異世界捜査部シャーレ   作:幽塊和尚

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55.戦闘リザルト 2

 装飾品のダンジョンに潜った翌日俺たちは休暇にしていた。

休暇とは言っても別にみんなでどっかに遊びに行くとかそういう訳じゃなく、依頼を受けたりダンジョンに潜らない日を作って体を休めようというだけの話だが。

 そして、俺たちは協会の建物を訪れていた。ていうか、休暇って言ったのにみんな休む気配がない件。全員俺に付いてきてるし。

まぁ、ぶっちゃけ観光するような場所なんてこの街にないうえ暇をつぶすアイテムもないから、俺に付いてきてるんだと思うけどね。

 

「ちわー、シャーレ来ました。昨日の奴どうなってます?」

 

 俺はいつものおっちゃんの受付にいきおっちゃんに話しかける。

 

「おっ、来たか。昨日の奴ならどれも終了してるぜ。まずアンクレットの方だな。こっちは死者会話の魔法、スピーク・ウィズ・デッドが使えるようになるアンクレットだな。死者に対して4回まで質問できるようになる魔法が使えるようになる。

まぁ、先生たちの欲しいアーティファクトではないな。売るんだったら協会主催のオークションで売り出すがどうする?」

 

「死者会話の魔法ですか……。あればあったで役に立つ魔法ではありますが、ちなみに想定している売却金額はいくらぐらいですか?」

 

「死者会話自体は需要があるんだが、マジックキャスターで代用できるからな。あまり価値はない。落札価格で大金貨60枚ってとこだな。そっちに入る金額は大金貨6枚ぐらいだな」

 

「大金貨6枚か……」

 

 マジッグバッグも含め、今回のダンジョンアタックで消費した金額と比べるぶっちぎりの赤字である。アーティファクトの出土って自分が欲しい物以外だとやっぱり旨味ねーのな。

 

「ちょっと宝箱の中身を見てから考えます。で、宝箱の方はどうだったのですか?」

 

「おう、こっちの方はすごいぞ。大容量のマジッグバッグに、ドラゴン殺しの剣。神聖魔法の書と盛り沢山だ。他にもまだあるから、一個ずつ見ていこうか」

 

 そういって、おっちゃんは宝箱の中身を受付のテーブルに並べだす。

 

「まずはマジッグバッグだな。多分先生たちが買ったやつよりも大容量な奴だ。そして、ドラゴン殺しの剣だ。ドラゴンの鱗や皮膚をたやすく切り裂くエンチャントが掛かってる剣だ。

一応聞くが要るか? 先生たち誰も剣とか装備してないから要らんとは思うが」

 

「必要ないですね。今後ドラゴンを殺す予定もないですし、そもそも誰も剣を扱えません。もってても宝の持ち腐れなので売りにだしちゃってください。あ、マジッグバッグの方は持っておきます。あって困るものでもないので」

 

 まぁ、記念に取っておくという手がないでもないが、ドラゴン殺しの記念品は剥がした鱗で充分なので、こっちは売りにだすことにする。

 

「まぁ、そうだろうな。で次、神聖魔法の書だ。これに関しちゃ先生たちの目的に合致するいいアイテムなんじゃないか? まぁ、そもそも適性があるかどうかも分からんし、レストを覚えるためには修練も必要かも知れんしな」

 

「一応こっちで習得できないか試してからですね。無理そうなら売る方向で」

 

 そういえば、結局誰も習得できなかった闇魔法とか時空魔法の魔法の書とかも余ってるな。売る時はこれも一緒に売るか。

 

「じゃ次。他にはアーティファクトが2つ入ってたな。一応こっちも鑑定したが、身体能力が上がる指輪と詠唱時間短縮の効果が着いたネックレスだな。

まぁ、あって困るような物じゃないつぶしが効く良アーティファクトだ。流石にこれは要らないとは言わんよな?」

 

「でしたら、両方とも先生に渡すのがいいのではないでしょうか?」

 

「私が持ってても宝の持ち腐れじゃないかな?」

 

 アコがそういって分配しようとするのだが、俺にそんなアイテムいるか? 生徒の誰かが装備した方がいいと思うのだが。

 

「わずかなプラスを得るよりもマイナスを打ち消す方が有用、と判断したまでですよ。他に私が納得する分配を出来るなら別ですが。ぶっちゃけ一つずつしかない以上、誰かに渡したら喧嘩の元ですよ。先生が使うのが一番後腐れありません」

 

「なるほど、そういうことなら受け取るよアコ。これで少しは逃げ足が早くなるといいんだけどね」

 

 自分で言ってて後ろ向きなことだが、俺の生死は俺自身の問題だけで済まないからな。俺が死んだら生徒たちもキヴォトスに戻る手段を失う。俺を強化するのは悪い手段ではないだろう。

