【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第37話 スイッチの配信・ジョブ

「もうスレ民に真摯になるのはやめます。いつものスレのノリでいきましょうね」

 

“草”

“開き直ったかww”

“おう、それでこそスイッチや”

“お前がカッコいいのは戦闘だけで良い”

“そういや山櫛のGWの傘下の会社が横領罪で捕まってたが、スイッチの親戚か?”

 

「は?」

 

え、何それ知らない。俺が缶詰めになってる間にそんな事あったの?

 

“ニュースになってたぞ?余罪も含めて追求するってよ”

“特別背任罪を犯している可能性があるとか言ってた気がする”

“虚偽申告罪じゃなかったのか?”

“オイオイオイ”

“いや犯罪多すぎやろww”

 

「……うわマジだ」

 

急いで調べてみると、俺が今一番嫌いな人間の名前。GWの代表取締役の伽藍堂さんが頭を下げた写真と共に名前が載っていた。

 

「同社は昨今のダンジョン需要を理由に、DAG山櫛支部の全ての商品を無断で値上げを行っていた。一つ一つは軽微であるものの、その総額は5千万ごごごせんまんっ!?うわー…それ全部横領かあ……」

 

個人的にクソ野郎とは思ってたけど、会社ぐるみでそんな事してたなんて……チッ、やっぱり殴っておくべきだったかな。一発だけなら許してくれるでしょ。あ、思い出したらイライラしてきた。

 

“大丈夫?”

“スイッチ怖いぞ”

“顔!顔!”

“winner:アレはもう君を害する事は無いから安心してね”

“先輩の言う通りだぞ”

“お前が手を汚さずにすんでホッとしたわ”

 

スレ民から心配のコメントが送られてくる。なんだかんだで、優しい人達だなぁ。

 

「皆さん心配ありがとうございます」

 

“ええんやで”

“おう。全力で崇めろ”

 

「調子乗んな」

 

“草”

“復活はええwww”

“ウッス!w”

“GWは徹底的に追求するらしいぞ。もう社会で生きていけないねぇ”

“良かったなスイッチ”

 

「はい!そんな事よりですよ。魔猪の塔のダンジョンアタックに成功したので、無事一つ星から二つ星ダンジョンアタッカーに昇級しましたー。いえい」

 

“おめでとー”

“おめ!”

“え?二つ……?”

“いや、お前…”

“クラス詐欺やめろ”

 

「詐欺じゃないですよー、DAGの規則なので。ダンジョンアタッカーの昇級の条件って、自分の星の数と同じ数のダンジョンを攻略する事なんですよ。だから俺はまだまだですね」

 

“違う、そうじゃない”

“何でこんな化け物が二つ星にいるんだ……”

“全ての二つ星ダンジョンアタッカーを絶望に陥れるイレギュラーだよこんなん”

“三つ星ダンジョンアタッカーも含まれるぞ”

 

あれ?あんまり喜んでくれない。もっとやんややんやと揶揄ってくるかと思ったのに。

 

「あ、そうそう。レベルアップを3回以上したので、DAGからジョブを貰いました」

 

ジョブ、という制度がある。ダンジョンアタッカーとしてある程度習熟した者ーー3つ以上のスキルを持つ者が、DAGから送られる『ダンジョンでの役割』を表す制度。それがジョブだ。

 

ジョブは、レベルアップしたスキルによって決められる。

『筋強化』や『飛刃』など、強化した身体能力を使って敵を攻撃する、ソルジャー。

『頑健』や『不落』といった、防具を大量に装備する事で前衛のタンクとなる、ナイト。

『ファイアボール』や『サイクロン』など、多様なマジックスキルで遠距離から敵を殲滅する、ソーサラー。

 

などなど、様々なジョブがある。

 

一応、ジョブは変更も出来る。しかし、それはあまりお勧めされていない。

例えば、『筋強化』『覚醒』などのスキルを持つソルジャーが、ソーサラーにジョブチェンジしたい。それには、ソルジャーとして認められたスキルと同数か、一つ少ない数のマジックスキルを獲得しなければならない。

そのレベルアップにはマナを大量に取り込まなければならない。慣れないやり方で、今まで狩ってきたモンスターの倍以上の数を狩って、ようやくマジックスキルを一つ獲得出来るかどうか、といった具合だ。

 

あまりに非効率過ぎるので、結局『いつものやり方で戦った方が楽』という結論が出され、DAGではジョブを変更する事はお勧めされていない。

 

「さて問題です。俺のジョブは何でしょう?」

 

“ゴリラやろ”

“オークキングじゃねえの?”

