ヒロアカ世界に転生したテリー(DQ)の話   作:電柱ヘッドバッド

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設定面でちょっと難産でした。次回はもう少し早く更新できると思います。
あと高評価や感想を頂けると私がチピチピチャパチャパします。


III,テリーの戦闘服と戦闘訓練

 今日は初めてヒーロー基礎学の授業を受ける日だ。周りはどこかソワソワしている生徒が多く、耳郎もなんだか落ち着かないのかイヤホンジャックをくるくると指に巻き付けていた。

 

「わーたーしー――が!!! 普通にドアから来た!! HAHAHAHA!!」

 

 午後の授業の時間になると、そう言って教室のドアを開けるオールマイト。これにクラスの皆はとても盛り上がっている。

 

「すげぇ! 本当にオールマイトだ!」

銀時代(シルバーエイジ)のコスチューム来てるけど、本当に教師やってるんだ!?」

「…あれが現代日本の最強……」

 

 俺は思わず声が出てしまう。近くにいた耳郎はその声に反応した。

 

「ん、蒼閃どうかした?」

「いや、なんでもない」

 

 そう誤魔化し、オールマイトの話を聞くことに集中した。

 

「早速行くぞ、“ヒーロー基礎学”!! ヒーローに必要な知識を教えるぞ!! あっ単位多いから気を付けて!」

 

 こんな言葉を聞き、A組の面子は全員待ちきれないと言った様子だ。

 

「今日は早速やるぞ! 戦闘訓練!! 更に入学前に貰った個性届と要望に沿って作られた戦闘服!!」

 

 そう言ってオールマイトは綺麗に格納されたヒーロースーツを手渡してくれる。

 

「さぁ! 着替えてグラウンド・βに集合だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ、やはりこれの方が俺らしいな」

 

 俺のヒーロースーツ。それは前世で勇者たちと旅をしていた際にも着ていた、蒼色の装束にライトアーマーというもの。だがあの時と全く同じというわけではなく装束はとても頑丈で燃えない布、ライトアーマーはさらに軽くなり無駄が省かれている。

 俺の戦闘スタイルからすると多機能なものは使いづらいだろう。だからそれを踏まえてとても簡素で高性能なヒーロースーツになったのだろう。

 

「蒼閃のめっちゃ似合ってんじゃん…!」

 

 声をかけられ、そちらを見るとヒーロースーツを身に纏った耳郎が居た。

 

「耳郎も良く似合っているじゃないか。足のそれは…スピーカーか?」

「うん、プラグを指すとウチの心音を爆音の衝撃波にして攻撃できるやつ」

「いいんじゃないか? 恐らくこれからもっと改良していくと思うが、見た目も性能も耳郎にピッタリだな」

 

 なんて会話をしているとオールマイトが既に到着しており、こう話し出した。

 

「さぁ!! 有精卵共!! 戦闘訓練の時間だ!! 内容は“屋内の対人戦闘”さ!」

 

 屋内の対人戦闘、それは生徒を2人組にし、ヒーロー側と(ヴィラン)側に分かれ模擬戦闘をするといったもの。

 

 ヒーロー側は制限時間内に『核兵器』確保。又は(ヴィラン)を全員を確保することで勝利となる。

 (ヴィラン)側は制限時間内まで『核兵器』守護。又はヒーローを全員を確保すれば勝利だ。

 

 そして2人組をつくる方法はくじ引きらしい。俺の番が周ってきたため、一つくじを指で摘まむ。

 

「『I』だな」

「あっ私と一緒ー! よろしくね!」

 

 俺のペアになったのは葉隠透、透明になる個性を持った女子だ。葉隠は手袋とブーツだけを着用している。これが意味することは、単純明快。

 

「すまない、葉隠。あまりそっちを見ないようにする」

「えっ? あ、うん! できればそうして欲しいかな…///」

 

 俺には見えないが葉隠は照れているようだった。

 

