ソードマンの聖杯戦争 作:永谷
内容はFate/stay nightの第五次聖杯戦争の再構成物となっております。セイバーが金髪の可憐で凛々しい青い騎士ではありません。一応他のキャラはそのままの予定ではありますが、セイバーだけオリキャラで、オリジナルの英霊が出張ってます。 ○○SIDEとなっていない場合は基本的にセイバーじゃないセイバー視点でお送りしてます。キャラの口調とか結構適当です。ご勘弁!セイバーさんは男です♂です。イチャイチャはありません。Notベーコンレタス。冗談として用いることはあります。士郎さんには厳しめなのでご注意。
長々と失礼しました。少しでも楽しんでいただければ幸いです。
「もしやとは思うが、お前が七人目だったのかもな。
ま、だとしてもこれで終わりなんだが」
薄暗い倉庫に浮かぶ青い鎧に身を包んだ男の腕には赤い槍。
学校で俺の心臓をあっさりと冗談みたいに貫いたそれは、また同じ事を繰り返さんと動かされる。
今まで一度も見えなかったというのに、その動きはスローモーションのようだ。
この結果を俺は知っている。
学校で一度体験したのだから。
(・・・・・・ふざけてる)
一秒後に訪れるだろう世界が認められない。
こんな所で意味も無く死ぬ訳にはいかない―――何故なら俺は、助けてもらったのだ。
暗く冷たい廊下にポツンと置かれた赤い宝石を思い出す。
そう、助けてもらったのだ。なら、助けてもらったんだからこんな簡単には死ねない。
(ふざけてる)
こんな簡単に人を殺すなんてふざけてる。
こんな簡単に俺がしぬなんてふざけてる。
一日に二度も殺されるなんて、ふざけてる。
(あぁもう)
本当に何もかもふざけていて、一秒後には死が待っているというのに怯えてなんていられない。
「ふざけるな、俺は―――!」
こんなところで意味もなく、お前みたいなヤツに、殺されてやるものか―――――!!!
視界が白く染まる。
「え」
光から生まれ出るように、それは魔法のように現れた。
ガギィィン!呆けた俺の意識を戻すかのような鉄がぶつかり合う音。
光が収束する間を待たずに振り下ろされた槍を打ち砕かんと飛び出し、突然だというのに躊躇も戸惑いも何もなく機械的な正確さでそれは男へと踏み込んだ。
「―――本気か、七人目のサーヴァントだと・・・!?」
弾かれた槍を構え直す男に追撃が走る。
突然の侵入者の攻撃を受けてたたらを踏む男。
「っふ、―――!」
その隙を逃さん、とばかりに土蔵内の空気が一瞬凍った。今までの攻防はお遊びだ、と言わんばかりに不可視の域に達した何かが走る。しかし槍の男もまた人外。狭い土蔵の中でも素早く防御に移り――、
「るあああああぁぁぁ!!!!!」
カッキーーーン!
そんな清々しい音が聞こえて来そうなくらいに何かを振り切った。
壁がブチ破られる音、更に風通しが良くなった土蔵。
一仕事した、とどこか誇らしげに青い男が飛んでいった先を見上げる侵入者。
そして「そういえば」といった風にこちらを振り返る。
色素が抜け落ちた白髪。しかしそれは歳を重ねた物ではなく艶やかで、夜風に靡いている。こちらを見据える瞳は赤。意志の強そうな瞳が見極めるようにこちらを睨んでいた。長身を包むのは速さを重視した軽鎧。その手には……蔵にあった30cmばかりの鉄パイプが握られていた。
人一人吹っ飛ばすほどの衝撃を与えれば折れていてもおかしくないのに歪んですらいない。
一拍の沈黙。
厳しかった表情がユルリと人懐っこそうに、何かをねだる子供のように緩まる。
「なぁ、」
「・・・・・・な、なんだ」
「チェンジってあり?」
「は?」
なんでさ?