“ゴリラ”

“ゴリラ”

“マッチョの王”

 

「おいコラ」

 

人のジョブを大喜利にするな。

 

「正解はモンクでーす。結構色んなモノ使って戦ったと思ってたんですけどね」

 

“文句言うな”

“三鶴城礼司:モンクである事に文句を言う、か”

“winner:は?”

“BOTが何か言ってる”

“おい俺が滑ったみたいになるからやめろ”

“草ぁ!”

 

「あははは!!ちょっ、今のは面白……あはは!」

 

突然現れた三鶴城さんのBOTの不意打ち、からのコントみたいなノリに思わず笑ってしまった。

 

「ははははっ……!ハー、ハー……!やべ、ちょっとツボった」

 

“三鶴城礼司:ウケてくれたようで嬉しい。君と私は波長が合いそうだ。是非、至強のパーティに入ってみないか?”

“winner:囀るな”

“まだ諦めてないんかwww”

“先輩めっちゃ嫌ってるなぁ…w”

 

深呼吸を繰り返し、笑いを落ち着かせる。目を閉じ、軽く瞑想。

 

「………ふぅー。良し。急にコント始まって笑っちゃいました。まだまだ報告があるんですよ」

 

“そしていつものBOTスルーw”

“お?DAGが出したオークキングのアレか?”

“遂にオークキングに触れるか?!”

“オークキングが黒星モンスターに認定されたの見たぞ”

“黒星モンスター相手に完勝する一つ星って…”

 

「あ、そうそう。知ってる人も多いみたいですね。俺が戦ったオークキングなんですけど、DAGが強さを解析した所、五つ星より更に上の『黒星』モンスターに分類される事になりました」

 

“マ?”

“はぁっ!?”

“黒星なんてクラス、初耳なんですが…”

“winner:黒星。ダンジョンアタッカーと同じ様に、コアモンスターは強さによってランク分けされる。通常は一つ星から五つ星。しかし、『単体で都市一つを壊滅させる』危険性を持つコアモンスターは、最も危険なクラス『黒星』として分類される”

“サンキュー先輩!”

“サンキュー先輩!”

“サンキュー先輩!いやヤバすぎやろ”

“そんなのが二つ星ダンジョンに…?(震え声”

 

「ありがとうございます先輩。唯一の救いは、オークキングはソロでやってきたダンジョンアタッカーしか相手にしない事ですね。正直、俺も2度と戦いたく無いです」

 

“うわぁ……”

“まあ、そうだよな”

“マジでよく生きてるなスイッチ”

 

「あの時は必死でしたから。なので、俺もっと強くなります。今度こそ、大事なモノを守れるように」

 

“うわぁ!急にカッコよくなるな!”

“やば、キュンってきた”

“お前、そういうとこだぞ……”

“これが天然ってマ?”

“winner:楽しみにしているよ”

 

「それで、もしかしたら『王』とか『キング』って名前が付けられてるコアモンスターって、同じくらいヤバいんじゃないかって事で、DAGが一斉に調査を開始しました」

 

“知ってる”

“ネットニュースで見たわ”

“最低限の貢献どころか、魔眼だったりオークキング討伐だったり、お前凄い事してるな”

“dちゃん民が始めた配信がこんな伝説を生むとは思ってなかったわ”

 

「俺もビックリです。皆さん、絶対に俺のやり方をしちゃいけませんからね?オークキングと戦うなんて無謀な事しないようにお願いします。俺が怒られるんで」

 

“お ま い う”

“ブーメランかな?”

“銃口反対ですよ”

“お前に言っとるんじゃい!”

“三鶴城礼司:凄いな。ここまでブーメランが見事に返っていったのは初めて見た”

“BOTさんも驚いとる”

 

「いや、俺はその時自暴自棄だったし……はい、反省してます」

 

“謝れて偉い”

“winner:君なら出来ると信じていたよ。私の後輩だからね”

“後輩のやる事全肯定先輩”

“流石に魔晶食った時は絶句してたぞ”

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