「相手は確か轟と障子ってやつだな。あいつ等の個性は確か氷と腕を増やすものだったはずだ」

「障子くんの個性は腕の先から目とか口を作れてたよ! 索敵とかできちゃうのかも!」

 

 なるほど、つまり障子は直接的なパワータイプではないということか。なら轟の個性の火力で押し切ろうとするはず、ならば―――

 

「来い、ひくいどり」

 

 俺が今呼び出したのはひくいどり、そいつは火喰い鳥の名が示すように紅蓮の羽根を持ち、炎を食べて生きるとされる炎の扱いに長けた魔物だ。轟の個性にぶつけるには適任だろう。

 

「わぁ! かわいい鳥さん!」

「あまり近づきすぎると火を吹かれるぞ。そいつはメスだから同じメスに対する敵対心が強いんだ」

 

 そう言うと葉隠は悲鳴に近い声を上げ俺の後ろに隠れた。

 

「そろそろ戦闘訓練開始だ。作戦を伝えるぞ―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 作戦を伝え終わった後、既に始まっていた第一回戦、緑谷・麗日ペアVS爆豪・飯田ペアの戦いを見ていた。そしてそれはもう壮絶だった。勝ったはずの緑谷・麗日ペアがボロボロで、爆豪・飯田ペアがほぼ無傷という結果になり、緑谷に至っては腕をぶっ壊している。

 

「…緑谷……」

「うーん、多分色々覚悟してやったんじゃないかなぁ?」

 

 その葉隠の一言に、俺は少し驚かされる。だが考えればわかることだ。緑谷は自分の腕を犠牲にする事でしか勝ち筋を見出せなかった、という残酷な結果が。

 俺はその事実に心をかき乱され、気が付けばビルの中で訓練開始の時刻になっていた。

 

 

 

――――戦闘訓練開始。

 

 戦闘訓練が始まり少し経った時、轟はビル全体を凍らせた。これは推測通りでひくいどりに核に当たらないように弱い炎を吐かせ、俺と葉隠は足場を確保した。

 そこから少しすると、コツコツと音が聞こえる。恐らく轟がビルに入ってきたのだろう。そしてその足音はどんどん大きくなってくる。

 

「やっぱりお前なら炎を使うやつも呼び出せるよな…!!」

「ひくいどり、かえんのいきだ!!」

 

 轟がこのフロアに入ってきた瞬間に、俺はひくいどりに命令する。だが轟はこの攻撃を横に飛び避け、次の攻撃を準備している。

 

「でてこい、ゴーレム!――ドランゴ!!」

 

 俺は轟が攻撃することを先読みし、轟と俺の間にゴーレムという魔物を呼び出した。こいつは体全体が岩でできている2mを超えるほどの巨人であり、氷にも耐性があるため壁役になってくれる。

 

 そしてドランゴ。こいつの正式な個体名はバトルレックスだ。なぜ個体名と違う名で呼んでいるかというとドランゴは"特別な魔物"だからだ。

 俺はこの2体を呼び出した瞬間、その部屋を飛び出す。

 

「クソ…! なんだこの巨人!」

 

 轟は自身の氷が防がれたことに驚き、視野が狭くなっている。そしてドランゴは懐に潜り込むところまで見えたので、あっちは心配ないだろう。ドランゴが轟を倒し、捕縛用テープを巻いてくれるはずだ。

 

 俺はどこへ向かっているのか。それは一番下の階である。一番下の階では葉隠が障子と対峙しており、葉隠は苦戦しているようだった。ならばこそ、先の作戦が役に立つ。

 

「葉隠! 今だ!」

「わかった!―――えいっ!」

「なっ―なにを!?」

 

 俺が声をあげると、葉隠は全速力で障子に向かって走り、そして抱き着き、拘束しにいった。

 そして俺はひくいどりの呼び出しを解除し、ある魔物を新しく呼び出す。

 

「来い、ホークブリザード! 速攻ラリホーをしろ!」

 

