IS 烈火の戦士   作:ダレ狐

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烈火 序章編 〜完〜

数分前 モルゲンレーテ社 簪サイド

 

喜多山君が烈火を取りに向かった時、私は止められなかった。彼の走る姿は、何処かお姉ちゃんに似ていた。

不安とか恐怖とか無いんだと思う。私とは違う…だから仕方ないんだ。 実際にお姉ちゃんの稽古に喰らいついている。私とは…私とは

 

「私は、何も出来ない……」

 

頭では解ってるのに、どうしてかなここから離れたらダメだと思うのは…怖がってるから? 本当に情けないよ

 

「おっ! 居た! おーい、お嬢ちゃん!」

 

「え? 貫徹さん!?」

 

悩んでいたら、何か大きい荷物を抱えて来た貫徹さんが私の元に来た。

 

「貫徹さんどうしたんですか?」

 

「お嬢ちゃんに…いや、更識簪さんに折り入って、頼みがあって来たんです」

 

「私に?」

 

「図々しいお願いなのは100も承知です。済まないが俺の孫を助けて下さい。 お願いします」

 

「ちょっと、貫徹さん!?」

 

あの怖い顔の貫徹さんが、私なんかに土下座をして頼み込んでしまって、私はどうしたら良いのか解らなかった。

 

「俺達はISを造る事は出来ても戦いの手助けは出来ない…情けない話だが、普段アレだけ憎まれ口叩き合う中でも…孫が死ぬかもしれない…そう思うと…見てくれよこのクソジジイの手よ 震えてやがるぜ」

 

「貫徹さん…」

 

「簪さんは知らねぇーかもよ、あいつには5つ上の姉貴が居たんだ」

 

「居た…(過去形…まさか)」

 

「今から3年前にISの新規実験の爆発事故でよ…死んだんだ…まだ17歳の女の子が何にも…何にも残らずに死んだんだ」

 

 

「え!?そんな…」

 

「孫が亡くなって初めてISがただのスポーツじゃない事を知ったんだ…正直その時に工場を畳むことを考えた…だが、アイツが必死に止めたんだ」

 

『頼む! ここで工場を閉めたらISが好きな姉貴が家の工場が好きな姉貴の思い出まで消さないでくれ!!』

 

「そう言って、今の俺達がある…あいつには感謝しているなのに、いつもあの背中に負担ばかり掛けて…IS乗ることになったのも全部、俺のバカやったせいなんだ…」

 

貫徹さんが身体を震わせていた。拳は強く握りすぎて血が滲み、拳には涙が落ちていた。本当に喜多山君の事を大切に思っているんだ。

 

「簪さんが、今、他人を信用出来ないのも解るし、こんな時にお願いするのは卑怯なのも解っています。だけど、今………今…孫を助けられる可能性があるのは簪さん、君だけなんだ。 お願いします! 孫の哲也を助けてください!!」

 

貫徹さんは今までの周りの会ってきた大人達とは違う。 私が会った大人達は私を表面上では褒めはするけど、いつもお姉ちゃんに媚びを売るためのゴマすりなのは分かってた。 それで何度も騙さたり、裏切られたりもした。

 

でも、貫徹さんや喜多山君は、本当に私を必要としてくれている。 そうだ、お姉ちゃんに嫉妬していたのは私が実力が劣るとか…そんな言い訳してきただけ、私に足りないのはこの2人の様な勇気だ。

 

私は、お姉ちゃんのようにも、あのアニメのヒーローみたいにも、そして、この2人の様に慣れないかも知れない…………

 

それでも、諦めたくない、少なくとも 私も見てくれた2人を見捨てたくない!!

 

 

「ありがとうございます。 私、頑張って見ます」

 

「本当か!? …あ…あ……ありがとう…簪さん…」

 

「あっでも!? 打鉄弐式のプログラムや武装が…今からでは」

 

「そこは心配しなくても良い! とにかく士門さんの所に急ぐぞ」

 

「えっはい!」

 

「あっ!? それと…俺があのアホガキの為に泣いたとか言わないで貰えるかの?」

 

「はぁ…?」

 

「その良い歳した漢があぁも泣くのは///その恥ずかしくてな////とりあえず甘味処で好きなの頼む…最近流行りのあのホットケーキとかマリオ何とか、タキオカ何かそんなのが今の若い子の流行りだろ?」

 

それはもしかして、パンケーキやマリトッツォやタピオカの事かな? 何だか、こう言う所が喜多山君が似たのかな?

