異世界捜査部シャーレ   作:幽塊和尚

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ブルアカ×異世界物を始めてみました。
駄文ご容赦ください。
ミカ目当てに600連ぐらいして爆死したので(ハメでは)初投稿です。
初回は一気に4話投稿いたします。

なお、この先生が転生したのは電脳新春行進曲の前なので
ミレニアムにある森林の存在を知りません。


01.はじまりは大森林

「……我々は望む、七つの嘆きを。

……我々は覚えている、ジェリコの古則を。」

 

「んあ!?」

 

 脳内に聞き覚えがあるような言葉が浮かび、ハッと目が覚める。

すぐに手に感じたのは土と草の感触。

 

「ん? なんだこの感触。っていうか、ここどこ?」

 

 そうつぶやきながら辺りを見回す。そこは一面の大森林。

昨今、自然保護などが謳われるが、この地球にまだこんなすさまじい大自然が残っていたのかと関心させられるほどの見事な情景である。

 

「大森林はんぱねーな! って違うそうじゃない。おかしい、俺は昨夜は普通にベッドで寝てたはずなんだが……」

 

 そう思いながら前夜の行動を思い浮かべる。昨日は普通に仕事をして普通にソシャゲの日課を終え、普通に酒を飲んで寝ただけだ。

その後外に出た記憶もないし、ましてやこんな大森林に来た覚えなどない。

 

「一体どうなってるんだ……? 拉致でもされたにしてはこんな場所に放置する理由もないし……」

 

 とにもかくにも、まずは状況把握だ。今更になって気づいたが、どうやら自分はリュックを背負っているようだ。

まずはこの中身から確認するべきだろう。

 

「中身は……、携帯食料? らしきものがいくつかと500mlのペットボトルの水4本。スマホにタブレットに……、クレカ? なんで?」

 

 リュックの中身が謎すぎるラインナップだが、携帯食料と水は分かる。

何故これがあるのかは分からないが、少なくともこれで数日は持つのでその点は安心できる要素だ。

 スマホとタブレットもまぁ、ギリギリ分かる。一応ちゃんと自分のスマホだし、これで誰かと連絡を取れるかもしれない。

タブレットは自分のものではないが、まぁスマホがあるんだからこれぐらいの情報端末もあってしかるべきということで納得しよう。

 だが、クレジットカード。これが意味が分からない。

財布があってその中に入ってるならまだ分かるが、これ単体で裸のままでリュックに入っていたのだ。

普通クレカを持ち歩くにしてもなんにしても、財布なりパスケースにいれるものだろう。裸で持ち歩く人は普通はいない。

しかも、極めつけにそのクレカ、会社のロゴがどこにも入っていないのだ。

ICチップがついてるからクレカだと分かったが、そうでなければただのカードだと思っただろう。

 

「VIZAでも、JBCでも、マイスターカードでもない。一体どこの会社のクレカだ?」

 

 妙と言えば、クレカには当然ついてるべき、クレカ番号もセキュリティーコードもない。

いや、最近のクレカはナンバーレスのカードが増えてきているという話だが、自分が持ってるクレカはまだ古いのでナンバーはあったはずだ。

そもそも、ナンバーレスのクレカというのはスマホのアプリと連携して使うもので、これ単体だけ置かれても――、

 

「そうだ、スマホを確認しないと。とりあえず警察に連絡が出来れば……」

 

 とりあえずクレカのことは置いておいて、スマホのの方を確認することにする。指紋認証を突破し、ロック画面を解除すると――、

 

「ん? なんだこれ?」

 

 スマホを起動してまず目に入るのはホーム画面だが、そのホーム画面が俺のスマホの奴じゃないのだ。

見慣れないホーム画面に困惑しつつも、電波を見ると案の定というか圏外であった。

 

「まぁ、なんとなく察してはいたけどな……」

 

 この異常な状況で問題なく電波が通じると考えるほど俺は楽観主義者ではない。

とりあえず、電波のことは置いておいてスマホのホーム画面に目をやる。

そこには色々入れていたソシャゲのアイコンなどは綺麗さっぱり消えており、数種のアイコンがあるのみだった。

 だが、その数種のアイコンのうちの一つは俺を驚愕させるにたるものであった。

 

「え? モモトーク!? モモトークってあれだよな? ブルアカにおけるトークアプリ……ってことは!」

 

 俺はそこで息を吸うと思いっきり大音量で叫んでいた。

 

