星間企業の成り上がり   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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遺伝子の話

 指揮官となって3ヶ月

 

 遂に量産型のロボットが完成した

 

 まんま見た目がガンダムのジムだし、サイズは8メートルなので本来のジムの半分ほどしか無いが

 

 同時に小型の産業用ロボットも製造され、これで少しは生産効率が上がるだろうと思っていたが、人型なので色々な物に使えるが、副産物の産業用パワードスーツのほうが社会貢献できていた

 

 ケッセルはがっくりしてしまったが、重力下で馬鹿でかいロボットを扱うよりも専用の重機を造ったほうが産業効率は良い

 

 まぁ軍事転用できるので無駄ではなかったが···期待していただけにケッセルはガックリと項垂れてしまう

 

 まあでも小型ロボットの方は単純作業には向いており、簡単な道具の製造等で使われ、万年不足気味であった実弾や砲弾の製造は劇的に改善した

 

 そんな産業用としてはポンコツであった大型ロボットであるが、戦闘用では大きな活躍をしていた

 

 時速60キロで走ることができ、高さ10メートルの障害を超える事もでき、頑丈かつ手で持ち帰ることで様々な武器を使える、そして航続距離が無補給で1500キロ動けるは軍事系の人々にとって一種の理想的兵器であった

 

 AJ1とナンバリングされたこの機体にいち早く適合したのはメビウス・スカーレットとイブ・アリエイトであった

 

 元々試作型の搭乗するロボット兵器を扱っていただけあって転換はスムーズに進み、初実戦ではAJ1用に与えられた大型実弾小銃と合金製の斧を持って出撃すると大型外敵をメビウスは15体、イブは8体を無傷で倒す成果をあげた

 

 これは近接武器を使えるのもあるが、背中や腰にサブ弾薬を持てるため継戦能力が高いためであった

 

 予備機も含め15機初期量産型として造られ、外敵駆除に大きな役割を担った

 

 まぁでも産業にロボットを使う方針はあっているので、それぞれに特化させた大型自動コンバインやだったり、マザーマシンの開発を行う方が多目的よりも逆に扱いやすいことが判明した

 

 ケッセルは今回の反省を活かし、ホシノの研究チームに多数の青写真とそれぞれの産業に適合したロボットの開発を命令するのだった

 

 

 

 

 

 

 

「指揮官、こちらをどうぞ」

 

「これは?」

 

「提案書です」

 

 クズハが出してきたのは強化人間の提案であり、卵子を多数排卵できる母体としての強化人間とIQを意図的に調節した兵隊になるためだけの強化人間を作ってはどうかというものであった

 

 ステータスが上がった影響からか幼い言動は鳴りを潜め、有益な提案を出してくるようになったミカとクズハであったが

 

「確かに強化人間は魅力的ではあるが、そんなことをしなくても排卵剤を使えば良いし、兵隊は人口が増加すれば勝手に増えていくだろう。今の段階でやるようなことではない」

 

 と突っぱねた

 

 クズハはそれにニヤニヤしながら

 

「ですよねー」

 

 と言ってきたので反対されるか俺を試したのだろう

 

 コイツー夜ベットの上で気絶するまで使ってやると決め、次の書類に目を通すとギフトが耐性鶏の遺伝子解析が完了し、人にもウイルスの耐性因子を付与できるとの報告だった

 

 これで男子の死亡率がぐっと減るだろう

 

 俺は許可というサインを記入し、ミカに書類をギフトに渡すように指示を出した

 

「さて、俺もやるか」

 

 執務室の裏に研究室を増設し、能力が伸びた俺、ミカ、クズハと伸び悩んでいるが有能なのは変わらないナナの4人で独自の研究を始めた

 

 主に作物の遺伝子改良だ

 

 俺が手に入れた作物を増やしたり、それを病気に強くしたり、味を上手くしたり、活用方法を研究している

 

 例えばスターフルーツに似た形だが真っ赤のレッドスターという地球には無い野菜をクエストで入手したため栽培してみると二十日大根のように種から二十日程度でメロンサイズまで大きくなる大根や人参、カブの仲間の様な野菜であるが、食感はサクサク、水々しい

 

 味は辛味が出てきて食欲を増加させるので、キムチ感覚で食べることができるし、鍋に入れればそれだけでキムチ鍋のような少し辛い鍋になる

 

 程よい辛さなのが肝である

 

 ただ種が1株で5粒ほどしか実らないので、それを改良し、花の咲く数を増やして実を成らせ、種が30粒ほどなるように短期間で改良を施した

 

 こういう改造が行えるのもケッセルが設計図を頼りに睡眠時間を削って造った遺伝子操作装置のお陰である

 

 レッドスター以外にも淡い桃色の葉が成るモモノハという野菜だったり、代用卵みたいな味がする実が成る卵トマト等食事を豊かにするためと向上した能力を使うためにこんな物を改良して新種を創ったり、改良していた

 

「指揮官〜、今日も実ってますよ~」

 

「ミカ、これらの作物は特産品になりうるかな?」

 

「はい! ニューアースには無い食べ物ばかりですし味よし、栄養素良しなのできっと人気になると思います! 小さい畑で始めてスーパーに並べて様子を見てからになりますけどね。加工すれば保存も利きますし、売れると思いますよ」

 

「そうかそうか。次はいよいよ中麦を改良していこうか」

 

 中麦···大麦と小麦の中間という意味と宇宙で発見された麦だった為宇宙の宙と文字をかけて中麦で小麦のグルテンと大麦のホルデインの両方が同じくらいの比率で含まれているのも特徴