 

「解りました。 秘密にするので甘味処楽しみにしてます」

 

そう言うと不思議と緊張が解けていた。

 

いつ以来だろう、こんなに素直に笑うようになったのは

 

「簪ちゃん! そこ角曲がって」

 

「あっ! はい!!」

 

部屋に入るとそこには士門さんとキラさんがいて部屋の奥には私が以前に設計依頼して、数日前まで未完成だった『山嵐』

打鉄弐式の最大武装。第3世代技術のマルチロックオン・システムによって6機×8門のミサイルポッドから最大48発の独立稼動型誘導ミサイルを発射が想定している。

 

「凄い…」

 

「簪さん、直ぐに打鉄弐式をこちらの台にセットしてくれる。貫徹さんセッテングをお願いします!」

 

「おう、任せとけ!!」

 

「キラ君、連続で悪いけどセッテングお願いするわ」

 

「解りました。簪さん、お願いします」

 

「解りました。! 打鉄弐式」

 

私は台座に立ち打鉄弐式を起動し装着をした。貫徹さんは山嵐の取り付け、キラさんは凄いスピードのキーボード入力で打ち込んでいた。

 

「簪さん、驚いたでしょ? 本当は烈火の兄弟機の蒼炎に貴女を載せてあの山嵐を取り付けようと思ってたの」

 

「そうなんですか?」

 

「えぇ、烈火の試験テストとして、貴女にもIS乗ってもらう話はしてたでしょう? 」

 

「はい、聞いてます」

 

「その時にこの山嵐を見せたら、ウチに頼みやすくなるって貫徹さん必死に作り上げたのよ」

 

「凄い…あっでも、マルチロックオンシステムは流石に」

 

「あっ、それなら僕が作りましたよ! っと言ってもまだ実地訓練はしてないから微調整はいるだろうけど」

 

「もし、簪さんが断っても山嵐とマルチロックオンシステムのデータは渡すつもりだから」

 

「そんな!? どうして」

 

「これは私達が貴女の機体完成に結果として迷惑を掛けたからよ」

 

「そんな、貫徹さんもモルゲンレーテ社には何にも悪くは」

 

「同じ技術者としてね、貫徹さん程じゃなくても、私達はプロよ!1度契約を結んで、いい加減な理由で破棄するのは許されない行為だからね、それに子を持つ親としても、約束を簡単に破ってはダメなのに、大人の私達がやっては示しがつかないでしょ」

 

「だから、今は私たちの行為に重荷に感じなくても良いからね」

 

「ありがとうございます。私、倉持技研に契約破棄されて、世の中から見捨てられたと落ち込んでいました……でも、皆さんに会えて良かったです! 皆さんの力を私に使わせて下さい!!」

 

「えぇ、もちろん」

 

「うん、お願いね」

 

「へぇ、可愛い女の子の頼みで、この貫徹さんが断る道理はねぇーよ!!」

 

「さて、それじゃ、急ぎましょう! 」

 

「はい、解りました」

 

「打鉄弐式、山嵐の接続…電子制御問題なし、マルチロックオンシステムのインストール完了、入力設定、キーボード入力、音声、脳波測定…パターン入力、クリア セッテング終了」

 

「凄い、これが打鉄弐式…私の設計依頼よりすごくスムーズ」

 

「さて、簪さん、簡潔に言うと恐らく、哲也君はISでの操作及び戦闘はこれが初めてだから恐らく、相手の射撃武器に対する対策はほぼ出来てないと思うから」

 

「そのフォローをしたら良いんですよね」

 

「えぇ、彼は剣術なら、貫徹さん仕込みで強いから、だからその武装を届けてね」

 

「解りました。それじゃ打鉄弐式 発進スタンバイ」

 

「打鉄弐式 発進!!」

 

打鉄弐式を発進させた。 喜多山君を助けるために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在 哲也視点

 

「それじゃ行くぜ!」

 

「ふん、先までオートの射撃で驚いていたのにたかが近接武器持った位で強くなった気で居るの?」

「そうだな、確かに俺はまだ射撃武器に対する動きがダメなのは知ってるよ、でもこの刀があれば話は別だ」

 

「サムライ気取り? とっくに滅んだ戦士よ」

 

グレネードランチャーをアンネは連発して放った。 恐らく彼女はその弾は真っ直ぐに俺に向かって飛んでると思って居るんだろうな

「ふん、あっさり当たってるわよ」

 

「本当にまだ目が見えてないみたいだな…悪いが俺は1発も当たって無いぞ!」

 

「何を先衝撃音…まさか先の岩礁!?」

 

「御明答、今のあんたがオート機能っと聞いて安心したぜ、こんな単純なフェイントに引っかかるなんてな〜」

 

そう、今の攻撃を外させたのは、今のアンネは目が見えずオート機能で俺を狙っている。つまり俺の体の中心目掛けて攻撃を仕掛ける。 岩礁地帯のおかげで俺はそれの影に隠れたりして、岩を盾にして、直撃を避けた。

 

「クソ!(カチ)弾切れ!?」

 

「終いや!」

 

俺は刀を上段から振り下ろした。 アンネは咄嗟に盾を出して構えた。 ISのオート機能には驚いたが…ただ、お前は喜多山家の剣術の真髄を知らんからな…その行動が愚かとは知らんからな

 

「残念、盾で塞げば」

 

「喜多山家の剣術の真髄は一撃必殺、それは防いだ所でその盾ごと敵を叩きつける!!」

 

