アメリカ版けものフレンズ『けもののきろく』 ~アメリカ人の銃と車と知恵と勇気と友情でジャパリパークを攻略してみた~   作:大きさの概念

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★1 基本情報

 文字数:24,000~32,000文字程度(TIPS全スルーで最短選択肢で進めた場合)
読書時間:60~80分程度(400字/分で計算)
最終更新:2024/03/10



★2 更新履歴

2024/03/10:文章修正
2024/03/03:TIP*95と資料に最新ニュース追加
2024/02/12:装甲車の辺りの設定を一部変更。資料追加
2024/02/06:初投稿



★3 作者のまえがき

本小説はあの今も輝けるアニメ作品と懐かしい思い出に捧げます。


第0章 ジャパリパーク・チュートリアル
0-1 ~プロローグ~ 栄光の犬の星に向かって


◆◆1 非現実の王国で◆◆

 

★1 始まりのセンテンス

 

【スタート地点:どこかの部屋】

【時間帯:?】

 

 ……パオ――――ンンン――――ンンンン……。

 

 頭がぼんやりして、言葉*1が脳の中にうまく出てこない……。

 

 ……ゾウの鳴き声か?

『目覚めよ、と呼ぶ声が聞こえ』……か。

 

 しかしここは……?

 どこか、埃っぽい場所に寝ているようだけれど。

 

 着ている服はびっしょりと汗で濡れていて、それでも汗が絶え間なく流れ出てきては、重力に従って体の上側から下側へと滴り落ちていく。

 汗のせいで、顔と露出した腕と脚は砂ぼこりまみれだ。

 

 こう寝床が硬くて、掃除もしてないなんて、ずいぶん粗末なホテルだ……。

 

 暑い……。今は夏か? まるで犬の日(ドッグ・デイズ)*2だ……。

 

 例の動物の鳴き声が断続的に聞こえてくる。

 風変わりなウェイクアップコール*3だ、こんなものをフロントに頼んだ覚えはない……。

 

(それにしても喉が渇く……)

 

 唾液で口の中を湿らそうとするが、唇が乾いてくっついたままだ。舌で砂利を舐めると不愉快な感触がした。

 

「この場所」へ、暑い風が外からここまで入り込んでくるようだが。

 

 床に横たわりながら、とめどなく考えたのだが……()()()()()()()()()()()()()()()()

 外から風、ということはここは建物の中らしいが……。

 

 LEDの電灯が灯って、空調が作動している。どこかから、電力が供給されているようだ……。

 

 ここはどこか、何故ここにいるのか、ということだけでなく、(くだん)の「ゾウの鳴き声のようなもの」を聞く以前の記憶が、私の頭から真っ白に抜け落ちていた。

 

 記憶喪失、という言葉が思い浮かび、ぼんやりと存在していた不安が、確かな形になっていく。落ちた汗が床の土埃へ染み込んでいくように、頭の中にじわりと広がり、心臓の鼓動が速さを増した。

 

 自分の記憶――思い出のアルバムだけが、頭の中の本棚からすっぽりと抜け落ちてしまっているのは、とてもイヤな気分だ。

 

 ()()()()()()()()()()()ことこそが、きっと()()()()()()()()()()なのに、それが無いのでは死んでしまっているのも同然じゃないか?

 

 いや、そんな大事なモノを失くしたわけではなくて、きっと脳ミソの屋根裏部屋(アティック)のカギのかかった箱にでも放り込んで、忘れているだけだと信じたいが……。

 

 これからどうするか、選ばなければ*4……。

 

◆不安になった私は――

A. まあ、もうしばらく寝てようかなー……(ムニャムニャ)★2へ進む。

B. ホントに記憶喪失なのかどーか、色々思い出してみて確かめよう。★3へ進む。

C. 寝ていてもしょうがない、起き上がって周りを調べてみよう。★4へ進む。

D.【※屋内での探索シーンを全てスキップする(面倒臭がりな読者さん向け)】★12へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

★2 二度寝

 

 この不安の解消するために眠ろうと思ったが、ふと自分の両手を目の前に持ってきて、じっと見てみる。

 こんな手は、やはり私は知らない……!

 

 その知らない手で、土埃まみれの汚れた顔を両手で触り、砂がまみれの髪の毛を撫でてみた。

 

 この顔も()()()()()()()()……!?

 そんな馬鹿な……? 自分のことをすっかり忘れてしまうなんて?

 これは夢か?

 

 全て白昼の悪夢に過ぎず、「現実の私」は自分の寝室のベッドの上にいる?

 それじゃまるでB級ホラー映画のオチみたいだ。

 じゃ、これからスタッフロールでも始まるのか?

 

 いや、不幸にも?間違いなくこれは夢ではない!

 

 不明瞭な記憶とはうって変わって、明晰な現実感があるからだ……。

 鮮明な感覚と冷静な思考が、私にこの世界が非現実であることを否定させた。

 

 もういっそ、ホラー映画の主人公でもなんでもかまわないが、とにかくオープニングを始めなければ!

 そしてバッドエンディングだけは避けなければいけない!

 

◆そのためには――

A. 自分から行動しなければ! ★4へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★3 長期記憶テスト

 

 よし! では試しに色々なことを思い出してみよう!

 

 えーっと……コロンブスのアメリカ大陸発見は1942年、映画のタイトルにもなっている!

 

 この『1492 コンキスト・オブ・パラダイス』の監督は、エイリアンやブレードランナーやハンニバルのリドリー・スコットだ!

 

 バッグス・バニーは、誕生日が7月27日で、実はWW2の頃は海兵隊員で名誉軍曹!!

 

『ティーンエイジ・ミュータント・タートルズ』のミケちゃん(マイキー)鉢巻(マスク)の色はオレンジ色! 使うニンジャ武器はヌンチャク! 好きなピザはアイスクリーム・ピザ!

 

『ザ・トランスフォーマーズ』の初代アニメの、サイバトロン戦士(オートボッツ)の理論家スキッズの、トランスフォームする車は、ホンダ・シティーターボ! シーズン1と2の全65話のうち2回の、ほんの少しの時間しか出てないマニアックなキャラだぞ!

 

 むむむ、こういう雑学や一般的な事柄なら簡単に思い出せるのだが。

 「自分」に関する記憶についてだけは、どうしても……。

 

◆だめだこりゃ~――

A. 次、いってみよ~。★4へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★4 ヤコブの梯子

 

 おしっ! 人生は行動あるのみだ!

 どうやらそれが性に合ってるらしい。

 

 そう思って、疑問を振り払いながら疲れた体を引き起こし、立ち上がる。

 私はずいぶん長い間、この場所で寝ていたのだろうか?

 

 見渡すと、コンクリートを打ちっぱなしにした、窓の無い薄暗い部屋の中だった。

 部屋の奥には、先に進めそうな暗い通路があるが、太い鉄格子とカギのかかった扉で阻まれていてそちらには進めない。

 

 上へと昇るためのハシゴもあって、上の階から明るい光が差し込んできている。

 

 ……あっちの通路が塞がっている以上、この不可解な状況を打開するためにはこのハシゴを昇っていくしかない……。

 

 その光のもとで自分の姿を眺めてみる。自分の服装は昔の戦争映画で見るような、熱帯装備*5の兵士みたいな格好だ――オリーブ色のコットン製ショートパンツや、布製ベルトに、ゴーグルやスカーフを身につけている……。

 

 ところで、その短ズボンの中身は?

 うーん……()()()()()()()()*6な……。

 

 ということは、私は()()()()()ではなくて、()()()()()だ、という事だけは分かったな。

 

◆それじゃ――

A. ほとんど何も分からないのと一緒だが……。★5へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★5 上の階へ(アップステアーズ)

 

【場所移動:地上階】

 

 ハシゴを昇ってみると、同様のコンクリート打ちっぱなしの部屋であった。熱気が凄い。さっきの部屋も暑かったが、こっちはますます暑い。

 

 細長い窓のようなものがある。そこからも白い光が漏れてきて、空中のほこりに当たって光線を作っている。どうやら地上階(ファーストフロア)、もしくは半地下室(セミベースメント)らしい。

 

 ここはどうやら住居と呼ぶよりも、家具や鉄板などで各所が補強され、防御陣地のようになっている。光の入ってくる細長い窓、というか「銃眼」のような構造を見ても、掩体壕(バンカー)*7のように思える。

 

 さらに、内部には壊れた家具の部品なども散乱していて、新聞紙なども散らばっていて、まるで()()()()()()()()()後のような状態になっている。

 

 壁を見ると、ティンガティンガ*8風の絵柄の動物が描かれている。

 だいぶ損傷が激しく、ほとんど崩れかけている箇所すらあって、元々は鮮やかな色使いであったらしいが、だいぶ色あせている。

 強いデフォルメが施された動物たち。ゾウやライオン、シマウマ、レイヨウ、ワニやヘビなどの、アフリカの動物達が、大きな目をこちらに向けてくる。

 薄暗がりの中で見ると、ちょっと不気味な絵*9だな。

 

 出口のほうに目を向けると、隙間から入ってきたらしい枯れたイバラのような植物が、からんだ有刺鉄線のようになっている。

 

 私は掩蔽壕の出口へ向かった。

 

【場所移動:玄関室】

 

 内開きの金属製のドアがある。この建物の出口らしい。

 ドアの隙間からは、白い光がヘッドライトのような光線となって、埃っぽい屋内へ差し込んでいる。

 

 玄関付近にはガラクタがたくさん置いてある。屋外用イスや、簡易的な本棚、ベッドの鉄枠など。これらで出口にバリケードを作っていた形跡があるが、そういったものはがすべて脇にどかされている。

 

 つまり、屋内からこの出口を封鎖した後で、誰かがこれらをどかして()()()()()、あるいは中からどかして誰かが()()()()()ことを示している。床に分厚く積もった土埃の多さから判断すると、それはどうやら最近のことではない、ように思える……。

 

 出口付近の壁面には、簡易的な流しと鏡が設置してあった。蛇口の錆びついたレバーをひねって、しばらくすると赤茶色の水が出てきて、その後に透き通った綺麗な水が出始めた!

 

◆私は次に――

A. ストップ! この水飲めるのか?とちょっと考えた。★6へ進む。

B. もう喉がカラカラだ! すぐに飲もう!★7へ進む。

C. 水を受ける手のひらに"water"と綴りを書いてみた。★8へ進む。

 

 

 

 

★6 その水、飲めますか?

 

 この水道水は、はたして衛生的なのか? 飲料水として適しているのか?

 と、一瞬そう迷ったが、喉の渇きとほとばしる水飛沫が、その迷いをあっというまに吹き飛ばしてしまったようだ。

 

◆「もう我慢でけん!」と私は――

A. 本能のままに水を飲むことにした。★7へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★7 水中毒に注意!

 

 シンクと蛇口との間に頭をねじ込むと、流れを押さえつけられた水道水が水平にほとばしった。

外から差し込む激しい光が、水滴に照射されて、ぼんやりとした小さな虹を作った。

 わ、わんだふぉ~!

 

 流水で髪の毛と顔の土埃を落としてから、がぶがぶとイヌのように水を飲む。水がびたびたと、乾いた床に音を立てて落ちた。

「うまいっ! もう一杯!」

 

 これで、暑さと渇きで干乾びていた頭と体と胃に、たっぷりと潤いを与えることができた。

「う、うまい……。も、もう、いっぱい……」

 

◆落ち着いた私は――

A. 自分の衣服や所持品を詳しく調べることにした。★9へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★8 スペリングのスコアはA+

 

「W-A-T-E-R、うぉー…をぉぉー、WATER! やったわ、サリバン先生!」

 

 ……。

 ……。

 

 ひとつの英単語の綴りを覚えていることだけは確認できたが……。

 

◆だが今は――

A. 英単語の勉強をしてる場合ではない。★7へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★9 物品収集(ハウンディング)

 

 鏡の中の自分の、着ている服をよく見てみる。

 コットンやウールの混紡のジャケットに、厚手の靴下、キャンバス地のブーツ。頭には耳当てつきのキャップ。

 

 動きやすく耐久性に優れて、野外でも目立たない地味な色合いのものだ。アウトドア用の衣服か? 現地(と言ってもここがどこかも分からないのだが)の住民ってわけでもなさそうか?

