過ぎたのです。いまのSAOには緊急ログアウト機能が実装されていますから、プレイヤーはただ『リンクアウト』と言うだけで現実世界に戻れるのですが・・・どうやら彼は、ご存知なかったみたいですね」

 

 

『リンクアウト』の部分だけ口パクで説明するありすだったが、プレイヤーたちには意味が通じたようだ。え?なんで口パクなのかだって?そんなの、声に出したらありす自身がログアウトしちゃうからだよ。

 

 

「そのようね。ほんと、間抜けな話・・・」

 

 

どでかい対物ライフルを持った美少女プレイヤーが、ため息混じりに答える。攻略組ではまだ新顔だが、凄腕のスナイパーだ。名前は確か・・・シノン、だったかな?え?GGO編のヒロインさん?なに言ってるのか全然分からないんですけど。あと、そもそもSAOって飛び道具OKだったっけ?

 

 

・・・てか、はちまん、言えない。『リンクアウト』の件は、いま初めて知りましたなんて。(汗)

 

 

「大丈夫ですよ、パパ。この『リンクアウト機能』が実装されたことを知らないプレイヤーは、全体の僅か5%ですから」

 

 

つぶらな瞳を瞬かせ、横からフォローしてくるメンタルケアプログラム、ユイ。いやそれ、全然大丈夫じゃないしメンタルケアにもなってないから。要するに、ほとんどのプレイヤーが知ってたってことだよね?あとユイちゃん、さらっと俺の思考読まないでくれるかな?

 

 

「さて、お疲れ様でした、綾小路・・・コホン!きよぽん君。そろそろ現実世界に戻りましょうか」

 

 

キバオウとの会話を打ち切ると、ありすは最高傑作へと向き直った。もう、本名モロバレじゃん・・・つーか、こっちもようやく帰れそうだな。早くログアウトして、溜まったプリキュアの録画見ないと。(使命感)

 

 

「では、ご一緒にログアウト致しましょう。向こうに帰ったら、まずはお部屋のシャワーをお借りしても宜しいでしょうか?」

 

 

「坂柳、誤解を生むような言い方はやめてk」

 

 

突然、最高傑作の姿がぷつりと消えた。同時にやつの言葉も途切れる。あ、これって・・・(察し)おそらく向こうで誰かが、やつのナーヴギアを電源コードごと引っこ抜いたのだろう。半年前のあの日、俺が小町にやられたアレだ。題して『最高傑作きよぽんの消失』ってとこか。いかにも材木座あたりが書きそうな三流ラノベだな。てか、いかにチートな高レベルプレイヤーであっても、これをやられちゃお手上げである。

 

 

「なっ?!き、清隆君?!?」

 

 

一方、俺の眼前ではありすが激しく動揺していた。知り合って以来、初めて見せる顔だ。彼女にとって最高傑作は、それだけ大切な存在なのだろう・・・いますぐ爆発してどうぞ。(唐突な逆ギレ)

 

 

「ありすの詳しい事情は知らないけど、いまのは回線の強制切断だと思う。たぶんリアルで誰かが、彼のナーヴギアを外したんじゃないかな?」

 

 

彼女の狼狽えぶりを見かねたのか、すかさずキリトがイケメンなフォローを入れたが、それはむしろ逆効果だった。

 

 

「なっ?!ま、まさか清隆君の部屋に侵入者が?!ホワイトルームからの刺客でしょうか・・・はっ?!月城理事長代理が裏切った・・・?!」ブツブツ

 

 

何だか不穏なワードが聞こえた気がするが、頼まれもしないのに他人の事情へ首を突っ込むのは、愚か者のすることだ。

 

 

「すみません。ちょっと緊急事態が発生したようです。これにて、ごめん遊ばせ」

 

 

慌てたようにログアウトしてゆく、名探偵ありす。向こう(リアル)で何かあったらしい。どうやらここからは、よう実パートが始まるみたいだな。知らんけど。取り敢えずはちまん、しばらく休憩入りま~す。(完全に他人事)

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

~ ほぼ同時刻 高度育成高等学校 学生寮 side 堀北鈴音 ~

 

 

最近、彼の様子がおかしい。急に付き合いが悪くなったのだ。放課後は直ぐに帰ってしまうし、夜はスマートフォンの電源も切っているみたい。直接部屋を訪ねても応答なし。いったい、どうしたのかしら・・・はっ?!まさか誰かと・・・

 

 

