DYNA&GAMERA -Rebirth-   作:くろしゅー

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第8話 復活の日

 

 

 

 

 

 

「「「「「合体竜人! ダイナゼノン!!」」」」」

 

 

「「「「「バトル、ゴー!!」」」」」

 

 

 そのかけ声とともに、赤き竜人、ダイナゼノンは街を疾走する。そして、街を破壊していたジャイガーをタックルで吹き飛ばした。

 

 地面を転がるジャイガー。それを見て、他の怪獣たちはダイナゼノンのほうを向く。

 追いついてきたグリッドナイトと並ぶダイナゼノンの姿に、怪獣たちは警戒をしながら唸り声を上げる。

 

「数が多いな。どうする?」

「んなもん、一気にぶっ飛ばせば関係ねえ! 所詮はコピーだ!」

 

 ナイトの質問にそう答えるガウマ。そして、その答えとともにダイナゼノンが走り出す。

 

 それに呼応するように、怪獣たちも各々咆哮を上げながらダイナゼノンとグリッドナイトに向かって走り出す。

 

「ダイナセイバー!!」

 

 ダイナゼノンは腕から緑色のエネルギーで出来たブレードを生成し、先頭のギロンに斬りかかる。

 が、ギロンはそれを易々と躱し、ダイナゼノンを踏み台にすると、そこから跳躍してグリッドナイトを斬りつける。

 

「うおっ!」

「ぐわぁっ!」

 

 グリッドナイトの叫びを後ろに聞きながら、踏み台として蹴られたよろめきから体勢を立て直すと、間髪を入れずに、ジャイガーがさっきのお返しとばかりにタックルしてくる。

 

「ぬわっ! このっ……!」

 

 タックルで距離が詰まったジャイガーに手刀をお見舞いしようとすると、今度は後ろからギャオスが飛び蹴りをダイナゼノンに食らわせる。超音速から繰り出される蹴りに、ダイナゼノンは前に転倒する。

 

「くそっ……!」

 

 そしてダメ押しとばかりに、立ち上がろうとしたダイナゼノンの頭部に、川から跳ねたジグラが液状弾を叩き込む。それにより、ダイナゼノンは再度頭を強く地面に打ちつけるハメになる。

 

「ううっ。ちょ、ガウマさん!? なんか俺たちメッチャ一方的にやられてるんですけど!?」

 

 蓬の言葉はガウマ隊の心を代弁したものだろう。

 

「ただのコピーじゃなかったんですか!?」

「そのハズだ! ハズなんだが……」

 

 夢芽の非難するような声に、ガウマの言葉尻が弱くなる。いつの間にか、ダイナゼノンは怪獣三体に取り囲まれていた。

 

 

 

 

 

 一方のグリッドナイト。

 ギロンに斬りつけられ地面に倒れたが、蹴りでギロンを押しのけ、その間に距離を取る。それに対しギロンは、尾部を光らせると、そこから鱗弾を連続で射出する。

 それを、グリッドナイトは軽やかな身のこなしで避けていく。そして、避けた際のバク転と同時に右腕にエネルギーを貯め、技を放つ。

 

「グリッドナイトストーム!」

 

 しかし、ギロンも猫のような身のこなしで、その光線を回避する。ビルの上に着地したギロンは、間を置かずにそこから跳躍。グリッドナイトに斬りかかる。

 グリッドナイトはギロンの超振動ブレードをギリギリで回避。後ろのビルが、豆腐のようにいとも簡単に、真っ二つに切断される。

 初撃を避けられたギロンだが、諦めることなく超振動ブレードをグリッドナイトに幾太刀も振るう。グリッドナイトも先ほどの一撃で威力は体験している。そう何度も食らえる技ではない。超振動ブレードをいなしつつ、わずかな隙にひざ蹴りをギロンの顔に叩き込む。

 怯んだギロンからバク転で距離を取り、手にエネルギーを集約させる。

 

「グリッドナイト、サーキュラー!!」

 

 集めたエネルギーは紫の光輪となり、ギロンに向かって投げられる。それは確実にギロンを捉えた一撃だったが、ダメージから回復したギロンは怯むことなく、グリッドナイトサーキュラーに飛び込む。

 そして、グリッドナイトサーキュラーの穴に自身の超振動ブレードを差し込んで、輪投げの輪のようにして、グリッドナイトサーキュラーを受け止める。

 