 

 旅行客や探検家か、あるいは昔の兵士(グラント)みたいな服装だけど……。

 

 肩と背中には、同じく地味な色合いとデザインのかばん(バックパック)*10雑嚢(ハバーザック)*11を下げている。

 

 バックパックを降ろして調べてみよう。身分証(IDカード)などがあれば、自分についての何かの手がかりになるかもしれないし、武器などの道具があれば、今後の何かの役に立つだろう。

 

 かばんの中にあった物品は……。

 

 まず一枚の大きな布。紐とハトメがついていて、それを使うとコートのような形状にして着ることができる。簡易的な毛布やテントとして使うこともできそうだ。

 

 さらにカバー付きの金属製の医療用水筒(キャンティーン)*12がひとつ。容量は1クォート(≒950mL)で、紛失防止用のストラップがついている。水は入ってないな。

 あと、予備の靴下が一足か……。

 

【その他グッズ:からっぽな「水筒(中身無し)」を入手しました!】

【その他グッズ:足に履く以外に使い道あるか?「予備のソックス」を入手しました!】

 

 最後に、フルーツ味のチャームズのあめ玉*13のパッケージがひとつ……。

 腹は空いてるんだが、コレはなんとなーく食べる気がしないな……。

 まあ一応持っていこう。ポケットにしまっておく。

 

【回復グッズ:あま~い「フルーツキャンディ」を入手しました!】

 

 アメを入れるときに、ポケットの中に何かがあることに気付いた。

「アッ! これは!」

 

「HHANAKO」と表記された「キャッシュカード」が入っていた!

 

 これは、つまりH. Hanakoの意味だろうか? ハナ子とは日系人もしくは日本人の名前か?

 

 そしてH.というラストネーム(姓/苗字)のほうは、思い当たるものの可能性が多すぎてとても見当もつかない。そもそも英語圏の姓じゃないかもしれない。

 

 というか、逆にHanakoのほうが(ラストネーム)の場合も考えられる*14じゃないか。

 

 もちろん本来の用途として使えば現金(ダウ)が手に入る、ATMが見つかればの話だが。

 

【だいじなもの:だれかさん?の「キャッシュカード」を入手しました!】

 

 ……道具集めはこんなものか。

 これだけの道具と、そして()()されあれば、原始人よりはだいぶ行動できるな。

 

 さらにこの建物内を集中して調べてみる。視点を下や、上へと動かすのを繰り返して――()()()()()()()を描くように――視覚だけでなく()()()にもよく注意して捜索する。火薬のにおいは皆無だ。武器のたぐいはやはり無いようだ。

 

 そういえば、さっき新聞紙が散らばっていたな。

 私はそのことを思い出して、形が残っているものをかき集めて読もうとした。が、変色や劣化がひどすぎて、記事の本文は日本語のようなのだが、まともに読むことができない。新聞のタイトルは"JA...I PAR..."……英字のようだが、これ以上はほとんど判読不可だ。

 

◆さて、これから――

A. 洗面台の鏡に映った自分をよく観察する。★10へ進む。

B. 建物の外へ出る。★11へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★10 鏡像自己認知

 

 洗面台の鏡は、外から乾いた土埃が入ってきて吹き付けるのだろう……赤茶けた土の塊がカビのように表面にくっついていていて、鏡としての役割が失われつつあった。

 私は水を手ですくって鏡にかけて、シャツを脱いで折り畳んで鏡を吹いた。

 

 割れた鏡面の奥に現れたのは、肩の高さより下ぐらいの長さの、黒と亜麻色の混じった髪を、水で滴らせた女性だ。疲れ切った顔。褐色の瞳……。

 

 人種は、よく分からない。

 肌の色は白くもなく、黒くもなく、アジア人のようにも、ヨーロッパ人のようにも見える。

 

 身に覚えがない。全く記憶にない顔だ、これが私の……?

 そして、こうして考えている言語は日本語と、それに英語によるものだが。他の言語は出てこない。

 

 おそらく歳のほどは、10代から20代半ばくらいか?

 

 体格についてはどうだろう?

 

 私はさっきの「新聞紙」を拾ってくる。

「この新聞はタブロイド判*15で……これを2つ並べて……すると、対角線が約1mのハズだ(なんかのコミックにそう描いてあった豆知識だ)」

 

 この新聞紙のサイズを元にして、自分の身長を測ると、1mと、その4分の3(スリー・クォーターズ)で1m75cm程度か。フィートに直すと、ええっと??

 

 ……。

 

 約5フィート9インチか。

 20代女性と仮定すると、その平均よりはまあまあ高いらしいが。

 

 さて、今の状況で分かることは、これぐらいだろうか。

 さらに一個追加で分かったのは、自分は細かい計算は苦手らしい。

 

◆もし私の正体が――

A. 学生だったら数学の授業で困っちゃうな~。★11へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★11 鞄を捨てず、外へ出よう

 

 ここでいくら探索して自問自答していても、この「ミズ・ハナコ・エイチ」に関する答えは出ないだろう。

 だれか、ほかの人間や手がかりを探さないと。

 

 私は持ち物をまとめ、水筒に水道水を入れる。

 それと、床に手のひらサイズの「鏡の破片」が落ちていたので回収しておく。あの洗面台の鏡からとれたものらしい。武器にはならないが、何かの役に立つかもしれない。

 

 コートを羽織ってから建物の外に出ることに決めた。

 

【回復グッズ:中身たっぷり!「水筒(水入り)」を入手しました!】

【その他グッズ:指を切らないように注意しよう「鏡の破片」を入手しました!】

 

「よぉし、身元不明のハナ子さんよ! 外の世界には――」私は自分を奮い立たせた。

 

「何が待ってるか分からないが、ともかく出発だっ! 常に忠実(オールウェイズ・フェイスフル)であれば、きっと道は明るいはずだ!」

 

◆さあ、ドアを開けて――

A.「オープン・セサミ~!」★12へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆2 ウェルカム・トゥ・虹の国?!◆◆

 

★12 サバンナの朝

 

【場所移動:トーチカの外】

【時間帯:朝】

 

 建物の外へ出た。日差しが眩しい。

 

「わ、わんだふぉ~、シャバの空気はうまい! って、どこだここ?!」

 

 外にはなんと、見知らぬサバンナ*16の空気が広がっていた。

 ……青い空、赤い大地、その境界には背の高い草に(まば)らな木々……まるで絵画や、図鑑や、映画(ムービー)TV(チューブ)の世界に入ってしまったみたいだ……。

 

 濡れた顔に熱帯草原*17の風が吹く。

 

 上には青い空、下には赤い土*18。周囲には赤い岩*19のカタマリがごろごろと落ちている。

 

 背の高い草むら*20に、点在するアカシア*21の低木や、他の木々*22の中には、鮮やかに目立つピンク色の花が咲いた木もあったり、木と合体してるものすごく大きな蟻塚なんかもある。

 

 しかし「わたしはだれ?」のお次は「ここはどこ」か。

 自分が何者か分からなかったとしても、居場所だけはもっと身近な場所であってほしかったのに。

 

 しかし、ここはまさに自分の持つ「サバンナ」のイメージ通りだが、アフリカの大公園か自然保護区かどこかなのだろうか?

 あるいはテーマパークや動物園……にしては、規模が大きすぎると思う。

 

 さきほど私がいた「建物」を外から見ると、ベトン*23製の、まさに小要塞(ブロックハウス)のような建造物だった。そばには貯水タンクらしきものが設置されている。さっきの蛇口の水は、コレを使って貯水・濾過されていたのだろうか。

 タンクの表面には、ステンシル*24のペイントで"J...AR... ...RK"とプリントされている。放置されて長いのか、紫外線や砂塵によって文字が風化しているようで、ほとんど読めない……。

 

 それに加えて、6かGを横倒しにような記号か図柄が塗装されているようだが。

 いや、日本語のひらがなの「の」や「め」のようにも見えるな。

 

 ここがどこかは分からないが、この空気の暑さと乾き、本物の熱帯乾燥地域であることは間違いないようだ。『トゥルーマン・ショー』みたいな、作り物の赤い土や草原や岩山や青い空じゃない……と、思うけど。

 

 疎林のすぐそばには、大きな岩山*25がそびえ、その(ふもと)から、こちらへ向かって狭い峠道が伸びている。そして、そのはるか遠くには雄大なスケールのとても大きな山が鎮座している。

 

 !! その大きな山の山頂がなんと!キラキラと淡く、6色の虹の色*26のケムリが噴き出しているではないか……?! あんな大きな虹……こんな乾燥した天気にか!? いや、あのケムリ自体が虹色*27に発光しているみたいだぞ!

 

 あの山の山頂部は噴火口のようにえぐれていて、その火口からは()()()()()()()()()()がもくもくと発生している。

 よく見るとそのケムリは、空気に触れた周囲の部分がわたあめ(コットンキャンディ)のようにキラキラと固まっている……! まるで、学校の科学実験でガスコンロでつくるビスマス*28の結晶を、山の上にのっけたような外見だ。

 

 あれは、山岳地帯特有の何かの気象現象*29なのか? 遠くは細部がぼやけて*30いて、よく分からない。はたまた、火口から噴出する鉱物が固まって、真珠やオパール*31のように輝いているのだろうか??

 ウーム、宝石屋さんに売ったら高そうかも……?

 

 しかし、あんなスゴイのが山の上に鎮座しているこの場所は、まるで『オズの魔法使い』の続編の「虹の国」みたいだな……。

 

 まあ、あの怪現象については、ひとまず放っておいて。

 

 太陽の角度や向きを見てみるが……なにしろ時計も地図もないんじゃ、現在の日時時刻も居場所の緯度や経度も、まるっきり何も分からない。

 少なくとも、太陽高度のあの高さからすると、ここが熱帯かもしくは亜熱帯か? ということだけは分かるのだけれど。さすがに北国ではないはずだ、この暑さは……。

 

 さて、すでに水や食料(アメ玉だけだけど)は確保した。次の優先順位としては「身の安全」を確保することだ。

 そのためには、今の自分の置かれた状況をもっと正確に把握しなければいけない。

 

「おや?」

 

 遠くの風景を目を凝らすと、目の前の疎林のさらに向こう側、あの大きな岩山のそばには()()()()()()()が見えるではないか!

 

 あそこには、人間がいるかもしれない。

 

 それが()()()()()かどうかは分からないが、しかしココにじっとしていても、干からびてしまうだけだ……。

 

◆私は思った――

A. そうと決めたら、さっさと車のところへ行くぞ! ★13へ進む。

B. 待った! その前に、この建物の周囲をよく調べておこう。★20へ進む。

C.【※めんどくさいので、屋外での探索シーンを全てスキップする】★19へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

★13 ナイン・ワン・ワン

 

 しばらく歩いて、車両の近くへと移動してみる……。

 

【場所移動:救急車の前】

 

 これはHumvee(ハンヴィー)*32じゃないか。非装甲タイプのものだ。

 

 しかし、車体側面には見覚えのない部隊マークがある――ギリシャ神話の半人半獣の怪物セントールと、王冠の紋章、それに例の「の」のシンボルがペイントされている……。"RAVC"と読み取れる……これは"Royal Army Veterinary Corps"、『英国王立獣医隊*33』……つまり、これはイギリス軍の()()()()()()()か……どうりで固定武装も無いわけだ。……英軍なのにランドローバーじゃないのか?

 

 しかし、一番変わっているところは、所属部隊や車種だけではなく、その奇妙な見た目だった……なんだか()()()姿()みたいな、変わった迷彩の塗装を施されている。現地仕様のローカルなカムフラージュだろうか?