2年生最初の特別試験も近いというのに、今夜もまた、チャットもメールも不通。これはもう、ただ事ではない。やっぱり泥棒猫が・・・私は、彼の部屋へ強行突入することにした。先ずは手始めに、泥棒猫候補の女子生徒たちへメールを送りましょう。そうね、文面は・・・

 

 

『これから綾小路君が、部屋の中で大人の階段を上るらしい』

 

 

まあ、こんなところかしら。当然、これを読んだ彼女たちは彼の部屋へ飛んで行くはず。そして、そこに姿を現さなかった人物こそが泥棒猫の正体・・・ふふふ・・・我ながら完璧な作戦だわ。あとは部屋のロックを破るために、些か不本意だけれど()()()()を頼りましょうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もしもし、こんばんは。夜分遅くに申し訳ありません」

 

 

「あれ?堀北さんが珍しいね。何の用かな?」

 

 

電話口の相手は、やけにフレンドリーな口調だった。て言うか私、あなたの友達になった覚えはないのだけれど。

 

 

「単刀直入に申し上げます。鍵が掛かった綾小路君の部屋に押し入り・・・ケホケホ!お邪魔したいので、先生にお力添え頂きたいのです」

 

 

落ち着きなさい、私!何てことを口走っているの?!

 

 

「ふーん・・・ねぇ、なんで担任のサエちゃんじゃなくて、わざわざ私に連絡してきたの?」

 

 

これは想定内のやり取りだ。いまの私に死角などない。見ていて下さい、兄さん。

 

 

「はい、星之宮先生なら不真面目・・・ゲッホゲーホ!!融通がきくと思ったからです」

 

 

くっ?!どうしてこんな時に限って口が滑ってしまうの?!

 

 

「あはははっ!私、あなたみたいに素直な子は好きだよ。だけど、教育者としてはやっぱりお断りかな。よほどの事情があるなら話は別だけどね」

 

 

教育者?二日酔いで出勤したり、男子生徒の前でこれ見よがしに胸元のボタンを外したりするような貴女が?

 

 

でも、そんなツッコミは胸の奥にしまって、辛抱強く会話を続ける。こういう面倒な相手との交渉術は、これまでのAクラスを巡る戦いで会得済みだ。ここはやはり、撒き餌が必要なようね・・・

 

 

「そうですか・・・分かりました。実は彼が室内で、いかがわしい行為に及んでいる可能性があったのですが・・・」ボソッ

 

 

「それを先に言いなさいっ!分かったわ!いますぐマスターキーとデジカメを持って行くから待ってて!絶対に逃がしちゃダメよ?!」プツン

 

 

てか即答っ?!あと、どうしてデジカメが要るのかしら・・・(変態)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の部屋の前には、おおむね予想通りの顔触れが揃っていた。軽井沢さんと一之瀬さん、そして椎名さんに伊吹さんだ。あと櫛田さん、やっぱりあなたも来たのね。本当にめんどくさいひと・・・

 

 

「ちょっと堀北さん、さっきのメール本当?清隆がそんなこと、するわけないじゃん」

 

 

先ずは、彼を名前呼びして自分が彼女であることをアピールする軽井沢さん。哀れね・・・所詮、あなたは道具でしかないのに。

 

 

「にゃはは・・・なんか気になって、来ちゃった」

 

 

次は、いつも通りの態度を心掛けてはいるようだけれど、内心の動揺が丸わかりの一之瀬さん。これで決定的瞬間を目撃したら、彼女はいったいどうなってしまうのやら・・・あ、なんだか高円寺君みたいな口調に。(汗)

 

 

「綾小路君・・・お借りしたままだった本を返しに来ました」

 

 

続く椎名さんの独特な感性には、正直ついていけない部分があるけれど、あの龍園君を黙らせたのだから強敵・・・よね?

 

 

「べ、別にあいつのことが気になったから、とかじゃないんだからね!」

 

 

さらには典型的なツンデレ状態の伊吹さん。どうせ、当たりもしない蹴り技で下着をちらつかせて、彼の気を引くつもりなのでしょう?

 

 

「いきなりあんなメールもらって、びっくりしちゃったよ」

 

 

最後は、すでに化けの皮が剥がれているにも関わらず、いつも通りに猫を被って現れた櫛田さん。ある意味、いちばんの強敵ね。いったいどういう神経をしているのかしら。

 

 

そしてひとりだけ、例のメールを送ったのにこの場に現れない人物・・・これで読めたわ。いくら前理事長の娘だからって、こんな抜け駆けは絶対許せない。だけど、どうして平田君まで居るのかしら?