「なっ……!?」

「グオオオオ!!」

 

 グリッドナイトが驚いている隙を狙って、ギロンはグリッドナイトサーキュラーを投げた本人へと投げ返す。反応が一手遅れたグリッドナイトだったが、何とかグリッドナイトサーキュラーは回避する。しかし、その一手の遅れは、ギロンには絶好のチャンスを与えてしまう。グリッドナイトの回避先を予測した、ギロンの的確な回転斬りがグリッドナイトを襲う。

 

「しまっ、ぐわあああああ!!」

 

 回転斬りをモロに受けたグリッドナイトは地面を転がる。それを追い詰めるギロンは、まさに狩人だった。

 

 

 

 

 

 グリッドナイトとギロンの戦いが繰り広げられている一方。同時並行で続いていた、ダイナゼノンと三大怪獣の戦いも、ダイナゼノンが劣勢だった。

 

「クッソ! ホントにコピーかよ! 連携上手すぎだろ、コイツら!」

 

 ガウマの口から漏れた声に答えられる人物はいなかった。それほど、相手の連携が優秀だった。

 ジャイガーと戦っていると、空からギャオスの急襲を受け。ギャオスを墜とそうとすれば、水中からジグラの妨害が入る。そのジグラを水中から引きずりだそうとすれば、ジャイガーとギャオスに邪魔される。

 それの繰り返しで、ダイナゼノンはほとんど攻撃をできていなかった。

 

「どうするんすか、隊長!」

「しゃーねえ! 分離して、コイツらを引き離すぞ!」

 

 ちせの問いかけに答えるガウマ。

 

「一時解散!!」

 

 ジャイガーが突進してきたタイミングで、ガウマはそう号令をかける。すると、ジャイガーの突進を避けるように、ダイナゼノンは四つのパーツに分離する。

 

 夢芽の乗るダイナウイングはギャオスに、蓬の操縦するダイナソルジャー、暦とちせの駆るダイナストライカーはジャイガーに、ガウマの操るダイナダイバーはジグラへと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 上空。雲にぶつかりそうな高度で、ダイナウイングはギャオスを追いかける。

 

「待てー!」

 

 夢芽はそう叫びながら、コントローラーのトリガーを引く。両翼から放たれるビーム、ペネトレーターガンは、ギャオスにするりと避けられる。

 

「もうっ! ちょこまか、ちょこまか……!」

 

 夢芽の苛立ちを表すように連射されるビームだが、ギャオスはそのどれもを回避していく。何発かはかすりこそしたが、大したダメージにはなっていない。

 そこで夢芽は、あえて雲の中に潜る。速度を上げ、ギャオスがいるであろう位置の真上までダイナウイングを持ってくる。そして、そこから急降下。ほぼ直感に頼った動きだったが、今までの怪獣との戦いで培った感は鈍っておらず、雲を抜ければ、ギャオスのすぐ後ろだった。驚いて動きが鈍ったギャオスを、ダイナウイングは確実に捉えた。

 

「そこ! なんとかビーム!」

 

 ビームが直撃し、ギャオスは爆炎に包まれる。

 

「よし……!」

 

 夢芽は歓喜の声を小さく上げる。

 こっちは片付いた。次は蓬たちの援護だ。

 

 そう思い、ダイナウイングの高度を下げようとした時だ。煙を突き抜け、超音波メスがダイナウイングの右翼に直撃する。

 

「きゃあっ! えっ!?」

 

 夢芽が突然の攻撃に振り向けば、そこには傷がほとんどないギャオスが未だ宙を羽ばたいている。そして、その僅かな傷もすぐさま塞がっていく。

 

「ウソでしょ……!?」

 

 驚く夢芽の気持ちなど考えないギャオスは、そのままダイナウイングに飛びかかる。

 

「うわああああああ!!?」

 

 ギャオスに両翼を掴まれたダイナウイングは、一気に高度を落としはじめた。

 

 

 

 

 そして、その違和感に感じていたのは、地上でも同じだった。

 

「クッソ、攻撃が効かない!」

「どうすんすか先輩! ストライカーのバルカン砲、全部弾かれてますよ!?」

 

 ダイナストライカーで戦う暦とちせ。しかし、ダイナストライカーのフィンガーフォント弾は、ジャイガーの表皮に全弾弾かれていた。

 

