【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第106話 黄昏樹海・深層で待ち受けるモノ

切っ掛けは、さっきマントレントを使って『纏魔気鱗』で放った飛刃。

 

「分かったぁ!!」

 

モヤモヤしていた事に気付けた喜びで、思わず指パッチン。その衝撃でマントレントが砕け散った。

 

“ヒエ…”

“指パッチンでマントレント弾けて草ぁ!”

“あの、コアモンスターってそんな簡単にやれましたっけ…”

“武器は大事に扱え”

“やべえ笑いすぎて苦しいwww”

 

「今分かった事があるんですよ!ちょっとやりますね。『極光星鎧』」

 

オレンジ色のオーラを纏う。そして手を手刀の形にし、モンスターがひしめいている方へ向け……。

 

「飛刃!」

 

オレンジの光波が、前方を薙ぎ払った。木々は切株となり、モンスターは下半身らしき部位を残して消し飛んだ後、マナとなって俺に吸収されていく。

 

“お、おう”

“初期で得たスキルとは思えない威力だなww”

“これ進化したスキルじゃないってマ?”

“自慢か?ウザイぞ”

“草”

“これに対抗意識燃やせるだけ凄えよ”

 

「これが極光星鎧で放った飛刃です。次、『纏魔気鱗』からのー、飛刃!!」

 

今度は気とマナを纏い、同じように放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボッ!!

 

前方に見えていた物が全て消し飛んだ。『極光星鎧』の破壊痕を上書きするように、あたり一帯が根刮ぎ無くなっている。

 

“ファッ!?”

“同じ飛刃?今のが?”

“威力おかしくなーい?”

“えぐいえぐい”

“winner:なるほど。『纏魔気鱗』はマジックスキルを。『極光星鎧』は肉体の強度そのものを強化するスキルだったのか”

“サンキュー先輩!”

“サンキュー先輩”

“サンキュー先輩!!”

“サンキュー先輩”

 

「ありがとうございます先輩。そうなんですよ。この前、イレギュラーさんにエアバレットで腹をぶち抜かれた事があって、不思議だったんですよね。何で俺の身体を貫通させれたのか」

 

“自分の身体に自信ニキ”

“超耐性のことかーーーーー!!”

“そういやそうだったな”

“単純にイレギュラーが強かっただけじゃなかったのかあれ”

“じゃあ腹筋見せて♡”

“待て。イレギュラーが天満麒麟持ってたってことか?”

“お前が弱かっただけじゃね?”

“まさかイレギュラーが纏魔気鱗持ってたのか?”

 

消し飛ばしたモンスターの素材を拾いながら、スレ民の皆さんのコメントを拾っていく。

敵が密集していた場所を狙ったおかげか、殺気はどこからも感じない。あ、魔晶みーっけ。

 

「多分そう。イレギュラーさんの牙に気とマナが強く巡ってたから、ずっと気になってたんですよね。今思えば、牙の部分だけ『纏魔気鱗』をしてたんでしょうね」

 

“ま?”

“マジックスキルを強化するコモンスキル!?”

“え。ガチで欲しい。やり方教えてくれ”

“そのイレギュラーとバチバチにやりあってたあまにゃんすげえな”

“ここであまにゃんの強さが際立つのやべえ”

“スイッチとあまにゃん星の数おかしいだろwww”

“『極光星鎧』を!くれーーーーー!!”

“流気眼がチートだろ。気とマナを見れるとか最強じゃん”

 

「そうですねー。イレギュラーさんと互角に戦えてたあまにゃんさんすご……いやマジで凄えなあの人。『纏魔気鱗』無しでイレギュラーさんと渡り合ってたのか。何で三つ星だったんだ?」

 

“草”

“スンッてなるの分かる”

“あまにゃんは強いぞー”

“この前四つ星に上がってたぞ”

“やっとあまにゃんの凄さに気付いたか”

“あまにゃんは有望株だってそれいち”

 

「お?」

 

抉られた道を辿っていくと、前方に開けた場所が見えてくる。

あれは俺が作った空間じゃない。このダンジョンで、木々が生えてない場所は一箇所だけ。つまり。

 

「ゴールだー!」

 

“winner:私の方が凄いが”

“sしょ将来の話dwすし”

“ヒエ”

“ステイ!先輩ステイ!”