 

 

「勝手についてきてごめんね。偶然軽井沢さんと鉢合わせして、事情を聞いてしまったんだ。綾小路君を放ってはおけないよ」

 

 

私の表情に気付いたのか、心底済まなそうな顔で話す平田君。別にこちらは構わないのだけれど、沸き上がるこの違和感は何なのだろう?

 

 

「お待たせっ!まだ()()()()()()はいないわよね?!」

 

 

その時、非常階段から人影が飛び出してきた。タンクトップにショートパンツというラフなスタイルで、右手に鍵束、左手に大きなミラーレス一眼カメラを持っている。うん、どこから見ても不審者だわ。いますぐ学校に通報ね・・・(白目)頼れる教育者(笑)の登場だけれど、その格好と言葉遣いはどうにかならないの?あと、そんなあられもない女性教師の姿を見ても、全く動じるそぶりすら見せない平田君はさすがだけど、まさか彼はやっぱり・・・いいえ、これ以上はやめておきましょう。

 

 

「え?どうして星之宮先生が?」

 

 

驚く軽井沢さんたちへ、手短に事情を説明する。

 

 

「私がお願いしたのよ。学校側の立会人として」

 

 

それと、彼の部屋を開けて貰うためにね。ボソッ

 

 

「じゃあ、みんな心の準備はいい?気付かれないように、そっと入るよ。あと堀北さん、これお願い。決定的瞬間を激写してね」

 

 

なんで私が・・・ずっしりとした一眼カメラを受け取りつつ、沸き上がる不満を飲み込む。それにしてもプロ用の凄いカメラね。外村君あたりに渡したら、泣いて喜びそうだわ・・・まあ、どうせ自走式盗撮カメラに改造するんでしょうけど。ボソッ

 

 

目の前には、大きな鍵束を鳴らしながら嬉々とした表情を浮かべる星之宮先生。あの様子なら、無断で生徒の部屋の鍵を開けることも躊躇わないだろう。法律上は大問題だけど、いまはむしろ好都合。さあ、覚悟なさい、ロリ小路君。

 

 

「なんだかとっても楽しそうだね、星之宮先生」

 

 

それを言ってはダメよ、一之瀬さん。

 

 

そして失格教師を先頭に、私たちは彼の部屋へとなだれ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイキャッチ&CM

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の部屋へと不法侵入・・・ゲホゲホ!突入した変態教師と愉快な教え子たち。果たしてそこには予想通り、仲良くベッドに横たわる綾小路君と坂柳さんが居た。頭には、お揃いのヘルメットみたいなものまで被っている。まさかペアルックのつもりなのかしら?

 

 

「いや~ん!!綾小路君ったら、このおませさんめ!」

 

 

暴走した星之宮先生が掛け布団を剥がすと・・・なぜかふたりは下着姿だった。( ゚д゚)ポカーン 逞しく引き締まった肉体を晒す彼と、慎ましい身体つきの坂柳さん。もう間違いない。現行犯だ。う、うらやまけしからんわ!私も混ぜなさい!!(錯乱)

 

 

あ、あと、ひとの下着に敢えて物申すつもりはないけれど、高校2年生にもなってグンゼの子供用インナーっていうチョイスはどうかと思うわ、坂柳さん・・・はっ?!ま、まさか綾小路君は()()()()()が好みなのかしら?なら、私も・・・(真顔)

 

 

「て言うか、これって完全に()()じゃない!!こんなシーン見せられたら、先生いますぐひとりエッチを・・・ひぃ?!」ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!

 

 

なおも全速力で突っ走る星之宮先生が、不意に恐怖でひきつった悲鳴を上げた。なぜならそこに、激重なヤンデレたちが出現していからだ。

 

 

「綾小路君・・・ウソ・・・ウソだよね・・・?」

 

 

虚ろな瞳で呟くと、ふらふらと出て行く一之瀬さん。またしても、引きこもりになってしまいそうな雰囲気だ。彼女はもうダメかも知れない。

 

 

「ふふふ・・・分かりました。綾小路君がそのつもりなら、私も覚悟を決めます」

 

 

妙に吹っ切れた表情で宣言する椎名さん。覚悟の中身については、聞かない方がいいだろう。

 

 

「清隆・・・清隆・・・清隆・・・」

 

 

