異世界捜査部シャーレ   作:幽塊和尚

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26.目指せ、自宅購入

 その後俺たちは順調に依頼をこなしていった。

途中何回か交代要員とチェンジしながらも、取りあえずはガチャを回すこともなくなんとかやっていけていた。

その結果俺たちの冒険者ランクはFからDに上がり、シャーレというPTも協会に認知され始めてきたところである。

 

 あ、ちなみにアリスが一番気になっているであろう。魔法の書の解読結果だが、アリスは風魔法を新たに習得し、順調にバランスの良い魔法の習得をしている。

そして、シロコが火魔法を。これは少々意外だったのだが、アズサも魔法の書に興味をしめし、回復魔法を習得した。

残る闇魔法の書だったが、これはアルがチャレンジしたが覚えられず、というか俺含め誰も覚えられずに死蔵している。

機会があったら売りに出してもいいかもしれない。

 

「家を買おう」

 

「どうしたの先生、急にそんなこと言い出して」

 

 朝食中の俺の唐突な発言にヒナが困惑しながら返答する。

あ、ちなみに今のチームは、アル、ヒナ、アリス、シロコ、ユウカ、アズサである

アコがヒナに変わっただけのようにみえるが、実際はアルもシロコもユウカちゃんと交代要員とチェンジしてたりするのだ。

まぁ、アリスは頑として帰ろうとしない上、アズサは今のところ交代要員がいないため頑張ってもらっているのだが。

 

「いや、私たちって今のところ対外的には11人パーティーでそれを交代しながらやってると思われてるじゃない?」

 

「まぁ、そうよねぇ。私、カヨコ、アコ、ヒナ、アリス、ユウカ、ハレ、シロコ、ホシノ、アズサ、先生。で11人か。でも、それがどうしたの?」

 

「いや、協会のおっちゃんに言われたんだけど。「それだけ人数がいるなら、クランとクランハウスを作ることを検討し始めた方がいいぞ」ってね」

 

「クラン?」

 

「アリス知ってます! クランとはパーティーのおっきい版みたいなものです! パーティーより大きな括りでクランメンバー同士でパーティーを組んだり、

大きな依頼だったりするとクラン全体で依頼を受けたりするものです」

 

「なるほど……。私は賛成。今後もメンバーはどんどん増えるだろうし、大きい家を買おう。私と先生の愛の巣。楽しみ」

 

「あ、愛の巣って///// わ、私も賛成するわ」

 

 シロコの俺へのラブ光線にあてられたか、ヒナが顔を赤くしながらも賛成する。

 

「まぁ、そうよねー。買うならやっぱ豪邸がいいわね。現状の安宿だと正直休んだ気がしないもの。キヴォトスに帰ったときに寝具の違いに正直驚愕したわ」

 

 アルも賛成っと。まぁ、他のメンツも意見を述べることはないものの反対するってことはないだろう。

 

「じゃ、取りあえず中目標に家を買うって目標を追加設定しておいて、今後は家購入の為に貯金しながら依頼をこなしていこうか」

 

「でも先生。それだったら砂糖を売った時のお金は使えないの?」

 

「勿論それも使うよ。でも広い家を買おうと思ったらそれだけじゃ足りないからね。あと、出来れば地に足が付いたお金で買った方がいいでしょ。

別に砂糖売りが裏の金って言うつもりじゃないけどさ」

 

 アルの疑問にそう答える。まぁ、俺としても砂糖売りでさっさとクランハウスを建てたいという気持ちはあるのだが、ほらなんというかあるじゃん。

なんかズルしてるみたいで気分がよくないじゃん?

 

「取りあえず今日は不動産屋で内見してみる? 住む家がどれくらいの値段か今のうちに知っておく必要があるし……」

 

「賛成したいところですが、それはおそらく無理だと思いますよ先生」

 

「え?」

 

 皆から賛成の声が上がるかと思ったが、否定の声を投げかけてきたのはユウカだった。

 

「私たちの冒険者ランクはまだD。初心者をようやっと脱したといわれるレベルでしかありません。社会的信用などまだまだありません。

そんなはたから見ればお金もない、社会的信用もない相手に不動産を紹介してくれる店が果たしてあるでしょうか? ないですよね?」

 

「はい、おっしゃる通りです……」

 

 ユウカのぐうの音も出ない正論に倒れ伏す俺。そうだよな、現代社会だったら基本的にお金持ってなさそうな相手でも内見ぐらいはさせてくれるけど、ここ異世界だもんな。

 

「まぁ、あらかじめどれだけのお金が必要か知りたいという考えは分かりますし、私も知っておきたいですが、今はランク上げる方が大事だと思いますよ。Cで一人前と扱われるそうなのでまず目指すはそこですね」

 

「ソウデスネ。ランク上げないとダメですよね……」

 

「せ、先生元気出して」

 

 ヒナぁ、慰めてくれるの君だけだよ。ありがとうヒナ。

 

「では、先生! 今日も今日とて依頼を遂行いたしましょう! 目指せAランクです!」

 

 こういう時アリスの空気読めないところもありがたいと感じる。それにしても、Sランクが名誉職って知ってから地味に目指すランクをAランクに修正してるんだよな。

アリスのことだから、「前例のない生前Sランク授与」を目指すものかと思ったものだが。

 

 とにもかくにも気を取り直して依頼だ。アリスじゃないがそれこそ目指せAランクだ。それぐらいになれば信用も生まれるし不動産も簡単に買えるだろう。

 

「ちわー、依頼受けに来ましたー」

 

 協会に入り、いつものいかついおっちゃんの所に並ぶ。まぁ、並ぶと言っても行列なんてできてなくていつも空いているのだが。

他の美人な受付嬢の所はいつも行列が出来てるんだけどね、不思議ダナー。

 

「あぁ、先生か……。ちょっと時間あるかい?」

 

 おや、このおっちゃんにしては珍しく神妙な顔を。いっつも俺のことからかったり軽妙な顔ばっかりしてるおっちゃんだが、今日の顔は真剣そのものだった。

 

「まぁ、今から依頼を受けるつもりでしたから時間はありますが……。何かありました?」

 

「ちょっとここでは何だから、奥の方に来てくれるか? 嬢ちゃんたちも一緒に」

 

 お、なんだなんだ? いよいよもって厄介事か? 俺たちで解決できるような範囲の厄介事だといいんだが。

 

 

 




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