ヒロアカ世界に転生したテリー(DQ)の話 作:電柱ヘッドバッド
俺は帰宅後、とある人と訓練をする約束をしていたので訓練用の敷地に行く。
「おぉ、やっと来たか剣ィ!!」
その相手こそプロヒーローミルコこと兎山ルミだ。何故俺がルミと知り合って訓練までしているかと言うと、昔の話になる。
あれは俺が12歳頃の話だ。家の隣がずっと空き地だったが、引っ越してきて家を建てた人がいた。
話の筋でわかるかも知れないが、その人こそルミだ。俺はプロヒーロー志望であることを伝えると、当時若手で今ほど有名ではなかったルミは自分がプロヒーローであることを告げてくれた。
そして個性の訓練に付き合ってくれるという話になり、俺の訓練に付き合ってもらってる際、こんなことをルミは言ってきた。
『お前の個性の魔物、だっけか? それと戦わせてくれェ!!』
なんて目をギラギラ輝かせながら言ってくるから、思わず許可してしまった。当時は今ほど強い魔物もおらず、強いて言うならドランゴくらいだったため、ほとんどドランゴと1対1で戦っていたな。
「ルミ、俺は学校帰りなんだ。遅くなるのも当たり前じゃないか?」
「あぁ!? いいから早く
なんていいながらルミは戦闘態勢になるので、俺は思わず構えてしまう。
「ドランゴ、来い!」
俺はドランゴを呼び出し、兵士の剣を取り出す。
「よし、行くぜェッ!!――
ルミはそう叫びながら高速で蹴りを繰り出してくる。俺はそれを何とか避け、体制を立て直す。
「っクソ、本当に速いな」
「ハハ!! まだまだ行くぞッ!!!」
そう言った瞬間、ルミは高く跳び、こちらに向かってくる。
「
空中で開脚し、回転しながらこっちに向かってくるルミ。だが俺はその技の対策を事前に考えていた。
俺は地面に兵士の剣を突き立て、その剣の柄頭の部分を蹴り、ミルコよりも高い場所に飛ぶ。そして俺は空中でメタルキングの剣を出す。
「オラァッ!!!」
勿論ミルコは俺にかなりの力で蹴りを入れてくる。だからそれに耐えられる剣を取り出す。そうすれば後手には回るが確実にこっちの間合いになる。
「次はこっちの番だッ!! はやぶさぎり!!」
俺はまた兵士の剣を出し、それで一気に切りつける。だがミルコは刃物の相手をするのにも慣れていて、余裕をもって避けられる。
「ギルルルル!!」
そしてドランゴもミルコの背後から斧を振り下ろすが、そちらも避けられている。
「テリー…連携しないと…当たらない……」
「ああ、分かってる。俺が隙をつくるからそこに叩き込んでくれ」
「ギルル…ン…。わかった…」
今の会話でわかるだろうが、ドランゴは言葉を話す。これはかなり上位の魔物でなければできないことだ。ドランゴの種族はバトルレックス、そこそこの強さはあるがとても喋れるような魔物ではない。
それにドランゴはなぜか前の世界の記憶があり、俺のことを変わらず慕ってくれている。これが"特別な魔物"と俺が呼ぶ理由だ。
結局、その後もミルコに圧倒され俺もドランゴも疲労困憊になったところで終わった。
「あー楽しかった。剣ィ、メシ行こうぜ」
「悪いが母さんが晩御飯を作ってくれているし、今度にさせてもらう」
「じゃあ私も行くか!! 美鈴さんのメシ久々だなぁ」
なんかしれっとついてきたが、母さんはお人好しなのでどうせ許可するだろう。
そして家に着き、リビングに行くと母さんがおかえり、と迎えてくれた。
「あら、ルミさん。いつも剣がお世話になってるわね」
「よう美鈴さん。晩飯食べてってもいいか?」
「いいですよ。私は夕飯を作ってくるので寛いでいてください」
案の定その通りだった。その後、晩御飯をルミと母さんと食べながら雄英の事なんかを話していた。
「雄英か、私は行ってねぇからわかんねぇな」
「そういやルミは地元のヒーロー科だったか?」
「あぁ、広島のな。雄英ほどじゃねーが結構ちゃんとした設備だったぜ」
箸を止めそう言うルミはなんだか思い出に浸っているように見えた。やはりプロヒーローでも学生時代が懐かしくなったりするものなんだな。
「しっかし、剣お前成長したなァ! 今日のはちょっとアブないかと思ったぜ」
「そうか? それにしては余裕そうに見えたが」
「ヒーローってのはポーカーフェイスも大事なんだよ。
ふむ。勉強になることばかりだな。
「ご馳走様でした。相変わらず旨かったぜ美鈴さん」
「それはよかったですわ。いつも剣がお世話になってるんですから、これくらいはしませんと」
「ハハハッ! そりゃありがてェ!」
なんだか二人が仲良くなっているのは気のせいだろうか。
▽
「すみません、教師としてのオールマイトはどんな感じですか?」
送迎の車から出ると、そんなことを聞いてくる記者がいた。
「フッ、少なくともこんな場所で人様に迷惑をかけるお前らよりかマシだろうな」
そう言うと記者の中から怒号のような声が飛んでくる。そんな声を無視し、校舎に入った。
「おはよう、蒼閃ちゃん」
