【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第21話 魔猪の塔5F・小休止

“ん?何だこれ”

“三つも増えとるやんけww”

“最後の奴なんだ?”

“またエクストラ?”

 

「えー……り、りん?ま…まき……うろこ?」

 

“『てんまきりん』じゃね?”

“てんまきりん”

“winner:読みやすさで言えば『てんまきりん』だと思うよ。私も初めて見たが、君が試していた事がスキルに昇華したんじゃないかい?”

“サンキュー先輩”

“昇華って何ぞ?”

“簡単に言えば、習ってる武術とかがスキルとして登録される事。スキル「〇〇流体術」とか”

“へー”

“そんなんあるんか”

“スイッチ結局何してたん?”

“普通に素手で斧砕いてましたが……w”

“スキルに昇華される程の事してたのかよww”

 

「てんまきりんですね、ありがとうございます。さっきはですねー、オークジェネラルがマジックスキルの『飛刃』っていう奴を使ってたんですよ。それで、俺の魔眼でマジックスキルをどういう風に撃つのか見てたんですね」

 

“ふむふむ”

“スキルの発動も分かるのか!?”

“え、スキルの発動原理が完全に分かるの初じゃね?”

“確か伽藍堂ブラザーズの兄の方がマジックスキルの発動条件を公表してたぞ“

“マジックスキルの効率的な撃ち方のやつか。あれ凄えダンジョンアタックに役立ってるから助かるわ”

“マナ視えるスイッチがそれを補完してくれるの?!”

“この配信、もしかして超貴重?”

 

「マジックスキルを撃つ時って、マナだけじゃなくて気も混ぜ込んでたんですよ。気とマナを融合して、それを一気に解き放つ、みたいな。で、俺も同じような使い方をすればスキルに対抗できるんじゃね?って思ったので、色々実験してました」

 

“は?”

“え?”

“気も使うの?”

“どういう……ことだ……?”

“winner:なるほど”

“分かったのか先輩!?”

“先輩、解説おなしゃす”

“winner:ソーサラーがマジックスキルを連発した後、マナポーションを飲んでも完全に体力が戻ってなかったのが気にかかっていたのだが、アレはマジックスキルを撃つ際に気を無意識に使っており、尚且つマナしか回復しなかったからなのか”

“あー”

“俺もそれ覚えあるわ。マナポーション飲んでも体の怠さ消えなかった”

“アレってダンジョンっていう油断出来ない状況で、マナを一気に使い過ぎて一時的にマナを上手く練れなくなるからじゃなかったの!?”

 

「えーっと……ああ、そうそう。俺の身体に気とマナを融合したオーラ的な奴を、鎧みたいに纏ってみたんですよ。マジックスキルで体をガードしてる感覚ですかねー。オークジェネラルを殴った後からずっとやってました」

 

“マジックスキルを殴ったり打ち消したりしてたのはそういう事か!”

“マジックスキルの概念が書き換わるなこれ……”

“マナはともかく、気ってどうやんだよww”

“マナ操るだけで精一杯なんだが…”

 

「いやぁ、俺も感覚的なやつなんで分からないですねー。珍しいスキルだなー、くらいの感じだったんで、この後使ってみたいと思います。残り二つのスキルは力が上がるヤツと、オークジェネラルが使ってましたね。後は素材ガチャだけど……」

 

話を切り上げ、オークジェネラルの落とした素材を見にいく。

オークジェネラルはボスモンスターだけあって、結構な値打ちモノを落とす確率も高い。のだが……。

 

「また兜かよ!」

 

“はい外れーw”

“草”

“魔猪の兜一丁入りましたーww”

“もっとスキルの詳細教えてくれ”

“いよいよアイツかあ……”

“スイッチ……”

“生きて帰ってくるよな?”

“何気にアレと戦う映像ってレアか?”

“多分初。というかスイッチがDAGに貢献する為に選んだくらいには貴重だし強い”

 

「はあ……まあ良いや。本命が目前ですしね」

 

兜をバッグにしまい、開いている扉を見る。今までと違い、近くにいるだけでピリピリとした威圧感を感じさせる。

だが、不思議と恐怖は感じない。寧ろ、迫り来る様な死の気配に、ワクワクを覚えている自分がいる。

 

「……俺さあ。ホントはすぐ死ぬと思ってたんですよね」

 

“え?”

“どうした急に”

“あれだけ暴れといて何をww”

“あー……”

 

「D災で友達とか家族とか、皆いなくなっちゃってさー。挙句に公園でホームレスで餓死寸前でしょ?ほんっっっっっとに……苦しかったなぁ……」

 

“やめてくれ……急に何言ってんだ”

“スイッチ……?”

“何でいきなりそんな事言い始めるんだよ……”

“よく生きてんなマジで”

 

「でもさー。自棄になってdちゃんのスレ民と始めた配信だったんですけど……久しぶりに、楽しかったんですよね。馬鹿な事言いながら煽りあってさ、心配してくれたり……生きてて良かったって、ホントにそう思える事が出来ました。皆さん、ありがとうございます」

 

“スイッチィ……やめてくれぇ…”

“まだお前の配信は観てたいんだからなこっちは”

“誰かコイツ止めろ”

“魔猪の塔の近くに誰かおらんのか”

“winner:勝手に死ぬのは許さない”

“先輩も言ってるぞ!命投げ出すような事すんなよ!”

“先輩悲しませんなよスイッチ”

 

 

 

 

 

「だからさ、俺……この配信で生きて帰ったら、またdちゃんに戻ってくるよ」

 

“い、言ったあああああああ”

“コイツ、この場で今言ったらいけないことを……”

“やめろスイッチ!”

“何でそんな事言うんだ馬鹿野郎!!”

 

 

 

 

 

「それに、こんなダンジョンなんかに長くいられませんからね。とっとと攻略させてもらいますよ」

 

“ん?”

“あ?”

“流れ変わったわね……”

“あれ?コイツ……”

“嘘だろ?”

 

 

 

 

 

「それに……別に奴を倒してしまっても構わんのだろう?」

 

“コイツ死亡フラグ立てまくって全力で死にに行こうとしてるー!!www”

“立て過ぎた死亡フラグは生存フラグに切り替わるぞ”

“帰る場所がdちゃんなのは草”

“自分語りからの死亡フラグは生存ルートやろww”

“次から次へと死亡フラグが更新されてくwww”

“winner:ブッコロス”

“先輩ガチギレだよ!!www”

“コイツほんまww”

“良いぞスイッチ!いけいけ!!w”

“スレ民はここでお前の勇姿を観とくで!”

“スイッチ、実は死ぬ気無い説”

 

良し、楽しく話せたな。

 

「それじゃ、いよいよメインディッシュのお時間です。ここのラスボスに特攻かまして逝きますよー」

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