【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第51話 吸魔の墓B2

「これがトンファーですか」

 

「そう。マナを流すことで、握りがある部位の反対側からレーザーブレードが出て射程が伸びるよ」

 

「おおっ!!」

 

“オイオイオイ”

“ロマン武器のオンパレードじゃねえか”

“あの、吸魔の墓2層目なんですが…”

“スイッチが強過ぎるし伽藍堂叶もいるしで安心感パネエ”

“普通のパーティでボコす配信よりよっぽど見所あるわww”

 

「ありがとうございます先輩。ではいよいよ、吸魔の墓2層目を蹂躙しましょうね」

 

“うん、そうだね”

“何でスキル使わずに無双出来るんですか?”

“彼がゴリラだからだよ”

 

「ゴリラ言うな。先輩の武器のおかげですぅー」

 

「んっ、んん"。そうだね、2層目からはパラディンゾンビや、壁や床に擬態するコピーミミックなど、マジックスキルを多用するコアモンスターが多くなる。注意して行こうか」

 

“サンキュー先輩”

“サンキュー先輩”

“スイッチ、あまにゃんが同じ層にいるから頼むから部屋を消し飛ばすなよ”

“あまにゃんも一緒の層にいるで”

 

あまにゃん?……あ、確か前にスレで言ってた配信者の人か。結局調べてなくて、どんな人かも知らないままだ。

 

「大丈夫大丈夫。今はスキル縛りですから、ダンジョンが……」

 

気配を感じ、立ち止まる。スレ民がコメントで教えてくれた通り、この層には俺達以外にも人がいる。

ダンジョンアタッカー同士がダンジョン内で出くわすのは珍しいことではない。そして、故意の如何に問わず、ダンジョンアタッカーに攻撃してしまった場合は、先に攻撃した側は一ヶ月の免許停止処分となる。反撃した場合は、反撃した側も半月の免許停止処分を受けるので、迷宮型ダンジョンでは特にこういう遭遇戦は注意する必要がある。

 

「………ミイラソルジャーか」

 

朽ち果てた肉体を大量の包帯で隠し、前衛職の装備で身を固めたミイラ。まるでこのダンジョンに挑んで死んでしまったと思わせるそのコアモンスターは、俺達の未来を暗示するかの様な嫌悪感を感じる。

 

「それだけじゃないね。さっき言ったパラディンゾンビ、ミイラソーサラーもいる。普通なら、かなり厄介な相手だね」

 

“普通なら、ね”

“スイッチが普通なら俺達もハラハラしながら観てたわ”

“さて、トンファーと言ったら……分かるな?”

“スイッチ、スレ民ならトンファー持った時点でやる事は決まってるな?”

 

「オーケーオーケー、任せて下さいよ」

 

トンファーを構え、3……いや4体の敵と睨み合う。

先に動いたのはミイラソルジャー、の後ろにいたパラディンゾンビ。ミイラソルジャーの陰に隠れて、重厚な大盾で身体を隠しながら突っ込んできた。

 

「ふっ…!」

 

だが、それは俺の姿が見れないという事でもある。大きく跳び上がり、パラディンゾンビのヘルムを踏み台に加速して、ミイラソルジャーへ突進する。

ミイラソルジャーが剣を構えるのを見て、俺もトンファーを前に出す。地面に着地し、奴が剣を振り下ろすより早くーー

 

「オラアッ!」

 

キックで鎧ごとコアを粉砕した。

 

“オラああああああああ!!!w”

“で、出たー!トンファーキックだーー!!ww”

“説明しよう!トンファーキックとは、トンファーを持った状態で前蹴りをかます必殺技である!!”

“トンファー関係ないの草生える”

 

マナが俺に取り込まれるのが見えつつ、背後のパラディンゾンビは無視してミイラソーサラーに突っ込む。

 

横から巨大な口が俺を呑み込もうとしてきたのを、反対の壁に跳んで避ける。

 

“ファッ!?”

“ぎゃああああああああああ”

“何だ!?”

“コピーミミックだ!!”

 

トンファーを叩きつけ、壁に()()したコピーミミックを破壊する。コアを一つだけ破壊し損ね、壁の奥に逃げられてしまうが、追撃の隙を許さずファイアーボールが飛んでくる。

 

「チッ…」

 

射線にパラディンゾンビを重ねているのに無視。コアさえ破壊されなければ幾らでも再生出来る強みを活かした戦法だな。

 

「邪魔ッ」

 

トンファーにマナを流し、レーザーブレードを出現。ファイアーボールをレーザーブレードで切り裂き、返す刀でミイラソーサラーのコアを貫いた。

 

“早い早い”

“展開が目まぐるしく変わるなw”

“ファイアーボール来たと思ったらミイラソーサラーが死んでいたでござる”

 

まだまだ。レーザーブレードを維持したままジャンプ。床に穴が開いたかと思えば、先程のコピーミミックが大口を開けていた。気で察知出来てなかったら食われていただろうな。

空中で身を翻し、レーザーブレードで二つ目のコアを切り捨てる。

 

天井に足を付き、残ったパラディンゾンビへ跳ぶ。パラディンゾンビは大盾を構えるのを止め、盾にも劣らぬ大きさの剣で空中の俺を突いてきた。

 

「これで、死ねッッ!!」

 

剣を足場に前転。重力を乗せた踵落としが、パラディンゾンビのヘルムをカチ割り、背骨から尾てい骨まで粉々に粉砕した。

 

“おおおおおおおお”

“凄えカッケェ”

“相変わらず「◯ね」「◯す」の時のスイッチのガチ感怖すぎる”

“まあ、人生奪われたからな…”

 

「素晴らしい。コピーミミックは食べたモノに()()ことが出来る二つ星モンスター。その奇襲にも対応するのは流石だね。トンファーのリーチも活かした攻撃や、機転の速さも一級品だ」

 

「ハァ……ハァ……ありがとう、ございます…」

 

あれ?おかしいな、さっきよりも身体が疲れてる。心なしか、頭も少し痛い。

 

“スイッチ?”

“息切れしてどしたん”

“大丈夫かー?”

 

「うん?どうしたんだい?」

 

「いえ……何か、疲れが…」

 

“え?”

“は?あんだけ暴れ回っておいて今更?”

“疲れなんて知ってたのかこのゴリラ”

 

「……ああ、マナ枯渇症の初期症状だね」

 

「え、これがですか…?」

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