財団調査隊   作:茶漬四郎

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情報交換

 伊東が帰ってくると「マンダリン」にて4人が集まった。そしてみこは全員の前に立ち、頭の中で描いた情景と言葉を結びつけるように話し出す。その様子はまるでゲームの説明をしているようだ。

「みことフブさんはH公園へ行って、A子ちゃんを探しに行きました。」

スマホを取り出し、3人で撮った写真を見せる。真ん中にいるのが例の子だ。

 彼女が録画した行動記録と話によれば、公園の出入り口を囲んでいる重厚な工事用フェンスを2人がかりでどかし、園内へ入った。すると誰かの視線を感じたという。気のせいかと思ったが、熱を帯びたような視線は生き物でない限り発することができない。

情けない声を上げながら突発的に振り向いてもその目線の先にあったのは歪な形をした木々か遊具しかなかった。

特にフブキは息遣いに似た音を耳にしたという。

珍しくみこに早く出たいと漏らしていた。

星灯を頼りに公園中央の広場まで行くと少女らしきシルエットをフブキが確認した。彼女が近づこうと階段を降りた時、驚いた声と主に画面外へと消えた。

階段から「落ちた」みこはそう表現した。

「それがこの辺。」と見取り図で公園の中央付近を指でぐるぐるを示した。

記録はまだ続き、みこが慌てている様子が映っている。

「オトトトオトトトオトトトオトトトオトトト、え?あれ⁉︎フブさーん‼︎」

カメラ越しでもその声はこだましていた。それから画面は変わらない。カメラを胸に装着していたので前を向いている。みこは首を後ろに向けているようだった。

話によるとこの時、頭部が半分欠損した人間に肩を掴まれたという。欠損した部分に目が引き延ばされており、ちょうどトグロを巻いているようだったらしい。そこから画面は大きく乱れた。走り出し、何かにぶつかり、地面に倒れ、衝撃でカメラは録画を停止した。

 

記録を見終えると今度は伊東が立ち上がった。メガネを掛け直し、何度か瞬きをする。

「H公園の建設責任者ですが、一家を含め行方不明です。」これはA子も含まれる。

一家で足取りがわからなくなったということで、世間では夜逃げや一家心中の可能性が示唆されていた。

「夜逃げの理由って?」とみこが尋ねる。

「災害の多ささ。周知されている一件の重大災害のほかに、2名の負傷者と4名の行方不明者を出してる。その責任追及を恐れたのかもってこと。」

また、負傷者2名には作業での負傷であるにもかかわらず、個人負担の保険を適用させており、この事から行政が目を光らせている。

一通りの情報を整理すると志村は自身とみこは公園へ、そしてアリスと伊東を事務所兼社長宅へ向かうよう決定した。

 

「先輩先輩」出発前に伊東が志村へ歩み寄る。

「話を聞いた元日雇いの作業員と飯食ったんですが、経費で落ちますかね。」

ペラっと領収書を見せる。

「何食ったんだ。」

「パイコー炒飯特盛です。」

「アホか。昼飯じゃねーか。落ちねーよ。」

彼の返しにみこが驚くほど早い速度で反応した。

「甘えんな!」

 

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