「手応えがない……。 まさかこれ……!?」

 

 ジャイガーと格闘戦をしていたダイナソルジャー。それを操る蓬は、ジャイガーの表皮の違和感に気づく。

 

「これ! 体の表面にシールドみたいのがある! 多分、これでダメージを軽減してるんだ! うわっ!?」

 

 言った直後、ツノでビルに叩き付けられるダイナソルジャー。しかし、蓬の声はダイナゼノンを通じて、各パーツの操縦者に届いていた。

 

「ば、バリア!?」

「でも、ガメラが戦ってたときは普通にダメージ与えられていたのに……」

 

 同様する暦と夢芽。

 

「いや、多分最初からあったんすよ! それで、ガメラはそのシールドを無効化する力があったんじゃないっすか? ほら、隊長とナイトさんが戦ってたときも、敵怪獣のバリア打ち消してたし!」

 

 そう言うのはちせ。確かに、バイラスとの戦いでガメラはバイラスのバリアを打ち消してた。そのような能力があっても不思議じゃないだろう。問題は……。

 

「どうやってこのシールドを突破しよう……。ガメラがどうやってたかもわかんないし、手の打ちようが……」

 

 蓬がそう言うと、ガウマが声を張る。

 

「弱気になんな、蓬! シールドをどうこうする必要はねえ! ダイナウイングの攻撃だって効いてねえわけじゃねえ! シールドを破れねえなら、その防御を上回るダメージを与えりゃいいだけだ!」

「そりゃ、そうですけど……!」

「いや、一理ある。普段なら力押しが過ぎると言うところだが、今はその手しかない。ならば、そのやり方に賭けるしかあるまい」

 

 そう言うのはグリッドナイト。それで皆、覚悟は決まった。

 

「しょうがない、やれるだけやってみよう」

「そうっすね。やってみないことには、始まらないっす!」

 

 暦とちせの言葉に全員が頷く。

 

「よし、ちょうど良い感じに怪獣もバラけたな。もう一度合体するz……、ぐわっ!」

「ガウマさん!?」

 

 喋っていたガウマの言葉が途中で途切れる。

 

「クソっ! この怪獣、速すぎだろ! 何ノット出てんだ!」

 

 ガウマの操縦するダイナダイバーを、ジグラの液状弾が襲う。反撃としてミサイルを放つダイナダイバーだが、ジグラには全く効いていない。機体の前方から放つレーザーは、ジグラの戦闘機のような動きを全く捉えられなかった。

 ダイナダイバーも、潜水艦としてはかなり優秀な機体だ。それこそ人類が保有する既存の潜水艦の何倍ものスペックを持つ。

 しかし、相手はスーパーキャビテーションで200ノットも出せる怪獣だ。速度も機動性も、全てジグラが勝っており、ダイナダイバーは赤子の手をひねるかのように、ジグラに遊ばれていた。そして、他と合流されないように、確実に足を止められていた。

 

「マズい! ガウマさんさんが……! 暦さん、ちせちゃん! 合体だ!」

「え、あ、うん!」

「了解っす!」

 

 蓬のかけ声に暦とちせが応じ、二機が宙へと飛び上がる。そして、ダイナストライカーがダイナソルジャーの両腕へと合体する。

 

「「「ダイナソルジャー、ストライカーコンバイン!」」」

 

 合体したダイナソルジャーはその巨大になった両腕をギャオスに向ける。

 

「まずは夢芽を助ける! ストライカーストーム!」

 

 ダイナストライカーの車輪から放たれた光線はギャオスを捉え、大爆発を起こす。

 ダメージに驚いたギャオスはダイナウイングを離す。

 

「夢芽えええええ!!」

「っ!? 蓬!」

 

 ダイナストライカーとの合体を解除したダイナソルジャーは空高く跳び上がる。そしてそのままダイナウイングと合体する。

 

「「ダイナソルジャー、ウイングコンバイン!」」

 

 ダイナウイングと合体し、ダイナソルジャーは大空を舞う。

 

「夢芽! 大丈夫!?」

「私は大丈夫! それより……」

「分かってる! 次はガウマさん!」

 

 ダイナソルジャーは、ダイナダイバーとジグラが戦っている場所へ一直線に突っ込む。

 

