星間企業の成り上がり   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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やるべき指針

 前世で言うところのアメリカが北朝鮮に苦戦している···いや、焦土戦術を使っていることからベトナムに近いかもしれないが···そんな絶対的な国力に差がある企業が本気で潰しにかかったのに潰せなかった···それがワルキューレである

 

 ヤマオカは理性があったし、打算が存在した

 

 宇宙から艦砲射撃をして非戦闘員を巻き込んででもコロニーごと破壊していたら確実な勝利は得れたであろう

 

 しかし、それをやればワルキューレから回収予定の富や人員、そしてコロニーのすべてを失ってしまう

 

 投資が無駄になるのだ

 

 結果、すべてを失うよりも大きな損害を受けてしまったのは欲をかいた結果だろうか

 

 まぁワルキューレも切り札というべき戦略核の使用という札を切ってしまったし、産業基盤が人員の強制動員により崩壊しているし、学徒兵を肉壁や捨て駒として使用した為に教育を受けた兵士の補充が約5年は不可能となった

 

 しかも核兵器は数年に渡り使用した地域を放射能汚染により死の大地へと変貌させるために宇宙空間ならまだしも、有人惑星での使用はタブーとされてきた

 

 タブーを犯したこと、今までの悪行···貿易も支援も断ち切られ、残されたコロニーはボロボロ···ワルキューレは完全に詰んだ状態であるが、軍事力と畏怖と意地だけで生存している状況である

 

 まぁヤマオカの地上軍が弱体化し、周辺のコロニーも衰退か破壊され、ワルキューレも虫の息···不干渉を貫いたAJ社やRA社のニューアースにおける影響力が強まった

 

 RA社はこれを商機とし、物資の支援や影響力を強める行動を行い始めた

 

 崩壊したコロニーの持っていた利権も火事場泥棒をしたらしく、一部技術の無断使用を行い、商品のコピーを行っていった

 

 ヤマオカが元気であればそんな行動は到底許される行為ではないが、ヤマオカも再建で精一杯

 

 RA社は当面の脅威が無くなったとして防衛協定も2年で解消し、特需に酔ってしまっていた

 

「危ういな」

 

 ケッセルはRA社をそう言い、自社のことを今後の事を考える

 

「方向性は見えている」

 

 端末に箇条書きでメモすると

 

 ·食料の確保

 ·居住区の拡張

 ·軍の拡張

 ·教員の確保と質の向上

 

 とりあえずこれである

 

 また男子もウイルスの耐性を付与したことでこれからは男女比も回復していけばさらなる人口の増加が起こるだろう

 

 それを見据えてのコロニーの増設だ

 

「あとは働ける場所の増加か」

 

 製造施設や農業施設が自動化に伴い、必要人員が激減したため、他の職業に割り振ることができるように今後はなる

 

 そうなると新しい職業や既存の職業で人員が足りていない場所に割り振ることができる

 

 今一番足りていないのは教員、次に軍···特に外征部隊だ

 

 研究開発員、建設員、輸送人員もこれからどんどん必要となる

 

「人口爆発の第一世代が来年には就職となる···本当の意味での成長はそこからだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーす、グレドリー、目標とする職業決まった?」

 

「エレンじゃん、まだだよ。先生から何でもそこそこやれるでしょうって言われてるけど···エレン的にはお勧めの職業ってある?」

 

「そういうのは彼女の方が詳しいでしょ、おーいアル」

 

「ん? なに?」

 

 ダポンダポンと大きなお腹と胸を揺らしながら歩いてくる

 

「良いなぁアル学生のうちに2回も妊娠できて」

 

「初物が早かったし、アルバイト先の人との相性が良かっただけよ」

 

「アルもサクラもイブキもグループ全員が妊娠して羨ましいなぁ」

 

 グレドリーはそう口にする

 

 一方人口···特にクローンに興味を持っているエレンは別の事で羨ましがる

 

「指揮官の血縁者も妊娠や受精率が高いらしいんだよね。指揮官は99%だけど子供達も90%ぐらいらしいし···私は強い遺伝子を使って自分の手で才能溢れるクローンを作るのが夢だし」

 

 ちなみにエレンはその分野では本当に天才らしく学校から借りた機材で鶏のクローンを作ることに成功していたり、遺伝子を組み替えた作物を作ることに成功している

 

「あ、話がそれた。アル、将来の職業はどうするの? 適性試験ももうすぐだし」

 

「そうねぇ···指揮官の秘書をやりたいけどそれはグレドリーもそうでしょ?」

 

