【2巻発売中!】スレ主がダンジョンアタックする話   作:ゲスト047562

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第91話 vs四つ星ダンジョンアタッカー

DAGの極東本部の地下には、大きな運動場のような場所がいくつもあった。

その中の一つに、俺達はいる。

 

「ここはフィールドホール。主にダンジョンアタッカーの能力テストや、ダンジョンの仮想訓練の為に使われるんだ」

 

「へー」

 

「おいおいおい。何で伽藍堂さんに説明させてんだよ。それぐらい自分で調べろって。お前後輩としてのマナー弁えとけよ、新人の癖によお」

 

“マナー悪いのはお前定期”

“何でこいつこんなイキってんの?”

“コイツのランクは知らんが三つ星以上は割とこんな感じの奴多いんだよな”

“それな。馬鹿の一つ覚えみたいに実力主義で押し通そうとするのが多い”

“【急募】危機察知能力”

 

一々突っかかってくる為、段々と返事が投げやりになってしまっていくのを感じる。最早俺への敵意を隠そうともしないから、少しずつイライラが溜まっていく。

 

「手合わせって言っても、どうやるんですか?俺、喧嘩した事無いんですけど……」

 

“マ?”

“ウッソだろお前”

“喧嘩した事もないのにモンスターを躊躇なくボコせてたの?”

 

「だって喧嘩とかしたら親に迷惑かけるし……」

 

“お、おう”

“お前の価値観はいつも重いんだよ”

 

すると、ここまで怖いくらいに無言だった先輩が動いた。その顔は穏やかで、先程までの圧は感じない。それが尚更怖く感じる。

 

「じゃあ、私から提案しよう。攻撃側と防御側に分かれ、1分間その役割に専念し続ける。時間になったら役割を交代、それを繰り返す。但し、防御側は攻撃を回避しても良いが、指定するサークルから出てはならず、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。まずはこのサイクルを一巡し、降参宣言か戦闘不能とこちらが判断するまで行う」

 

「良いっすね!絶対攻撃当たるなら、ワンパンで終わる可能性もあるっすから」

 

“終わるのはお前なんだよなぁ…”

“先輩、意外と冷静”

“逆に怖い”

“もう何してても怖いじゃん”

“草”

 

……えーっと。つまり、ターン制バトルみたいな感じか。完全に攻撃側が有利だけど、攻撃を一度でも耐えれば良いんだし、『超耐性』のスキルを持つ俺にとってはやりやすいな。

 

「てか妹さんも、一人の新人ばっか構うの良くないっすよ。俺三年で四つ星になったんで、自分も言うのもアレっすけどめっちゃ見込みありますよ!」

 

「へえ、そうか」

 

“四つ星!!?”

“これで全体の3割しかいないクラスのダンジョンアタッカーなのかよwww”

“うっそだぁ”

“真の恐怖を知らずに来たんやろなぁ…”

“三つ星ダンジョンアタッカーワイ、ランクで負けてて普通にショック”

“先輩興味うっす!!w”

 

「吸魔の墓とか、俺がオーバードウェポン使えば攻略余裕っすから。この手合わせで見込み有りって思ったら俺にも使わせて下さい!おなっしゃす!!」

 

……あー、やけに自分を売り込むなと思ってたけど、最初からオーバードウェポン(そっち)が狙いだったのか。

吸魔の墓の配信は、多くの人が切り抜き動画を作っているらしい。とりわけ再生数が多いのが、俺がOWで無双している様子。好意的なコメントもあるが、切り抜き動画しか観ない人もいるわけで。武器の性能にモノを言わせてうんタラ的な、新人が人から貰った強い武器を使ってダンジョンアタックするのを不愉快に思う、ネガティブなコメントの方が多かったのを思い出した。悲しい。もうエゴサしません。

 

この人も恐らく、その一人なんだろうな。あわよくば、伽藍堂さん達に気に入られたいって感じか?先輩の反応見る限り駄目そうだけど。少しずつだけど、また空間が歪み始めてるんだよなぁ……。

 

「……良いだろう。()()後輩君に善戦出来ればね。スイッチ君は大丈夫かい?」

 

「あっはい。俺も大丈夫です」

 

“私の宣言ですか…”

“スイッチがルール理解出来るまで待ってたのね”

“圧が漏れてますよ”

“うーん見込み無し!w”

“喧嘩売る相手間違えてる時点でその目は節穴なんだよなぁ”

 

「では、先攻後攻を決めようか。どちらから攻撃する?」

 

「あ、先輩。俺後攻からが良いんですけど」

 

この難癖は、俺の実力を認めてもらえない事からくる嫉妬のようなものだ。だからまずやるべきは、東城にいるダンジョンアタッカーに認めてもらえる様な『結果』を見せる事。

その為に、まずは攻撃を受け切る。この人の実力は知らないが、四つ星のランクを持っている事から、力量はかなりあるのだろう。力を示すという意味では申し分ない相手だ。

 

もしこの後の俺の攻撃が通用しなくても、四つ星ダンジョンアタッカーの攻撃に耐え切ったというだけで、それなりの評価は貰えるだろう。後攻を選ぶメリットとしては、それだけで充分だ。

 

「……念の為言っておくが、これは先攻が圧倒的有利だよ?譲ってしまって良いのかい?」

 

「はい。お願いします」

 

“えー先に攻撃して終わらせたらええやん”

“伽藍堂結城がサークル用意してるの笑える。何で貴方が雑用してるんですかねw”

“スイッチがルール理解出来てないと心配する先輩可愛い”

“先輩はいつも可愛いだろ!可愛いと言え!!”

 

「意外と謙虚じゃん。別に譲っても良かったんだぜ?」

 

「いえ、大丈夫です。オークキングより強いと想定してやるんで」

 

「は?」

 

“草”

“上澄み中の上澄みにしか取れないマウントやめろwww”

“スイッチはオークキングより強いってそれ1番言われてるから”

“魔王様、己を知らない愚か者に絶望をプレゼントする”

“これは魔王の風格出てますねえ!”

 

「ではこれより、武器不可・スキル使用可、攻防分離型手合わせを開始する」

 

さあ、東城に来て初めての戦いだ。気合い入れていくか。

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