【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第130話 【DAG】高所恐怖症の人注意!なダンジョンアタックツアー

「スレ民の皆さん、やっほーです。現在moveに収益化申請中のスイッチでーす」

 

“久しぶりー”

“今まで申請してなかったのかよw”

“今更!?ww”

“おっすおっす”

 

最近まで椅子と机に張り付いていた身体をゆっくりほぐしながら、スレ民の皆さんのコメントと会話する。

んー、やっぱり身体が硬くなってる気がする。久しぶりに全力で動くから、念入りにやっておかないとな。

 

「ん、んっ……」

 

“エッッッッ”

“吐息やば”

“ヤバいのはお前等定期”

“叡智ね”

“分かる”

“今日の叡智ネキニキ発散シーン”

“でもストレッチがフェチなのは分かるわ”

 

「んー……良し!今日は、何で三つ星ダンジョンアタッカーが多くて、四つ星から数が一気に少なくなるのか。それを実際にダンジョンアタックしながら説明しますねー。今日挑むのは、試練型四つ星ダンジョン『終末点ターミナル駅』でーす」

 

マナドローンが辺りの風景を視聴者に見せる。

赤黒く分厚い雲、謎の大きな黒点が太陽を呑み込んだかの如く空に顕現する不気味な空。世界の終わりを体現したかのような場所で、かろうじて駅があったと分かるボロボロのホームに、俺はいた。

 

“ヒエ”

“え?異世界にでも飛んだ?”

“終わってるやん”

“何なのだこれは!どうすれば良いのだ!”

“これは終末の世界ですわ”

 

「因みにこのホーム浮いてるんですよ。ほら」

 

ホームの端に立って見下ろすと、滅びた街の残骸が小さく見える。

ぐるっとホームを一周し、明らかに近い位置にある雲を映したり、ビルを上から見下ろしたりしているから、スレ民の皆さんにもこのホームの高度は伝わった筈だ。

 

“アカン(アカン”

“何もないやん”

“高所恐怖症ワイ既に涙目”

“何でここ選んだしww”

“普通に怖いな”

 

「ダンジョンアタッカーって、三つ星の人が多いんですよね。それは何故っていう簡単な答えの一つが、こういったダンジョンが多いからです。まあぶっちゃけ、四つ星以上のダンジョンって死亡率が高いんですよね。見て下さい、この明らかに危険な感じがする空間」

 

この終末点ターミナル駅が目に見て分かるヤバさだから選択しただけで、ここ以外も即死トラップが多いダンジョンばかり。

今の法律では、四つ星ダンジョンアタッカーは三つ星以下のダンジョンには基本的に入れないので、皆四つ星になってしまわないように気をつけているのだ。

 

“へー”

“なるほど”

“腑抜けがとか言いたいがこの景色見るとな”

“補足すると三つ星ダンジョンアタッカーが四つ星ダンジョンに挑む時はDAGから色々説明されてるぞ”

“実際三つ星と四つ星以上の壁はかなり高い”

 

「俺が気になってる吉野原の四つ星ダンジョンも、結構死亡率エグいんですよね」

 

“あのエ◯トラップダンジョンでもそうなのかよw”

“腹上◯やろなぁ”

“すまん↑のコメで笑った”

“ん?ソロ?”

“でっけぇおっぱいに埋もれて◯にてぇって!”

“18禁ダンジョンでもそんな4ぬんか”

 

「で、もう一つの原因はスキルなんですけど……」

 

続けようとした時、不愉快なノイズ混じりのベルが響き渡る。

何処からとも無く現れたボロボロの電車が、今にも壊れそうなブレーキ音を響かせてホームに止まった。

 

「あ、来た来た。この電車がダンジョンです」

 

半開きの扉やガラスの砕けた窓から、中から制服やスーツ等色んな服を着た影達が降りてくる。

……()()()()()、ね。普通はコイツ等と狭い電車の中で戦うんだけど。

 

“そういや羽場さんいねえな”

“あれ?監視は?”

“羽場さんどした”

“先輩もいない気ガス”

 

「アーストゥワイルシャドウっていうコアモンスターが出てきたんで、先にコイツ等片付けますねー」

 

初めての四つ星ダンジョンだ、気は抜けない。

『纏魔気鱗』を纏い、OWを詰め込んでいるポーチから武器を取り出す。

 

「シッ!!」

 

取り出した武器……蛇腹剣が、目の前のモンスター達を横に両断する。

が、斬った手応えが無い。影はすぐさまくっ付き、俺に向けて大量のマジックスキルを放ってきた。

 

“ファッ!?”

“え再生?”

“いや多い多い!”

“初手でこれキツくね?”

“蛇腹剣!?吸魔の墓で壊れた筈では!?”

 

凍てつく氷塊を拳で砕き、炎の波を斬り裂き、雷の矢をかわす。

 

「その程度でぇ!」

 

更に力を込め、蛇腹剣を振るう。向かってきた多くにマジックスキルが斬り捨てられ、空中で弾ける。

 

「俺を殺れるとぉっ!!」

 

振り抜いた姿勢で力を溜める。そこから放つのは当然……。

 

「思ってんのかああああ!!!」

 

『飛刃』が、ホームに居並ぶ敵を消し飛ばした。

再び静かになったホームで、自分の身体の調子を再確認する。

 

「……良し、身体は動くな。お待たせしましたー。邪魔なのは消えたんで、説明を続けますね」

 

“ちょっと待てや”

“聞きたいこと増えたぞ”

“そういやOWは自動で直るんだっけか”

“おかしい。俺は超危険な四つ星ダンジョンの配信を観ている筈…”

“おかしいのはスイッチ定期”

“コイツ何で三つ星なん?”

“今の飛刃っすか?頭おかしい威力なんすけど”

“頭おかしいのもスイッチ定期”

 

「ん?どうした……あっ!そうそう見て下さい、この前壊れた蛇腹剣がホントに直ってるのに気付いたんですよ!このオーバードウェポン凄くないですか?こんな風に自動修復出来るなら、確かにお高くても仕方な……ぁ」

 

“武器?どこ?”

“蛇腹剣じゃなくてガリアンソードな”

“あっ”

“あっ……(察し”

“ガリアンソードだぞ”

“蛇腹剣じゃないの!?”

“え?”

“あの、剣どこですか?”

“んん?武器?w”

“ガリアンソード「俺が何したっていうんだ…」”

 

………………。

 

「ッスーーー…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ササッ…!)

 

「さぁ、素材を拾って電車に乗りましょうか。そこで色々説明しますね」

 

“隠してんじゃねえ!!ww”

“今仕舞まったの見してみ?”

“草”

“証拠隠滅しようとすんなwww”

“オイオイオイ”

“OWまた壊しやがって”

“ファーーwww”

“無かった事にしようとしてやがるww”

“序盤でもうおもろい”

“マジで配信者向いてるわコイツw”

 

さっきの戦いはスレ民の皆さんには見なかった事にしてもらい、かろうじて『渋谷・新宿方面』と表記が見える電車に乗り込んだ。

何て読むんだこれ?しぶ…しぶたに?しぶやか?

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