氷元素片手剣使いのオリ主が無茶苦茶する話   作:あおーいあお

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加筆修正した文章が全部吹き飛んで萎えたけど復旧作業終わらせました。



天空のライアー

「団長殿、すまないのじゃが天空のライアーを貸してはくれぬか?」

 

「急にどうした、白梨どの…白梨。天空のライアーは持ち出しが禁止されているが…」

 

「どうしても借りれぬか?」

 

「少し厳しいな…、1週間程かかる」

 

「了解、忙しい中すまんのう。借りがまた1つ。いつでも仕事とか回してくれて構わんからそれで返す。それではまた今度」

 

ふむ、ジン殿も駄目…か。

一応教会の上にも掛け合ってみたが忙しいらしく繋がらなかった。

アテが外れた。

1週間も待ってられんな。

忍び込むか。

コネで解決できるほど甘くはないということじゃな。

 

 

「…蛍殿。やはり忍び込むしかないようじゃ。おい、アホ。お主には陽動してもらうぞ。夜深くに大聖堂に行くとして、とりあえず親睦を深めるために食事会を開くが…暇か?」

 

「うん」

 

「ご馳走も用意しとくからのう。パイモンも期待して待つと良いぞ」

 

「ご馳走!」

 

「リンゴ酒は?」

 

「リンゴ酒は無しじゃ、どアホ。面倒事を押し付けおって」

 

団長室から出て、待機していた風神達に作戦の決行時間まで親睦を深めようと提案する。

もちろんこのアホにリンゴ酒は出さんがな。

 

「俺は先に帰って用意しとくから、このアホに案内して貰ってくれ」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

家にすぐさま帰ってまずは鶏肉のスイートフラワー漬けの準備をし始め、その間に他の料理も作っていく。

オリジナルの料理もあるが、不味くはないと思う。

むしろ結構美味しい。

璃月に帰ってきた時、1番料理が美味しかった香菱に美味しいと言われたので自信を少し持っている。

全品作り終えたので少し休むために椅子に腰掛ける。

 

「それにしても…、あの蛍殿は見た限り神の目が無いはずなのに元素の力を感じるのう…」

 

俺に見えたのが間違いで無ければ彼女は元素の力を扱える。

風元素。

しかし…神の目ではない。

神の目特有の雰囲気ではない。

あのアホの体の内部にある莫大な風元素の力の源ともまた違う。

神の目…。

 

自身の腰に着いている神の目を外し、手の上に乗せる。

 

 

 

「…()は、()()()の為にも、剣豪の白梨なんて…護りきれない僕なんて…封じ込めなきゃいけない……」

 

 

 

自身に言い聞かせるように呟きながら、表裏で色が違う神の目を強く握り締める。

言葉に呼応するかのごとく上の面は白く、輝いていた。

 

 

 

「おーい、来たよ、白梨ー!居るよねー?入るよ?」

 

「…すまんのう、疲れて眠っておった」

 

ドアがノックされたのでふと我に返り、ドアを開く。

 

「わぁ、凄いご馳走だぞ!」

 

「すごい量…」

 

大量の料理を用意した。

これで足りないことなんてないだろう。

 

 

 

 

そう思ってました。

 

「すごく美味しいぞ!」

 

「…パイモン、白梨さん引いてるからペースを落とした方が」

 

1時間でパイモンの腹の中に八割収まった。

あの小さい見た目でどんだけ食べてんだ!?

 

「だ、大丈夫じゃ。あの大きさで食べ物はどこに消えてるんだろうと思っただけじゃ」

 

「結局、僕のためにリンゴ酒も用意してくれてるじゃないか。素直じゃないんだから」

 

リンゴ酒を飲みながらニコニコでこちらを見てくるアホ。

 

「たまたまじゃ!たまたま処分に困ったリンゴ酒があったから出しただけじゃ!…蛍殿、食事はどうかのう?口に合うか?」

 

「すごく美味しいです」

 

「良かった。ふむ、パイモンも満足な様じゃのう」

 

まだ食べている最中のパイモンを眺めつつ、作戦について触れる。

 

「アホが見張りの気を惹いている間に俺達は大聖堂の地下への階段に入り、見張りに見つからないようにライアーまでたどり着く。中の設計に関しては把握してあるのじゃが、行きと帰りのルートはここに書いてあるからのう。良く見とくといい」

 

内部設計を描いた紙にルートが書いてある物を蛍殿に手渡す。

これは俺が少し前に遊び感覚で図書館の禁書エリアに忍び込んだ時に見た、警備上のため関係者以外秘密の資料のエリアで見つけたものを記憶して書き写したものだ。

禁書エリアから抜け出そうとしてヘマをやらかしてリサ殿にビリビリと半日雷元素で仕置かれたが。

 

「おい。どうやって気を引くか考えてきたか?」

 

 

 

「うーん、行き当たりばったりかな」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「気付かれる前にライアーを回収するんじゃ、すぐに行くとしよう」