焦点の合わない目でその場にへたり込み、ぶつぶつ言うばかりの軽井沢さん。彼にべったり依存していただけに、衝撃も大きいのだろう。いま『股を開け』と言われたら、あっさり受け入れてしまいそうね。あれ?私は何を言っているのかしら。

 

 

「き、清隆君・・・こんなの、僕は絶対に認めないっ!!うわあああぁん!」

 

 

なぜか泣きながら飛び出して行く平田君。前々から噂はあったけれど・・・やはりそういうことだったのね。(爆)

 

 

「あはははは!平田とのホモ疑惑の次はロリコンとか、こいつのどこがDクラスの秘密兵器なんだよ?!やっぱ単なるDT陰キャじゃねえk・・・はっ?!な、なんて思っちゃうぐらい、超びっくりだよ~きゃは 」(*≧∀≦*)(汗)

 

 

完全に仮面が外れて、いつものキャラが吹き飛んだ櫛田さん。いまさら顔文字を入れたって、もう手遅れよ。

 

 

「キモ・・・」

 

 

そして、いちばんまともな反応を見せる伊吹さん。ええ、私もそう思うわ。取り敢えず写真を撮っておきましょう。

 

 

「いつまで呑気に寝ているの?!さっさと起きなさい!!」

 

 

「たうわっ?!」

 

 

動かぬ証拠を激写してから、腹立ち紛れに綾小路君のヘルメットを脱がせると・・・彼は聞き覚えのある叫び声を上げて、がばりと飛び起きた。え?コンパス?何のことかしら。

 

 

「ほ、堀北・・・?」

 

 

まだ状況が理解出来ていないのか、間抜けな表情で辺りを見回す綾小路君。はぁ・・・なんで私はこんなひとを・・・

 

 

「なっ?!こ、これは・・・?チエ!!貴様、いくら欲求不満だからって・・・うらやまけしからん!私も混ぜてくれ!」

 

 

いつしか背後には、錯乱した茶柱先生が。なんだか私と同じようなことを口走っているけれど、このひとももう、ダメかも知れない。

 

 

「ふははははっ!こいつは傑作だ!なかなかヤるじゃないか綾小路ボーイ!まさか、リトルガール相手に夜の特別試験とは恐れ入ったよ!さすが、私がライバルと認めただけのことはあるねぇ」

 

 

茶柱先生の横から、なぜか嬉しそうな高円寺君も現れた。だけど、どうして彼まで下着姿なのかしら?

 

 

「なんと?!案件でござる!リアルでギャルゲーのNTR展開っ?!しかも、あれに見ゆるはナーヴギア?!この学校でフルダイブ機は禁止のはずだよね?なんでだよ?教えてドラえも~ん!!」

 

 

ブリーフ一枚の高円寺君を押し退けて登場したのは、まさかの外村君。相変わらず何を言っているのか理解不能だけど、あなた、いつものキャラが崩壊しかけているわよ。

 

 

「ククク・・・クハハハハハ!とうとうヤりやがったか綾小路!結局お前も、出来損ないの不良品だったってことだな!さすがにこれは退学処分案件だろ?やっぱり最後に勝つのは俺だ!」

 

 

「Oh....He is a lolicon boy.」

 

 

そして騒ぎを聞きつけたのか、他クラスのメンバーも次々と姿を現した。兄さん、私たちの学年はもうダメかも知れません・・・

 

 

あ、坂柳さんが目を覚ましたようね・・・さあ、見せて貰いましょうか。銀髪泥棒猫の言い逃れとやらを。(赤い彗星)

 

 

これから始まる修羅場を思い、私は本気で自主退学を考え始めていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ:やはりこのオフ会はまちがっている。】

 

 

 

~ 数日後 比企谷家 ~

 

 

どうしてこうなった?

 

 

ありのままを説明しよう。いま、俺ん家のリビングは人で溢れ返っている。第75層突破を祝ってのオフ会が開かれているのだ。発起人は言うまでもない、ユイこと由比ヶ浜である。いつもはアホの子なのに、こういう時だけはしっかり仕事しちゃうんだよね、ガハマさん。

 

 

つーか、そもそも人付き合いが苦手だからネトゲやってんのに、わざわざリアルでも会おうとかおかしいだろ?!なに?そんなの俺だけ?実はみんなリア充だったとか?

 

 

そんな()()()()()たちの巣窟に放り込まれた俺は、話し相手が居ないから適当にひとりで飲み食いしていた。つか自分の家の中でもぼっちとか、これってもう立派なユニークスキルじゃね?

