烈火の扉
とある田舎町 体育館 2月某日
「なぁ、俺選ばれるのかな?」
「行くぞ俺! 楽園へ」
「行けると良えな…」
今、体育館では俺達中学3年生の男子達が集まっていた。しかも5人しか居ない俺達の中学だけでなく、隣町のそのまた隣町の中学3年生の男子が集まっていた。
理由は1週間前に東京の方で男子学生が女性にしか使えないはずのISを起動させた事がニュースになり、世界中で現在IS学園入学可能な年齢である中学3年生の男子生徒が対象になってる。
まるで宝クジの1等目当てで集まる感じで、賑わっていた。俺も可愛い女子生徒ウハウハな高校生活に憧れがない訳では無いが、今は実家の仕事の事で頭がいっぱいやった。
「何だよ喜多山、浮かない顔して」
「あぁ、家の事が気になってな」
そう、俺の名前は
「お前の所のじいちゃん怖いもんな」
「まぁーな、おかげでガキの頃から鍛えられて大人相手でも負けんぐらいには剣道は鍛えられたな」
ウチの頑固ジジイはご先祖さまが刀鍛冶の時から習わしで優れた刀を作るには使い手の事を理解しないと出来ないから、うちでは代々にものづくりと剣道を教えていた。
この町は子供の数が少ないから、大人と混じって剣道する事になり、俺の親父はその剣道の腕のおかげで今は大阪府警でバリバリの鬼教官として剣道を教えてるみたい。 正直、未だにジジイと親父には1本も取れんから、自分の強さがよく分からんわ。
「? 電話や、もしもし」
「てっちゃん! 大変や社長が切れて今から倉持技研に殴り込みに行くって出ていってもうた!」
「はぁ!? 殴り込みって何考えてるんねあの…ジジイは、とにかく親父に電話して、車で俺を迎えに来てや! とりあえず俺も行くから」
「すまんな、てっちゃん 直ぐに行くから」
ウチの工場で副社長の丸山さんから電話が来たけど、恐れてた事が起きて俺はため息ついた。
「え?喜多山 今から何処に行くん?」
「悪いけど、ウチの頑固ジジイを止めに(息の根)行かなアカンくなった」
「お前さり気なく息の根って言わなかったか?」
「とりあえず俺の分の検査は勝手に不合格でエエから俺は帰るから田辺、先生に言っといて」
「ってマジかよ! おい、喜多山!!」
俺は田辺に頼んで体育館を出て外を見ると工場の名前がある中型トラックが来ていた。
「てっちゃん!」
「丸山さん、直ぐに行こう!!」
丸山さんが運転するトラックで目的地である倉持技研のラボに向かって行った。
「丸山さん、何でウチの頑固ジジイが殴り込みに行ったのか、教えてくれるよな」
「それがな、倉持技研が今製作している日本の代表候補生のISの制作を中止して、新しい男性操縦者のIS制作に移るからウチとの契約を切るって言われてな」
「…そうか」
「ウチとしては契約を切られたのは腹が立つのは分かるけど…」
「それは違うで、丸山さん…ウチのジジイがブチ切れたのは代表候補生の子の機体を放り投げた事に腹を立てたんや」
「やっぱり…てっちゃんは社長によく似てるよ」
頑固ジジイの気持ちはよくわかった。俺がすべきは
「一緒に殴り込みすることやな」
「そうそう…って違うで!!」
「俺も技術者の端くれやけど、依頼者の注文をこんな無下な扱いは許されんやろ!一発殴らな気がすまんわ!」
「そんな〜勘弁してよてっちゃん〜」
俺も決意を固めたら山側にある倉持技研のラボが見えた辺りで何か空からラボに向けて何かが落ちて……
ドォォォーン
大きな爆発が聞こえた。
「何や! 今の爆発は!?」
「丸山さん、とにかく急いで! よう、解らんけど今の方角倉敷技研のラボや! ジジイに何か…」
「わかった!!」
丸山さんは車のスピード上げて倉持技研に向かったが、そこは火事で既にラボの人達が逃げていた。入口の近くにジジイの車が乱雑な止め方で見つけていた。
「クソジジイ!」
車に近づいたらも既に居なかったけど、シートが生暖かく、暖房の温もりがあるから、恐らくここに来てまだ間も無い。しかも車に火事が引火しないように離れた位置…つまりあの爆発の後に来たのがわかった。
「社長はまさか中に?」
「やろうな、あのジジイなら火事場に飛び込んだやろう! クソ!! 俺も行くから、丸山さん後は頼むで!!」
「ちょっと!? てっちゃん!ダメや!!戻っててっちゃん!!!」
俺は丸山さんの制止の声を聞かずに中に入りジジイを探した。
ジジイの事だから、多分火事場に向かって避難民居ないか探してるんやろうけど、この状況じゃ、どれだけの人が居るかわからんやろうが、
「クソジジイ! 何処や!! 返事しろ!!」
煙を吸わんように手で抑えながら周囲を見てるが一向に見つからない。暑さは普段の作業場である程度は慣れてるけど、このまま闇雲に探せば一酸化中毒でお陀仏や…ジジイなら何処に
「君! 何をしてるんだ!! 早く避難しなさい!!」
すると目の前には緑髪の女性が来たが何故かスクール水着で白衣の着てる変質者が居たが今はジジイの居場所が先や
「悪いけど、ウチのジジイを知らんか? 喜多山 貫徹言う 白髪したゴリラみたいなごついガタイしたジジイや!」
ウチのジジイは80過ぎてるのにガタイは戦争時代から肉体を鍛えてたのか未だにバリバリ働く鉄人で、鉄製のフライパンを曲げれる位の怪力や、……まぁその後はウチの婆ちゃんが肋骨骨折させるくらいにボコボコにするけど