「ガウマさん!!」

「っ!? 蓬ィ! 夢芽ェ!」

 

 ダイナソルジャーの影に気づいたガウマは、ダイナダイバーを急速浮上させる。そしてそのままの勢いで、水上へと飛び出す。もちろん、ジグラもそれに続くがそれも想定済み。

 

「今だ、やれ!」

 

 ガウマのかけ声と同時に、ダイナソルジャーはきりもみ回転。そのままジグラに突っ込み、急降下での速度も乗せた跳び蹴りをお見舞いする。

 

「「くらええええ!」」

「グロロォォォォ!?」

 

 蓬と夢芽の息の合ったコンビネーションはジグラを捉え、蹴りでジグラを水底に叩き付ける。

 

「へっ、やるようになったじゃねえか、お前ら!」

「ええ、誰かさんのおかげでね」

 

 笑ってガウマに答える蓬。戦うのは久しぶりでも、少し離れてたくらいじゃこの連携は崩れない。それを全員の顔が物語っていた。

 

「いくぞ、お前ら!!」

「「「「はい!!!」」」」

 

 四機は再び一つになる。

 

「「「「「合体竜人、ダイナゼノン!!!」」」」」

 

 空中で合体したダイナゼノンは、飛びかかってきたギャオスの顔を殴りつける。そのままギャオスを地面に叩き付けると、ダイナゼノンにある全砲塔をギャオスに向ける。

 

「火力が足りねえなら、これでどうだ!」

 

 ガウマの言葉に続くように、ギャオスに馬乗りなったダイナゼノンの砲塔全てが光る。

 

「ダイナゼノン、フルバースト!!」

 

 ガウマの叫びと共に、文字通りのダイナゼノンの武装一斉射が、ゼロ距離でギャオスに放たれる。

 

「ギャオオオオオ!!?」

 

 その火力にギャオスは原形をを残すことなく、木っ端微塵に吹き飛ぶ。

 

「グルアアアアアアア!!!」

 

 その隙を狙って、ジャイガーがダイナゼノンに突進を仕掛ける。しかし、ジャイガーは忘れていた。この場には、もう一人戦士がいることに。

 

「させるか!」

 

 ジャイガーとダイナゼノンの間に、ギロンを振り切ったグリッドナイトが割り込む。そのことに驚いたジャイガーは、咄嗟に前脚でブレーキをかける。

 だが、その判断が逆に仇となる。

 

「グリッドナイト、サーキュラー!!」

 

 ジャイガーがブレーキをかけて出来た、一瞬の隙を逃さず、グリッドナイトは手に素早く光輪を生成する。そしてそれを持ったまま、ジャイガーとすれ違う。

 すれ違いざまに振り抜かれたグリッドナイトサーキュラーは、ジャイガーの皮膚をシールドごと切り裂き、ジャイガーは真っ二つになって爆発した。

 

 そんなグリッドナイトの隙を狙う影が一つ。水中から尻尾を伸ばして、ジグラはグリッドナイトの足を絡め取ろうとする。しかし、グリッドナイトが素早くその場を飛び退いたことで、尻尾は宙で空振る。

 

「お前の殺気に気づかないとでも思ったか!」

 

 そう言って、グリッドナイトは急いで縮めようとしているジグラの尻尾を掴む。そして、力の限り引っ張って、ジグラを空中へ投げ飛ばす。

 

「今だ!」

 

 その声に応じて、ダイナゼノンは宙へ飛び上がる。その途中で形を変えて、竜人は強竜へと姿を変える。

 

「「「「「合体強竜、ダイナレックス!!!」」」」」

 

 合体と同時に、口の中に膨大な熱量を貯める。そして、ジグラに追いついたと同時に、その熱を一気に解放する。

 

「「「「「必焼大火炎! レックス、ロアアアアアア!!!」」」」」

 

 空中へ投げられたジグラにそれを避ける手段などなく、ダイナレックスの放つ業火がジグラを包む。それはジグラのシールドをも焼き、ジグラは空中で爆散した。

 ダイナレックスは、グリッドナイトの隣に降り立つ。それはかつての戦いを思い出させるもので、彼らの絆の強さを物語っていた。

 

 

 ダイナレックスとグリッドナイトはギロンに体を向ける。残りは一体だ。

 

「グオオ……」

 