士郎SIDE END
「いやいやいや、ないわ、本気でないわ・・・使い魔だぞ。英霊だぞ。従者だぞ!そんな夢いっぱい憧れいっぱいの召喚で何故同性を呼ぶ!・・・・・・ぁ、お宅そういうの?」
「そういうのってなんだよ!」
「やぁー。ほら、衆道とか男色とか」
「違う!っていうかお前なんなんだよ!!」
憤慨する(恐らく凡そ多分)俺のマスター候補の赤毛の少年。
その姿はボロボロで、明らかに致死量だろう、と思われる箇所に傷を負い真っ赤に服が染まっている。更に今現在俺が居る建物…物置?内も一騒動あったことを表すかのように荒れている。
まるで人一人が出口に回るのを惜しむかのように壁をブチ破って退散した跡が微笑ましい。
「俺を呼んだのお前じゃないのか?」
「呼んでない」
「マジか。じゃぁ良いわ。さっきの発言は無かったことにしてくれ」
夜分オ邪魔シマシターと言いながら外へと続く階段を上る。
左手に令呪の兆しあったし、他にマスターらしき人物がいなかったのだから完璧あいつが俺のマスターだろう。だがしかし、俺は右も左も分からない野郎の子守りをする為に来た訳ではないのだ。
否定されたのなら仕方がない、あぁ仕方ない。縁がなかったんだ。俺は俺のやりたいようにやる!
先程吹っ飛ばしたご同業に早速狙われてるだろうし、長くはないだろうな。次のマスターを探す為に外を目指す。
……正直、あの少年からは俺が嫌いな臭いがプンプンする。
俺はクラスを名乗ってないし、奴をマスターと呼んでもいない。つまりまだ契約はなされていないというわけだ。俺はハグレサーヴァントという分類だな。
「お、おいっ?!」
躊躇う声が聞こえるがそれすら無視して階段を上りきり、鉄製の扉から外に出る。
と
「よぉ、随分と遅いお出ましじゃねぇか」
「あん?出口に回るのも惜しくて壁ブチ破って出てった奴がなんでこんなとこにいるんだ?」
「てめぇがブッ飛ばしたんだろーが!!!」
ダンダンと足を踏み鳴らして怒りを顕わにする青タイツ。その手には赤い槍が握られている―――槍兵か。っつーか沸点低いなおい。
ふと嗅ぎ慣れた臭いに別の臭いが混じっているのに気付き、正体を確かめようとくん、と鼻を鳴らす。
「ふぅん、あんた混ざりもんか」
「あぁ?」
「人間と……これは神か。半人半神ってやつか」
「よく分かったな」
「あぁ、鼻がいいんでな」
特に人間に対する嗅覚はかなり鋭いと自分でも思う。その為に作られたんだから当たり前なんだが、と考えるだけで止める。思考は冷静で、表情も体のそこから湧いてくる衝動を現していないはずだ。
――コロセコロセ
――テキダテキダ
――コロシタイコロシタイ
すぐにでも駆け出して、引き裂いて、息の根を止めたくて、そんな想像をして、実感を感じたくて手を握る。ざわざわとさざめく声を抑える為にペロリと口の端を舐める。
だが、突然目の色を変えた相手にランサーは見定めるように赤い瞳を細める。
「てめぇ…本当に英霊か?」
「失礼な奴だな。使えない目ん玉なら不要だな、よし俺が処分してやるよ」
先程蔵で拾った鉄パイプを握り直して構える。それを見た槍兵の顔が怒りに歪められる。
本当に沸点低いなこいつ。……いや、槍兵として戦う奴に対して明らかに本来の武器じゃない鉄パイプを持ってきたのがいけないのか。だが、これが俺の本来の戦い方だからなんともいえない。武器らしい武器で戦って欲しいならその槍寄越せ。
「いい度胸だな、そんなもんで俺と渡り合おうってのか」
「悪いな、こんなもんしか無かったんだ」
「てめぇセイバーだろうが、鉄パイプ振り回す剣士なんざ聞いたことねぇぞ」
「じゃぁセイバーじゃないんじゃないか?」
「ほぉ、じゃぁお前は何のクラスだってんだ?」
「セイバーだが」
「死ね」
戦闘の開始の合図は短く、そして早かった―――ちょっとからかっただけなのに。なんてユーモアがないやつだ。ブチブチと心の中で目の前の青い槍兵に不満をぶつけながら猛攻を流していく。俺の手に触れた時点で鉄パイプは宝具として成り立っている。でなきゃサーヴァントの攻撃に耐えられるはずがない。
点にしか見えない突きを同じ軌跡を描く刺突によって防ぐ。
長物を扱っているのだから懐に入ってしまえば、と思うが足を進める前に、刺突による衝撃で後退せざるを得ない状況を作り出す。一切の動きに無駄がなく、まるで全てが一連の流れのように隙がない。
「おらおらおら!どうした、さっきまでの威勢は!!」
「俺としては撤退したいところなんだが」
「ふざけんな、てめぇはここで死ね」
「あん?からかったことまだ怒ってんのか」
「殺す!」
ヒヒュ、ギャギン!