「勿論! 指揮官の秘書はエレンみたいに夢がある子以外は皆目指しているでしょ!」

 

「まぁ現実的には教師かな。後輩を教えるのも好きだし、子供達と関われるし」

 

「なるほどねぇ···」

 

「卒業までに自身のクローンを創りたいなぁ」

 

「クローンってウイルスで直ぐに死んじゃうんじゃないの?」

 

「ふふーん、男の子に付与されている耐性因子を組み込めば問題ないんだな〜これが、寿命に関しても限りなく人と近くすることは可能だし」

 

「でもクローンの感情はどうするの? クローンって産まれた瞬間から模造品のレッテルが貼られるけど」

 

「いや、本体よりも高性能なクローンを創るんだから、劣等感みたいなのは無いんじゃないの? 反逆されないようにしないといけないけど」

 

「旧世紀の映像作品にあったようなクローンの暴走はどうするの?」

 

「まぁそこはツァーリ臨時政府っていう組織が出していたクローンの思考制御を事前に組み込んでおけば大丈夫だと思うんだよね」

 

「程々にしなよ」

 

「はーい」

 

「ねぇアル、私の適性な職ってなにかな?」

 

「満遍なくできるんなら基地勤務を狙えば? 基地の規模も拡張するって話も出ているし」

 

「なるほど」

 

「じゃあ私はこれで」

 

 ポテポテとお腹を揺らしながらアルは歩き去っていった

 

「基地事務員をまず目指すか···運が良ければ···」

 

「じゃあ私も行くわ」

 

「エレンありがとうね相談に乗ってくれて」

 

「はいはーい、またねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

「携帯超電磁砲発射用意···発射」

 

 バシューン

 

 重量10キロ、予備銃身3キロ、弾丸100発及び電池20個10キロ

 

 試運転を終え、ロボットや戦車に搭載されている超電磁砲は10メートル級の外敵を遠距離から一撃で射殺する成果をあげていた

 

 超電磁砲の電池は充電池なので外部から電力をチャージしておく必要があるが、それはモノポール発電の余剰電力で解決しているため運用には問題が無い

 

 そして歩兵用の携帯超電磁砲も完成し、ようやく遅れていた兵器技術を他のコロニーと同等くらいに押し上げることができた

 

 次は超電磁砲に耐える装甲の開発である

 

 人的資源が無限にあるわけではないので人員の保護が優先

 

 なので矛が完成したら盾の開発である

 

 ただ研究チームは解体し、各々自分の得意な研究を始める

 

 装甲もそうだが三世代も旧式の戦車の新型を開発するのも急務であった

 

 飛行車の技術を応用したホバー走行を改修で施したが、設計が無限軌道を軸にしていたためにメンテナンスや故障率が高くなっていた

 

 新型戦車の設計、開発は学生ながら超電磁砲開発に貢献した若き天才レイ・ウリバタケ

 

 彼女に一任された

 

 まず彼女は操縦システムの改良を施した

 

 この時代の戦車は1名運用が基本であるが、旧式の戦車は操縦がいまだにハンドルとペダルであったので、それをカメラの補助によるヘッドギア型のゴーグルを装着することで全方位確認ができる様にし、アーケードゲームのコントローラー(片手で、しゃもじのようなレバーに発射やロックオン、煙幕発生などの各種ボタンが配置されている)のような操縦装置にし、空いた片手で通信のチャンネルや映像チャンネルを弄れるようにしてある

 

 大きさは旧世紀のドイツの生み出したマウスに匹敵するが、ホバー走行により時速100キロの快適性を維持、ただ発射時に車体固定杭を出さないと射撃が安定しない欠点もある

 

 全長11.8メートル、幅4.5メートル、高さ3.8メートル

 

 駆動はモーター式、アンペア作製大型蓄電池及び大型モーター

 

 無補給稼働時間 15日間

 

 主砲 

 AJ社式零型超電磁連装砲

 

 副兵装

 7.62mm機関銃2門

 

 レイアウト前面に蓄電池、モーター、非可燃性物資スペース、操縦ブロック、弾薬ブロック、装填装置、生活スペース

 

 という形になっている

 

 生活スペースでは体を伸ばして寝れるベットが4台格納されており、車長以外に歩兵を3名追加で運搬できる

 

 歩兵が居なければそのスペースを自由に使うことができる

 

 電気の自由が利くため小型冷蔵庫や電気ケトルが常備されている

 

 こうして出来上がった戦車はAJ社の主力戦車として資源輸送車の護衛から外敵の駆除、そして他のコロニーとの戦争にて活躍することとなる

 

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