 

 

「あの・・・エギルさんとクラインさんは、どうして男のひとなのにアバターが女の子なんですか?」

 

 

「「ごふっ?!」」

 

 

目の前では純粋無垢なシリカの質問に、ネカマーズがふたりして派手にマッカンを吹き出している。シリカたん、頼むからそのあたりで許してあげて!そのおじさんたちのライフはもうゼロよ?

 

 

と、玄関でブザーが鳴った。おや、また誰か来たようだな。マジか?もう入れないだろ。由比ヶ浜が後先考えずブッキングしたせいで、比企谷家の空席はもうゼロよ?

 

 

新たにリビングへ入って来たのは、キリトと・・・黒髪の巨乳さんであった。(爆)きっとあの子が、例の従妹なのだろう。こりゃまたハイレベルな美少女さんだことで・・・いや、小町の方が可愛いがな。モビルスーツと妹は、胸部装甲が全てではないのだよ。キリッ

 

 

馬鹿なことを考えながらキリトに声をかけようとしたら、こちらを見た従妹さんが、いきなり固まった。あれれ?やっぱ俺の目のせいなのかな?はちまん、泣いていい?

 

 

「え?!まさかケットシーのライスちゃん?」

 

 

「え?!まさかシルフのリーファちゃん?」

 

 

驚いたように名前を呼び合う黒髪従妹と小町。なーんだ、ふたりはネトゲフレンドだったのね。お兄ちゃん、安心したよ・・・ん?ケットシーにシルフ・・・ちょっと待てい!!

 

 

「小町、まさかお前ALOやってるのか?」

 

 

「な、なんのことでせうか?」

 

 

「そのネタ、もうやっただろ?」

 

 

「あうぅ・・・」

 

 

こいつは聞き捨てならん。なぜなら小町とは、SAOをやる代わりにALOはしばらく封印する、という約束をしていたからだ。どうやら、情けをかけたのが仇になったみたいだな。ここは心を鬼にして、歯止めをかけておかないと。あぁ、攻略の鬼なら身近に何人も居るけどね。

 

 

「お前、受験終わるまでゲーム禁止な」

 

 

「そ、そんなご無体な!神様仏様ごみぃちゃん様!」

 

 

こいつ、拝み倒そうって割には、ごみぃちゃん扱いなのね・・・

 

 

「そんなにやりたきゃ、総武に合格してからネトゲ部でも作りゃ良いだろ。知らんけど」

 

 

「あうぅ・・・」

 

 

すると、俺たちのやり取りを見ていたキリトが従妹を伴って近付いてきた。

 

 

「なんか大変そうだな、はちまん」

 

 

「おう、変なとこ見せちまったな、キリト」

 

 

「いや、俺ん家もスグが来年受験だから、他人事じゃないんだけどな」

 

 

なん・・・だと?!お前の従妹、それ(巨乳)で小町より年下とか、どゆこと?!いやそれよりキリト、確かお前自身が今年受験だろ?フルダイブばっかしてて大丈夫なの?

 

 

「ああ、それは心配ないよ。俺一応、模試で総武高校S判定だから」

 

 

その言葉を聞いたとたん、後ろで小町が膝から崩れ落ちた。

 

 

「・・・なんでや・・・ワレ、あれだけの廃人プレイしといてS判定とか・・・ゲーム上手くてイケメンで勉強も出来るなんて、そんなんもう単なるリア充や!いますぐ爆発してもらわなあかん!」

 

 

そう、いつも世界は苦くて理不尽で不平等なんだよ。だからコーヒーくらいは甘々で。あと小町ちゃん、ツンツン頭のおじさん(キバオウ)の口真似は止めようね。

 

 

「あの・・・はじめまして。桐ヶ谷直葉です。比企谷さんのことは、兄やライス・・・小町ちゃんから伺っています」

 

 

その時、タイミングを見計らっていたのか、黒髪従妹ちゃんが律儀に自己紹介してきた。あら、なんて礼儀正しいお嬢さんだこと!うちの息子の嫁にどうかしら?(錯乱)

 

 

「あ、ああ・・・こちらこそ、はじめましてだにゃ。比企谷八幡だ。宜しきゅ・・・」

 

 

