ヒロアカ世界に転生したテリー(DQ)の話 作:電柱ヘッドバッド
VIII,テリーの雄英体育祭と第一種目
今日は雄英体育祭当日、出場する者たちはそれぞれのクラス毎に分けられた部屋に行き、選手入場の時を待っていた。
「コスチューム着たかったなー」
「公平を期す為、着用不可なんだよ」
この体育祭はコスチューム使用不可。それに対して芦戸が愚痴をこぼしている。
「蒼閃、調子どんな感じ?」
「耳郎か。万全だとは思うが、気は抜かないさ」
俺がそう言うと、耳郎はそっか、と言って微笑んでくれた。
「そろそろ入場だ! 準備は良いかい!」
飯田のそんな声に応えるかのように深呼吸をして席を立つと、驚くべき人物に話しかけられた。
「蒼閃、お前には負けねぇ…!」
俺は轟が話しかけてくるとは思わず、少し驚いた後こう言った。
「今度も、負けないさ」
その声に、クラスの皆は息を巻いているようだった。
「クラスのNo.2がNo.1に宣戦布告かよ…!?」
そして轟は続けるようにこう言った。
「緑谷――客観的に見ても、実力は俺の方が上だと思う。けどお前、オールマイトに目ぇかけられてるよな。別にそこ詮索するつもりはねぇが──お前にも勝つぞ」
「おいおい急に喧嘩腰でどうした!? 直前にやめろって」
切島は、轟と緑谷の間に入りクッションのような役割になろうとしている。そんな切島に轟はさらにこう言った。
「仲良しごっこじゃねぇんだ。別にいいだろ」
轟は切島の手を払い、覚悟を決めたような顔で離れていく。そんな中、緑谷は――
「轟くんが何を思って僕に勝つって言ってるのかはわかんないけど……そりゃ君の方が上だよ。実力なんて……大半の人に敵わないと思う」
緑谷は弱々しくそう言い始めた。それを切島は止めようとしてくれるが、緑谷はそのままこう言った。
「でもみんな……本気でトップを狙ってるんだ。最高のヒーローに、遅れをとるわけにはいかないんだ……! ───僕も本気で獲りに行く!」
ああ、やはりこいつは弱くなんてない。――誰よりもヒーローを目指し、それでも
そして俺は緑谷と顔を合わせ、頷くと緑谷は少し照れ臭そうにしていた。
▽
『雄英体育祭!ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル! どうせテメーらアレだろ、こいつらだろ!? ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!―――』
入場する前から、会場のボルテージはかなり上がっている。そしてプレゼント・マイクの次の一言の後、俺たちは入場する。
『ヒーロー科!1年A組だろぉぉ!!?』
俺たち1-Aが入場し一歩、一歩と歩くとその度に歓声が大きくなっていく気がする。これが現実のことなのか、プレッシャーからくるものなのかはわからない。
横を見てみると、スタジアムは満席になっており雄英体育祭の規模のでかさを再三感じさせる。
そして他の科の生徒も入場し終わり、1年生が全員並び終わると18禁ヒーロー、ミッドナイトが鞭を鳴らしながら壇上に上がった。
「選手代表!1年A組、蒼閃剣!」
俺は列を抜け、宣誓台に向かって歩き出す。
「剣、頑張ってね」
一佳の隣を通った際、こんなことを言ってきた。一応、敵になるんだがな…。
そして宣誓台に乗ると、言おうと思っていたことがどうでもよくなり自分の言葉でこの意思を伝えたくなった。
「――USJの件で、俺は自分の中にある未熟さを痛感して、無力感と情けなさをこれでもかと味わった。」
そう言うと、会場は静寂に包まれる。
「だからUSJから今日まで、死ぬ気で努力してきた。――今までの自分をぶっ壊して、新しい自分を創り替え続けた俺の日々は必ず負けない。」
これは比喩でもなんでもなく、本当に死にかけた日もあった。そしてだんだんと会場のボルテージが先と変わらないくらい――いや、先よりも上がっているかも知れない。
「だから俺に挑む者はヒーロー科も普通科も全員――かかってこい」
俺がそう振り返りながら言うと、皆の顔が良く見える。
覚悟を決めた者。
盛り上がっている者。
楽しそうに笑っている者。
会場の熱気に気圧されている者。
正に十人十色の反応だと言える。そんな中、耳郎は俺に微笑みながらサムズアップしてくれた。
――第一種目、障害物競争。