教室に入った時に話しかけてきたのは個性が蛙の女子だった。確か名前は――
「えと、蛙吹…だったか?」
「うん、蛙吹梅雨よ。私の事は梅雨ちゃんって呼んで」
「そ、そうか…」
なかなか男子には呼びづらいものがあるな…。
「それにしても、今日の報道陣の数は凄いわね。しばらくの間、登下校時はこんな感じかも知れないわ」
「ああ、俺は大して驚かなかったが、緑谷のように気が小さいやつは苦労しそうだな」
「でも緑谷ちゃんもプロヒーローになったら沢山のインタビューを受ける事になるのだから、今のうちにメディアに慣れておくのも悪くない手だと思うわ、ケロ」
「荒療治だな…」
なんて会話をしていると、相澤が教室に入ってきたようでホームルームを始める。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。VTRと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみたいなマネするな。緑谷、個性の制御が出来ないから仕方ないじゃ通さねえぞ。俺は同じ事言うのが嫌いだ。個性の制御さえ出来ればやれる事は多い。焦れよ緑谷」
ホームルームから苦言を呈する相澤。緑谷はきちんと受け止め、前を向いているからいいが心が折れてしまう生徒も中には居そうなものだが…。まぁ、それは単にヒーローが向いていなかったというだけなのだろう。
「急で悪いが、今日は君らに学級委員長を決めてもらう」
(((学校っぽいの来たー!)))
クラスメイト全員が安堵し、心の中でそう呟くのが聞こえた。そして委員長に立候補する生徒がほとんどで立候補の嵐になっていた。
だが俺は興味がないので魔物との連携のことを考えながら目を瞑っていた。
そして気が付くと投票の時間になっていたので俺は真面目そうな眼鏡の生徒に票を入れ、また先と変わらず目を瞑った。
▽
時は流れ昼休み。俺は母さんが作ってくれた弁当を出す。
「蒼閃その弁当なに!?」
「なにって…弁当じゃないか?」
「いやそれお重じゃん!? しかもめっちゃ豪華だし!?」
いつも母さんはお重に弁当を入れてくれるため、特に気にしてはいなかったが変わったことなのか。
なんて考えていると教室のドアを開く生徒が一人。
「剣! 一緒にご飯食べようよ!」
「一佳か。構わないが…場所はここでいいか? もう弁当を開けてしまったからな」
「全然大丈夫だよ。前の席借りてもいい?」
「ああ、そいつは今いないから大丈夫だ」
なんて会話をしていると、クラスに居た連中がポカーンとした顔で口をあんぐり開けている。
「「「誰!?」」」
「私はB組の拳藤一佳。剣とは同じ中学なんだ」
「同じ中学…」
耳郎がなんだか考えるようにして俯いてしまった。なにか同じ中学っていうことに思うところがあるのか?
「ねぇ、蒼閃。ウチも一緒に食べてもいい…?」
耳郎がひっそりと近づいて、少し恥ずかしそうにそう言ってきた。
「ああ、席なら隣の緑谷の場所が空いてるから借りればいいんじゃないか?」
「うん、そうする」
そう言って三人で弁当を食べ、談笑している。
「そういやB組ってもう委員長決めした?」
「うん。私が委員長になったよ!」
「一佳なら委員長をやりたがるだろうな、と思っていたがまさか本当にそうなるとはな」
「えっへん、すごいでしょ?」
なんて手を腰にあて、胸を張りながらそう言ってくる一佳。そしてなぜかそれを恨めしそうに見ている耳郎。
その瞬間、警報が作動しアラームが鳴る。
『セキュリティー3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難して下さい』
「ななな、なんだ!?」
「け、警報!?」
クラスにいる奴らは若干パニックになっている。恐らくクラス外、この学校中がそうなっていることだろう。
「落ち着けよ、お前ら。ここには何十人ものプロヒーローが居て、プロに近い上級生もいる。そんななかでヴィランが何かできると思うか?」
そう言うと教室は静かになり、落ち着きを取り戻していた。
「確かに。寧ろ雄英に入ってくるヴィランってバカなんじゃない?」
「剣やるね! やっぱり委員長やれば?」
「俺は興味ないんだ。やりたい奴がやればいい」
なんて会話をしていると、あす…つ、梅雨ちゃんが窓の外を見てこう言った。
「あら? ねぇ皆、窓の外を見てちょうだい。アレただのマスコミよ」
その言葉通り、窓の外を見てみるとただのマスコミで、ヴィランなんてどこにもいなかった。
「チッ、つまんねーな!! っていうか青色野郎!! ずっと思ってたけど俺より目立ってんじゃねーぞ!!」
青色野郎とは俺のことなのか…?
「…?」
「とぼけてんじゃねーぞこの野郎!!」
よくわからなかったがトイレに行くため教室の外に出ると、その声は廊下にまで響いていた。
ミルコとの訓練はかなーり気合いを入れて書いたのですが読みにくかったら教えてください。
あと3人目のヒロインはミルコです。