財団調査隊   作:茶漬四郎

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SCP-619-JP

 パチン、と「マンデリン」にて碁を打つ音が響く。

「はい、私の勝ち。」

アリスは五目並に勝利し、敗者のみこは濁音の混じった雄叫びを喉の奥から吐き出した。

彼女の4勝9敗である。緒戦こそは素人のアリスに勝っていたが、いつの間にか黒星が倍になっていた。

観戦していた35P達は嘆く者もいれば、いつも通りで安心した者もいる。

2人の決闘を傍観していたフブキと伊東の2人の元に志村がやってきた。そしてポン、と伊東の方に手をおいて気遣うように顔を覗き込んだ。

「十分眠れたか?」

 

 全力で敷地を脱出した後もみこは無意識にスマホの撮影を続けていた。画面の中には村の敷地とその境界線上に村人が集まってこちらを恨めしいように睨む姿が収められていた。

こっち側にはこられないようでみこは安堵する。

調査局の面々は肺の欲するままに呼吸を荒くしているだけだったが、少し遅れて逃げてきた学生達は酸欠の他にも症状が出ているようである。瞳孔は大きく見開き、フブキの声掛けにも応じない。全員無事であるのが確認されたが、ひどく怯えパニック症状に陥っている。こうなると人間は自分の意思とは関係なく神経が勝手に動いてしまい、まるで野生の動物のように見えた。

「フブさん離れて!」

みこが叫んだ。

スマホのスクリーンを覗いた伊東は思わず息を飲み、何度も肉眼と画面越しに学生達をみた。そこに映っていたのは学生達の体に、かろうじて人だとわかる物体が溶け込むように食い込んでいる姿だった。

人間同士の融合、失敗した人体実験のようである。

ちなみにフブキの体にはなにも異変は確認されなかった。

その後、エージェント達が現場にやってきた。情報交換とはいかず、一歩的にこちら側の情報を吸い取られた形となったが、致し方ない。

申し訳ないがその場にいた3人は早く離脱したがった。

エージェントが1人の学生を指差す。

「彼はここで終了させましょう。人道的な処置です。」

言葉は少ないが、手伝えという意味だった。伊東は手汗と拭き取りコルトを取り出して、指定された学生の元へとゆっくりと歩いていった。

 

 フブキはパッと思い出したように声をあげる。

「小林くん覚えてます?サークルにいた。彼のチャンネル見つけたんですよ。」

彼女はウキウキしながらスマホを操作する。彼の活動が楽しみなのだろう。昨晩ライブ配信があったというのだ。

ところがフブキは「あれ」と声をあげ、首を傾げた。

「どしたのフブさん。」

と伊東が尋ねる。

「アーカイブが非公開になってる。」

「なんだ、メン限か。」

「多分違いますねえ。ってかよくメン限って言葉知ってますね。誰の見てるの?」

 

 昨晩発生した重大インシデントはその発生が不可解であり、必然的に起きたとしか説明できない。

立ち入り禁止の包囲網を何らかの手段で潜り抜け、ライブ配信を行った事により、◼️◼️人にパニック症状の発生が確認された。配信者当人には当該オブジェクトの影響を受けておらず、現在処置について思考中である。当時の視聴者数が従来より多かったのはハッシュタグとタイトルによるものだと思われる。

また、因果関係は不明だが、◼️◼️人の内◼️割の人物は麓在住、或いは麓出身者であることが判明している。

尚、残りのサークルメンバーについてだが、記憶処理、社会復帰が困難として、終了させられた。

 

伊東は深く椅子に腰掛け天井を眺めた。

「人を助けるために本部配属を避けたのに、こんなんじゃ変わんないよなあ。」

ちょいちょい、と下から柔らかい何かがふくらはぎを突いた。視線を下げると35Pである。

「なんだ、元気づけてくれるのか。」

その手には一尾のたい焼きの持っていた。

「くれるのか。」

頭から齧ると中はピンク色の餡は顔を出した。これは心配した誰かさんからの「差し入れ」らしい。

もう一つ、今度は35Pからの差し入れがあった。

月見団子である。

「まだ持ってたのか。ごめんそれはいらないや。」

 

 

 




みこち…女の子堕とすゲーム楽しいかい?
おじさんは大好きさ。切り抜きNGのシーンのせいで寝不足だよチクショウ
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