 ギロンは二人の圧に気圧されたのか、一歩後ろへと下がる。

 

 

 

 

 

 すると、ギロンは突然自分の腕に噛みつく。

 

「え!?」

「なんだ?」

 

 その行動に驚く蓬と眉をひそめるナイト。他の面々も皆、同じようなリアクションだ。

 そんな彼らを尻目に、ギロンは腕の皮膚を噛みちぎると、ダイナレックスたちとは別方向に走り出す。

 

「なっ!? 待て!」

 

 それを見たグリッドナイトは急いでギロンを追いかける。

 

 

 ダイナレックスもそれに続こうとした、その時だった。

 ダイナレックスの横に転がっていた、焦げたギャオスだったものの肉塊に、何かが突き刺さる。

 

「ん!?」

 

 それはギャオスの肉塊を突き刺すと、後ろにすぐ戻り、今度はジャイガーの肉塊を突き刺す。

 

「なにが……」

 

 謎の槍のような物体が飛んできている後ろをダイナレックスが振り返れば、怪獣が目前に迫っていた。

 

「うおおおわああっ!!」

 

 その怪獣のタックルにダイナレックスは突き飛ばされる。怪獣はダイナレックスを押しのけ、ギロンが走っていった方向へと走っていく。

 

「なっ、あれって……!」

「知ってんのか、ちせ!」

「知ってるも何も、アイツ、ジーダズじゃないっすか!」

 

 ガウマに問われたちせはそう答える。そう、今しがたダイナレックスを突き飛ばし、街を全力疾走しているのは、この世界に現れたに二体目の怪獣、ジーダズのコピーだった。ガメラにあっさりやられたため、ガウマ隊全員が、存在を今の今まで忘れていた。

 そのジーダズは、舌をハープーンのように伸ばし、落下しているジグラの焦げた肉塊を突き刺す。そして、舌にギャオス、ジャイガー、ジグラの肉塊を突き刺したまま、大地を疾走する。

 

「なにが狙いかはわかんねえが、好きにさせてたまるかあ!」

 

 ガウマの声とともに起き上がったダイナレックスも大地を駆け、ジーダズを追いかける。

 ジーダズは、まるで焼き鳥串のようになった舌をそのままに、ハードル走のようにビルを飛び越えると、ギロンと合流する。ギロンは咥えていた自分の肉片をジーダズに渡すと、急ブレーキをかけ、反転。追ってきたグリッドナイトにラリアットの要領で、首に超振動ブレードを叩き付ける。

 

「あがっ!?」

 

 ギロンが追っ手の足止めをしている間に、ジーダズは走り抜け、彼らの目的地に到達する。

 ジーダズが足を止めた前にあったのは、前日の戦いで炭となったバイラスの死骸だった。

 

「何をする気だ……!?」

 

 グリッドナイトがギロンの後ろから見たのは、ジーダスがバイラスの死骸の口に、自分の舌を突き刺しているところだった。

 

 

 

 グリッドナイトに遅れて、ダイナレックスも合流する。

 

「追いついた! 加勢するぞ!」

 

 そう言って、ダイナレックスはギロンに噛みつこうとするが、ギロンをそれを避け、そのまま遠くへ離れていく。

 

「なんだ? 足止めしてたんじゃないのか?」

「……? おい! アレを見ろ!」

 

 ナイトの声に全員が視線を前に戻すと、そこには信じがたい光景が広がっていた。

 

 

 

 先ほどまでバイラスに舌を突き刺していたジーダズが、宙に浮いていた。より正確に言えば、宙に吊されていた。

 

 

 

 炭化したバイラスの触手で。

 

 

 

「な、なんで、アレが動いて……。ガウマさんと、ナイトさんが倒したはずじゃ……」

 

 信じられないといった感じで、夢芽が呟く。

 触手はそのままジーダズの首にまで巻き付くと、あっさりとその首をへし折り、ジーダズを絶命させる。

 

「っ!?」

 

 その光景に、手で口を覆う夢芽。蓬も顔を歪ませる。

 触手は、その先端に付いた口でジーダズの体を引きちぎりながら捕食する。足下に転がっていた、残りの怪獣の欠片も触手は綺麗に食べていく。

 そして、ジーダズの三分の一ほどを食べたあたりで満足したのか、残りの死体を遠くへ放り投げると、バイラス本体が細かく振動を始める。

 

