【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第60話 吸魔の墓B2・実力確認

「今更ですけど良いんですか?異性とこうやってコラボみたいな事して…」

 

「良いんです。アタシはアイドルじゃなくて、ダンジョンアタッカーですから。それに、ムーブの配信だって元々はDAGの宣伝の為で、アタシの意志じゃなかったですし」

 

「え、そうだったんですか?」

 

“知らんかった”

“あまにゃんが配信始めてからダンジョンアタッカーになったぞ”

“え、配信ってDAGからの依頼だったの?”

“何か周り暗くなった?”

 

役割を相談し、俺・あまにゃんさん・先輩という並びで進む事になった。先輩は俺の後ろに付こうとしていたけど、アドバイザーとしてこのダンジョンに挑んでいる為、戦闘に参加させられないので最後尾に回ってもらった。

というか、あまにゃんさんが近い。俺が先頭なのそんなに信用出来ません?先輩は瞳孔ガン開きで俺達を見てくるのは何でですか?怖いんですけど。

 

「あまにゃんさんって、結構ファンとかいるって聞いてるんですけど……やっぱり、DAGの人手不足って大変なんですねえ」

 

「アハハ……ファンの皆さんに『命を張って下さい』なんて言えませんからね」

 

「ファンの皆さーん。ダンジョンアタッカーになってあまにゃんさんを守ってあげて下さいねー」

 

“言われなくともなっとるわ”

“クソが。ゴリラに言われるなんてムカつく”

“二つ星の癖に調子乗んなや”

“言っとくがあまにゃん三つ星になってるからな?迷惑かけんなよマジで”

“スイッチ出番残したれよ?w”

 

俺のコメントに来ているあまにゃんさんのファンの人達に言葉を投げていると、前方に気配を感じる。続けて、あまにゃんさんも気配に気付いたのか顔が真剣なものに変わった。

 

「説明しましたけど、俺が特に狙われてるんで、俺を囮にでも使って下さい。後、あまり壁や床に身体を付かない様に」

 

「あ、最初はアタシにやらせて下さい」

 

「え?」

 

意外な提案に、少し驚く。

あ、そうか。彼女は俺を知ってたって事は、ある程度俺の実力は知ってるわけだ。でも俺は、あまにゃんさんの実力を全く知らない。

 

「なるほど。お互いの実力確認ですね」

 

「そうです。それに、アタシ一人でも十分やれそうなので」

 

“おっ”

“三つ星ダンジョンアタッカーの力見せつけよう”

“よく見とけよ二つ星君”

“実際、あまにゃんは強いからなあ”

 

「サモン・ファイアーエレメント」

 

先端が花弁の様になっており、その真ん中に魔晶が嵌め込まれた杖、ヴァルカン・ロッドを振るう。

すると()()()()()()()()()()()()()()()、炎の塊の様なコアモンスター、ファイアーエレメントが現れた。あまにゃんさんに流れる気とマナが、ファイアーエレメントと繋がるのが視える。

 

サモン・〇〇はモンスターを召喚し、一時的に従えるマジックスキル。かなりレアなスキルで、()()()()()()()()使()()()()からあまり研究もされてないスキルだった。でもまさか、こういう事だったとは……。

 

「フレアドーム」

 

杖を気配のする前方へ向けて唱える。炎が、巨大なドームと化して見えてない敵を呑み込んだ。ファイアーエレメントが、ダンジョンのマナを使用して同じマジックスキルを使用したのか、フレアドームが二重となって敵を包み込む。苦悶の呻き声が、炎の向こうから聞こえる。

 

「クラッチアンカー」

 

炎の中を無理矢理突破してきたミイラソルジャーが、横の壁から生えた錨に捕まりフレアドームへ引きずり込まれる。

 

「ーーコンプレッション」

 

フレアドームが小さく圧縮されていき、中にいたであろう敵を全て灰にしていた。敵がいなくなったのを確認し、ファイアーエレメントも消える。

 

「おー……」

 

「どうですか?」

 

強い。正直どこかで侮っている部分もあったが、訂正しなければならない。

実力もそうだが、それ以上に『1対多での戦い』に慣れている。ソーサラーがソロでダンジョンアタックに挑むのは難しい。間合いもそうだし、マナの残量や不意の遭遇戦、今は気力の確認など、考える事が多くなる。

その中で彼女は、敵が複数いる事を想定して範囲攻撃、敵が突破してくる事を予測、そしてコアを確実に破壊する為の追い討ちまで、事前に決めてあったかの様に完璧な対処をしていた。

 

伽藍堂先輩の能力が天才の完成形だとすれば、あまにゃんさんは努力の完成形、それに近いんじゃないだろうか。当然、五つ星やそれ以上のダンジョンアタッカーはもっと凄い努力をしてるんだろうけど。

 

「凄いです。あんなに強いなんて知りませんでした。マジックスキルを使った全体攻撃は、俺には出来ないから羨ましいです」

 

「ありがとうございます。エヘヘ、スイッチさんに羨ましいって思ってもらえるなんて、嬉しいです」

 

頬を赤らめて、腕を前で組む。豊満な女性的なアレが浮かんでくるのを、気合いで見ないようにする。

 

“可愛い”

“はい可愛い”

“照れ顔ナイス”

“この顔のあまにゃんが見れただけでヨシ!”

“いやスイッチには飛刃があるやろww”

“あれは本来単体にしか当たらないスキルで、スイッチが使うと周り消し飛んじゃうからさ……”

 

「実力は十分確認出来たんじゃないかな?」

 

俺達の間に入る様に、先輩が割り込んでくる。何故か先輩の周囲の空気が歪んで見えるけど、強者が放つオーラが俺にも見える様になったのか?

 

「あ、はい。そうですね。じゃあ今度は俺の番ということで」

 

「はい!お願いs「そうだね。じゃあスイッチ君、次の武器は……」」

 

「あ、先輩。次はOW無しでやらせて下さい」

 

“言葉のドッジボールやめてもろて”

“怖い怖いw”

“肉盾ぐらいにはなれよ?”

“は?素手でやんの?”

“叶たんどした?”

“肉盾は笑う”

“盾で押し潰すんですね、分かります”

 

あまにゃんさんの言葉を遮った先輩の言葉を、俺が遮る。先輩、最初はあまにゃんさんのファンかと思ってたけど、何故か対抗しようとしてるように見える……はっ!女子は確か、他者の膨らみを妬むって二次元で言ってた気がする。でもあまにゃんさんが特別大きいだけで、先輩も充分あると思いますよ?セクハラになるから言わないけど。

 

「…ああ、なるほど。確かにそうだね」

 

俺の意図を察してくれた先輩が、わざとらしいくらいに大きく頷く。そして、OWの入っているベルトポーチを俺に渡してくる。

 

「武器があったら、君の本来の実力が分からないからね。だが、まだ使ってもらってないOWもある。()()()()()()持っていてくれ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

なるほど、『貴重な物だから後で返せ』って事か。当然だよな、GWの新しい経営戦略の主力だし。壊れても自己修復するって言ってたけど、実際どうなるか分からないから大事に使わせてもらおう。

 

「じゃ、俺がこのダンジョンをどうやって分からせるか教えてあげましょうか」

 

“先輩言葉の端々が重くね?”

“草”

“でも魔晶食べたお前が悪い”

“魔晶さえ食わなきゃな…”

“あまにゃん何でバッグ漁ってんだろ”

“ギルマスに拾い食いすんなって怒られたしなww”

“叶たんとあまにゃんが見つめあってるのに、てぇてぇと思えない。何故だ”

“啖呵切ったならちゃんとやれよ”

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