 ホークブリザード、それはひくいどりの炎の部分を氷に置き換えた対のような存在だ。そしてラリホーとは相手を眠らせる呪文。

 ラリホーが障子にかかり、障子はぐっすりと眠っている。葉隠は急げ急げと捕縛用テープを巻いた。

 

「よし! これで障子くんは大丈夫だけど、轟くんの方は?」

 

 葉隠は少し心配そうに聞いてくる。見えはしないがそんな感じがする。

 

「安心しな、試験はもう終わる。俺はドランゴを信用しているからな」

 

 その言葉通り、その後すぐ試験は終了となった。結果は勿論俺と葉隠の『I』チームの勝利に終わった。

 

 

「やったぁ! 勝ったよ蒼閃くん!」

「ああ、葉隠の拘束のおかげさ」

 

 そう言うと、葉隠はぶんぶんと音をたてて否定する。実際葉隠の拘束がなければ、当たる確率は五分五分といったところだった。それをグンと上げれた葉隠の功績はかなりでかいのだが…。

 

「蒼閃くんのおかげで勝ったのー!!」

 

 これの一点張りだ。

 

『さぁ、4人ともモニタールームに戻ってきてくれ。講評の時間だ!』

 

 そうオールマイトから声がかかり、俺たち4人はモニタールームに移動する。

 

 

 

 

 

 

「今回のベストはぁぁぁ!! 蒼閃少年!! なぜだか分かる人!!」

 

 オールマイトの問に対して手を上げ意見するのは八百万。

 

「はい! まず、蒼閃さんはこの訓練で完璧と言ってもいい動きだったと思います。最初に核が反応しない程度の炎を扱える魔物で轟さんが出した氷を溶かし、その後の戦闘のために出した2体の魔物の選出も素晴らしいものだったと思います。そしてペアである葉隠さんが障子さんに苦戦すると読み、あらかじめ立てておいた作戦で相手を即行動不能にする。正に私たち生徒が見習うべきものかと」

 

 そんな八百万の意見にオールマイトすらもなにも言えなかった。

 

 そしてその後、他の生徒を観戦していると俺に声をかけてくる生徒がいた。

 

「なぁお前、蒼閃って言ったっけ? 個性把握テストの時も思ったけど、お前強えぇな!」

 

 俺に声をかけてくるのは赤い髪の硬化する個性の生徒。

 

「ありがたいが、俺はまだまださ。えっと――」

「俺の名前か? 俺は切島鋭児郎だ! お前漢気あんなぁ!」

 

 漢気…? 俺にはよくわからないが、きっと切島にとっては大事なことなんだろう。

 

 その後も戦闘訓練を見ていたが、緑谷以上のインパクトはなかった。

 

 

 

「なあ! 放課後は皆で訓練の反省会しねぇか?」

「あ、それいいじゃん! やろうやろう!」

「お、いいな。参加するぜ」

「あ、俺も」

 

 クラスでは戦闘訓練の反省会をするという話が広まっている。

 

「蒼閃も来るよな?」

「いや、悪いが俺は今日この後予定があるんだ」

「予定?」

 

 今日は()()()と訓練する予定がある。

 

「ああ、プロヒーローのミルコと訓練の予定なんだ。だから悪いが今日は一足先に帰らせてもらう」

 

『えええええええええ!?』

 

 俺は唐突な大声に思わず耳を塞いでしまう。

 

「お前ミルコってあのミルコかよ!? もうすぐビルボードチャートでトップ10入りするんじゃないかって言われてる!?」

「ああ、ラビットヒーローミルコのことだな」

 

 そう言うとまた騒がしくなる。

 

「トップヒーローと知り合いなのか…それならあの強さも納得だな…」

「知り合いって言うか、家が隣なんだ」

 

 その後の反応はわざわざ言わなくてもわかるだろう。質問攻めの嵐だ。

 

 俺はなんとか抜け出し、帰路についた。

 

 

 




ドランゴの出番少なくてごめんなさい、次回ちゃんと出てくるのでご安心を。
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