アンネは盾で防御したと思って油断したが、俺の攻撃で振り下ろされた刀は防いだ盾ごと、アンネの脳天を思いっきり叩きつけて、ノックアウトにして海に沈めた。

 

「俺の家はな、剣術習うのに斬る行為ではなく叩きつけて、相手の戦闘不能にする考えらしくてな、理由は家は鍛冶屋だから叩く行為の方が向いてるから、俺達は侍ではなく鍛冶師であって人斬りにならず、されど侍の動作に理解は必要…とかそんな言い伝えがあってな…って聞いて無いか」

 

俺は沈んだアンネの方に注目をしていたら背後に気配を感じた。

 

「あははクソガキくたばれ!!!」

 

「あんたはバネッサ…まだ」

 

「終わりだ!!」

 

何とバネッサが復帰して背後の海の中から現れインターセプトを構えて俺に攻撃を仕掛けた。 見た感じ、閃光弾の影響は終えて俺が見えたらしいが、 そこは俺の間合いだ。

 

「落ちな」

 

俺は左腰部に装着した鞘を持ち、バネッサの顎を目掛けて叩き上げた。

 

「がっ!? 鞘だと!?」

 

「秘技 鞘打ち…続いて回転横薙ぎ!!」

 

「グハァ!!! 」

 

俺は後ろ向きの状態で鞘をバネッサの顎叩き上げた後、そのまま回転動作をして脇腹目掛けて右手に持つ刀を叩きつけた。回転動作を加えた一撃、恐らく内臓に強烈なダメージを与えた。

バネッサはそのまま近くの岩礁に叩きつけられて気絶をした。

 

 

「これでこっちは終わった」

 

「そんな、あの二人が負けた!?」

 

「悪いけど、貴女の相手は私! 」

 

「ちっ! 2人まとめて撃ち落とす!!」

 

ダリアは焦りながらも、追尾性ミサイルで俺と簪ちゃんを攻撃を仕掛けた。 あのミサイルは確かに俺には対処出来ないが

 

「ここは私がやる!」

 

簪の目の前にマルチロックオンシステムの画面が出て、ダリアが放つミサイルとダリアにロックオンをした

 

「これが私の切り札! 山嵐の力だ!!」

 

「そんな、私が!!!うわぁぁぁ!!!」

 

打鉄弐式から放たれた山嵐のミサイルはダリアのミサイルを相殺の上にダリアに全弾命中させた。

 

「こちら、士門 2人とも怪我は無い?」

 

「こちら、哲也です。 2人とも無事です!」

 

「了解、そっちから見えると思うけど、軍が来たから後はそちらに任せて2人は戻ってらっしゃい」

 

「解りました。私達は戻ります。」

 

通信を切って俺と簪ちゃんはお互いに見つめていた。

 

 

「ナイスアシスト! 簪ちゃん!!」

 

「うん、ありがとう…あの私の事は簪って呼び捨てにして」

 

「え?」

 

「私も哲也って呼びたいから…ダメかな?」

 

簪ちゃんから、哲也って呼ばれて沈黙が走り、俺は我に返った。

 

「あのもう1回!哲也っ呼んでくれるかな?」

 

「えっ!? 哲也」

 

「くぅーーーよっしゃ!!!」

 

「そんなに喜ぶ!?」

 

正直、不安はまだあったけど、でもほんの少しだけ簪ちゃんに名前呼びされて、何だが前に進めた気がして、今の俺にはそれで充分嬉しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2ヶ月後

 

IS学園

桜が舞う中、先程入学式が、終わり講堂から生徒がチラホラ出ていく中、俺はため息はいて少し椅子に持たれていた。その姿に簪ちゃんは呆れていた。

 

「何か、やっとIS学園か〜ってなるよ」

 

「哲也、まだ入学式終えたばかりだよ」

 

「だってあれから簪と一緒に居る時間殆ど無くて、毎日特訓の日々やで〜俺は学生ではなく、軍隊に入ったかと勘違いしそうやったわ」

 

「うん、お姉ちゃん厳しかったからね、あの騒動の後は特に」

 

「必要なのは理解してるけどさすがに応えるよ〜」

 

「でも、だいぶ上手くなったね、哲也は」

 

「それなら良かった〜学生になればコレで」

 

『(某宇宙戦争の 悪のリーダの行進曲) 哲也君、放課後の特訓メニュー送るね(^-^)/ 楯無提督(哲也の表記設定)』

 

スマホを見ると例のあの人からメールが来て、唖然としていた。

 

「え? 俺の学生生活は!?」

 

どうやら、俺の簪ちゃんとの甘い学生生活は簡単に過ごせないみたいでグッタリしていた。

 

 

「大丈夫だよ、私も一緒に頑張るから」

 

 

「簪〜」

 

まぁ〜どうなるかは解らんけど、簪ちゃんが居るなら何とかなるだろう。

 




とりあえず次回からはようやく学園編がスタートです。
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