時は4月下旬ノノミもアビドス高等学校に入学し10数日経過した頃
「…書類作業増えてません?」
ユメ「入学者の報告とか…予算の提出とか…忙しいのは4月だけだよぉ。」
「そうなんですね。」
雑談をしながらも書類を終わらせていくキヨウくん。ホシノとノノミは校内を掃除しているところ。
「そういえばうちの学校に進級試験があったんですね。」
ユメ「知らなかったの!?」
「1年間の行事予定をみても特に何も書いていなかったんで。」
ユメ「それでも満点に近い点数が取れたんだ…。」
ホシノ「掃除終わりました〜。ってユメ先輩書類あまり終わってないじゃないですか。」
ユメ「それはキヨウちゃんも一緒…じゃない!?」
ノノミ「キヨウ先輩は半分ぐらい終わってますね〜。」
「喋るのに夢中になっていたからですよユメ先輩。」
ホシノ「…これユメ先輩の分までやってますよキヨウ。わざわざ筆跡もユメ先輩っぽくしてますし。」
「うぇ?うん自分の分は終わったから手伝ってた。」
ホシノ「そういうことですか。なら確認しますね。」
ノノミ「それじゃぁ私はユメ先輩の書類を確認しますね。」
書類作業をやっているのは大体キヨウくん。ユメしか触っちゃいけない書類も時々やらされるのでユメの筆跡は模倣できるようになった。
ホシノ「書類に不備はなかったですよ。」
「確認ありがとう。」
ホシノ「ユメ先輩は何を…?」
机の上に突っ伏しているユメ。
ユメ「キヨウちゃんがやってるならいいかなぁって。」
「?俺の分は確認も終わったのでもう手伝いませんよ。」
ユメ「…!?」
唐突に起き上がるユメ。
ノノミ「今の所の確認終わりました〜。3枚ほど修正が必要ですね。」
ユメ「誰か手伝ってくれる人は…」
ホシノ「ユメ先輩の書類を手伝えるのはキヨウぐらいですよ。私の場合筆跡を似せれないので。」
ユメ「キヨウちゃんお願い!真面目にやるから手伝ってくれない?」
「…今日砂嵐来そう。」
窓の外の砂漠を見ながらそんなことを言うキヨウくん。
ホシノ「予報でも砂嵐は来るって言ってましたけどよくわかりますね。」
「そんな感じがするってだけ。」
ノノミ「感覚でもすごいと思いますよ〜。」
ユメ「誰も手伝ってくれない…。」
ユメは頑張って書類を片付け、キヨウくんは手伝わなかった罰としてほっぺを引っ張られている。
ノノミ「最近ヘルメット団来ませんね。」
ホシノ「今ほっぺを引っ張られている人のおかげでしょうね。」
ユメ「そうだろうねぇ。化け物って言われていたし。」
キヨウくんを一斉に撃った襲撃からもう一度だけ来たヘルメット団。キヨウくんは生徒会室で留守番させられていたがまぁ結果は変わらなかった。
「ひとをせんりゃみたいにあつかわにゃいでもしいけれろも。」
ホシノ「戦車みたいな兵器じゃなくて生体兵器の方では?」
ノノミ「ホシノ先輩言っていることがわかったんですか?」
ホシノ「何回もやってたので。」
ノノミ「なるほどぉだからあんなに伸びるんですね⭐︎」
「いっろきもちみたいにのびゃさりぇてた。」
ユメ「いつまで続けようかなぁ。」
久しぶりに見たなぁ。キヨウくんのほっぺ引っ張られてるの。何度見ても羨ましい
ノノミ「…こんなにのんびりしてていいんでしょうか。」
ユメ「無理に動き続けてもいつか潰れるだけだよぉ。」
ホシノ「ユメ先輩はあまり動いてないですけどね。」
ユメ「それはキヨウちゃんもじゃない?」
「いったんはらしれくれません?」
ユメ「わかったぁ。」
「ユメ先輩よりか動いてる気がしますよ。」
ユメ「学校で書類に追われてるのに?」
「…書類作業する人がいなかったら回ってませんよ。」
ユメ「…そうだった!」
ホシノ「はぁ…。」
「う〜んのんびりしてていいのか、かぁ。」
キヨウくんは少し考え答えを出す。
「考え方によって変えたらいいんじゃないかな。ホシノみたいに急ぐのか、ユメ先輩のようにゆっくりやっていくのか。」
ノノミ「考え方…」
「無理に他の人みたいにならなくてもいいしね。」
ノノミ「なるほど〜。」
ホシノ「大丈夫ですか!?まさか書類のやりすぎでおかしくなったんじゃ…!」
ユメ「ごめんね!今日はもう休む?」
「俺そこまでふざけてたっけ…?」
ユメ「後輩ができたら性格が変わるっていうのは聞いていたんだけど、まさかこれほど変わるなんて…!」
ホシノ「いや、別人の可能性があります!」
「…今日はもう解散。砂嵐が来る前にみんな帰りなよ…。」
おかしくなった空気感に耐えきれず部屋を出ようとするキヨウくん。
ユメ「会長や副会長じゃないのになんで帰宅令が出せるって思ってるのかなぁ?」
ホシノ「そこで止まってください。」
キヨウくんは悟った今の2人に何を言っても聞かないと、救いの手などないと。
「…ぁ」
今にも消え入りそうな弱々しい声は2人の耳には届かない。
ユメ「とりあ…え…ず?」
「ごめ…ん…な…さい」
車椅子の上で足を体に引き寄せ腕で頭を守るようにするキヨウくん。
