「それでは第5回。生徒募集ガチャを始めたいと思います」
「わー、どんどんぱふぱふ」
相変わらずアリス以外のテンションが低いガチャ開始宣言だがもはや気にしないことにする。
「取りあえず今回は生徒じゃなくて、魔法の書がメインってことでいいんだっけ?」
「うん。まぁ生徒の方もアリスの交代要員が引ければいいなぐらいのつもりはあるよ。でも、メインは魔法の書かな。
物理攻撃が全く効かないモンスターが出るとかちょっと想定外だったしね。あそこで魔法使えなかったらと思うとぞっとするよ。
だから、全員とまではいかなくても、ある程度の人数は魔法使えるようにしておいた方がいいからね」
そこ行くと、現状かなりの魔法の使い手であるアリスはメンバーから外したくはないのだが、本人も言ってるように光の剣のメンテナンスもあり、流石にずっと連れまわしている状態でもあるので、そろそろアリスもパーティーから外すことも考えなくてはならない。
なので、魔法の書の獲得は急務と言えよう。
「とりあえず今回に関しては魔法の書が出るまで引き続けるから。まぁ、今までの確率を考えるとそうつぎ込まなくても出るだろうけど。
あ、あとアリスにあらかじめ言っておくけど今回引いた魔法の書はアリスが読むのは最後にするからね。一人だけに魔法の使い手が偏るのは避けたいから」
「残念ですがそれは仕方ありません。パーティーのバランスを考えるならそれが最上ですし」
まぁ、アリスと言えどもここでわがままを言う子ではないので、問題なくコンセンサスが取れた。
「それじゃ引くよー」
スマホで青輝石購入から青輝石を購入する。お、もうひと月たったのか、マンスリーのパックが復活している。これなら、少しは金が節約できる。
マンスリーのパックを3つ購入して残ってた青輝石と合わせて20600個である。170連ガチャ! いくぞー!
魔法の書:
攻撃魔法の書
氷魔法の書
土魔法の書
闇魔法の書
生徒:
サオリ
モモイ
一言言っていいだろうか? ま ず い 。
モモイは良いんだ。アリスの交代要員として申し分ない。だがサオリは。サオリはまずい。
アリウススクワッドによるテロの記憶も新しい状態で、ヒナや、とくにミカと組み合わせるのは不安しかない。
サオリ本人は問題ないだろう。本人も反省してるし今となっては自分から問題を起こすこともないだろう。でも、ミカからどういう反応が来るのかが怖い。
以前宣言したように、当てるだけ当てて召喚しないという方針で行くか?
でもなぁ、正直これはサオリにとってチャンスでもあると思うんだよな。今のサオリは言っちゃあなんだが「自分探し」をしてそれがまだ結実してない段階だ。
そこで異世界での集団生活を経験させることでサオリ本人にも何か得られるものがあるのではないだろうか。そんな気がする。
ただまぁ、それするに当たっても交代のシフトをどう組むかって問題もあるんだけどな……。
「先生、固まってるけどどうしたの? 誰か引いちゃいけない人引いたみたいな顔してるけど。ひょっとして七囚人の誰かでも引いた?」
俺がスマホを眺めて固まってるとヒナがそんな言葉をかけてくる。そして、その隙に俺の後ろに回り込む一陣の影。
「どれどれ。あぁ、これかぁ。錠前サオリを引いたから固まっちゃってるんだね先生。そんなの気にしなくていいのに。もう終わったことだよ」
って、よりにもよってミカに見られた! と思ったがミカの反応はそう悪いものではなかった。ちょっと意外だけどこれなら大丈夫そうか?