 振動によって、炭化していた皮膚はボロボロと崩れ落ち、その中から金色の皮膚が露わになる。

 頭から胴体、触手へとそれは続き、ついに全身についていた炭が剥がれ落ちる。

 

「ギュイイイイイイイイイイイ!!!」

 

 バイラスの咆哮がフジヨキ台を駆け抜ける。それは、紛れもない復活への歓喜の声だった。

 

「ウソ……」

「復活、した……!?」

 

 ちせと暦の口から漏れ出た絶望の声。聞こえていないはずだが、バイラスはそれに嗤うような仕草で応える。

 ガメラを瀕死に追いやった、黄金色の悪魔が再び産声を上げた。

 

 

 

 

 

 咆哮を上げたバイラスは、血に染まったような赤い目でダイナレックスたちを睨み付ける。

「っ! グリッドナイトストーム!」

 

 先手必勝と言わんばかりにグリッドナイトストームを放つグリッドナイトだったが、それはバリアに阻まれ、バイラスに到達することはなかった。

 

「くっ! やはりダメか……」

「なんで、アイツ蘇って……」

 

 蓬の疑問にガウマが答える。

 

「多分、さっきの怪獣が運んでた肉片だ。それ食って体を再生させたんだろ。厄介な能力だぜ……」

「だとしたら、あの怪獣はザノンにとって重要な怪獣そうだな。でなければ、わざわざそこまでして復活させる意味がない」

 

 グリッドナイトがそう付け加える。

 確かに、他の怪獣たちと違い、目に光がある。アイツだけはコピーではないのだろう。

 

「絶対にここで倒すぞ!」

 

 グリッドナイトの言葉に頷き、ダイナレックスが走り出すと、横からギロンが斬りかかってくる。

 

「うおっ!? っぶねえ!」

 

 どうやら簡単に戦わせる気はないようだ。ギロンはダイナレックスたちに向けて咆える。

 

 

 

 

 だが、援護があるのはバイラスだけではなかった。

 

 ギロンは高くジャンプし、再びダイナレックスに斬りかかる。しかし、その行動は横から乱入してきた黄金の怪獣に阻まれる。

 

「クエエエエエ!!」

「ゴルドバーン!!!」

 

 ちせの弾んだ声が響く。

 

「間に合ったか!」

 

 グリッドナイトがそう呟く。怪獣たちが出現したときに、真っ先に呼んでいたのだが、離れた所に身を隠させていたから、もう少し時間がかかると思っていた。この速さで飛んできたのは、ゴルドバーンもちせに、皆に早く会いたかったのだろう。

 

 すると、ゴルドバーンに蹴り飛ばされたギロンが起き上がる。大したダメージは負っていないようで、身を振るって瓦礫を落としている。

 

「よし、皆揃ったな。全員でいくぞ!!」

「「「「「はい(おう)!!!」」」」」

 

 そのグリッドナイトのかけ声に合わせ、全員が返事と共に空へと飛び上がる。ダイナレックスは構成していた四つパーツに分離し、それぞれが変形をしていく。そして、グリッドナイトを取り囲み、それぞれのパーツがグリッドナイトと合体していく。

 両腕にはダイナストライカー、両脚にはダイナダイバー、胸部にはダイナウイング、ダイナソルジャーは武器としてグリッドナイトと合体する。そして、それらの足りない部分を補うようにゴルドバーンが胸部、そして兜としてグリッドナイトの頭に合体をする。背中に紫のマントが展開するのに合わせ、周りの暗雲を吹き飛ばす。

 

 

「「「「「「超合体竜王、カイゼルグリッドナイト!!!!」」」」」」

 

 

 月光を背に、カイゼルグリッドナイトはフジヨキ台の大地に降り立った。

 

 

 

 

 

 




実はこの小説書くまで夢芽さんの誕生日知らなくて、「ガメラといったら夏だろ!」とかいう安直な考えで夏休みを舞台に選びました。
なので、夢芽さんの誕生日が8月1日と知って、急いでねじ込んだのが第5話の会話でした。
設定の確認の怠り、ダメ、ゼッタイ。
あと設定関連で言うと、ダイナゼノンや怪獣たちのパワーバランスも雰囲気です。なので、強さに解釈違いがあるかもしれませんが、大目に見てください。
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