財団調査隊   作:茶漬四郎

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次元を超えた復讐

 時を同じくしてみこは辺里邸の2階へと続く階段の見上げていた。

玄関からここまでの記憶がなく、無意識に歩いてきたようだ。35Pが「そうだよ」と伝える。彼らは茶化す様子はなく、その態度が尋常でないことを物語っていた。

「じゃあ、この前のイタズラはお前たちじゃなかったのか。」

振り返ってみるとここ数日おかしなことが身の回りで起こっていた。同じ夢を見ることはもちろん、気がつけば鏡の前に立っていたり等、何回か意識を失っていたような気がする。てっきり寝不足が原因だと思っていたが、ドアやモノが勝手に動いていたのは流石に考えた方が良かったかもしれない。自分の周りに何かが起きている、もっと深く考えておけば良かった。

 

体が固まる。

首すら動かさず周囲を見渡さないのは、何かがいるのではないかと彼女の勘が働いているからだ。ゆるい螺旋状の階段を見上げることができない。

硬直した体は、後ろから声をかけてきた貴道氏によって自由に動けるようになる。

「困りますよ、勝手に入ってこられたら。」少し怒っている様子にみこは素直に謝る。

適当に言い訳をしていたら上の階から何かが割れる音がした。陶器の破片が不自然な横滑りをしながら階段を落ちてくる。2人が恐る恐る階段を登ると、そこにはドアが全開に開かれた書斎のような部屋が待ち受けていた。

「そんなバカな。」貴道氏は声を殺して呟いた。

「中を見てきてくださいよ。」と一直線にみこを見つめて貴道氏が言い放つ。蛇に睨まれたカエルのようになった彼女は、「にえ」と気の抜けるような返事をした。

「ストーカーがいたら嫌じゃないですか。」

「あ、そっか。」ゴリラ男の犯行かもしれないと考え、みこが一歩前に進み出そうとした時、背後から別の足音が聞こえてきた。軽いステップの主は伊東だった。

「お!どうも。」

彼はひょっこり顔を出すと軽く挨拶をした。そして簡潔に状況を説明する。

「白上の応援で来ました。今自分の上司が奥様にお話を聞いています。」

「今みこたち風で陶器が割れる音がしてきてみたところ。」

「風で?」と伊東が不思議そうに反応する。

背後を見て確かに割れた跡があるのを確認すると、ナゾナゾを解いた小学生のような表情をして2人を見上げた。

「相当突風だったんだな。吹かれて落ちたら棚の真下とかに落ちるだろ。階段の半ばで割れてるぞ。」

「確かに」と、みこが伊東に歩み寄り、2人して貴道氏から目を離した瞬間、甲高い音が響いた。硬いもの同士がぶつかり合い、確実にどちらかが弾けるような音だ。

見上げると貴道氏は頭を抱え、フラフラとバランスを崩している。

見ると床には花瓶の破片が散乱し、血液が点々とカーペットを汚している。

花瓶が氏の頭を直撃したのだと2人は思った。

真っ先に動いたのは伊東だった。貴道氏を庇うように前に立ち周囲を見渡す。続いてみこは貴道氏の頭の怪我を確認して、伊藤の背中から顔を出して同じ方向を見た。

ちょうど盾にするような感じで確認したが、何もなかった。

直後盾は何かに押されたようにバランスを崩し、後ろの2人をドミノ倒しのように倒した。

「おめえ重えよ!」

「ごめん!」

床に背中から倒れた2人が叫ぶ。

貴道氏は完全に平衡感覚を失ったようでゆっくりとドアの開いた部屋に倒れ込んだ。

2人が声をかけようとした時、ドアが勢いよく閉まる。

ガチャンッとまるで無機物が感情を持っているかのようにみえた。

銃を構えた伊東がすぐさま室内に入ったが、そこには貴道氏の姿はなく、血痕が数滴残されているだけだった。

ガレージが爆発したのはその後である。

 

 

 




みこちの振り返り配信よかったね。
実はシオンたん推しなので裏話聞けてウハウハしてます。



みこち、算数頑張れ
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