「ゆるして…くだ…さい」
ホシノ「大丈夫…ですか?」
そう言ってキヨウくんに近づこうとしたホシノだったが
ユメ「ホシノちゃん今はそっとしておこう。」
ユメに引き止められる。
ホシノ「どうしたんですか?急に」
ユメ「前ホシノちゃんが賞金首を狩るのを失敗しちゃった日あったでしょ?その次の日になんでホシノちゃんの行動を黙ってたのかを聞こうとしたんだけど…」
ホシノ「あぁいうふうになってしまった…と。」
ノノミ「…女性と何かがあってトラウマになってしまったんでしょうか。」
ユメ「それは本人しかわからないけど…。とりあえず今日は帰ろう?」
ホシノ「そう…ですね。」
もうすぐ砂嵐も来そうということと、解決策が見つからないので帰ることにした。
〜次の日〜
ホシノ「おはようございます。」
「!」
少し後方に下がるキヨウくん。
ホシノ「ちゃんと朝食は食べました?」
「まだ…です。」
ホシノ「それじゃぁしっかりと睡眠は取りました?」
「とって…ない…です。」
ホシノ「…なんでいつもみたいにタメ口じゃないんですか。」
「たし…かに…。なん…で…だろ…。」
ホシノ「言える範囲でいいので教えてくれませんか?」
「な…にを」
ホシノ「そこまで怖がっている理由を。」
ホシノとしてはダメ元の質問。キヨウくんにとっては答えなきゃいけないと感じる質問
「…まだ4歳のころお母さんが家事を手伝えって言ってきて、手伝おうとしたら全然ダメで、逆にお母さんの仕事を増やして。怒られて、蹴られて、殴られて。何度も謝ったけど許してもらえなくって。その後も何度も手伝うように言ってきたんだけど、できなくて、使えないだとか、なんでできないんだとか、そんなことも日常的に言ってくるようになって…。」
ホシノ「…」
無言で抱き寄せてくるホシノ
「…!?」
ホシノ「大丈夫だよキヨウ。何かミスをしたとしても殴ったり蹴ったりする人はいないから。ミスがありすぎたら怒るかもしれないけど、キヨウは同じミスを繰り返さないし、繰り返したとしてもユメ先輩なら笑って許してくれるよ。」
「ほ…んと?」
ホシノ「ほんとだよ。というよりかキヨウ自身が一番わかっていることじゃないかな。」
「たし…かに……すぅ」
ホシノ「おやすみ」
安心したのか寝てしまったキヨウくんを部屋まで運び布団で寝かせホシノは生徒会室に戻る。
ホシノ「…私はなんであんなことを…!」
冷静になってから後悔をしているホシノ。
数分後
ユメ「おはよ〜」
ホシノ「おはようございますユメ先輩。」
ユメ「キヨウちゃんまだきてないんだね。」
ホシノ「キヨウならさっき寝ましたよ。」
ユメ「…!?え〜とさっき寝たの?」
ホシノ「数分前に寝ました。」
ノノミ「おはようございま〜す。」
ユメ「ノノミちゃんおはよう」
ホシノ「おはようございます」
ノノミ「何のお話をしてたんですか?」
ユメ「キヨウちゃんがさっき寝たっていうこと。」
ノノミ「…さっき寝たんですか?」
ユメ「さっきって言っても数分前らしいけど。ホシノちゃんの方が詳しく知ってるかなぁ。」
ホシノ「…キヨウの過去について少し聞いたんですよ。」
ユメ&ノノミ「!?」
ホシノ「何で怖がっていたのかを聞いて、少し話をしたら安心したのか寝ました。」
ユメ「その怖がっていた理由は…」
ホシノ「ユメ先輩とノノミも知っておいた方がいいと思います。」
ユメ「…聞くよ。」
ホシノはキヨウから聞いたことを言った。
ユメ「…親からの虐待。」
ノノミ「それのせいであんなことに…。」
ユメ「…ホシノちゃんはどうやってキヨウちゃんを安心させたの?」
ホシノ「ミスをしても大丈夫っていうことを伝えました。」
ユメ「なら思いついた事が試せるかもねぇ。」
ノノミ「なにを思いついたんですか?」
ユメ「キヨウちゃんをいっぱい褒める!」
ホシノ「…なるほど。」
ノノミ「どうしてそれが安心させる事に繋がるんですか?」
ユメ「ノノミちゃんはキヨウちゃんから1つでも長所を聞いたことがある?」
ノノミ「…ないですね。」
ユメ「私たちもないの。でもキヨウちゃんには長所と呼べるものが多くあるの。」
ホシノ「家事ができて、書類作業も早い。戦闘もできるし、人並み外れた耐久力もある。」
ユメ「どれも優れてるのに本人は一切自分のことを上げない。」
ノノミ「だから褒めるということですね⭐︎」
ユメ「そういうことだよぉ。」
キヨウくんをどうするのかを決め、次にやることは
ユメ「キヨウちゃんが起きて来るまで普段どうりにしよ〜う!」
ノノミ「お〜⭐︎」
ユメ「さっそくだけどノノミちゃん廃墟に行こう!」
ノノミ「わかりました〜。」
ホシノ「私は留守番なんですね…。」
話を区切るものなぁ~と思ったんでほぼ2話一括構成みたいになっていました。ノリと勢いで考えたものなので展開に困っています。でも後悔は…若干しています。誤字・脱字報告と感想や質問などあればよろしくお願いします。