噛んだね!2度も噛んだ!父さんの前でも噛んだことないのに!(意味不明)・・・っとっと!ふぅ・・・危ない危ない。もう少しでお兄ちゃんスキルが発動して、直葉ちゃん(早くも名前呼び)の頭を撫でちまうところだったぜ。下手にそんなことをしたら、キリトの二刀流で爆散させられる未来しか見えない。なんせ、あいつもガチのシスコンだからな。(お仲間)

 

 

俺だって、どこの馬の骨ともつかない男子が突然小町の頭を撫でてきたら、目力だけでぶっ飛ばせる自信がある。え?いや別に腕力じゃムリだから目を使うって訳ではないからね!あと、そろそろこのお兄ちゃんスキルも、マニュアル操作でオフ設定出来るようにしとかないと、いつか笑えない事態に陥っちゃう気がする。(真顔)

 

 

・・・ん?挨拶を済ませたはずの従妹改め直葉たんが、まだ何か言いたそうにしているぞ?おトイレかな?(早速の笑えない事態)

 

 

「あの・・・お兄さん、どうか小町ちゃんを叱らないで下さい。お願いします・・・」

 

 

うっ?!涙目&上目遣い&黒髪巨乳・・・だと?(最後のは余計)

 

 

ネトゲフレンドの援護射撃に勇気付けられたのか、小町も涙目で俺のズボンに縋ってくる。この連携攻撃はあざといな。俺のライフはあと1よ?(ギリギリ踏みとどまった)

 

 

「ごめんなさいお兄ちゃん!もうしませんからALOやらせて!」

 

 

もはや言ってることが支離滅裂だぞ、我が妹よ。

 

 

「なになに?小町ちゃんを泣かせたりして、いったいどうしたんですか?せんぱい」

 

 

ここで、あざとさの本家本元(いろはす)が絡んできた。なんだか、さらに話が拗れる未来しか見えないんですが。

 

 

「壱式お義姉ちゃん!聞いて下さい!うちのごみぃちゃんが意地悪してくるんです!」

 

 

今度は一色のスカートに縋り付く小町。微妙に誤字ってるが、気にしない気にしない。それと、リアルでもプレイヤー名を呼んじゃうとか、あいつもうガチのゲーマーじゃねえか。やはり俺の妹がガチゲーマーなのはまちがっている。俺ガイル。あれ?なんか略称が変わらないのはなぜ?

 

 

「はぁ・・・せんぱい、小町ちゃんに何したんですか・・・はっ?!まさか実の妹に意地悪することでしか興奮出来なくなってしまったとかさすがにその性癖は超ドン引きなんでせめて興奮するなら私をオカズにして下さいごめんなs・・・あたっ?!」

 

 

暴走機関車いろはすにチョップを入れると、彼女は妙ちきりんな声を上げた。あなた、ケンシロウなの?

 

 

「だから止めんか。そんなお前でもアスナや直葉ちゃん、それにシリカにとってはお姉さんなんだぞ?少しは手本になるような言動を心がけてくれ」

 

 

「え?せんぱいってお姉さんプレイをお望みなんですか?!そんなの、どうやったって私に勝ち目ないじゃないですか?!ところで直葉ちゃん・・・?誰すかその女」ボソッ

 

 

ひゃ?!怖えよ!いきなり最後の方だけ低い声出さないで!ビビってチビっちゃうから!(完全アウト)

 

 

「キリトの妹だよ。ほら」

 

 

エンジン全開のいろはすを前に、ずっとドン引き状態だった直葉に目をやると、一色は即座に表情を切り替えた。あら不思議?ハイライトオフのおめめが、キラキラモードに早変わり。てかやっぱ、女子って怖い。

 

 

「あ!はじめまして。私、一色いろはって言います。わぁ、()()()()した美人だなぁ。キリト君の妹さんなだけに。もしかして、なんか運動やってる?」

 

 

「あ、はい・・・剣道を」

 

 

「私のオヤジギャグを踏み台に(スルー)したぁ?!」

 

 

断末魔の叫びを上げるいろはす。てか直葉たん、マジぱない。それとそのネタ、中2の女子には絶対通じないからね?