『計11クラスでの総当たりレースよ! コースはこのスタジアムの外周、約4km! 我が校は自由さが売り文句! コースさえ守れば何をしたって構わないわ! さあさあ、位置につきまくりなさい!』
ミッドナイトがそんな号令を飛ばしている中、俺はある魔物を呼び出す。
「はねスライム、俺にピオリムを」
そして動きが速くなっているのを確認すると、もうスタートシグナルの明かりが一つ消えていた。
俺はまた少し、強くなった。それをこの日本中に知らしめて、さらなる強者を呼んでやる。
また一つ消え、そして最後の明かりが消えた――
『スタート!!』
俺は開幕猛スピードで走り、一気に一位に飛び出る。後ろを確認すると、轟がゲートの辺りを広く凍らせて多くの生徒を足止めしていた。
『さぁ! スタートダッシュで先頭に立ったのはA組の轟…じゃない!? 蒼閃だ!! 速すぎて見えなかったぜ!!』
そしてこんな実況が聞こえてくる。それを聞いて多くの観客が歓声を上げている。
「クソッ、他のやつらに気を取られ過ぎた…!」
「――待てや青色野郎ッ!!!」
追走してくるのは轟、その少し後ろから爆豪も追いかけてきている。
『っておいおい!! もう最初の障害物かッ!? 速ぇなあ!!』
俺の視界の前には仮想
そして俺はこの障壁を突破するために魔物を呼び出す。
「――来い、ヴェーラ、ドランゴ!!」
『おいおい! なんか強そうな姉ちゃんとドラゴンが出てきたぜ!! イレイザー、こいつらは何ができるんだ?』
『こいつらは二人とも斧で攻撃する攻撃特化の魔物だ。恐らく蒼閃が減速しないために周囲の
「二人とも、あの機械をぶっ壊してきてくれ。なにをやっても構わない」
「分かりました主様、このヴェーラに任せてください」
「ギルル…ン。でかいの…テリーの邪魔しないで…!」
そして二人はそう言ったあと前に飛び出て、ドランゴはまじんぎりを、ヴェーラは獣王げきれつしょうで0ポイントの仮想
『す、すげぇぜ蒼閃ーー!! あのでっけぇ仮想
『…だが、これで蒼閃の周りの仮想
相澤のそんな声が聞こえる。その問いに対する俺のアンサーはこれだ――
『な、何が起こってんだ!? いろんなとこから剣が飛び出して仮想
『なるほど…蒼閃の個性【バトルマスター】は慣れ親しんだ剣を呼び出せる。自由自在に動かせるわけじゃないなら呼び出す際にスピードをつけて相手の近くに出せば――そのまま攻撃に転じれるって訳か。いい発想だ』
そう、俺の個性【バトルマスター】はあくまで剣を呼び出すだけ。それならいっそ呼び出す際に相手に飛ばせばいい――というリーズレットの案だ。慣れるまでに1日かかったが、これはかなりの武器になるだろう。
そんなことを考えていると、俺はもう第二関門までついた。
『本当に速ぇぞおい!! もう第二の障害物か!?――第一がそんなにぬるかったか? ならこれはどうだ!! 奈落に落ちたら即アウト!! ザ・フォォォォォォォル!!!』
俺の先にある道は、崖と崖の間に繋がれたロープのみ。それなら――
「来い、メイジキメラ、はねスライム」
そしてはねスライムに、メイジキメラを対象にしてピオリムを唱えさせ俺はメイジキメラに飛び乗った。
「メイジキメラ、できるだけ低空飛行で頼むぜ。このあとも走るつもりだからタイムロスはしたくない」
そう言うとメイジキメラは崖にぎりぎり当たらないくらいの距離で飛んでくれた。
『すげぇぇぇ!! おいイレイザー! お前、一体どんな教育したんだ!?』
『……俺は何もしていない。――あれは蒼閃が出した答えだ』
第二関門、突破。俺はメイジキメラから降り、先と同じく猛スピードでひた走る。
「待てや青色ォォォォォッ!!!」
「お前には負けねぇッ!!」
後ろには相変わらず轟と爆豪がいる。そしてゴールが近づき、第三関門がやってくる。
第三関門、それは地雷原だった。そこで俺はまた魔物を呼び出す。
「来い、リーズレット――あの地雷原を一面氷漬けにしてくれ」
「はぁい貴方様♡」
リーズレットが杖を振ると地雷原が凍っていき、厚さ数センチの氷が出来た。そこを俺は走り、1位でゴールした。
『蒼閃が最終関門を悠々と突破ァ! やはり強個性を二つも持っているのは圧倒的! 序盤からトップを独走してゴールした男の名前は―――蒼閃剣ィィィ!!』
今までで一番の歓声がスタジアムに響き渡った。
何故か体育祭編書くの難しく感じました。ていうかピオリム優秀過ぎでは…?