“ナイス!”

“指ガックガクな奴いて草”

“あの…先輩はちょっと次元が違いますので…”

“ボスじゃあああああああああああ”

 

やっと窮屈な視界から解放される。そう思いながら、ボスのいる開けたエリアへ向かう。

 

「やっと終わりますねー。この森のせいでずっと薄暗かったので、明るく感じます」

 

“ゆうて1時間も経ってないぞ”

“いやクッソ早いんだが?”

“2時間以上かかる時もあるからな”

“1日かけて踏破できなかったワイ涙目”

“ボスは何分もつかな?”

“winner:黄昏樹海のボスモンスターは、グロウイングドリアード。動けない代わりに周囲の木を操って攻撃してくる上に、自身の種子を大地に飛ばしすぐさま成長して増殖する。耐久力も高く、ダンジョンを彷徨い疲弊したダンジョンアタッカーに持久戦を仕掛けてくる”

“サンキュー先輩!”

“サンキュー先輩!!”

“サンキュー先輩!”

“マジで糞な理由の一つがボスも糞な点”

“あまりにクソすぎて擁護できん”

“解説はやっぱ頼りになるな”

 

先輩がすぐボスの解説をしてくれるお陰で、ストレス無く進めることが出来る。ホントに良い人だなぁ、たまに怖くなることを除けば。

 

「ありがとうございます先輩。では、行ってみましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄昏樹海の最奥。このダンジョンで一番開けた場所の中心に、奴はいた。

静かに目を閉じた女性。しかし、その肌は樹皮で出来ており、下半身は木の幹となり大地と繋がっている。背中らしき部位から生えている枝葉は、自分を抱きしめる様に巻き付いている。

 

コイツは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「普通のグロウイングドリアードだな!ヨシ!じゃあな!!」

 

ボンッ!!

 

“ファーーーーwwww”

“ボス一瞬で消し飛ばしやがったww”

“いや力量差的にはそうだけどさぁww”

“もうちょっと見せ場とか考えてもろて”

“良しじゃないのよ良しじゃww”

“ひっでえwww”

 

「ふー、良かったーイレギュラーじゃなくて。俺、これからもダンジョンアタックして良いみたいですね」

 

正直、またイレギュラーが出てきてしまうんじゃないかとずっと怖かった。けど今回の検証で、俺の持つスキルは『イレギュラーを出現させる条件にはならない』という事が証明された。

それが知れただけで、肩の荷が一気に降りた気がするなる。『纏魔気鱗』と『極光星鎧』の事も相まって、凄い晴れやかな気持ちだ。

 

「スレ民の皆さん、ここまでありがとうございました。黄昏樹海、ダンジョンアタック成功しました!そしてー、これで俺も三つ星ダンジョンアタッカーでーす!」

 

“いええええええええい!!”

“おめ!”

“GG!”

“winner:おめでとう”

“おめでとー!!”

“おめでとうございます!”

 

「黄昏樹海はダンジョンアタッカーにとって最悪なダンジョンですけど、この配信と先輩のアドバイスを参考に攻略してみて下さいねー」

 

“は?”

“うん?”

“え”

“無理やろ”

“何でゴリラの生態観察が攻略に役立つと思ったんですか?”

“二つ星のダンジョンアタッカーにあの暴力を求められても困るんですが”

 

―――通信が切断されました。配信を終了します―――

 

 

 

 

 

「大丈夫です!皆さんなら出来ますよ!だから是非、ダンジョンアタッカーになって一緒に頑張りましょうねー……あれ?終わってる?」

 

「あーワリーワリー、ちょい早かったねー」

 

「え?」

 

「あ、ダンジョンアタックお疲れー」

 

「あ、ありがとうございます……えっと、どちら様でしょうか」

 

「いきなりワリーなー。俺はねー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『殺し屋』、って奴だよー」

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