星間企業の成り上がり   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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学生と流行

 連合軍とワルキューレの戦争は連合軍のコロニーが次々に陥落していっていた

 

 戦争初期の国力差は4:1で連合軍有利であったが、今では1:1にまで拮抗してしまっている

 

 ワルキューレは現在8つのコロニーを占領したが、どうやらそこで維持をする事のできる人材が尽きたらしい

 

 占領したコロニーから兵士を募集することもしているが、敵であったワルキューレに従おうという人は少ない

 

 勿論待遇が良くなるからと進んで協力する者もいるが、そんなのは少数である

 

 更にワルキューレは男狩りを敢行し、各コロニーから男をワルキューレの母体となるコロニーに輸送し、男を精液を採取する部品としか見ていないのか、人道的からかけ離れた事をし始めていた

 

 ワルキューレの内部情報は知らないがそこまでいくと狂気である

 

 ヤマオカもこんな狂犬を放っておく事は無いだろう

 

「指揮官ならこの戦争でヤマオカは利益をどう得ますか?」

 

 執務室でクズハに聞かれた為答える

 

「そうだな。俺だったらワルキューレを潰す算段を立てている時期だろうからヤマオカがワルキューレを潰すのは確定で、ワルキューレ、連合軍双方に旧式のロボットを借用させた事で利益はどう転ぼうとも確定させている」

 

「狂犬のワルキューレはヤマオカに喧嘩を売って借金の踏み倒しをする可能性もあるけど、ワルキューレの存在そのものがヤマオカの不利益になるだろうから···利益をこれ以上望まないならワルキューレを壊滅させて破綻したコロニーをヤマオカが吸収するのが手っ取り早いかな」

 

「ただヤマオカが強欲だった場合まだまだワルキューレは暴れ続けるだろう。反抗勢力にさらなる借用で経済植民地にすることもできるだろうし、武器類は作れば作るだけ売れるだろうし」

 

「ケッセル指揮官、これはチャンスなのでは? 我々がコロニーを奪取すれば勢力の拡張となりますが」

 

「それを回せる人員が居ないだろ···クズハもわかっていってるな」

 

「ええまぁ、試してしまってすみません」

 

「別に気にしていない」

 

 最もAJ社コロニーで他のコロニーの戦況を知っているのはヤマオカから流れるニュースとナカヤマからの情報によるところで、ヤマオカは表向き連合軍支持(裏ではワルキューレに支援しているが)なので連合軍中心の情報が

 

 ナカヤマからはワルキューレ主体の情報が流れてくるため、双方の意見を精査し、戦局を客観的に見ることができていた

 

「とにもかくにも今は内政の時間だ。特に食糧問題が逼迫してきている。農業の自動化を進めるぞ」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校に通う生徒達は1年目で個性を身に付け、2年目で社会性を身につける

 

 今までの6年教育では3年目から6年目まで愛国心ならぬ愛社精神を育んでいく

 

 受精卵から母親のお腹ではなく生育機···つまり巨大な試験管の中で急速に育つ

 

 試験管ベイビーが殆どだ

 

 生育機の中で知識としては色々頭に詰め込まれるが、経験がない状態なために経験と社会性を育む必要がある

 

 それが今の学校だ

 

 ちなみに地球にて教育を受けることができるのはそれこそ凄いエリートであり、前社長もケッセル指揮官が始めて死ななかった男子だったこともあり相当な無理をして地球に送っていた

 

 つまり一般的なコロニーの住民は地球で勉強することもできなければ、コロニーから出る機会も少ない

 

 学生は寮で生活をし、ごく一部親子の関係を結べる子のみが休みの日に家族の生活を送ることができる

 

 ただそんな家庭は1クラスに1人くらいである

 

 それ以外の大半の子供は親という存在を知識としては理解していても、温もりを感じること無く大人となる

 

 そしてコロニーで老いて亡くなっていく

 

 小規模なコロニーに人が流入してくることも無く、ましては外敵がうようよいる為ニューアースのコロニーでは学生が生まれたコロニーの外に出ることはそのコロニーが滅んだ時以外あり得ない

 

 狂犬のワルキューレが制圧したコロニーでも子供達は逃げることもできずに駒として利用されていたり···

 

 現在AJ社のコロニーでは普通教育というカリキュラムが組まれている

 

 これは先生の能力が一番低くてもなんとかなる教育であり、カリキュラムに沿った教育で、満遍なく伸ばすのでも、長所を上げるのでも、短所を無くすのでも無く最低限の基礎教育という意味でもある

 

 ケッセルはネームドキャラを多く発掘しているが、逆にネームド以外の人員は最低限の教育しか受けていない為、能力値は100〜200···つまり星1程度の能力しか無く、しかも特化しているわけでもないので全部のステータスの数値に10ずつあるみたいな事が平気で起きている

 

 ケッセルはこの教育を変更したいと思っているが、教師の質が低くてできない

 

 というより1つ上位の教育方法に切り替えるには専門的教師を確保する必要があり、専門教育を行える能力持ち教師は全30名の教師のうち5名しか基準を満たしてない

 

 教師の再教育が必要なのである

 

 まぁそんな教育ながらも天才、秀才というのは出てくるものであり、オリガ・ギアードという学生の身でありながら趣味で作った水耕栽培の機械とサイクルを研究し、水耕栽培プロジェクトに卒業後直ぐに参加することが決定している子だったり

 

 自作のARサングラスを作り、小銃から戦車やロボットの設計ができるレイ・ウリバタケ

 

 糞長い名前を付けられたエーリカ・フリーデリーケ・ヴィルヘルミーナ・ルーデンドルフ···エーリカは物事を教える天才であり、人は資源と平然と言いながら優れた資源こそ巡り巡って自身を楽にさせると同級生を育て、実際にエーリカのクラスだけ学力の平均点が突出させることに成功していたり

 

 採掘量から埋蔵資源量の逆算をすることのできるモホル・ドリトル等後のネームド人材も育っていた

 

 まぁ変人もおり、学校に中世の甲冑を自作して着てくる奴···レオポルド・ドーベルという子や開放部という全裸こそが美しいとする集団なんかも居た

 

 ちなみに開放部が普通に学校内で盛んになっており、男女問わず裸で授業を受けだす始末

 

 ケッセルがそれも個性と認めた為に教師も注意を放棄したことで学園内で流行っていた

 

 まぁこれが数年後には男子も死ににくくなり増えた為か校内で普通に乱交が流行り始め、9歳1児の母という学生妊娠が流行するという未来が待っているのだが···

 

 学生は収入が少ないというかアルバイトしていない子は収入が無いので自由が少ない

 

 自由が少ないから習った授業の中から趣味となる教科を見つけ、資料を漁り、上記の様な野生の天才が発生したりする

 

 ···現在学校は2つあるが、子供が増えれば更に増えていくだろう

 

 そしてその学校にも個性が出てきて···みたいになるのがケッセルの理想だ

 

「まぁとりあえず言えるのは教師の再教育だな」

 

 余裕ができたら教師を再教育してやると心に決めるケッセルだった

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