 

行き当たりばったりであのアホが交渉したが結局突破できずに夜に来直すことになった。

夜に守衛が居なくなるのを知っているなら先に言えばいいものを。

 

大聖堂の真ん中にある階段を素早く下っていく。

中の空間はまあまあ広い。

だが、見張りの騎士がかなりいる。

なのでこちらは裏技を使わせてもらう。

 

「…蛍殿、しっかり捕まるんじゃぞ」

 

風神とパイモンは外に置いてきたので運ぶのは蛍殿だけだ。

天井まで跳躍し、氷元素で天井に足で張り付く。

 

「ん…?いま何か物音がしなかったか?」

 

「気の所為だろ、少し休んでこいよ。俺がその分見張っとくから」

 

護っている騎士には気付かれなかったようだ。

あとは極力音をたてずに天井を歩くだけだ。

蛍殿はいきなり天井に張り付いたのでびっくりしているようだがな。

 

「良し、天空のライアーじゃ。取ったらすぐにまた天井に張り付くから準備しておくんじゃぞ」

 

音が多少出るが下に着地し、天空のライアーを取ろうとした。

が、目の前にファデュイの蛍術師がいきなり現れ天空のライアーを掴んだ。

 

「貴様っ!」

 

刀を抜くより早く煽るように静かにしろと口に指を当て天空のライアーを奪い、離脱していった。

 

「誰だ、そこで何をしている!」

 

「バレたか、顔を隠してすぐに抜けるぞ」

 

蛍殿を横抱きで抱え、全力で跳躍して入口まで戻る。

 

「追え!」

 

追手が来る前に上まで上がりきるとウェンティがゆったりとしていたので叫ぶ。

 

「アホ!パイモン抱えて逃げるぞ!天空のライアーは奪われた!」

 

「わかったよ」

 

追手がすぐ近くまで来ている気配がしたので大聖堂から出て走っていく。

 

「どこに…いんや、酒場に行けばあいつに頼んで隠れられるかもしれん」

 

「白梨さん、離して大丈夫です…!」

 

「おっと、すまんのう。とりあえずさらにダッシュだ」

 

何故かモジモジとしている蛍殿をよそに逃げるルートを計算する。

そして家の屋根に飛び移ったりしつつ逃げ続けモンド城内にあるエンジェルズシェアに入った。

 

「ディルック、久しいのう。少しばかり人がいないところに隠れさせてくれんか?」

 

「白梨か。2階なら人は余りいないが…」

 

「すまんのう、すぐに隠れる」

 

階段を使い2回に駆け上がり、全員身を潜めた所で騎士が到着した。

それをディルックが追い返した。

 

「いんやぁ、助かった。また借りひとつじゃな、ディルック」

 

「久しぶりだな、白梨。衛兵から泥棒の話を聞いたが、騎士団から天空のライアーを盗み出すとはな。さすがの度胸だ。所でそこの吟遊詩人じゃないのは?」

 

「いや、天空のライアーは別の奴らに盗まれた。そして彼女は西風騎士団のスーパールーキー、栄誉騎士の蛍殿じゃ。そしてあとこの珍妙な生物はパイモン」

 

「だーかーら!オイラは珍妙な生物じゃないぞ!」

 

「…あぁ、その子がか。君のような人材が騎士団に入るなんてもったいない。西風騎士団は…風魔龍の件に関してずっと臆病で、それでいて効率も悪い。外交面もファデュイに対して弱い上に保守的だ。ちっ…いい。この話はしたくないんだ」

 

相変わらずの西風騎士団嫌いだな。

仕方はないと思うが。

俺は別に好きでも嫌いではないが、個人との関わりは深いという感じだ。

確かに風魔龍の件に関しては解決が遅い。

優秀な人材を腐らせているとまで言える。

だが、代理団長のジン殿は多方面に対して頑張っていると思う。

俺にはあんな器用なことは出来ない。

 

「おいアホ。何真面目な会話の最中に酒を飲もうとしてんだ」

 

「吟遊詩人、君は未成年じゃないか?」

 

「いや、僕がお酒を飲み始めたのは君が…「このアホはどうでもいい。今回の件について話そう」…酷いじゃないか」

 

「あぁ、何故天空のライアーを盗もうとしたか聞きたい」

 

「…天空のライアーを使うことが出来ればトワリンを止めれるかもしれんのじゃ。まあ、詳しくはこのアホに聞いてくれんかのう?」

 

そこまで言ったところで白梨は忘れていた問題を思い出して顔が真っ青になる。

 

…やばい。

 

「…どうしたんだ?」

 

 

「少しばかり行かなくてはならないところがあってのう。土下座ビリビリで許してくれると良いんじゃが…

 

 

 

そう言い、白梨が酒場から外へ出る。

そして彼は西風騎士団の本部(恐怖の象徴の住処)に向うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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