ヒロアカ世界に転生したテリー(DQ)の話 作:電柱ヘッドバッド
俺は力をつける。もう後悔しないために。誰も傷つかないために。だからそのために俺は―――
「母さん、ちょっとお願いがあるんだ」
「…なんですか?」
母さんは少し身構えて聞き返してくる。恐らくUSJの事で俺のことを心配しているからこその行動だろう。
「どれだけ時間がかかるかわからないけど、強い魔物をスカウトしたいんだ。今よりもずっと強い、ドランゴと同格の」
「…わかりました。休む場合、学校には私から連絡しておきますね」
「ありがとう、母さん」
母さんは俺が訓練場に行く際、頑張ってと応援してくれた。俺はまだ力が足りない。母さんや周りの人を守るために。
▽
俺のスカウトのやり方としては2パターンある。まず魔物の名前を憶えており、その名前で呼び出すパターン。そして2つ目は条件を絞って呼び出すパターンだ。例えば炎を扱う、だとかドラゴン、だとかそういったものだ。
今回は2つ目、条件に合った魔物を呼び出すパターンでスカウトする。その条件、それは――
「俺の右腕、左腕となってくれる実力のある魔物…」
そう言うと二つの影が現れ、その姿が見えるようになる。
「貴方が私を助けてくれたのかしら? あら、イイ男じゃない♡」
「…ここは…。ほう、人間が私を呼び出したのか」
一人は魔女のような恰好をした女性。もう一人は猫のような耳の生えた褐色肌の女性。
「ああ、二人とも俺に力を貸してほしい。俺には二度と失いたくない、守りたいものがあるんだ」
「私はいいわよ。ところで貴方はなんて名前なのかしら?」
「俺の名前は剣。――蒼閃剣だ」
そう言うと魔女のような恰好をした女性はこちらに寄ってきて、こう言った。
「うふふ、近くで見るとさらにイイ男ね。私はリーズレット。魔女よ」
そんな会話をしていると、もう一人の女性がこちらを見てこう言ってきた。
「蒼閃剣、私はまだお前を認めていない。その力を証明してみせろ」
「ああ、そう来ると思っていた。リーズレットは戦う気がないなら少し下がっていてくれ」
「はーい♡」
こうして俺の1日に渡る長いスカウトアタックは始まった。
猫のような耳の生えた女性はヴェーラと言うらしい。どこかで見た覚えがあったが、どこだったか…。
なんて考えながら戦い、俺は成長しているのが自覚できる。いつもより剣が軽く、そして鋭く感じられた。
「ハァ…ハァ…なかなかやりますね、蒼閃剣」
「そっちこそな。正直俺もここまで苦戦するとは思っていなかった。だがだからこそ仲間になってほしいと言うものさ」
この時既に10時間は打ち合っており、両者ともに疲弊していた。そして次の一撃で終わる――。何故かその確信があった。
そして勝負が終わった後、立っていたのは俺だった。その際立っているのもやっとだったが、スライムベホマズンを出してヴェーラ共々回復してもらった。
「――蒼閃剣、いや我が主。これからは貴方の片腕となり、忠誠を誓うことを約束します」
「そうか、これからよろしくな」
「ねぇ、貴方様ー。ちょっと長すぎない? いつまでその女とイチャイチャしてるのよ」
勝負を端から見ていたリーズレットは文句を垂れていた。確かに見ているだけで11時間程放置していたのは悪かったな。
「悪かったな、だが一旦ご飯にしよう。かなり上出来な物になるからそれで許してくれないか?」
「そのご飯次第ね! 美味しかったら許すわ」
「おいリーズレット、その口の利き方はよせ。主様に失礼だと思わないのか?」
「知らないわ。私は貴方様の伴侶になるもの♡」
知らない間に伴侶にされているが、そんな気は毛頭ない。
そしてリビングに戻ると、変わらない笑顔で母さんは出迎えてくれた。
「おかえりなさい、剣。――あら? そちらのお二人方は?」
「こっちがリーズレットでこっちがヴェーラ。どっちもドランゴ程の強さのある魔物さ」
「そうですか。今お昼ご飯を用意しますね」
その後、昼食を取った際にリーズレットはとても喜び、美味しかったそうなので許してもらえた。
「それで剣、明日からは学校に行くのですか?」
「いや、もう1日だけ休みたい。今日と明日で"俺の"訓練をする」
今までのはあくまで個性を伸ばすのに近い。だが俺の訓練。それは剣の訓練と言うこと。
「そういえば貴方様、貴方様の身体によくわからない枷になってる呪いがあるわよ」
唐突に、リーズレットはそんなことを言ってきた。
「枷?」
「ええ。身体能力を抑えるものみたいだけど…これって必要なの?」
「いや、要らないしそんなものの存在は知らなかったんだが…」