 

 

「ふはははは!よくぞ聞いてくれたな!そうさ、スグは全国大会でも連覇s・・・」

 

 

「あ、そういうの(シスコン自慢)要らないんで」

 

 

「・・・は、ハイ」

 

 

そして、唐突に炸裂したキリトのキャラ崩壊シスコン爆弾は、一色のひと言であっさり不発に終わった。いろはすもマジぱない。

 

 

「剣道かあ、凄いなぁ・・・私、SAOじゃ攻略組で片手剣使いなんだけど、直葉ちゃんオンラインゲームとかやるの?」

 

 

「はい・・・私はALOですけど」

 

 

「え?!ALOやってるんだ?種族はなに?」

 

 

「えっと、シルフです」

 

 

「シルフ・・・?ねぇ、私たち、どっかで会ったことないっけ?」

 

 

「え?たぶん無いと思いますけど・・・」

 

 

やはり上手いな。こいつのコミュニケーション能力は、いつ見ても感心するわ。一瞬で相手を自分のペースに引き込み、手のひらの上で転がしながら必要な情報を抜き取っていきやがる。やだ、この子やっぱ怖すぎるんですけど?!

 

 

「壱式お姉ちゃん!リーファちゃん・・・直葉ちゃんのプレイヤー名なんですけど、ALOじゃトップクラスの強さなんですよ!」

 

 

けろりと全部忘れて、元気よく会話に加わる小町。さっきから、なんか上手く誤魔化された気がするんだが・・・

 

 

「このあいだのユージーン将軍との一騎打ち、格好良かったなぁ・・・最後の一撃、凄かったよ!」

 

 

「や、止めてよライス(小町)ちゃん。それに、結局私負けちゃったんだし・・・」

 

 

ほぅ・・・トッププレイヤー直葉たん。萌える。たぶん葉っぱだからリーフでリーファってネーミングなんだろう。つか、さっきから誰もツッコんでくれないから敢えて言うが、小町だからお米でライスってネーミングはどうなのよ?

 

 

と、急に一色が何かを思い出したようにポンと手を叩いた。つか君、最近言動が微妙にオヤジ化してない?

 

 

「あ!そっか!あの時の・・・道理で見覚えがあると思った!そうそう、あの一騎打ちはさすがの私もキツかったなぁ~リーファちゃんの最後の一撃、半端なかったよ?」

 

 

「えっ?」(驚愕)

 

 

「えっ?」(驚愕)

 

 

「あっ?!」(汗)

 

 

綺麗な三重奏。合唱部かな?そして突然途切れるガールズトーク。なんか地雷ワード踏んじゃった?とにかく女子の喧嘩は怖いんで、はちまんは全力で逃げ出した!

 

 

「ま、まさかユージーン将軍の中身って・・・壱式お姉ちゃん?!」

 

 

「えぇ?!あの厳ついヒゲおじさんの正体がっ??」

 

 

「な、なんのことか全然ワカラナイデスちょっと用事を思い出したので失礼しますごめんなさい」ピューン

 

 

「あ!ちょっと待って下さい、ユージーン将軍!」

 

 

「お待ち下さい!ジェネラルユージーン!」

 

 

「は、恥ずかしいからその名前で呼ばないでぇぇぇ!!」

 

 

戦いは、珍しく壱色お義姉ちゃんの敗北に終わったらしい。(笑)知らんけど。あ、誤字った。しかしあいつ、ALOもやってたのか・・・いつも生徒会長の仕事が忙しいって言ってる割には、ゲームする時間はあるんだな。それとまたまた素朴な疑問なんだが、ネカマの対義語ってなに?え?ネナベ?!つまりいろはすはネナベさんなの?!あ、大事なことだから2回言っちゃったよ。ちなみに高校入試には出ない模様。(あたりまえ)

 

 

「ふふふ・・・楽しそうですね、はちまん君」

 

 

「ひゃ?!」

 

 

後輩たちに追われ、無様に逃げ回る一色を見ていたら、不意に耳元で囁かれて思わず変な声が漏れてしまった。いかん、そう言えばこいつらのこと、すっかり忘れてたわ。(汗)他でもない、あのチートコンビのことである。

 

 

「残念ですが、わたくしたちはそろそろお暇させて頂きますね」

 

 

振り返ると、ベレー帽を被り、お洒落な杖を手にした美少女が微笑んでいた。アバターそのままの、可憐な姿だ。

 

 

「おう・・・大したもてなしも出来なくて、なんか済まんな・・・」

 

 

「とんでもありません・・・こうして、リアルでお会い出来ただけで十分です。ね?きよぽん君」

 

 

「ああ、たまには外の世界も悪くない」

 

 

彼女が視線を向ける先には、相変わらず無表情の茶髪イケメン(最高傑作)。こいつの外見も、アバターまんまである。こいつらを見ていると、やっぱ人生って理不尽で不平等だと痛感するぜ。これほど整った容姿で超エリート進学校在籍って、そんなんもう、ビーターどころかギャルゲーのキャラやないか!(身も蓋もなし)

