【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第46話 吸魔の墓B1・OW

「いや、気にしてないよ。この結果は予測通りだったからね」

 

な、なんと……!一回で武器を駄目にしてしまったのに、許してくれるんですか!?流石に良い人過ぎません!?

 

“これで予測通り……?”

“スイッチを完全に人外判定してるの草生える”

“動じない叶たん可愛い”

“↑そろそろガチで◯されそう”

 

「ホントすいません……」

 

先輩の優しさに、ひたすら頭を下げる事しか出来ない。そんな俺を見て、先輩は優しく微笑んでいる。

 

「実は今回の結果は想定していたんだよ。君の実力は、普通の武器に収まる枠ではないと考えていたからね」

 

「そ、そうだったんですか?」

 

流石にそれはリップサービスが……あ、この惨状見れば事実ですね、ハイ。

 

「君の実力は、あらゆるダンジョンアタッカーの中でも群を抜いている。私の時もそうだったが、強すぎる力というのは武器が耐えられないんだ」

 

「そうなんですね…」

 

“言われてみればそうだな”

“三鶴城礼司も、オーダーメイドするまでは色んな武器持ち替えてたし”

“ダンジョンアタッカーのトップ層はムーブで配信とかしないから知らんわ”

 

「それに私達は未だ発展途上。いずれ私の暁光(ぎょうこう)闇月(あんげつ)も、成長した力に耐えられなくなるだろう」

 

寂しそうに自身の指に嵌められたリング、ウェポンリングを見つめる先輩。

ウェポンリングは簡易的な武器の収納器。一つしか入れられないが、リングを嵌めた者の意思ですぐさま手に武器を召喚出来る便利アイテムだ。

 

「だからこそ、『新しい武器』が必要なんだ。それで、試作品がこの前出来たばかりでね。まだ試運転をしていないんだ」

 

「………つまり?」

 

「私が作った新しい武器、使ってみないかい?」

 

“うおおおおおおお!?”

“えっ!?GWの新武器!?”

“こんな場所でお披露目していいのか!?”

“待て待て待て!!この配信ヤバいって!情報盛り沢山すぐるwww”

 

GWが開発したらしい武器に、コメントが一気に興奮し始める。拡散されているのか、数十人だった同接が、気付けば数千人単位にまで増えている。

でも……。

 

「……すいません先輩。有難い申し出なんですけど…」

 

「おっと、勘違いしないでくれ。これは施しじゃないよ」

 

俺の言葉を遮り、指を立てる。

 

「まだ試運転していないと言っただろう?丁度実験に付き合ってくれるサンプルが欲しかったんだ。その点、君の身体能力は申し分ない。それに君も、まだ自分の能力を完全には把握出来ていない」

 

「まあ……そうですね」

 

「そこで交換条件だ。私が君の能力の把握に付き合おう。代わりに、ウチの新製品のサンプルデータの収集に協力してほしいんだ」

 

“スイッチの性格よく分かってるな”

“施しは受けねえって言ってたしな”

“流石先輩やね”

“メディア嫌いの伽藍堂叶が、スイッチの配信に出るなんてなぁ…マジで後輩想いやん”

“想いというか重いような気が……”

 

なるほど。わざわざ吸魔の墓に出向いてまで俺とパーティを組みたがったのは、これが理由だったのか。確かに、五つ星以上のダンジョンアタッカーの人達は皆忙しいだろうし、その点まだまだ無名の俺なら簡単に会えるしな。

でもそうなら一言欲しかったです先輩。

 

「そういう事なら。先輩に恩返し出来ますし、是非お願いします」

 

先輩は嬉しそ……?いや恍惚…?よく分からないけど、多分喜んでるであろう顔で頷く。

 

“凄え!伽藍堂叶の個人指導!?”

“めっちゃ羨ましい”

“ダンジョンアタッカーがダンジョンアタッカーに何教えるんだよ”

“先輩から指導受けるって、ダンジョンアタッカーとしてのプライドとかないのかコイツ”

“俺にも個人指導(意味深)をですね…”

“通報した”

“GWが来た”

“真正面から存在を消しに行くやんww”

 

「ああ……ゴホン!では紹介させてくれ。成長した私達の全力を受けても決して壊れず、もし壊れてもマナを流す事で自己再生をし更に強くなる。DAGとGWの共同製作……その名も、『オーバードウェポン』」

 

「オーバードウェポン……!」

 

“カッコいい”

“男の子ってこういうのが好きなんでしょ?”

“ロマンを、期待しても良いんですか……!”

“スイッチも目キラキラしとるやんw”

 

先輩が、バッグから取り出したのは、ガントレットとグリーヴと呼ばれる脛当て。その色は金属で出来ているとは思えない程透き通った青色で出来ている。

 

「試作品第一号、ハントガントレット&グリーヴ。君は今まで素手で戦ってきたから、それに合わせた武装から始めようか」

 

「はい!」

 

「素材は私が全て回収しておくよ。君は、まず身に付けた武器の重さに慣れる所から始めよう」

 

「分かりました」

 

先輩に言われた通りに、装備を付ける。

凄い……まるで俺に吸い付き、肉体の一部となったかの様な感じだ。触り心地は金属みたいなのに、羽根の様に軽くて動きの邪魔をしない。

 

“かっけえぇええ!!”

“良いなー俺も欲しい”

“ダンジョンアタッカーなら自分の実力で勝負しろよ”

“他人から貰った装備で挑むとか恥ずかしくないの?”

“同職かな?ダンジョンアタッカーってプライド高いって聞いてたけど、コメントで見るとめんどくせえ奴等の集まりだなw”

“ちゃんと先輩が試作品のデータ収集って言ってるのにな”

“アンチだとしても、スイッチに実力云々は的外れだからやめとけ”

“既存の武器でスイッチのパワーに耐えうる武器を見つけてから言って、どうぞ”

 

「それじゃ、先に進もうか。君が消し飛ばしてくれた道のお陰で、大分進みやすい」

 

「う……気を付けます」

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