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18.5歳になったさくらみこは入局して五年目ということもあり、将来への期待がされる若手へとなった。自らのえりーと道を貫き彼女は周りからその道が正しいのか疑問視されがちである。
調査財団のV支部に勤めるK課長はそんなみこに内心苛立ちを感じており、今回投げやりにH公園の調査を命じた。式神の35Pとみこの旧友である白上フブキと共にチームを組み、前任者が消えた本件を引き継ぐことになる。フブキは上司のこの判断に不安を持ちつつもみこと共にH公園とは因果があることを感じざるを得なかった。
以前さくら神社にはA子という少女がよく遊びにきた。最近越してきた子で、どんなに寒くても膝より下を布で隠さない、風の子を体現したような子だった。春には小学校に上がる彼女のまっすぐで純粋な感性はみことフブキの母性をくすぐるのだった。だからA子の表情が暗くなったのは2人にとっては見過ごすことのできないことだったのである。
それは入学を数週間前に控えた日、3人で記念写真を撮った時だった。
「ママからね。もうお姉ちゃんたちと遊ばないようにって言われたの。」
A子の重々しい口調は自称ママの2人の心を抉った。
年相応の友人を作り、交流して欲しいという母親の思いだということは彼女たちにはわかっていたが、やはり心は壊れた。
それだけではなく、そもそも時間が割けなくなってしまうというのだ。
「どうしてだい?」とフブキが聞くと、彼女は「塾に行くの。」と答えた。
一層元気のなくなったA子を励まそうとみこは頭を巡らす。
「すげーな。みこ公文が限界だったよ。」
何のフォローにもなっていなかった。
「白上たちも小学生の勉強くらいだったら見てあげられるからね。」
「…算数と漢字以外持ってきなー。」
A子の話はまだ続く。
親はすでに10年後の受験を考え、その幅を広げられるように更なる教養を課すというのだ。
プールにピアノに英会話。週7日の間でいったいどこに時間を突っ込むというのだ。
だからA子が失踪したという話を聞いた時はその理由が予想できた。町内を巻き込んでの騒ぎとなったのを覚えている。何故彼女の母親はそこまで詰め込もうとしたのか。
それはA子の父親が建設会社の社長であるからだとフブキとみこは話し合った。
母親は子供を立派にしようと躍起だっていたのではないか。
社長夫人としてその役目を全うしようとしていたのではないか。
などなど様々な考えが思い浮かんだ。そしてこの会社はH公園施工の責任者であった。