「君は喜多山さんの所の! 彼は恐らく3番倉庫に向かったっと思うあそこに製作途中の打鉄弐式が有るから」
「分かった、直ぐに向かうわ!」
「ダメだよ! アソコは火の手が!」
「喧しい! 時間が無いねん!! 我が身だけ大事ならこんな所に来るか! 」
「ちょっと君!!」
急いで3番倉庫に向かうとそこは火事の業火で直ぐに焼かれそうな感じやけど、周囲深く見るとジジイが居ったがISに下敷きにされて身動きが取れない状態だった。
「ジジイ!!」
「このアホガキ! 何こんな所に来てるんや!! さっさと失せろ!!」
「アホはどっちや、ジジイの癖にISを人力で運ぶ方がおかしいやろ」
「うるせぇ! コイツは俺にとっては家族みたいなもんや! こんな所で置いて行けるか!!」
ジジイの気持ちは解る、俺らはこの《打鉄弐式》の外装作るのにどれだけ徹夜したか、電話越しでしか知らんけど、依頼者の女の子の喜んでいる声がどれだけ嬉しかったか、だから、余計に倉持技研の対応に許せんかったんやろ
「クソ! やってやるよ!! クソジジイ!!!」
俺はとにかくジジイを引っ張り出すために鉄パイプを差し込んでてこの原理であげようとするが、鉄パイプの強度が限界で曲がり初めてる。
「アホガキ、そんなもんでどかせられるなら、自力で出来るわボケ!! お前はこれを持ってここから消えな」
ジジイは懐から何かの球体を取り出した。
「これはまさか打鉄弐式のコア!?」
「そうだ、コイツさえ無事なら何とかなる、依頼者の家は大層な金持ちや後のことはどうにかしてくれるやろ」
「ふざけるな! 依頼者の事考えるなら、こんな遺品みたいな渡し方するな!! カッコつけるのも大概にしろよ!! そんな渡され方しても残った方はどれだけ苦しいか解ってるのか!!!!」
「哲也…」
「俺はあんな思いは二度とごめんや」
俺はとにかく周囲に使えそうな物を見渡すと頭上にクレーンがある、この火事場で動くかは微妙やけど、壁には運搬用の鉄製のワイヤーがある……コレで引っ掛けて少しでも持ち上げれたら
「待ってろよ、クソジジイ!」
俺は直ぐにクレーンの操作盤に触れて動くのを確認して動いたから、直ぐにフックを下ろし、直ぐにワイヤーを打鉄弐式に巻き付けた。 急いでしてるから玉掛けが出来てるかは怪しいけど時間が無いから、直ぐに動かした。
「頼むぞ!」
鈍く響く音が聞こえ打鉄弐式が僅かに浮きジジイとの間に空間が出来た。 俺は急いでジジイを引っ張り出した。
「ジジイ、急ぐぞ! 打鉄弐式には悪いけど」
「あぁ、わかっておる」
ジジイの面は辛そうにしていたが、もう火の手もかなり燃えている。 ジジイをおんぶしてこの場から離れようとした時に
『コチラに来てください…貴方方を死なせはさせません』
「声が聞こえる…」
「おい、どうした??」
『コチラに来てください…ワタシは貴方達を助けたい。 来てください』
何故か解らないけど、俺はその声に導かれるようにしてジジイを連れて歩くと隣の倉庫に辿り着いた。
ジジイが何か言っているが俺はそのまま入るとそこには白と赤を基調としたISが置いていた。 見た所まだ未完成品がそこにあった。
「お前、まさかコイツのコアも回収するつもりか?」
『コチラにワタシに触れてください』
俺は不思議な声に導かれるままにその機体を触れるとISが光り出した。
「コレは!? ISが哲也に反応だと! まさかお前が操縦者に」
『アナタにワタシの力を与えます。 どうかよろしくお願いします』
すると頭に色んな情報が流れ出した。 何も分からんことだらけやけど、今、分かることはただ1つ
「クソジジイ、手を貸せ このIS動かして打鉄弐式と一緒にここから出るぞ」
「お前、分かってるのかそいつを動かせば後戻りは」
「知るかよ、このまま何か後悔するなら、俺は諦めて生きたくねぇ それだけだ! 後のことはその時に考えるよ」
「けっ生意気に言いやがってアホガキが」
俺は直ぐにISに乗り出した。 ジジイはモニターでISの起動確認をしていた。 動作確認問題無し、スラスターの推進剤もある。
「こんな中途半端な起動はしょうには合わんが仕方ねぇ『烈火』起動」
「烈火っか、いい名前だ 烈火、起動!!」
俺は烈火を起動し、ジジイを抱えて、先居た打鉄弐式を持ち出し、一気に火事場から離脱した。
そう、この出来事で俺は烈火の操縦者 喜多山 哲也は2人目のISの男性操縦者になった。
烈火 機体はガンダムSEEDの レッドフレーム アストレイ
現在の武装 背中にマウントしているビームサーベル
頭部にバルカン イーゲルシュテル
イコライザー内に ビームライフル 耐ビームシールド
主人公 喜多山 哲也
4月15日生まれ
(見た目はシードアストレイのロウ)
性格は頑固な爺さんの所で育ったのか考えるよりも手が出るタイプだが周囲を冷静に分析する観察眼持ち。
基本家族の爺さんには口が悪いが周りの人にはちゃんと敬語で話す礼儀正しい少年。
体術は剣道と警察官の父親から柔道も習っており、そこいらのチンピラには負けない強さがある。
好みのタイプは メガネっ娘の図書委員タイプ