 地元に生息する動物の姿をマネて塗装して、偽装効果が高めているのかもしれない……。

 

 車の内部を調べてみよう。

 

 ブービートラップに気を付けて、ドアを開けて……頭を下へと、上へと振って()()()()()()()()()()捜索する。これは建物や車内をくまなく捜索するやり方だ。

 

 左右の座席の間が広く空いている……最低地上高(ロードクリアランス)を得て不整地走破性が良くなるように、内部空間までミッションがものすごく飛び出しているのだ。

 

 ()()()()()()()()()()()。……荷台だ……。

 後部の収納スペースには、あるべき医療品や医療器具などは置いていなくて、がらんとした薄暗い空間が広がっていた。

 

 その端の()()()に、隠すようにして拳銃(サイドアーム)弾倉(マガジン)が置いてあった。

 

「M18やM007ではない……コルト.45…。それもMEUピストルやM45A1や、他のメーカーのものではなく、純正のコルトM1911A1*34だ」

 

 遊底(スライド)を少しだけ引いて、薬室(チャンバー)内を覗いて確かめておく。

 

 そして銃弾――.45ACP弾と、それを7発装填できる弾倉だ。

 しかし、この銃弾……なんだか普通とものと()()()()()()……。

 弾の見た目も何か違うような気がするんだけど…。

 

 ずいぶん古風な銃だが、場合によってはおおいに役に立つだろう。

 なので、この拳銃は「お借り」させてもらう。持ち主がいたら返すけど。

 もちろん弾薬(アモ)も持っていくが、こちらは当然使っちまったら返せない。

 そういう事態にならないことを望むが……。

 

 拳銃だけでは不安だから、少々(ア スコッシュ)欲を言えば、ライフルやショットガン等も欲しいところだが……。

 

【射撃武器:強力な軍用拳銃「コルトM1911A1」を入手しました!】

【弾薬:口径(ボール)の大きい「.45ACP弾」を入手しました!】

 

 射撃の教官には怒られそうなやり方だけれど……ホルスター(拳銃を吊っておくベルト)が無いため、パンツの裾の内側(右腰)に入れておこう。さらに、さっきの「フルーツキャンディ」をジャケットの裾ポケットにいれておく――こうしておけば、()()の入った裾を手で素早く払い除けて、すぐ拳銃を構えることができる。

 

 そしてM18やM007と違って、これはSA(シングルアクション)*35の銃だ。

 

◆なので――

A. 薬室に(カートリッジ)を装填して、安全装置をかけておく。★14へ進む。

B. この状態での初弾装填は危険なのでやめよう。★15へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★14 初弾装填(アドミンロード)

 

 スライドを引き、薬室に初弾(ファーストラウンド)を送り込むと同時にハンマーを起こす(フルコック)

 そして親指のところの手動安全装置(サムセーフティ)をかけて「コックアンドロック」にしておく。

 これで、銃を握った右手の片手の親指だけですぐにセーフティを解除して撃つことができる。

 

 撃鉄は戻(デコッキング)しておくほうがいいかもしれないが、グリップセーフティもあるし……今の不鮮明な状況では暴発のリスクよりも、緊急時に最もすばやく射撃可能というメリットを優先する、としておこう。

 このあたりが古い銃の不便なところだ。

 

◆それでは次は――

A. この車両をもっと調べよう。★16へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★15 コンディション3

 

 やめておく。

 

 いざ戦いが始まった時の即応性の低さは気になるが……。

 パンツの中で銃が暴発したらそれこそ大変。(変な意味じゃないぞ!)

 

 ケツの穴は1つで十分なので3()()()()()()事態は絶対に避けるべきだ。保険が下りるかどうかわからないし。

 

 安全重視の状態(イスラエルキャリー)で持ち運ぶことにしよう。

 

 しかし記憶喪失の自分と見知らぬ場所……。この状況では、これからなにが起こるか分からない……。

 

◆悩んだ結果――

A. いや用心のためだ、すぐ射撃できる状態にしておこう。★14へ進む。

B. やはりこのまま「完全な安全状態」で持ち運ぶ。★16へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★16 しつこく物品収集(ブラディリー・ハウンディング)

 

 拳銃のみとはいえ銃器も手に入れた。

 他には何か、役立つものはあるだろうか……?

 

 ()()()()()()はもうしないから、銃火器や爆発物の類は付近に無いと思うのだが……。

 もっと探してみるか?

 

◆そこで私は――

A. 何か残って無いか、もっとよく調べる。★17へ進む。

B. 車じたいをよく観察する。★18へ進む。

C. 捜索を切り上げて出発しよう。★19へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★17 無駄骨

 

 車内をもっと調べてみよう……。

 SEEK!(探せ!)

 

 ハンヴィーのレイアウトなら、前部座席のコンソールの真ん中に無線機があるハズだが……この車では、そのマウント台の上が空っぽになっている。荷台の医薬品などと一緒に、退却時に持って行ってしまったのだろうか?

 

 そして運転席や助手席の下の小さな小物入れスペース……ココにはファーストエイド・キットを入れる規則になってるはずだ。が、無い。代わりにハンヴィーの説明書が突っ込んであった。

 

 このマニュアルをパラパラと読んでみる。

 アメリカ軍のマニュアルの特徴なのだが、無駄になにもかもが詳細な図入りで細かく書いてある。

 

「非装甲・救急車型の『ハンヴィー M1035型』の改造版らしい。なので、機銃や擲弾発射器、ミサイルランチャーなどの固定武装はもともと装備されていないな……。しかも、EV(電気自動車)仕様だって」

 

 うーむ、とくに役に立つ情報は書いてなかったな……。

 

◆となると――

A. 車そのものを調べてみよう。★18へ進む。

B. もう捜索を切り上げるか。★19へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★18 バッテリー不足

 

 この「ハンヴィー動物救急車」の車体を調べてみよう。

 

 車外後部には、"CAUTION: STAY 100 METRES BACK OR YOU WILL BE SHOT"(100m離れてないと撃つぞ!)などと書かれた看板が付けてあった、救急車なのに……? ブリティッシュ・ジョークかな?

 

「おや?」

 この車の例の「動物偽装迷彩」の、(マズル)の部分に、EV用の電池(バッテリー)*36パックがセットされていた。

 

 取っ手を引いて取り出してみたが、完全に放電しているようだ。

 この充電器そのものもだいぶくたびれているようだ、充電しても使えるかどうかわからないな。

 

 そもそもこの状況、近くには充電装置は無さそうだし……。車両本体の動力系や電気回路もどこか壊れている可能性が高そうだから、この車を使うことはあきらめるしかない。

 

 充電されてなければ漬物石ぐらいにしかならなさそうなこのバッテリーも、ここに置いておくことにしよう。

 

◆さてこれから――

A. 何か残って無いか、もう一度調べておこう。★17へ進む。

B. そろそろ出発しよう。★19へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★19 青天の霹靂

 

『ギャイーッンッ!!』

 突然、叫び声が聞こえた!

 

 一体何なんだ?! 方向は、あの岩山のほうからだった……。

 

「あの声、誰が……?!」

 現在の状況が把握できないが……!

 

 しかし……放っておくわけには、いかない!

 

◆なんかわからんけど――

A. 助けに行くぞ! ★21へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★20 地獄の業火(ヘルファイヤ)峠の砦

 

 この「小要塞」の周囲をひとまわりして調べてみよう……。

 

 おや? 建物の影に金属製の先割れスプーン*37が落ちていた。だれかの落とし物か?

 

 近接戦闘での武器としてはKa-Bar(コンバットナイフ)OKC-3S(ベイアネット)の足元にも及ばないが、無いよりマシか……。とりあえず、食事以外にも何かの役には立つだろうから、ポケットにしまっておこう。

 

【近接武器:スプーンとフォークのあいのこ「先割れスプーン」を入手しました!】

 

 ……建物の周囲のサバンナをよく見てみる。林や岩山だけでなく、目を凝らしてみると「竜の歯(トブラローネ)*38」や「チェコの針鼠*39」といった人工の障害物が、背の高い草むらに隠されていた。疎林や草むらを使って、一見すると分からないようにうまく遮蔽されている。それらが、あの岩山へ続く峠道へと()()()()()()ように配置されている――しかも、いくつかは破壊・突破されているようだが……。

 

 それらに加えて、さっき私のいたあの「掩体壕(バンカー)」も、台地の上へと繋がるあの道へ銃眼が向いているようだ。まるであそこを狙い撃つ「砦」のように思える。

 

「台地と低地をつなぐ峠道か……ちょっとしたハルファヤ峠だな。まさかドイツ88mm砲(エイティ・エイト)とかもあるのかな?」

 

 あの急峻な峠道を通るには、敵の戦車や兵員輸送車は一列縦隊になって単独ずつで、えっちらおっちら進んでいくしかないから、敵の機動力や援護をうまく制限できる。そして、この開豁地*40に味方部隊を、草むらや森で遮蔽して展開すれば、敵部隊を取り囲んで一気に攻撃できる。こんないかにもな危ない場所だが、見晴らしのいい高地に登るためには、あの一本道は迂回*41できない。

 

 つまりあの隘路*42は典型的な緊要地形(キー・テレイン)*43なのだ。

 

 まるでこれから機甲部隊*44を誘い込んで戦おう、って感じの対戦車縦深陣地か。もしそうだとすると、防衛線から外れたところには、誘導用の対戦車壕や対戦車地雷でも敷設されてるのかも……。

 

 その岩山の峠道の出口の近くの、林の切れ目あたりに、さっきの「例の車」が停めてあるのだ。

 

 これらのことが、一体何を意味するのか? 少なくとも、ここはかつて()()()()()()()()()()であることは確かなのだが……。

 

◆独りで考えていてもしかたがないなあ――

A. あの車の場所へ移動する。★13へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆3「パーク」への入園試験◆◆

 

★21 罠にかけられた犬

 

【場所移動:岩山(コピエ)のふもと】

 

「ああっ! 大変だ……!」

 

 悲鳴のもとへ行ってみると、そこでは狩猟用罠(フットホールド・トラップ)*45のような狩猟器具に、血だらけのイヌの脚がひっかかっていた。

 

 さっきの声は、このイヌだったらしい。大型犬サイズの、シェパード犬のような外見だが()()()()()()な犬だ。

 

『ウーッ……!!』

「かわいそうに……誰がこんなことを……」

 さっきからすっかり怯えて、警戒の唸り声をあげている。

 

『ガウッ!』

 

 人間を含め、傷ついた動物は、攻撃的になる傾向がある*46から注意しないといけない。

 

「まて、マテ。私は敵じゃない……」

 3フィート(約1m)ほどの距離から、なだめるように話しかけていると、白犬はちょっと落ち着いたらしい。

 さっきまでの()()()()()がしなくなった。

 

STAY(とまって)! SIT(すわって)!」

 しかし念のため、犬の顔に脱いだジャケットをかぶせて、後頭部で袖を結んで固定する……マズル・コントロールだ。これで興奮しても噛まれることは無い。

 

「よかった、傷は浅いようだな……。今は、滅菌ガーゼも止血包帯もバリカンも副木(スプリント)も無いからな……」

 このくらいの傷なら、水筒水で水洗いすればおそらく大丈夫だろう。

 

「しかしまずは、さっさとこれを外さないと……」

 脚からトラバサミの歯を外そうと試みる。

 

「まったく、かわいそうに……お前……白いから、シロ子でいいかな? お前の飼い主はどこいったんだ?」

『ワンワン』

「……それとも、野良犬なのか? シロ子も()()()()なのかな?」

 

 私が動物罠の仕組みの「知識」を持っていたのは、幸いなことだった。一般的な構造のものならすぐに外せるだろう。

 

「ま、状況が全然わからんが……目の前の困ってるお前を助けるべきだな……」

『ウー……』

「どうやら、私は()()()()()()らしいな……。おかげで『自分』のことについてまたひとつ分かったよ。ありがとうシロ子」

 

 しかし……これは一枚板バネ(シングルロングスプリング)や、二枚板バネ(ダブルロングスプリング)等の一般的な罠ではない。まるで見たことのない構造をしている。特大サイズのワニ口クリップのような部品が、水色の太いコードのようなもので、地中へと繋がっているようなのだ。外し方が分からない……。

 それにしても、こんな鋭い歯のついた罠なんて、今じゃどこでも違法なんじゃないのか……?

 しかし、ふつうの金属らしからぬ()()がするが……なんの素材でできてるんだろう?

 

『ウウウ! ウワンワン!』

「シロ子、どうした? そんなに騒いで……? これが痛くて嫌なのか……? よーし、こんなもの、さっさと壊してやる!」

 

 無理矢理開けようとすると突如! 白犬にかかっていたトラバサミが外れて……地中から()()()()()()()()()の水色の怪物が、地中から飛び出してきて襲い掛かってきた!

 

「うおっ!」

 トラップだと思っていた物体は……()()()()()()()()()()のだ!

 

◆……!! な――

A. ななな、なんだこいつは?! ★22へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★22 奇襲攻撃(ファーストブラッド)

 

【戦闘目的:すべての敵対勢力の無力化】

【ハナ子 HP:10/10 ■■■■■ ■■■■■】

 

 敵の奇襲*47だ!

 

 突然、「怪物」は私の首を狙って口吻(ノズル)を真っ直ぐに突き出してきた!

 

「うおぉッ!! シロ子!」

 白犬を抱き寄せてかばうと、左腕に噛みつかれた!

 手首から鮮やかな色の血がほとばしる! そして鋭い痛みが神経に走る!

 

 傷口から()()()()()()()()()()()が、オキシドール*48の泡のように現れ、それがすぐに消えて()()()()()()になって立ち昇っている!!

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

【ハナ子 HP:9/10 ■■■■■ ■■■■□】

 

【!噛みつかれて左手が使えなくなりました!】

 

『ワン、ワン!』

「お前は逃げろ(GO AWAY)!」

 右腕で白犬を抱えて投げ飛ばす!

 

『キャン!』

「くそ! なんだか分らんが()()()()()()()ぞっ!」

 

 左腕には、ワニ口のような大顎(クリップ)の歯が、手首の骨・腱まで喰い込んでいる!