俺の首を刈り取ろうとする槍の切っ先を見切ってかわし、一気に加速する。
懐に入った所で渾身の一撃を食らわせようとするが、すぐに槍が戻ってきて額を貫かんと繰り出される。
(やべ)
僅かに後退し、胸をそらせて、それでも掠る切っ先を鉄パイプで逸らし事なきを得る。そして追撃が来る前にすぐに距離を取る。
「男前に穴が開いたらどう責任とってくれんだ」
「はっ、傷は男の勲章っていうんだろ、とっておけよ」
「断る」
ぺっと形だけで唾を吐く。
隙のない構えだが、ランサーは攻撃に移らない。十分射程であるのに、だ。
「いきなり速くなったり、強くなったり訳がわかんねぇな、テメェは」
統一しやがれ、と不満を訴えてくるランサー。
「ばっか、んな魔力の無駄遣い出来るほど余裕じゃねぇんだよこっちは」
「あぁ?魔力供給されてねぇのかよ、そこの坊主に。何だそれ、そういう修行か」
俺たちのやり取りを呆然として見ているだけでまるっきり蚊帳の外であった赤毛の少年に顎を上げる。やはりアイツがマスターだと思って、既に契約したものと思ってるのか。
ま、召喚されておいて契約しないなんてありえないからな。俺も単独行動スキルが無ければ契約せざるを得なかったわけだし。っつか俺がこいつの相手してんだから逃げろよ……自殺志願者か?
「アホか、んなマゾヒストな修行意味ねぇだろ。これ以上の成長はないんだから」
わざと制限をつけて力を増す……ってどこの漫画の話だってんだ。既に完結している存在である英霊は成長しない。一応戦闘に関する記憶は座に戻っても残るので技量は上がるかもしれんが、筋力は上がんねぇだろ。
「アイツは俺のマスターじゃねぇよ」
「は?」
「俺呼んだのあいつじゃねぇって、本人が否定してんだから契約してねぇよ」
「……お前、馬鹿なのか」
「いいんだよ、俺だってアイツはお断りだし。という訳で見逃してくれるんなら嬉しいんだが」
「馬鹿が…、お前はここで仕留めさせてもらう」
あー、やっぱりー?
******
ステータス
クラス:セイバー
マスター:不明
真名:???
性別:男性
身長体重:179cm67kg
属性:混沌・中立
能力:筋力D+耐久C敏捷D+魔力B幸運E-宝具EX
クラス別能力
耐魔力A++
A++以下の魔術は全てキャンセル。
現代の魔術師ではセイバーに傷を付けることも干渉することも不可能。
令呪の干渉もセイバー本人が許可しなければ無意味である。
保有スキル
心眼(偽)B
直感。第六感による危険回避。
魔力循環A
体内に魔力を循環させることにより魔力の無駄な消失を避け、
体内に留まる魔力の質を向上させ、魔術による攻撃を無効化させる。
その反動として魔術の使用が出来ない。
しかし魔力が生成できず、マスターからの供給もない為、
戦闘を続ける度にじわじわとだがランクは下がっていく。
これはクラス別能力の耐魔力にも影響している。
単独行動B(A)
魔力循環によりマスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる。
Aならば、マスターを失っても十日は限界可能。しかしそれも万全の状態からである。
現在は無理をして五日がせいぜい。
宝具
殺戮に武器は選ばず
ランク:A+++
種別:対人宝具
レンジ:1
最大補足:20人
手にした物に自らの宝具としての属性を与え、使用できる。
セイバーが人を殺せると思えるものなら何でも良く、
一本の針から刀までセイバーが手にして離すまでCランク相当の宝具となる。
元からそれ以上のランクに位置する宝具であれば、そのランクのままセイバーの支配下に置かれる。
しかし真名による解放は出来ない。
多くの戦場を一人で駆け抜けて来たからこその宝具である。
誤字脱字、指摘などありましたらご報告いただけると幸いです。