「とは言え、召喚するとなると誰かが3交代制になっちゃって不公平感が出ちゃうからね。実際に召喚するかどうかは分からないかな。アリスとの交代要員だったらモモイが適任だろうしね」
「モモイが当たったのですか。確かにモモイとなら交代の話し合いもしやすいですね。先生ナイス運です」
「って、当たった生徒の話ばっかりになっちゃったね。取りあえずアリスとの交代要員はモモイにするとして、手に入れた魔法の書の方を見ていこうよ」
「手に入ったのは、攻撃魔法と氷と土と闇ね。闇はこの前のとは相性が違う、のよね? それにしても攻撃魔法ってやけに大雑把よね……。色んなのを覚えれそうではあるけど、習熟には苦戦しそうな感じがするわ」
アルがそういうが、攻撃魔法の書ってのは俺らが今一番欲してる物ではあると思うんだよな。ぶっちゃけ、俺らに防御魔法とか回復魔法っているか? って感じだし。
未だに生徒に対して出番のない俺の回復魔法。もう山賊のおっさんの治療に使いたくないよ……。
「じゃ、順番に読んでいこうよ。ってよく考えたら今引いたモモイとかにも覚えさせる必要があるんだよね。……ちょっとみんなに相談なんだけど、やっぱりサオリも召喚して一緒に冒険させていいかな?」
「私は構わないけど……。さっきと違うこと言い出すってことは、何か思いついたってことだよね?」
「うん。ちょっとサオリに社会勉強をさせてあげたいなって思ってね。かつてはサオリの自主性を尊重してサオリに自由を与えたけど、やっぱり放任みたいに放り出してしまったこともちょっと気にしてるんだ。
放り出してしまった責任を取りたいとまでは言わないけど、少なくとも今のサオリの状態も知りたい。サオリも異世界で集団生活することで何か得られる物があるんじゃないかと思ってね」
「いいのではないかしら。先生がそういう考えなら私に否はないわ。まぁ、本人に確認してからになるでしょうけど、その辺りは先生には釈迦に説法かしら」
「いいと思うよー。交代に関してみんなに了解を取れたらーだけど」
「そうだね……。シフト表組む必要がありそうだ」
取りあえず、明確に賛意を得られたのはヒナとミカぐらいだが、他の面子からも反対意見は出なかった。
まぁ、「先生と冒険したい」という思いはみんな共通だから、その思いは全員分かっているのだろう。
ていうか、ミサイル直撃したヒナも敵意持ってないのは意外だったというか。
「じゃ、サオリにモモトークするね」
先生『サオリ、今大丈夫?』
サオリ『先生? 今先生は異世界に居るはずでは?』
先生『そうだけど、ガチャでサオリが当たったんだよ。だからこうして連絡をしているんだ』
サオリ『そうか、さしずめ異世界行きのチケットが当選したということか。話はそれだけか?』
先生『いや、サオリにも異世界に来てほしいから連絡したんだけど……。もしかして迷惑だった?』
サオリ『私を……!?』
先生『うん』
サオリ『そうか、それが先生の望みなら私も全霊で応えよう。呼ぶならいつでも大丈夫だ。常に戦場に出られるように準備は万端だ』
先生『分かった。じゃこっちの準備が出来たらすぐ呼ぶから待っててね』
とりあえずサオリとの約束は取り付けた。次はモモイにもトークしておくか。
先生『モモイ。今大丈夫?』
モモイ『先生? えっ、私にモモトークが来るってことは……! 私も異世界に行けるんだね!』
先生『うん、そういうことになるかな。今のところアリスとの交代で来ることを考えているけど』
モモイ『やった! その異世界っていわゆるゲームでよくあるような中世ファンタジーなんだよね! うーん、創作意欲が刺激されそうだよ。いつから行けるの?』
先生『モモイの準備が良ければすぐにでも、かな。丁度今魔法の書の回し読みをしようと思ってるところなんだ。だから、一旦今呼べる人員は全員呼ぼうと思って連絡したんだよ』
モモイ『はいはい! 魔法覚えたい! 私も魔法覚えたいよ! だからすぐ呼んで!』
先生『分かった分かった。ちょっと待っててね。すぐ呼ぶから』
取りあえず二人とモモトークをして召喚の合意を取り付けることが出来た。
では召喚して魔法の書の回し読みをするとするかな。