 この鮮血は……手首の動脈*49か……!

 

 敵怪物が地面に固い爪を食いこませて身を震わせると、大アゴが激しく収縮し、赤い地面の上に、鮮やかな色の血がしたたり落ちて黒い染み*50を広げていく。

 

【!「敵」を排除して止血しないとHPが減って行きます!】

 

 くそっ、なんなんだコイツは?!

 そしてこの傷口の虹色の気体は……!?

 

◆私は――

A. 現状がつかめん! ここはいったん様子を見る。★23へ進む。

B. 刃物で攻撃する。【条件:ここまでになんらかの「近接武器」を入手している場合のみ】★24へ進む。

C. その辺の石を拾って攻撃する。★25へ進む。

D.「コルト.45」の安全装置を解除して鉛玉をぶち込む。【条件:すでに薬室が装填済みの場合】★26へ進む。

E.「コルト.45」を装填して銃撃する。【条件:薬室が空のままの場合】★27へ進む。

F. 【※結末のシーンまで戦闘描写をスキップする(アクション興味ない人向け)】★32へ進む。

 

 

 

 

 

★23 五つ眼を覗き込むものは……

 

 こいつはまるで犬と、図鑑で見たような五つ眼の古生物*51を合体させたようなモンスターだ……!

 

 不気味な5つ眼でこちらを睨むと、「怪物」はさらに追撃をしてくる!

  左腕に噛みついたままの(ノズル)をものすごい力で引っ張って、地面へ倒そうとしてきた!

 

「うわっ!」

 

 転がされるの(グラウンド)はまずい! とっさに踏みとどまって転倒を避けるが、激痛とともに左手首が切り裂かれ、また出血と()()()()()()()()

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

 

 この()()()()()()()野郎!!

 しかも、なんて力だ! 引っ張る力は大型犬のそれ以上だ!

 まるで猛獣!

 

 この怪物に「敵意」があるのは、間違いない……!

 ()()()()()()を隠しもせずに()()()()させてやがるぜ!

 

 可及的速やか(A.S.A.P.)抵抗(こいつ)無力化(ニュートラライズ)する!

 

「上等だぜ! かかって来いこの野郎っ!」

 

◆私は――

A. 刃物で攻撃する。【条件:「近接武器」を入手している場合】★24へ進む。

B.「チョキにはグーだ!」石を拾って攻撃。★25へ進む。

C.「M1911A1」の安全装置を解除して銃撃。【条件:すでに薬室が装填済みの場合】★26へ進む。

D.「M1911A1」を装填して銃撃。【条件:薬室が空のままの場合】★27へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★24 お食事のお行儀の悪い子には……

 

 正しい刃物の使い方(テーブル・マナーズ)を教育してやるとするか!

 

 さっき拾った「先割れスプーン」で、テコの原理で閉じた大アゴをこじ開けようと試みる!

 大アゴの外側は硬い殻に覆われているが、()()()()は柔らかくて弱点のようだ! スポークをねじ込むと、痛みで怪物の動きがひるむ!

 

 だが!……ダメだ! すぐさま立ち直った五つ目怪物が抵抗してきて、上手く開けられない!

 

 そうこうしているうちに、血と汗ですべったスポークがどこか遠くへ*52くるくる回転しながら飛んで行って、武器が無くなってしまった……。

 

【近接武器:「先割れスプーン」が無くなりました】

 

◆だが()()()()までは無くなりはしないぞ! こうなりゃ――

A. 素手で戦う!★29へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★25 Rock, Paper, Scissors, Shoot!

 

 このトラバサミには、銃や刃物よりも打撃だ!

 その辺にごろごろ落ちていた「赤い岩石」のうち、手ごろなサイズの石を拾って大アゴに叩きつける!

 だがしかし!殻が硬すぎる!

 

 攻撃に抵抗してくる怪物に左腕を引っ張られ、手首から血が流れていく!

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

 

 数回殴っているうちに、血と汗ですべって石がすっぽ抜けて遠くへ飛んで行ってしまった……。

 

◆ちっ、駄目か……それなら――

A. 素手で戦うしかないな!★29へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★26 SAY HELLO TO MY LITTLE FRIEND!

 

()()()()()()を教えてやる!」

 

 射撃可能にした拳銃をかまえ、手に噛みついたトラバサミに発砲する!

 が、この「大アゴ」は殻が硬すぎてダメだ! 45口径弾では貫通できず、跳弾してしまう!

 

 それなら本体を!

 左腕を敵の歯に掴まれたこの無理な体勢だが、青色の奇妙な「怪物」の胴体部分を狙って2回の銃撃(ダブルタップ)を加える!

 

 こいつが未知の生物なのかロボットなのか知らないが……的のでかい胴に鉛玉(ボール)をブチ込めば物理的に止まるはず!

 

 だが!

 

「2発とも外したか!」

 

 命中精度の下がる片手射撃では、しかも反動の強い45口径では、動く的には当たらない*53

 

 そうこうしている内にも、さらに強い力で口吻を振り回して、私を転倒させようとしてくる!

 傷口の開きと出血が、さらにひどくなる!

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

 

 至近距離で激しく動き回る(こいつ)には、致命傷が当たりそうもない!

 

◆この状況では拳銃では不利だ! ならば――

A. 銃よりも刃物での攻撃が有効だ!【条件:「近接武器」を入手済みの場合】★24へ進む。

B. しかたがねえ! 一か八か、その辺の石を拾ってぶん殴る!★25へ進む。

C. やはり銃こそ一番強いはずだ! 追加で銃撃を試みる!★28へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

★27 NOW LOADING...

 

「ちっ!」

 こんな事態になるなら、さっき銃弾を込めておけばよかった。

 

 後悔後に立たずだ、そして()()()()()

 左腕に噛みつかれていて使えないから……()()()()()()()()()()()ハンドガンのスライドを動かし、銃弾を装填だ!

 

 その間にも、怪物は吻を強い力で引っ張ってくる。出血による染みが大地に広がっていく……。

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

 

◆よし! これで――

A. 最後の晩餐はこの45口径だ!★26へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★28 撃って!撃って!撃ちまくれ!

 

 下手な鉄砲でも数撃ちゃ当たるはずだ!

 さらに追加で銃撃を加える!

「くそ! ダメだ!」

 

 不安定な射撃体勢では無理だ! 敵の動きが早すぎる!

 それどころか、怪物のほうも、こちらの銃撃の様子を見て状況を学んだらしく、()()()()()()()()()()()()()()()されてしまっている! あの5つの眼での360°の動体視力は()()()()()()

 

 戦闘で激しい動きをしているせいで、手首の傷口がさらに広がっていく!

 出血と例の()()()()()()が止まらない! コイツを倒してから、はやく止血せねば!

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

 

◆これ以上いくら撃っても無駄だ! こうなれば――

A. 刃物で攻撃だ!【条件:「近接武器」を入手済みの場合】★24へ進む。

B. 石を拾って打撃攻撃!★25へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★29 時間無制限チェーン・デスマッチ

 

 よし! 空手(ベアハンド)だ! 上等!

「かまえる・狙う・撃つ」のトリプルアクションの銃撃よりも、この超近距離なら一動作(シングルアクション)の白兵戦(メレー)のほうが有効だ!

 

 右手で掌底や鉄槌*54で、左腕に噛みついた大アゴに打撃を加える! これでもダメか!

 

 ならば肘*55

 

 だが、この左腕に噛み付かれた()()()()()()での手打ち*56の攻撃では、とても歯が立たない!

 

 ええい、頭突き! ダメだ、自分の額のほうが割れそう!

 これじゃ記憶喪失が悪化するだけだ!

 

 らちが開かない*57

 

◆この固い大アゴの殻よりも先に――

A.「本体」のほうの動きを止めるしかない!★30へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★30 突破口を開け(イントゥ・ザ・ブリーチ)

 

「ウーラーァッ!」

 奴の(ノズル)の根本を右手でたぐりよせ、背負い投げとは逆の動き*58で投げ飛ばす!

 

『ギャッ!』

 固い地面に叩きつけられた怪物が悲鳴をあげる。

 

さらに逆襲を試みるが……敵はすばやく体勢を反転し、両足の硬い爪で瞬時に地面を掘り返し、()()()()()()()していった!

 地面に潜られては手が出せない! 頚部(チューブ)で左腕をものすごい力で引かれる!

 

 いっそこの左腕の肉が、引きちぎれてしまえば……。

 いや、大顎(クリップ)の歯は、完全に手首の骨*59に食い込んでしまって、いくら肉が裂けようとも外れない! 

 

 手首からは、さらに心臓の鼓動に合わせて鮮やかな血吹き出す!

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

 

 ぐ……視界が歪む……!

 視界の中のモノの()()()()()()()()()()()なっていく……!

 これ以上視界が悪化すれば、戦闘が続行できなくなる!

 

 それにこのままでは失血死*60も時間の問題だ!

 

 だが、どうすれば……!?

 

 ……もしかして、こいつの「顎」の「外側」は頑丈だが()()()()()()()()()()()かも?

 しかし、この閉じた大顎の内側をどうやって攻撃する……?

 

 !! いや、この()()()()()()のちょっと隙間を狙えば……!

 

◆やらなければやられる! 覚悟を決めるしかねえ――

A. ()()()()()()()()()()撃つ!★31へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★31 ()()()()のはどっち?

 

「うおおおお!」

 

 拳銃で()()()()()()()()()、弾丸が骨に沿って跳弾し、奴の大アゴの中へ飛び込んでいく!

 

【ハナ子に1点のダメージ!】

 

『ギャアアアッ!』

 怪物が悲鳴をあげながら地面の中から飛び跳ねて、左腕の噛みつきを解いたぞ!

 奴隷解放宣言の時だ!

 

【!左手が使えるようになりました!】

 

 と思ったとたんに猛烈な突進! 押し倒される!

 のどぶえを狙って大アゴで噛みついてきた!

 

「ぐううう!」

 

 反射的に大顎を掴み、つま先で腹に蹴りをいれて、両脚で三角*61を仕掛けた! が、左手が使えないので三角のフックが甘い! 外れる! 片脚を切り返して、腕十字*62へ移行! だがこいつの口吻(ノズル)は関節技では固められない! クラッチを力づくで切られてしまった!

 

『ガアアア!!』

 喉元への大アゴの噛みつき! 両手でこれをなんとか受けて、膝でオモプ――*63……駄目だ! パワーで押し切られる!

「ぐるるるるぅっ!!」

 

◆と、その時突然――

A. 一瞬自分の目を疑ったが……?!★32へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★32 騎兵隊あらわる?

 

「ちぇすとじゃぱりぱーっ!!」

 と、そこへ()()()()()()()()()()が叫びながら、ツメを振りかざしながら飛び込んできたのだ!

 

 ……だが、この「GIコルト」に誓って言うが、これは失血による幻覚症状などでは無く、現実の光景なのだ! I swear(マジだぜ)

 

「にゃぁああーっ!!」

 背面からの奇襲で、その手のかぎ爪を怪物の「5つ眼」に打ち下ろし、視覚を奪う!

 グレートォ! まさにサムライの動きだ!

 

「ふらんけんしゅたいニャーっ!」

 ネコのジャンプ力! さらに、両脚の太腿で頭を抱え込んで*64、シッポを振り回す勢いで怪物を投げ飛ばす!

 

「まにあったニャ!」

「えぇっ!! 何?! 誰?! 誰なの?!」

「あの悲鳴……誰か食べられちゃったのかと思って心配してたでござるよ……」

「ニンジャ!? ニンジャか?! シノビが出た?!」

 

「おちつけ! はにゃしは後でござる! 拙者は、お主の味方ニャ!」

 怯んだ怪物と向き合いながら、彼女は時代がかった口調で喋った。

 

 な、なんなんだ、彼女は?! ニンジャとは違うの? じゃあサムライのゲイシャか?!

 

 ……わからん、わからんのだが……少なくとも味方なのは確かだな?!

 ()()()()()()()()()のする人間だ!

 

「ぜ、全然わからんが……助かった!」

「ウム! ぎによって、すけだちいたす!」ネコの人は時代がかった風に喋った。

「ありがたい! よろしく頼むぜっ!」

「まかせニャ~!」

 

【仲間加入:???が仲間になりました!】

 

 よーし、今の彼女の目潰しで怪物が怯んでいる! チャンス!

 ポーチから弾倉を取り出し、左手の代わりに膝を使って弾倉を押し込み、再装填する!

 

 銃を持った右手を、負傷した左腕に載せる形での、腕を使った依託射撃の姿勢で狙い撃つ! この状況なら、的当てではもう後れを取らないぞ!