「ここブルアカの世界かよ!!!」

 

 俺の大声は大森林に虚しく響き渡るが、そんなことを気にしていられる状況ではなかった。

 

「え? ていうか、他のアプリもこれ、「お知らせ」に「ミッション」に「青輝石購入」って完全にブルアカのホーム画面じゃねーか! え? 俺先生なの? ていうかここキヴォトスなの? え? でもキヴォトスにこんな大森林あったっけ……? 確か百鬼夜行学院にムサビの森ってのがあるって話だが、あそこ熱帯のはずだからな……。今の気候はどう考えても温帯のそれだ」

 

 いきなり判明する事実に俺は混乱の極みにあった。ここがブルアカの世界。すなわちキヴォトスであったなら、先生である俺は連邦捜査部シャーレから始まるはずである。

なのに、このキヴォトスに存在しているかどうか分からない大森林スタート。訳が分からない。

 

「い、いや待て! ここがキヴォトスで、ブルアカの世界だというのなら! このタブレットはシッテムの箱! そして、この謎のクレカは大人のカードであるはずだ!」

 

 疑問点は多々あるが、まずは現状把握が大事と判断し、タブレットとクレカの同定を行った。

 

「そして、シッテムの箱なら、あれで起動できるはず!」

 

 俺は急いで、シッテムの箱を起動すると案の定パスワードを求められた。

 

「……我々は望む、七つの嘆きを。

……我々は覚えている、ジェリコの古則を。」

 

 リセマラで死ぬほど見て、考察サイトでも散々に見たシッテムの箱の起動パスワードである。

こんな状況ではあるが、ちゃんとパスワードを覚えていた自分に感謝したい気持ちである。

 

「よーしよしよし、起動したぞ! A.R.O.N.A.起動!」

 

『こんにちは、先生! 今日も元気ですね!』

 

 A.R.O.N.A.の起動と共に、あのおなじみの青髪の少女がタブレット一杯に映し出される。

 

「生アロナキターーーーー!!」

 

 元の世界でも、こっちの世界でも端末越しの接触なので正確には生ではないのだが、ともかく生アロナなのである。

 

『うわっ、いきなりどうしましたか、先生!?』

 

「あ、すまん。ちょっと興奮した。それより、アロナ現在位置を教えてくれ。なんとかしてシャーレに帰還したい」

 

 アロナが起動できるならもはや勝ったも同然である。とっととシャーレに帰還して一息つきたい。

 

『現在位置の検出ですね、了解――』

 

 アロナは画面内で緩く敬礼を決めると、演算を行おうとして固まった。

 

『すいません、先生。現在位置の検出が出来ませんでした。より正確にいうならGPSが取得できませんでした』

 

 画面内のアロナは両手を頭にやって、申し訳なさそうな表情で謝罪した。

 

「え? なんで? 電波が圏外でもGPSは取得できるはずだろ? あれ衛星なんだから地下にでも行かない限りGPSは取得できるはずだ」

 

『私にも分からないのですが、どうもこの辺り人工の電磁波が一切存在しないようなのです。Wi-Fiはおろか、スマホの基地局からの電波もGPSも、短波、長波等あらゆる電磁波が測定できません』

 

「えぇ……、なんだよそれ。せっかく解決したかと思ったのに……」

 

『お役に立てず申し訳ありません』

 

「いやいや、アロナが悪いわけじゃないから」

 

 アロナが再び謝罪してくるが、これに関してはアロナは悪くないだろう。

 

「しかし、こうなってくるとここがキヴォトスではないっていう可能性も視野にいれとかないとまずいな……」

 

 さっきも言ったようにこの森が百鬼夜行学院のムサビの森である可能性は低い。また、他にこのような大森林があるとは俺は知らない。

いや、俺もメインストーリーや任務をやってたのはかなり前だから、ひょっとしたら忘れてるだけかも知れないが、少なくともストーリとかで行ける範囲にこんな電波もGPSも通じない場所があるとは思えない。

となると、ここはキヴォトスではない別の場所と考えた方がしっくりくるのである。

 

「ひょっとして、ブルアカの装備品付きなだけで、地球のどこか、とか? いや、だったらGPSが取得できないのが不自然だ、となると残るは……」

 

 さっきから頭の片隅で考えてはいたことではある。地球でもない、キヴォトスでもない。だとしたらこの今の状況は――、

 

「異世界転移……って奴なのかもしれない」

 

 

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