 

 パンにするともちもちとした粘り気の強い柔らかいパンになるが、味は小麦で作られたパンに劣り、酒にしてもビールに劣るという中途半端な麦である

 

 こいつがなぜ栽培されているかと言うと病気と暑さ寒さにとにかく強い

 

 水さえあげれば勝手に育つというくらい生命力が高く、その生育適性の高さから文明が後退した生育可能惑星ではとにかくこいつが作られている

 

 ただ面積当たりの収穫量が宇宙連邦政府全盛期に流通していた特殊肥料が気軽に使えなくなった事で収穫量は激減、F1種(1世代しか収穫量を維持できない種)だったこともあり遺伝子的にも後退しており、収穫量は完全状態の5分の1まで減ってしまっていた

 

 味の改良、劣化した遺伝子の修復やることは色々ある

 

(能力の上昇が明らかにおかしい。勉強したで片付けられるものでは無い。これがこの世界の法則なのか?)

 

 遺伝子操作ができるような精密機械を作るのも、遺伝子操作で正解のゲノムにするのも普通の人間ができるようなものでは無い

 

(まるで超人だな)

 

 ナナもミカとクズハの急成長に頑張ってついていこうと勉強しているが···って奴だ

 

「ナナ、せっかくだ。自然妊娠してみるか?」

 

 俺はそう切り出した

 

 

 

 

 

 

 ナナは困惑しながらも年下のミカとクズハに抜かされて自己嫌悪と劣等感に苦しめられており、優越感を欲していた

 

 そのために人工生育ではないお腹で育てるというのは特殊な意味を持つ

 

 この世界は自然妊娠に関しても便利な物があり、お風呂のカプセルの液体を培養液に変え、母体に老化防止のナノマシンを投与することにより妊娠期間を一気に縮める(具体的には妊娠期間を10日前後)にすることができる

 

 元々妊娠による社会的不利益を無くすためという目的だったらしいがモラルブレイクしたこの世界ではそんな建前を気にする人物等居ない

 

 皆自分たちの生活環境を整えるので精一杯だからだ

 

 そして自身の身体で子供を産むというのが一種のステータスであり、ナナにそれを提案すると受け入れた

 

 ナナは犬みたいな尻尾をブンブン振りながら夜に排卵誘発剤を飲み干してから一晩中行為に移るのだった

 

 

 

 

 

 

 

 俺は疑問に思うことがある

 

 人類と定義されてはいるものの獣人の様な姿の人が居ることを

 

 調べてみると宇宙連邦政府時代にテラフォーマーズみたいな人の体に動物の遺伝子を混ぜることでその動物的特徴を獲得することができるのではないかという学説が飛び出し、実際に身体機能の向上が見られたが、その動物のデメリットも薄れながら受け継いでしまったらしい

 

 例えば猫や犬が玉ねぎがダメなように人間には害は無くても動物では害のあるという食べ物や環境があったりするようだ

 

 時にその動物の遺伝子を混ぜたことで別の惑星に適合することができ、ノーマルの人間よりも多くの人口となった星もあったりするが···

 

 その改造が大流行した時代から約300年近く経過しているが、機能を失ってもまだ特徴を有していたりする

 

 ナナの場合だと耳が4つある

 

 いつもは髪に隠しているが、犬の耳と人間の耳があり、犬耳の方は機能は劣化しているものの、人には聞こえない音を拾うことができるそうだ

 

 あと嗅覚も強い

 

 クズハは狐娘な為か発情期があり、その時期になると排卵が普通よりも促されたり、巣穴に籠もる習性からか、狭い部屋の方が落ち着くのだとか

 

 今ではそんな遺伝子改造している余裕が全く無い為かその技術は衰退したが、そんなことをしたせいで突然変異が起こっており、ゲルンが提唱することとなる新人類の特徴として背中から大きな純白の翼が生えているキャラがゲルン系列国家では多々出現していたことを思い出す

 

 ハーフアニバーサリーから人権と言われていたゲルン総統閣下なんかは大きな白い翼に自国の国旗の入れ墨を入れる痛い子だったが十字軍や聖女を思わせる服装でこのゲームで唯一エロ絵が100件超えているキャラだった···ハズだ

 

「調べれば調べるほどゲームとの繋がりが見えてくるな」

 

 というかゲームの性能でもしゲルン総統閣下や女帝とプレイヤーから言われていたアナスタシアが出てきた場合普通に宇宙存亡の危機に陥る

 

「何でハーフアニバーサリーキャラが4年インフレしたゲームで最強キャラ張ってるんだって話だよな」

 

 それぐらいに強い

 

 と種族について俺が調べていたらヤマオカについての情報がわかってきた

 

 まず社長の名前はヤマオカ三世

 

 名前の通りヤマオカグループの3代目社長であり、中年太りしたチビデブハゲに小さな丸い眼鏡をかけた男性である

 

 見た目は終わっているが統率能力と運営能力は凄まじく、他の惑星との貿易を独占してニューアース1の大富豪なだけはある

 

 ただ後継者が2人居るらしく副社長のシオン·ヤマオカとヤマオカ宇宙貿易会社という事実上のヤマオカの宇宙軍総司令官のミソン·ヤマオカと2人の姉妹が実力、人気共に拮抗しているとのこと

 

「いいなぁ宇宙軍···」

 

 俺は羨ましいと思ったが弱小コロニーの社長がそんなことをの願っても無理なことは無理なので諦めるのだった

 




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