 

 ジグザグに動きながら、こちらへ突進してくる、が……! ()()()()()()()()()は規則的で読みやすい!

 

 この距離なら、収穫感謝祭(カウンティ・フェア)の射的よりも楽勝だ!

 

 着地の瞬間の隙! (ボディ)に2発、(ヘッド)に1発、すばやく叩き込む*65

『ウガアアァッ!!』

「おー、やるのでござるにゃ!」

 

 だがしかし!悲鳴をあげながらも、まだ敵は元気に動いている!

 45口径を何発撃ち込んでも耐えるなんて……防弾ベストとヘルメットを装備した人間以上の耐久力!

「野郎! なんてタフな奴!」

 

「ダメニャ! (へし)の無い奴はもっと急所じゃないと! 拙者にまかせニャ!」

「Okay! I have an idea(私にいい考えがある)! ()()()で奴の足を止める!」

「御意!」

「あっちの蟻塚から、奴の横へ回り込んでくれ!」

「こころえたりっ!」

 

「おいっ! コッチだ、コッチだ! カエルのヘソみたいな*66掃除機オバケめー!」

 叫びながら、制圧射撃(サプレッシブ・ファイア)で敵の注意をこちらに引きつける。

 その間にネコの人には側面へ機動して、片翼包囲してもらう戦法だ!

 

 彼女は背の高い草むらの中を、本物のネコのように俊敏に走り抜ける。動きを遮蔽しながら、側面へ回り込むと……蟻塚を使って飛び上がり、空中で回転して、3本の指のツメを怪物の後頭部を突き刺し、回りながら斬り下ろす!*67

 この斬撃で、延髄と脊椎がぱっくりと横に分断されて「敵」はとうとう倒れて動かなくなった。

 

「わ、わんだふぉ~……! まさにノブシ!」

 

【敵『セルリアン・バンダースナッチ*68』1体を無力化しました】

 

すべての敵を無力化しました(オール・ホスタイルズ・ニュートラライズド)!】

【戦闘終了!】

 

【戦闘行動評価――A:残りHPが6点以上 B:HPが5~4点 C:HPが3点以下】

 

 や、やったー!

 

 カンカンカンカンカン!(試合終了のゴング)

 

「あ、イヌ! さっきのイヌは?!」

「イヌ? イヌとは? あそこにいるあの子のことでござるか?」

 

 さっきの白犬は、草の中からこっちを心配そうにのぞいていた。

『ワン、ワンワン!』

 

「よかった、今の戦いに巻き込まれなくて……」

「おいおい! そんにゃ事より、お主のケガは!?」

「お、そうだった」

 

◆自分の傷口を見ると――

A. 思ったとおり出血量が多いか……。【条件:ハナ子のHPが5未満の場合】★33へ進む。

B. 予想よりたいした出血ではなかった。【条件:ハナ子のHPが5以上の場合】★34へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

★33 第一試合から大流血です

 

「だ、だいじょうかにゃ?!」

「Not very well, I'm afraid... そんなに大丈夫でもない……」

「ええ!?」

「やはり出血量が多いな……。あ、あんた、何か傷を止める物、持ってないかな……?」

 

◆な、なんとか止血してみるけれど――

A. はたして間に合うか……?★35へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★34 ピュロスの勝利

 

「傷、大丈夫でござるか?」

「Thank you, but I'm OK... こうして押さえて、安静にすれば……傷の程度のわりにはなぜか思ったよりも血が止まる*69のが早いな……。直接圧迫止血*70だけで十分だろう」

 

◆よし――

A. 今持っているものでなんとか止血するか……。★35へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆4 さあ冒険だ◆◆

 

★35 すごいね! まほうみたい!

 

「うう……ちょっと、ふらふらするな……」

「あ、だいじょぶか?!」

 

 視界が……とくに色合いの認識がおかしい感じだ……。

 地面の赤い土や、彼女の赤褐色の服、その赤色の鮮やかさが失われ……そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ぞ……。

 

 やはり、短時間での血液の喪失のせいで……。

 

「まってニャ! これで治すといいでござる!」

「な、何を……?!」

 なんと彼女はツメで自分の腕を浅く斬りつけ、例の()()()()()()()()()()を私の傷口へ垂らした。

 すると、キズがあっという間に治癒していくではないか?!

 

【!ハナ子のHPがけっこう回復しました!】

 

「……す、すごい! あんた、まるで魔法使い(ウィザード)だ!」

「いやー、拙者のぱわぁ~っていうか……()()は『サンドスター』のぱわぁ~、にゃのでござる」

 

 Sa...sand star...What's that...?!

 ハミガキ粉の一種か?(←たぶん違う)

 

 あ! しかも、ネコの人の傷口もすぐに治癒しているではないか!

 

 そ、そして、さっきのあの「怪物」も、私と同じく()()()()()()()()()()()()()()……体が溶けて消えていくではないか! 『ロジャー・ラビット』の「ディップ*71」をかけられたトゥーンみたいに!

 

 ……こ、これは一体どういう現象なのだろう?!

 これぞニンジャ固有のジュツであろうか?!

 

◆そ、それよりも、まず最初に――

A.「ありがとう、すっごく助かったよ……」さっき喋ってたニホンゴでお礼を言う。★36へ進む。

B. "Great thanks for helping me..."とりあえずエーゴでお礼を言う。★37へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★36 ネコにたくさんの「ありがとう」を――イエス・キリスト(※言ってません)

 

 私は強く握手しながら、連装速射砲のように話した。

「……ありがとう、もしあんたがいなけりゃ、今ごろ間違いなく()()()にやられてたところだったし……。あんたはホントに私の命の恩人だ。それに、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のも……」

「フハハ! いいってことよ~。このへん、拙者の縄張りにて候!」

 彼女はぐらぐらしながら言った。

 

 私よりも小柄な女性だった。こうして見ると、例の「ネコの格好」以外は、普通の女性にしか見えないが……しかし、先ほどの戦闘での本物ののネコを思わせる()()()()()は……??

 

「ナーバリィ……? で、さっそくだけど、命に恩人にいくつか質問があるんだが……()()()()()()で、()()()()()()で、()()()()()()()で……イヤ、もちろん自分から名乗るのが礼儀なんだが、実は()()()()()()()?()?()全然わからなくて……あの血からの()()()()()()だって、何が何だか――」

「ま、待て待て、待てって……! お主、今()()()()()()言ったよな……」

 ネコの耳の()()()()()()()をふわふわと動かして言った。

 ……これは、"Samurai's hairstyle"こと、チョンマゲの一種であろーか?

 

「にゃー! 神妙にしろぉい! 今から何もかも、はじめから話すでござるからニャ! 控えおろう!」

「は、ははーっ!」

 

◆私は神妙にお白州に正座して――

A. おネコ様の話を聞いた。★38へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★37 Speak J()a()p()a()r()i()n()y()a()a()s()e(), please, meow!

 

 やはりここは世界共通語(リングワ・フランカ)、そして()()()()()()()()()()()()()()で感謝を言うべきだ。

 

"Many many thanks for helping me... I owe you quite a lot!! Surely I must have been killed by that 'thing' by now without you... and you somehow healed my wound, too!! I really appreciate YOU making me alive..."

 

「ウニャン! わからん! その方の申す言語(なきごえ)は、困るのニャ~!」

「ああ、すまない。そういや、あんたはサムライだし……さっきも日本語を話してたな……」

「そう、それ! きちんと()()()を話すのにゃ!」

「じゃ、日本語で喋ろう」

 

◆あらためて――

A. お礼を言う。★36へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★38 フーテンのカラサン

 

「まず手前(てめえ)より発します! おひかえなすってェ!」

 ネコの人は「お控えのポーズ」をして、日本の時代劇(コスチューム・ドラマ)任侠(アウトロー)の口調で喋った。

「Oh、わんだふぉ~! トセイニン! はじめてみた!」

「おひけぇなすってェ! おひけぇなすってェ!」

 と、しきりに言うので、私も真似してお控えのポーズをした。

 

「さっそくのおひかえ、ありがとうござんす! 親分さんは、()()()()()でご誕生の『フレンズ』とお見受けいたしますが、遅ればせの仁義、失礼さんにござんす! これより申し上げます言葉のあとさき、間違いがありましたらァ、ごめんなすってェ! 手前、生国(しょうごく)と発しますは、この地『ジャパリパーク』にござんす! 一口にジャパリパークと申しましても、本家パークの他にもその数は八百万(ヤオヨロズ)あり、しかも各パークは広うござんすが、手前の場合は生まれも育ちも、まさに此処、若干ゃ草木の生えまする『さばんなちほ~』にござんして、この大字(おおあざ)『じゃぱねすぶるく』のあたりを縄張り(ナーバリ)としていまする若輩者にござんす! 手前、失礼ながら姓名を発しまするところ、稼業は哺乳類ネコ目、(ふぁみりぃ~)はネコ科に従いまして、姓はカラカル属、名もカラカル、人呼んでカラカル・キャットにござんす! 御賢察の通りで、手前の渡世は、その動物(けもの)のカラカルが、火山(あのやま)からの『サンドスター』のぱわぁ~を受けて、『ヒトの身体』に変化したるフレンズにござんす! 土地土地(ちほ~ちほ~)の、おあ兄さん・おあ姐さんに御迷惑(とらぶる)ばかりかけがちたる浅学非才の未熟者にござんす! そして失礼さんながら、親分さんは、その()()()もシッポも持たねえ御風体に、先ほどの戦での得物(どうぐ)の使用、そして先程の『彩り(いろ)』についてェ話しますかぎり、『ヒト』か、『それに近きもの』のフレンズさまとお見受けいたしますが、これも間違えましたらご容赦ァ願います! 最後に、さっき(ツメ)を交えたる『あの獣』は『セルリアン』と申しまする、パークの無頼無法の輩にて、例えるなら災厄とも疫病の類とでも申しましょうか、(ともがら)どもフレンズの不倶戴天の敵にござんす! 手前カラカルの拙き口上、これにて終わりとなりますが、以後面体お見知り置きの上、嚮後万端(きょうこうばんたん)、お引き回しの程、宜しくおたのもぉ~します!」

 サムライウィザードニンジャゲイシャトラサンガールは、長い口上を述べた。

 

「……」

「……」

 

「ん、終わった? 終わりました?」

「ふー、つかれたにゃ~」

「ニンジャなのかウィザードなのかフーテンなのかはっきりしないなあ」

 

◆さて――

A. 今の長い尾話(ロング・テイル)をひとまとめにすると……。★39へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★39 つまりは、これからも、どうかよろしくね

 

「長い説明ありがとう。だいたいのところがわかった」

「ふー、新米への説明を覚えるのは、大変なのでそーろー」

 

「今の話をまとめると……この場所は『ジャパリパーク』のサバンナ地方のジャパネスバーグ。あんたの名前はカラカル。で、今言ってたFRIENDS(フレンズ)...?ってのは、ここの住人のことだな。でさっきの怪物はセルリアン」

 

「すっ、すごいっ! 本当にあの説明で、だいたいのことが分かってるのでござるかっ!?」

「(なんだそりゃ……)でも、その他の色々の話は……よくわからんなあ……。山のサンドスターとか、ヒトに近いとかなんとか言ってたけど……。まあでも、じつは私は自分のことも、分からないことだらけなんだけど……」

「ええっ! それは難儀でござるなぁ……」

 

「人種、国籍、職業……自分のことだって全然わからんし……。記憶喪失ってヤツだ。自分の名前の『ハナ子』ってことぐらいしかわからない……」

「まあ、きにすることはにゃいよ! 難しい話は、みんなフレンズになってから、そのうちだんだんと分かってくるでござるからねー、ハニャ子どの!」

 

「うーん。だと、いいんだけどなあ……。でも私は、ここの住人(フレンズ)とは……、ああ、というか、私もフレンズってわけだけど……」

「さようでござるよっ!」

 

「……ま、なにはともあれ、今後とも、どうぞよろしく! あんたには、だいぶ借りがあるからね! 返させてもらうよ!」

「にゃ、こちらこそ! (……でも()()って?)」

 

 では改めて……。

【仲間加入:ネコでニンジャでサムライの「カラカル」が仲間になりました!】

 

◆あ、そういえば――

A. さっきの白い犬は……。★40へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★40 その犬の名を誰も知らない

 

『ワンワン!』

 そこには元気に走り回る白犬の姿が!