「じゃあ取っちゃうわね、ちょっとジッとしてて」
そう言って俺に手をかざし、何かを唱えるリーズレット。俺の意識はそこでパタッと途切れた。
▽
「――よう。二日も休んで悪かったな」
俺がそう言うと、皆はとても驚いた顔と共に嬉しそうな表情をする。いつも学校に来ていた奴が2日休んだだけでここまで心配してくれるとは、情に厚いヤツらだな。
「ここが貴方様の学校なの? 案外普通ね」
話を聞くと、リーズレットを呼び出す前は本の中に幽閉されていたみたいでそこから解放された恩を感じたためすぐ仲間になってくれたようだ。
「失礼だろリーズレット。私たちは許しをもらってここに来ているんだから」
ヴェーラは黒い髪に黄色のレオタードを着ていて露出が激しい。そして何か見覚えのあったヴェーラの事を思い出したのだが、俺が前の世界で幼い頃、モンスターマスターとして彼女と戦った記憶があったのだが、彼女はそれを覚えていないようだった。
何故魔物を出しっぱなしにしているかと言うと、ただ単に個性の強化のためだ。俺の個性は魔物を呼び出す。そしてその魔物には自我がある。だから魔物との親交を深めるのが一番の個性伸ばしになるのだ。
もちろん無許可でしているわけではない。雄英の敷地なら構わないと校長に直談判し許可をもらったのだ。
「ななななな、なんだよ蒼閃そのスケベな美女はよぉ!!!!」
峰田が俺に詰め寄り、大声を上げる。
「何って、魔物だが。入学から散々見てきただろ?」
「いや今までちゃんとした人型の魔物なんていなかったじゃねぇかよぉ!!!」
そう言う峰田は鼻からぼたぼたと血を出している。こいつはほんと…。
「って言うか蒼閃くん! もう平気なの?」
緑谷が心配そうにこちらに聞いてくる。平気って何のことだ?
「平気? 平気って何のことだ?」
「え? USJの事で休んでたんじゃないの?」
「いや、俺が休んでいたのは訓練に没頭するためだぞ?」
「「ええええええ!?」」
俺は思わず耳を塞いでしまった。急に大声出すなよ。
「もう! 心配したじゃん!」
「悪いな耳郎。そこまで心配されると思わなかった」
「貴方様って慕われてるのね。さすが私の見込んだオトコ♡」
ゾゾっと背筋に寒気がした。話を聞く限りリーズレットは1000歳を超えているそうなんだが…。
「やめないかリーズレット。主様が困っていらっしゃるだろ」
ヴェーラがリーズレットを止めてくれる。正直すごく助かるな。
そんなことを思っていると、相澤が教室に入ってき、HRが始まった。
そしてHRでは俺が連れ歩く魔物を紹介しろと言われた。まぁこいつらのためにもなるしいいだろう。
「こっちはリーズレット。氷の魔法の扱いに関しては魔物の中でもトップクラスだ。そしてこっちはヴェーラ。俺より速く動く斧の使い手だ。二人とも魔物だが知性がしっかりしていて会話もできる。個性伸ばしのために出せるときはずっと出しておくつもりだから、気が向いたら話してやってくれ」
そう言うとクラスの連中は質問攻めにしてくる。それに答えるだけでHRは終わってしまった。
「体育祭? 何よそれ」
「国を挙げてのでかい催し物だ。種目はランダムだが、まぁ兎に角この学校で学年別に一番強いやつを決めるものってことだ」
休み時間になり、雄英体育祭についてのことを相澤に聞いた。なんでも襲撃された今だからこそ開くのがベストなんだと。そして今は体育祭に疑問を持ったリーズレットの質問に答えているところだ。
「面白そうね。それって私たちも出られるの?」
「一選手としては無理かもしれないが、俺の個性としてなら可能だと思う」
「どうせ私は貴方様以外の味方はしないからそれでいいわ。ヴェーラはどうするの?」
「もちろん私も主様に力を貸そう。私は主様の剣技に魅入られ仲間になったのだからな」
枷を取って初めて剣を振るった際、自分の力がとてつもないものになっているとわかった。恐らくこの世界で培った分と、前の世界で培った分が足し算どころか掛け算になって吸収されいているのだ。確かにこれを幼い頃に持っていたら、抑えきれずに暴走していたかもしれないな。
そして残りの時間はあっという間に過ぎ、すぐに体育祭当日となった。
この両腕ポジのキャラめちゃくちゃ悩みました。最初はグレイツェルにしようと思ったんですけど、救済されて人間に戻ってるのでやめました。
あとジュリアンテもいいかな、と思ったんですけど鞭使いはミッナイ先生とキャラ被りしそうなのでこちらもやめました。
好きなキャラ出せないのって辛いね…;;