 

 

「ふふふ・・・だから申し上げたでしょう?彼は()()()()だと」

 

 

俺の思考を読んだのか、不敵に笑うありす。そう、目の前に立つふたりは、あの超難関校として名高い東京都高度育成高等学校の2年生だったのである。在学中は外部との接触が禁じられているため、今日も特例措置で遥々千葉までやって来たと言っていたが・・・どうやら束の間の自由時間も終わりらしい。オフ会に参加するなら2年後云々・・・というのは、そう言う意味だったのだ。でもあなた、その外見で俺の同級生とか・・・小学生じゃなかったのね。(震え声)で、そんなこいつらがどうして茅場晶彦を追っていたのか・・・

 

 

いや、これ以上は止めておこう。下手な好奇心は、猫やぼっちの天敵だからな。(?)てか、はちまん的にそんな高校ポイント超低い。なんせ3年間も小町に会えなくなるんだから、絶対行きたくないまである。よう実 × 俺ガイル二次小説だと、俺ってなぜかナチュラルにあんな学校へ入学しちゃってるけど、そもそも大前提からして有り得んだろ!(ちゃぶ台返し)

 

 

「ポイント・・・なぜ、あなたがそれを?」

 

 

と、にわかに表情を険しくするありす。最高傑作も、僅かに緊張したのが見て取れた。はい?ポイントがどうかしましたか?(無知)

 

 

「・・・いえ、何でもありませんわ。ところで、現実世界では正式な自己紹介がまだでしたね。改めまして、わたくしはs・・・」

 

 

「あぁ、さかやなぎありす、だろ?」

 

 

無意識に答えてから、自らの失態に気付く。やっちまった、これじゃ変態だ。

 

 

「ひっ?!な、なぜわたくしのリアルネームを?!まさか比企谷八幡君、あなた見かけ通りの変態さんなんですか?!?」

 

 

やはりこうなった・・・演技がかった仕草で後ずさる坂柳に、俺は内心でため息をついた。

 

 

「違えよ。綾小路共々、あれだけ本名で呼び合ってりゃ、誰でも分かるだろ。つか、お前も俺の名前知ってるじゃねえか」

 

 

「ええ、あなたも度々口を滑らせていましたから。しかしまさか、綾小路君のお名前までご存知だったとは」

 

 

いや、それは君が口を滑らせていたからでしょ?

 

 

「それと、ひとつ聞き忘れていたんだが・・・第75層ボス戦の後、いきなり消えた綾小路は大丈夫だったのか?」

 

 

「ぎくうっ?!」

 

 

坂柳は微妙に視線を泳がせた。綾小路も微かに表情を強張らせる。あ、これって・・・これ以上聞いちゃダメなやつだ。(察し)

 

 

「で、では、はちまん君。しばしのお別れですが、直ぐにまた、どこかのクロスオーバー小説でご一緒出来ることでしょう。ね?綾小路君?」

 

 

「ああ、そうだな。比企谷、お前とはまた違う作品で出会う気がする」

 

 

こちらの質問を完全に無視して、おかしなフラグを立てる坂柳&綾小路。ああ、俺もそんな気がするぜ・・・(確信)いや、だからもう勘弁して!小町と3年間も会えなくなる全寮制の高校なんて、この俺が行くわけないって言ったでしょ?!高育の入学式に向かうバスの中からとか、何回やれば気が済むのよ?しかも毎回、所属クラスが違うし。こいつらとのクロスオーバーなんて、はちまんのやる気はもうゼロよ?あと、HACHIMANものや奉仕部アンチも無しでオナシャス・・・ボソッ

 

 

え?なら小町と俺が同学年で入学すればいいんじゃないか、だって?なるほど・・・どっかにそんな劣等生の兄と優等生の妹も居たしな。じゃあ、学生寮の部屋は兄妹同室で。(爆)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう言えば綾小路、お前のユニークスキルって結局何だったんだ?」

 

 

「そんなことより比企谷、今夜ふたりだけで会えないか?」

 

 

「へっ・・・?ま、まさか・・・?!」ヽ(ヽ゚ロ゚)!?

 

 

「ああ、俺のユニークスキルは『()()()』だ」

 

 

「きよ × はち、キマシタワ~!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり




最後までお読み下さり、有り難うございました。
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