 

「なんニャあの動物は?」

「ん? シロ子……あのイヌのことか?」

 

「ほう、シロ子どの、とな。シロ子どのは、ハナ子どのの知り合いか?」

「いや。あいつはさっき、あの『セルリアン』とかいうのに噛まれてたんだ」

 水筒から水を飲みながら*72周囲を見わたすと、さっきからあの白犬がこちらを見ている。

 

「なるほどニャ。ハナ子どのが、何の動物かわからんけど、きっと『いい動物』でござるなあ」

「なんだ突然、『いい動物』って?」

「だってホレ、シロ子(むこう)は、ハニャ子どのを仲間だと思ってるでござるよ」

 

 言われてみると、なんだかそんな風にこちらをみてるように思えた。

 

「うーん……でも拙者は、お主は『ヒトの仲間』なんじゃないかと、思うんだけどニャ~!」

「ヒトって……まあ、そりゃイヌの仲間よりは、そうなんだろうけど……(この人なんだかさっきから変な事ばかり言うなあ)」

 

「あの子は、リカオンとか、セグロジャッカルとか、アフリカンゴールデンウルフとか、ディンゴとかとも違うのにゃ……。白い毛皮に、垂れた耳に、巻き尻尾……もしかして……」

「あのイヌがどうかしたのか? ふつうのイヌに見えるが?」

 

「さんぞうろう、イヌにて候。お主の言う通り、あれたぶん、イヌっていう『ちんじゅう』でござるよ」

「珍獣って? イヌが、ここジャパリパークじゃそんなに珍しいのか?」

「左様でござる。()()()って言うんだって。かちくには、色々なめずらしー特徴があるけど、()()()()()()()()()()()ってのが、やっぱりすごい珍しいのニャ!」

 

 どうやらここには、人に飼われているイヌはいないらしいな……。

 

「イヌが珍しい、か……。あの独りっきりのノライヌが……。じゃ、カラカルの言う通り、()()()()()()()()ってわけだな……」

「ほう、ハナ子は()()()()()()()()のフレンズでござるか。じゃ、それ、属名(ミョージ)にして『ノライヌのハナ子』と名乗るが良いでござろう!」

「な、なんだそのネーミングは……? まあ、たしかに、ラストネームがあったほうがいいかもしれないけど……」

 

「ええ、ダメでござるか~? じゃあ、もっとネコっぽい感じで……ゴロドニャンスキー・ハナ子*73、なんてのはどう?」

「なにそのカワイイネコチャン系の名前は……?」

 

「あ、ハナ子殿はネコ科ではないか、たぶん。お耳もシッポも無いしニャー。じゃ、そのまんまだけど、サバンナ・ハナ子ってのはどう?」

「それじゃ女子プロレスラーみたいな名前*74だなあ……。もっと可憐で、カッコイイ名前が良いなあ。スカーレット・オハナ*75とか……?」

「ぜんぜんカッコよくないでござるよ(個人の感想ですのにゃ)」

「……」

 

「う~ん、それじゃ、最初のノライヌのハナ子のほうが、やっぱりいいかな」

「ヨシ! 決まり!」

 

『ワン!』

 そんな気の抜けた会話を聞くのに飽きたのか、白犬は飛びあがるようにして、一声鳴いてから広がる熱帯草原へと消えていった。

 

「おー、よかったよかった、元気みたいだなあ、シロ子!」

「あのくらいのキズなら、全然だいじょぶにゃのでござるよ!」

 

「お前も、ジャパリパークで頑張れよーっ! ノライヌのシロ子ーッ!」

 

◆さて脅威も去ったことだし、これから――

A. ……うーん、どうしよう……?★41へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★41 野良犬ハナ公のサバナネコ歩き(JHK BSプレミアム4K 木曜19:30より)

 

「ハニャ子どの! さっき言ってたような難しい話は、拙者たちの『せんせい』に詳しく聞くといいでござる!」

「セ、センセイって! ……もしかして用心棒の人?」

「ちがうよー。何でも知ってる、すごい賢いフレンズが、()()()()()()()()()()なのにゃ!」

 

「そうなのか! じゃ、その人に会いに行きたい!」

「承知いたした! 先生のいる『いえ』に行こうでござる!」

「いえ? 家って、その先生の家なのか?」

 

「『いえ』はみんなの『いえ』にゃ! とっても良い所なのニャ! 寒くなっても丸くなれる場所なのでござる!」

「Sounds good! ここ、きっと夜は冷えるんだろう、寝床はありがたいな!」

 

「水もジャパリまんもある! あ、ジャパリまんてのは、食べ物でござるよ!」

「ワンダフォ~! 寝床に水に食事つきとは、永住したいな! ……でも宿泊料とか家賃は必要?」

「なんじゃそれ? 多分いらぬよ」

「ますます素晴らしい! ホテル・カリフォルニア*76みたいなところだなー!」

 

「さあ一緒に行こう! 拙者が『さばんながいど』の名誉に預かるでござる!」

 

 そういうわけで、私はこのサバンナ・ガイドさんと一緒に、熱帯草原をひたすら歩いて行くのだった。

 

【場所移動:サバンナのけもの道】

 

 歩いて、歩いて……歩きながら、青い空を見上げると、太陽の角度*77は、最後に覚えていた時より20~30度ほどしか動いていない。そこから判断すると、あの戦いから1、2時間しか経っていないと思うが……。 

 

 しかし、今までに起きた出来事を思うと……。

 ジャパリパーク、フレンズ、サンドスター、セルリアン……なにもかもが、まだ白昼夢を見ている気分だ!

 

 ちなみにこの太陽、時計回り(つまり東→南→西)に動いている……。ということは「ここは北半球」だと判断できる。むろん、この太陽の動きまでもが、夢か幻でなければの話だが……。

 

「太陽の向きからすると、私たち、西のほうへ向かってるみたいだなあ」

「フ……それはもう、風のやつが、東から西に吹いてますんでにぇ……」

「かっこつけてるなあ」

 

 しかし彼女、カラカルの言動も本当にフシギなのだ。

 

 このジャパリパーク・サバンナ地方の自然保護官(レンジャー)のような立場の人なのだろうか?

 そして、さきほどの交戦での、カギ爪をつかったニンジャじみた動きは一体……? やはり地元の伝統武術だろうか?

 

「ガーイド、ガイド! サバンナガイド~! こっちに見えますにょは、『コピエ』と呼ばれる岩山でゴザリマース! 長い間風が吹いて、やわらかい岩が削られて、硬い岩だけがサバンナにとり残されたものでゴザリマース!!」

「ハァー。あんた元気だな~」

 

 彼女のネコをモチーフにしたらしき赤煉瓦色の服装は、現地の部族の民族衣装か? ……そう呼ぶにはちょっと現代的すぎるか。

 ということは、このサバンナで動物たちに紛れる「カモフラージュ」用スーツか何かだろうか? 

 あの救急車(ハンヴィー)の動物型迷彩と同様に? 赤褐色の服は、赤い土によく溶け込みそうだ。

 

◆などと考えながら――

A. 歩いて行こう★42へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★42 ここでちょっと休憩!

 

【場所移動:大きなアカシアの木の下】

【時間帯:昼】

 

 そうしてしばらく歩いて、大きなアカシアの木の下にたどり着いた。

 

「この日陰でちょっと休憩!でござるよ!」

「そうしよう、まったくたまらない暑さだな……」

 まるでイヌみたいに口で息をしながら私は言った。

 昼下がりの空気が気持ちいい。

 

「さばんなはまだまだ暑いから、お日様の下で歩きすぎはアブナイからにゃ!」

「そうだな、それに水分も補給しよう。水筒の水、あんたも飲むといい」

「おお! なにこれなにこれ? すごいでござるなコレ!」

 

「ああそうだ。さっき拾ったアメチャンでも舐めるか……」

「なにそれなにそれ?」

「食べ物だよ。あげよう。舐めてると唾液が出るぞ」

「ありがたく頂戴致す。……おぉ~(……ゴロゴロ)……。アメチャンとは、美味でござるなあ……」

 

「しかし、なんか……なめるのは、嫌な予感がするな……このアメは……」

「ほう、それはなぜに?」

「イヤ、なんとなくなんだけど……。ま、気にするな」

 

【回復グッズ:「フルーツキャンディ」が無くなりました】

 

 カラカルは、地べたで食パンになって*78私を見つめる。

 

「ハニャ子どの? もしかして、なんか色々聞きたそうな顔をしてるでござるね?」

「おや? そういう気持ちが()()()()のかな?」

「うん、『知りたい! 知りたい!』って感じの臭いぷんぷんニャね。さあ、拙者が『パークの解説役』になったげるでござる!」

 

◆ではお言葉に甘えて――

A. この場所「ジャパリパーク」について聞く。★43へ進む。

B. 地元の住人「フレンズ」について聞く。★44へ進む。

C. あなた「カラカル」本人のことを聞く。★45へ進む。

D. 恐るべき怪物「セルリアン」について聞く。★46へ進む。

E.「むしろ、そっちから私に質問はないのか?」と逆に聞く。★47へ進む。

F. でも、とくに聞きたい事は無かった。★48へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★43 島の遊園地

 

「質問その1:ジャパリパークって……動物保護区の国立公園か何かなのか? この大自然を見る限り、動物の楽園って感じだけど……(あのセルリアンや、銃器や軍用車両の存在はともかく)」

 

「ちょっと違うでござるね。()()()()()()()()()()()となる場所、らしいのにゃね」

「動物とヒトと……」

「さんぞーろー。ここは大きな『島』で、ヒトの街と、自然との間の場所で、動物とヒトが()()()()()()()()研究?ってのをやってる所なんだってニャ」

「つまり、島をまるまる一個つかった動物園、って感じか。恐竜の映画*79みたいで、ぜいたくな話だな」

「さよー。でも『ゆうえんち』でもあるんだってニャ」

 

 し、島の遊園地*80とは……おだやかではない響きだぜ……。

 

「次の質問。ここって、地球上の具体的にはどこにあるんだ?」

「チーキュ?ジョー?とは何ぞ?」

「ええっと、国っていうか、住所っていうか……ここを表す別の名前みたいなの、ない? チーバケンとか、オーサカシとか、トーキョー・タイトーク・アサクサとか、そーゆーのだよ」

「あー、別の名前! ナカノトリシマとかいう別名みたいでござるよ」

 

「ナカノトリシマ……。聞いたことがないけど、それジャパ~ンのどこかなのか?」

「ジャパリまん?」

「Nope. つまり、ニッポンて場所にあるのかい、ジャパリパークって?」

「さあ? でも、ここはパークはパークでも、『分家パーク』らしいんだけどニャ」

「分家……ってことは、本家もあるのか。さっきもそんなこと言ってたけど」

「さよーさよー」

 

(『あの有名なゆうえんち*81』も世界中にたくさんあるし、そういうものなんだろうか?)

 

「『本家パーク』は、あの『かばんちゃん』の生まれた場所なのでござるよ!」

「カヴァン=チャン? って誰? それアジア系の人か?」

「お~、まあ、そにょ『伝説』は、申すと長~くなる候。まあ~そのうち、詳しいフレンズに会って話を聞くといいでござるよ」

「え、えー。気になるなー」

「おはなしというのは、いいトコで終わらせるのがコツでござるよ」

「気になる~!」

 

◆すごい気になるんだけど、次は――

A.「フレンズ」について聞く。★44へ進む。

B. カラカル本人のことを聞く。★45へ進む。

C.「セルリアン」について聞く。★46へ進む。

D. 逆に彼女から質問がないか聞く。★47へ進む。

E. もう聞きたい事は無い。★48へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★44 Who's Mr. or Ms. "Cavang=Chang"?

 

「カラカル、あんたの言う『フレンズ』とは、このジャパリパークの住民の、自分達*82の呼び名、という認識なんだが、それで合ってる?」

「そのとお~り! ハニャ子どのは、やはりご賢察をお持ちでござるな! そのへんが、まるで『かばんちゃん』みたいだニャ!」

「カヴァン=チャンて誰だよ?」

「ぬふふ、まだ秘密だにゃ~! くわしいフレンズに聞くといいでござる!」

「むむむ……その謎のカヴァン=チャン氏とは一体……?」

 

◆それも気になるけど、次は――

A. この場所「ジャパリパーク」について聞く。★43へ進む。

B. カラカル本人のことを聞く。★45へ進む。

C.「セルリアン」について聞く。★46へ進む。

D. 逆に彼女から質問がないか聞く。★47へ進む。

E. もう聞きたい事は無い。★48へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★45 君をもっと知りたいな

 

「さっき自分でカラカル・キャットって名乗ってたけど、それってどんなネコ?」

「おっお~っ! よくぞ聞いてくれましたでござるぅ~! それはねぇ~……かくかくしかじか*83なのでござる」

「おお、それはすごい! まるまるうまうま*84だったのか~! 初めて知った!」

「ニャハハハ~!」

「うふふふ!」

 