あと、俺の主要魔法は回復魔法だ。回復魔法の詠唱が早くなれば、イザという時に役に立つだろう。

 

「で、最後に宝石や貴金属類だな。先生たちのパーティーに鍛冶師も錬金術師もいないから、金に換えるしかないと思ってすでに何個かは金に変えて鑑定代にしてるが別に構わんよな?」

 

「えぇ、それで問題ありません。残りの分もお金でお願いします」

 

 やっぱ、あのデカさだから結構な量のお宝が入ってたんだな。まぁ、金なんてあればあるだけいいんだ。ありがたくもらっておこう。

 

「取りあえず、残りの宝石類を売った金は概算だが大金貨10枚ぐらいにはなるだろうな。おっとブラックドラゴンの角もあったな。あれは鍛冶で使い出があるから大金貨5枚売れたぞ。で、その金額聞いてアンクレットの方はどうするよ?」

 

 宝箱からの利益でようやく黒字ってところか。ここでこれだけの黒字を出せてるなら、アンクレットは保持してもいいかもな。なんせ、魔法に関しては我々の弱点である。

アイテムで魔法が使えるようになるなら、出来るだけ保持しておきたいところだ。

 

「宝箱と角で黒字がでてるので、アンクレットは所持しておく方針で行きます。あと、神聖魔法の書もこちらで一通り試してみます。ちなみに、ドラゴン殺しの剣はどれくらいで売れると試算してますか?」

 

「オッケー。それじゃ、アンクレット、指輪、ネックレス、マジックバッグ、神聖魔法の書がそっちに渡す分で、残りは売るってことだな。

ドラゴン殺しの剣に関しては多分ここで売るより王都で売った方が高く売れると思うがどうする? 剣のダンジョンでもなかなかお目にかからないレアなアーティファクトだしな。

ちなみにここで売った場合は、おそらくは大金貨150枚ってところだろうな。王都だともっとだ」

 

 ってことはこっちに渡る金額は大金貨15枚か。そう考えるとあまり高値とは思えんな。ちょっと金銭感覚がマヒしてそうな気もするが。

 

「ちなみにお聞きしますが、王都のオークションに掛けるのに、よけいに手数料がかかったり、直接現地にいかなければならないということはないですよね?」

 

「そりゃ、現地まで直接物を運ばなきゃならんからな。こっち任せなら運送料は絶対かかるから、出来るだけ利ザヤを取りたいってんなら、王都に直接言ってオークションに出品したほうがいいぞ」

 

 うーむ、やはりそうなるか。現代みたいにやっすい配送料で対応してくれるとかは絶対ないよな。護衛とかも雇わなきゃならんし、かかる運送料は現代の比ではないだろう。

 

「王都見物ついでに行ってみるのも悪くないんじゃないか? まぁ、先生たち的には貴族屋敷の件が解決してからになるだろうが」

 

「王都見物……ですか」

 

 王都見物と聞くと、ファンタジー脳が刺激されるのかアリスの目が輝きだしたが、どうしようかな。

確かに、剣を売るのに多量の手数料取られたり割引させられるのは個人的に気に食わない所ではあるのだが。

 

「先生、出来るだけ高く売りたいという気持ちは分かりますが、王都に行くとちょっと私たち的には問題がありませんか? ほら、例の王女様とか。

その時と同じメンバーはアリスさんと先生しかいませんが、目を付けられては面倒なのではありませんか?」

 

 そう横から言ってきたのはアコ。ユウカにしてた報告でその辺りは把握してるのか、俺たちが最初にこの世界に来て助けた王女様に顔を覚えられてたら確かにちょっと面倒ではある。

 

「うーん。向こうは王族だからそうそう顔を合わせるってことはないとは思うんだけど、確かに万一顔を合わせたら面倒ではあるよね。私的にはそっちよりカヨコたちの方が心配かな。

王都ってだけあって貴族も多そうだし、カヨコやヒナ、アルが大手を振って歩けないようなことになるのはいただけないかな」

 

「あぁ、ディーマンの問題か。先生はそう言うが、そこまで問題でもないと思うぞ? 王都にもディーマンの冒険者はいるし、貴族もわざわざ自分からディーマンに突っ込むこともしないしな」

 

 そうなのか。おっちゃんがそう言うならそうなんだろうが、ここは触らぬ神にたたりなしだ。

 

「でもやはり、生徒たちに不快な思いはさせたくありませんし、ここで売ることにします。手続きの方お願いできますか?」

 

「そういうことなら承ったぜ。おそらく短くても1週間ぐらいは見といてくれよ。それじゃ、このあとは魔法の書のチャレンジか?」

 

「えぇ、他のメンバーもいるので、宿に戻ってすることにします」

 

「おう、じゃまたな。先生」

 

 そういっておっちゃんと分かれ協会を後にする。さて、これでレストを覚えれればいいんだが。

 

 

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