 今日もまーたまたひとつ、おりこうさんになっちゃったもんなー。

 

◆You know, I learned something today, and next――

A.「ジャパリパーク」について聞く。★43へ進む。

B.「フレンズ」について聞く。★44へ進む。

C.「セルリアン」について聞く。★46へ進む。

D. 逆に彼女から質問がないか聞く。★47へ進む。

E. もう聞きたい事は無い。★48へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★46 Study in Cerulean(空色の研究)

 

「さっきのセルリアン……あの猛獣、あいつは何者だ? っていうかそもそも生き物なのか? 他にもまだいるのか?」

「生き物だよニャ。拙者たちと同じで、たくさん種類がいて、目や足があって、血が流れたり、やっつけたら死んだでしょ?」

 

「生物だとして、実際あいつらの正体は何だ? 生物学的に詳しい話を」

「ええっとにぇ……まえに『博士』が言ってたけど……()()()()()()()()とか、()()()()()()()とか、()()()()()()()()()()とか、がぁ……ええと、それでその、どうとかって……」

「よく分からんね(『博士』って誰だ?新キャラか?)」

 

「う、うみゅー、拙者もよー分からんのでござるよ!」

「なんだか頼りない解説役だなあ」

「と、とにかくパークには、さっきみたいな、ああいう怖いセルリアンがいるから注意なのでござる!」

「……少なくとも、セルリアンどもは私たちの『敵』ってワケだな。それだけ分かれば十分。サーチ・アンド・デストロイ(見つけ次第無力化)だ」

「それが、そうでもにゃいのよな~、いろんな種類がいるから、怖くないセルリアンもいるのよ」

「怖くないの、ねえ……。うーん、想像がつかんなー……」

 

◆わからんけどな~、じゃあ今度は――

A.「ジャパリパーク」について聞く。★43へ進む。

B.「フレンズ」について聞く。★44へ進む。

C. カラカル本人のことを聞く。★45へ進む。

D. 逆に彼女から質問がないか聞く。★47へ進む。

E. もう聞きたい事は無い。★48へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★47 Do YOU have any questions?

 

BTW(ところで)、逆にあんたからは、私に何か聞きたいことはないのか?」

「そうにぇ……ハナ子殿って、昨日のサンドスターの噴火で生まれた子なりや? この辺じゃ見かけないカオだし」

「ウェイト! 噴火で生まれる……とは、どういう意味?」

 

中央火山(あのやま)が噴火すると、サンドスターがパァ~ッと飛び出るのでござる。で、フレンズが生まれるのでそーろー」

「火山噴火の噴出物、それがサンドスターの正体なのか……」

 

「さんぞーろー。その火山からのぱわぁ~や、お日様のぱわぁ~を、サンドスターがため込んでるのでござるでそーろー」

「ほう……Pray tell*85

「それで、サンドスターを体の中にたくさん溜めた動物がフレンズになったり、セルリアンも生まれるのでござる」

 

「サンドスターってのが火山から吹き出る物質で、私たちや、あのセルリアンに、パワーを与えてくれる……?」

「しかり、しかり。ホレ、まわりをご覧あれ。火山から出たサンドスターで、まだ辺りが少しキラキラしてるでござろう?」

 

 目を凝らして観察すると、たしかに周囲には、虹色の結晶のようなものがかすかな煙となって、あちこちからほのかに立ち上っている。

「今まで気づかなかったな……たしかに、あの虹色のケムリがあちこちに見えるよ……」

「さっきまでは、おてんとうさまの日差しが強かったからニャ。今なら、ちょっと暗くなってきたから、よく見えるというわけでござるでしょう」

 

「……話をまとめよう。サンドスターとは、火山性鉱物の一種で、しかも、私の体内にもなぜか存在している……」

「うん。拙者の体にもネ」

「あの『セルリアン』にも」

「さよう」

「それは、噴火の噴出物が空気や土や水にまじって、それが呼吸とか食事で動物の体内に取り込まれるのかな?」

「さあ、たぶんそういうことじゃにゃいかな?」

 

「で、そのサンドスターが、あのセルリアンのスゲエパワーや、超スピードのエネルギー……。カラカル、あんたのさっきの、あのものすごい動きもそう……」

「お~、そうそう。だいたいそんなにゃ感じね」

 

「アメリカン・コミックのヒーローのスーパーパワーみてぇな話だな……。火山や太陽のエネルギーがサンドスターに蓄積して、それで人間以上の力を得てるってワケだ……」

「やはりお主は理解が早いのでござる!」

「にわかには信じられん話だが……。でも、あの怪物やカラカルのことを考えると……」

 

「もひとつしつもーん。ときにハナ子殿は、()()()()()()()()()()はある?」

 突然カラカルがわけのわからないことを尋ねてきた。

 

「質問の意味がわからんな……。もしかして私の『記憶喪失』と関係してる話なのか?それは?」

「キオク、にゃいワケね。あの『かばんちゃん』も、動物の時の記憶が無かったそうだからニャ。拙者のにらむところ『ヒトのフレンズ』であるハニャ子も、同じなのじゃにゃいかな?」

 

「さっきから、ワタシ、ワカリマセーン、アナタノコトバ、ゼンゼン!」

「にゃははは! オモシロ!」

「だいたいね、そのカヴァン=チャン氏とは何者……?」

「ま~、今は分からなくても、そのうち分かるのでござるよ」

 

 I don't have the slightest idea what she's talking about...(何のことか、全然わからん……)。

 

◆全然わからんが、気を取り直して――

A. この場所「ジャパリパーク」について聞く。★43へ進む。

B.「フレンズ」について聞く。★44へ進む。

C. カラカル本人のことを聞く。★45へ進む。

D.「セルリアン」について聞く。★46へ進む。

E. もう聞きたい事は無い。★48へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★48 Seeing is believing.(百聞は一見にしかず)

 

「いや、とくに聞きたいことは無いな」

「え? いいのかにゃあ? もっと色々、聞きたいんだと思ってたけど?」

「Yes, I have a pile of questions...(気になることは山ほどあるけど……)。でも、悪いがあんたの言うことはまるで、不思議の国のチェシャ猫みたいな話ばかりでね……」

「ほう、知らんネコの子でござるね」

 

 ふと、空に雲が流れてきた。こんな乾燥した場所に雲というのも変な気がするが、ますます変なことには、それはネコの形をした雲だった。

 

「まあつまり……あの空の、雲のネコみたいなもんだよ」

「さよーか」

 

「ああいう感じで、話がふわふわで、さっぱりつかみどころがない」

「うれしいこといってくれるにぇ」

「うれしい? なぜ?」

「拙者も、ああいう雲みたいなネコになりたいのでござるよ。おてんとうさまの近くで、風に流されてふわふわに候、雨期におそろしい雨雲が来る時は、ささっと流れて候……」

 

 そんなことを聞いたせいか、雲のネコは風に流されて、ニヤリと笑うようにして青空に消えていった。

 

「風まかせ、って言うわりには、さっきは風に逆らってすごい勢いで飛んできて、セルリアンから助けてくれたけど?」

「あの時は()()()()()()()が吹いてねえ。いやー、そのへん、フレンズはつらいよ」

 

「そういう強い風が吹く、ねぇ。……じゃ、私と同じだから、()()()()()()ってわけだな……」

「え? まあ、そりゃあ、そうでござるよ」

「そう、私、ノライヌじゃなくて、フレンズだった」

「いや、ハニャ子殿は、ノライヌのフレンズで候。自分で言ってたでござるでしょう」

 

「……話をもとに戻そう。ハッキリ言うとね、私は分からない話を分かったフリをするよりも、自分の()()()()()()()()()()()()()()を信じることにしたい。そういう方針だ」

「本当にはっきり言うねえ。つまりハニャ子にとって不思議なことは、説明を聞くよりも、にゃんでも自分でたしかめたい?」

「That's it! その通ーり」

 

「いい心がけでござる! ココロはまさに明鏡止水!」

「そんな立派なモンかどうかは知らないけど」

「とにかく、お主って独立独歩なフレンズにゃのね! ガンバルにゃ!」

「おう!」

 

「さあ、そろそろ出発しようにゃ!」

「ああ、十分休んだ」

「もうすぐで浅い川に着くでござる!」

「川か……」

「その川を、ぴょんっとひと越えすれば『いえ』まですぐそこでござる!」

 

「休憩する前に、方角を知るために日時計(ノーモン)を立てておいたんだが、やっぱり私たちは西に向かってるようだね」

「そうでござるか! じゃ『いえ』は西、西にゃ!」

 

◆よ~しガンバルぞ~!――

A. だが!★49へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★49 お水がたくさんあるね~!

 

 だがしかし!

 我々サバンナ冒険隊の見た光景とは!

 

【場所移動:増水した川の前】

 

「にゃんてこった……! 川のお水が、すごいふえてる……」

 

 彼女の言う通り。

 平時は涸れ川のような水流なのだろうが、いま目の前にある川は、今はすっかり水かさが増しているようで、とてもじゃないが我々の装備では渡れそうにない。

 

「Like it rained cats and dogs... 最近どしゃぶりの雨でも降ったんじゃないのか?」

「そんにゃハズは無いよ。だって乾季なのに……『みずなしがわ』が「みずありがわ」に、にゃっとるとは~……」

「しかし、困ったな」

「おのれ~! ()()()()()()()()だにゃ~!」

「流れがだいぶ急な上に、水深もかなりある。周りはけっこうな切り立った崖だし。どうしようか?」

 

「こうにゃったら拙者、ハナ子どのをおんぶして、水の上に出ている岩をジャンプして渡っていくのでござるっ!」

「そりゃむちゃだ。あぶないから、やめたほうがいい」

 

「かつお武士は食わねどジャンプ力! 拙者、ぱわぁ~にもジャンプにも、マジでチョー自信がアリアリ申し上げ候!」

「あんな滑りやすそうな岩……西日が強くて目も眩むだろうし、二人とも水に落ちたら、あんな急流じゃ一巻の終わりだよ」

「み、水かぁ……。せっ、拙者、実は泳げないのでござる……」

「ハンマーじゃ、なおさら危ないぜ。私だってこの荷物や服じゃ、あんな急な流れは泳げないし」

 

「う、うみゃみゃみゃ~……。拙者のさばんなガイド絵図(すけじゅーる)が、すべてご破算でござるよ……」

「旅に少々のトラブルはつきものだよ、気にすんなって」

「も、申しわけにゃいでござる……。『いえ』まであとちょっとなのに……こんなところで行き止まりににゃっちゃうとは……。新入りの子に、いいとこを見せたかったのにぃ~……」

「そりゃ、さっきもう十分見せてもらったじゃないか。自然現象なんて、あんたのせいじゃないさ」

 

「で、実際問題として、どーする? 上流か下流に行って、幅が狭くなってて渡れそうな箇所を探してみるか?」

「うー、下流(アッチ)に行っても、川が広くなるだけだからダメニャ~……。上流(コッチ)に行くと……たしか……()()()()()()()()()()()と思うんニャけど……」

 

「2本の支川の合流点か……。ということは、そこより上流は()()()()()()()になってるワケだよな。なら安全に渡渉できるかもしれない」

「ヨーシ、じゃあ、上流に行くにゃ!」

「日が暮れるまでに行けそうな距離なのか?」

「た、たぶん」

「じゃ急ごう」

 

◆日も低くなってきたな――

A. 川沿いを上流に向かって進む。★50へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆5 力と知恵と友情に光あれ◆◆

 

★50 誰そ彼時

 

【場所移動:川沿いのけもの道】

 

 川のそばの道を上流に向かって遡っていく。進むにつれてしだいに川幅は狭くなっていったが、それでも安全に渡渉できそうな場所は無かった。

 

【時間帯:夕】

 

 昼間のセルリアン・ブルーの青空は、今ではもうすっかり夕暮れの茜色に染まっている。

 サバンナは日が暮れるのがとても早いらしい。

 

 私の今の心情を反映するかのように、地上付近では陽光の橙色と暗い闇の藍色とが混ざって、曖昧な色合いになってせめぎ合っている。

 

「……もう、夕方だなあ……」

「本当ニャねー……」

 

 なんだか寒くなってきた。日が落ちかけてきたということだけでなく、周囲の標高が高いせいもあるだろう。

 

「しかたない。『川の合流点』には今日中に着きそうもないから、もう諦めて野宿できそうな場所を探そう」

「にゃ。拙者は木の上がいいでござるなあ」

「う~ん、この近くに良い野営地があるかなあ? 暗くなる前に探さないと」

 

 そうして川沿いの道なき道を上流へ進んでいくと、突然()()()()()があったのだ。

 

【場所移動:朽ちた装甲車の前】

 

「にゃ、()()()じゃ、アリャ~!」

「ハナ子殿の()()()()になるとは……()()は、相当珍しいものでござるネ?」

「Th-That's right、そのとおり……」

 

 これは半装軌車(ハーフトラック)*86という、第二次大戦の頃のAPC(装甲兵員輸送車)だ。しかも米軍のものじゃないぞ、なぜ()()()()()()()()()*87がこんなところに……。

 

 後ろには、一人二人が入れる程度の小さなトレーラーハウスが牽引されている……。

 

 すぐそばにはLEDの街灯があって、照明の光でその車体を詳細に観察できる。

 この装甲車は……砲撃か何かを受けたように相当なダメージを受けている。戦時中に連合軍の爆撃機(ヤーボ)にでもやられたのかな……。

 

 車体色は暗黄色(ドゥンケルゲルプ)赤褐色(ロートブラウン)のようだが、錆びや太陽光での劣化がひどいらしく、ほとんど判別できない。部隊所属マークも識別不能だ。かろうじて棒十字(バルケンクロイツ)らしきものが見える。

 昼間に見かけたハンヴィーよりもずっと長い間、ここに放置されているようだけど……。

 

 トレーラーの中に入ってみると年代物のベッドやテーブルが置いてあり、端には変わった迷彩柄のシートにくるまれた物体が積んであった。

 

 ……包みを解いてみると、それは明らかに新しいものだと分かる収納箱(コンテナ)だった。外の外灯の下まで引っ張り出して観察してみる。

 

「うーむ、なんだこりゃ? こんな骨董品の車には似合わない、新しいモノみたいだぞ?」

「ハナ子殿、これって、()()()()か?」

「その可能性はあるな。役立つものが入ってるかも。気をつけて、開けてみよう」

 

 箱の中からは、ちょっと()()()()()()()がする……。

 が、しかし……()()()()()だが、危険なカンジではないな……。

 

◆よし――

A. 箱の中身は、なんだろな?★51へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★51 人とけものの共同作業(マリアージュ)

 

「アラマア!」

「にゃあ」

 

 箱の中には、()()()があった。

 

「なんだこりゃ? 中にもコンテナがある」

()()()()()()()も入ってるでござるよ」

「本当だ。ファイルブックだ」

 

 ファイルブックには絵ハガキが1枚に、カードが1枚、それにどこかの施設の案内用パンフレットが1枚だけ収めされていた。

 

「うーん。こっちの()()()は、開かないのにゃ」

「そっちはダイヤル式の(ロック)がかかってるなあ……しかもふたつもある。厳重だ」

「厳重にゃ? ってコトは、つまり?」

「そのぶんだけ、大事なモノが入ってるのでは……?」

 

◆どうする――

A. 錠前(カギ)をよく調べてみる。★52へ進む。

B.「カラフルなまだら模様の変な絵はがき」を調べる。★53へ進む。

C.「何冊かの本のタイトルが書かれたカード」を調べる。★54へ進む。

D.「どこかの案内リーフレット」を調べる。★55へ進む。

E. ふたつのダイヤル錠に開錠コードを入力する。★56へ進む。

F.【※謎解きを全部スルーする(こんなんめんどくせェ~!という読者さん向け)】★68へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★52 ふたつのロック

 

 内側のコンテナには、ふたつのダイヤル錠がかかっている……。アルファベット入力式の5桁のロックと、ナムパッド(数字入力)式の5桁のロックだ。

 

錠前(これ)がじゃまだな……こわしちゃおか?」

「いや、やめとこう。たぶん、これを置いた人は、()()()()()()()()()()()()と思ってたハズだ」

「へえ、どうしてそう思うにゃ?」

「この南京錠(パッドロック)は、カギのあるヤツじゃなくて、わざわざ暗証番号入力式(コンビネーションロック)になってる」

「にゃるほろ、この()()()()()()()()()()()()()()、ヒトが使う()()()()()()とかいうのを、正しいものにすれば、いいんでござるね」

 

「つまり、こう(グルグルパチパチ)して、誰でも『あいことば』を入れれば開く仕掛けだ」

「ニャルホド。中身のオタカラの欲しい人は、ガンバって『あいことば』を考えてね、ってワケにゃね」

「そのとおり。で、こっちの絵ハガキとかが、そのあいことばのヒントみたいだ」

 

「うーん、オモシロ!」

「そう。せっかくだから、やってみようよ」

(ツメ)が鳴るのにゃ~」

 

◆これらの3つのヒント……何を調べようか――

A.「カラフルな絵はがき」を調べる。★53へ進む。

B.「本のタイトルのカード」を調べる。★54へ進む。

C.「パンフレット」を調べる。★55へ進む。

D. 開錠コードを入力する。★56へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★53 色覚検査

 

 ファイルブックの謎の絵をよく見てみた。

 ()()()()()()()()()()が一面に塗られている。

 

 ……抽象画か何かか?

 

「しかし、変な絵だね……。私には、芸術的な価値は分からないけど」

()()()()()ね。じゃんぐるちほ~の芸術家のゾウのフレンズなら、わかるかもだけどニャー」

「フレンズって、そんな人もいるのか。しかしこれは、少なくとも、実用的な意味のあるものには見えないが……」

 

「これ、()()()()()()()()()にゃ。これ、きっと文字とか数字とかいうやつね」

「え? なんか()()()()()が書いてあるって? 私には見えないけど……なんて書いてある?」

 

「あ、拙者……文字とか数字は苦手で……どういう読み方なのかは、皆目見当わからぬナリよ……」

「そうなのか、じゃ、ちょっと同じ形を、砂の上(ここ)に書いてみてくれ」

「御意!」

 

(さらさらさら~……)

 

【 く U с ヶ Y 】

 

「どや?」

「エクセレント! これは(読みにくいけど)5文字のローマン・アルファベットだ!」

「ふふふ、なるほどにゃ(わかってない)」

「こいつはグレート(すごい)ぜ!」

「にゃははは!」

 

◆よし、次は――

A. 南京錠を調べる。★52へ進む。

B.「本のタイトルのカード」を調べる。★54へ進む。

C.「パンフレット」を調べる。★55へ進む。

D. 開錠コードを入力する。★56へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★54 本の貸し出しリスト

 

「なんにゃこれ?」

「これは……どこかの図書館の貸し出しリストみたいだ。図書館から本を借りる人が、こうしてタイトルを書いていくシステムなんだな」

 

 借りた人間の名前や日付などは書いておらず、5冊の本の書名だけが書いてある。

 

【1.『円山応挙、長沢蘆雪、伊藤若冲、etc.…江戸時代のかわいい動物画集』】

【2.『チャールズ・ダーウィンによる自身の飼いイヌにおける愛着と共感の進化論的研究』】

【3.『怪奇事件・ダートムーアの恐怖 ~バスカヴィル家の犬~ シャーロック・ホームズ』】

【4.『徳川綱吉の「生類憐みの令」時代とは何だったのか?』】

【5.『なんでも百科事典 JAPARIPEDIA([BELGIUM]~[DOG]の項目まで)』】

 

「この5冊は……なんかどの本もジャンルがバラバラだな~」

「きっと、キョーミの範囲の広いフレンズだったのでござるでしょう!」

 

◆しかし、どうやらこの()()()()()()()が暗証コードのヒントのようだが――

A. 南京錠を調べる。★52へ進む。

B.「カラフルな絵はがき」を調べる。★53へ進む。

C.「パンフレット」を調べる。★55へ進む。

D. 開錠コードを入力する。★56へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★55 日本十進分類法

 

「これ、どっかの場所みたいだにゃ」

 リーフレットの表紙には、どこかの施設の写真が写っている。

 ……GANGES JAPARI LIBRARY……どうやら図書館の案内用の小冊子のようだ。

「本の分類」について説明しているページがあり、そこにペンで赤マルが印してある。

 この謎解きをしかけた人物が書いたものらしいな……。

 

【0:総記(新聞や百科事典など) 1:哲学・宗教 2:歴史・地理 3:社会科学 4:自然科学 5:技術・家庭・工業 6:産業 7:芸術・体育 8:言語 9:文学】

 

「これは……本を探す時の、分類表だね」

「ほんのぶんるい、でござるか?」

()()()()()()()()()()()()()()している。アメリカのじゃなくて日本の図書館用のものらしいけど」

「としょかん、とな! パークにも『としょかん』があるのでござる!」

「ほー。じゃ、これはそこのモノかもしれないなー」

 

◆ただのパンフレットだけど、これに何か秘密でもあるのか?――

A. 南京錠を調べる。★52へ進む。

B.「色つきの変な絵はがき」を調べる。★53へ進む。

C.「本の名前の書かれたカード」を調べる。★54へ進む。

D. 開錠コードを入力する。★56へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★56 カギAを開錠

 

 アルファベットの南京錠を開けよう。5桁の文字だぞ。

 

◆暗証コードは――

A. 【FUNKYと入力】★57へ進む。

B. 【LUCKYと入力】★58へ進む。

C. 【LOONYと入力】★59へ進む。

D. 【LUMPYと入力】★60へ進む。

E. 【MICKEYと入力】★61へ進む。

F.「いや、わからん……」ヒントをもう一度よく調べよう。★51へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★57 カギAを開錠

 

【「FUNKY」と入力した】

 

「……アリャ? 開かないな……」

「失敗かニャ?」

「この単語だと思ったんだけどなあ……。もう一回試してみよう」

 

◆ではでは――

A. カギAにコードを再入力する。★56へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★58 カギAを開錠

 

【「LUCKY」と入力した】

 

「よし、これでどうだ……」

「……」

 

 カチャ!

 

【カギAを開錠しました】

 

「やった開いたぞ!」

 

 カラカルの字がちょっと読みにくかったが……。だが読みづらくても、論理的に考えていけば簡単だ。

 

 まず暗証コードが、5つのアルファベットで構成される()()()()()()()と仮定する。※万一これが外国語とか、マイナーな単語だったら、お手上げなのだが……この謎解きの()()()()()()を考えれば、そっちの可能性は非常に低くなる。

 

 そして、「U・C・Y」の3文字は比較的判読しやすい。すると「●・U・C・■・Y」という単語になるから、可能性のあるつづりは少数に限られてくる。あとは、それらを順々に試していけばよい。

 

「さすがだにゃ~!」

「いや、カラカルのおかげさ。あんたしか読めなかったんだから」

「じゃ、ふたりのおかげでござるネ!」

「そうとも!」

 

「もうひとつの錠前も、やっつけちまおう!」

「やっつけるでござる! ちぇすとじゃぱりぱ~!」

 

◆お次はこっちだ――

A. カギBの開錠コードを入力する。★62へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★59 カギAを開錠

 

【「LOONY」と入力した】

 

「これで……。だめ、開かない……」

「ちがったでござるか……」

「うーん、もう一度、よく考えてみよう……」

 

◆よぉし――

A. カギAにコードを再入力する。★56へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★60 カギAを開錠

 

【「LUMPY」と入力した】

 

「この言葉でどうだ……。いや、ちがうみたいだな……」

「うーん、なかなか難しいでござるなあ……」

「くそー。もう一度だ!」

 

◆むむむ――

A. カギAにコードを再入力する。★56へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★61 ボクらのクラブのリーダーは~♪

 

【「MIC……】

 

「だめだ*88

「え、なぜでござる?」

「いかんいかん……。そもそも()()()()の名前は6文字だしな」

「だれじゃ?」

 

◆あ、あぶないあぶない――

A. カギAにコードを再入力する。★56へ戻る。

 

 

 

 

 

 

★62 カギBを開錠

 

 テンキー(プッシュボタン)式の錠を開錠しよう。5桁の数字だぞ。

 きっとこの5冊の本のカードとパンフレットの分類表が()()()()()()()()()()に違いない。

 

◆暗証コードは――

A. 【73928と入力】★63へ進む。

B. 【61920と入力】★64へ進む。

C. 【74250と入力】★65へ進む。

D. 【74920と入力】★66へ進む。

E. 【87534と入力】★67へ進む。

F.「ぜんぜんわからん……」ヒントをもっとよく調べてみよう。★51へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★63 カギBを開錠

 

【「73928」と入力した】

 

「開かない……」

「『すうじ』の組み合わせが違うのにゃ?」

 

「『3』が違うのかな? チャールズ・ダーウィンって誰だっけか? 政治家とかじゃないのか……」

「来た!の人でござる」

「なにそれぇ。……あと『8』もマチガイみたいだね。百科事典って、分類的には()()()()()()()()()()()()から、パンフによると該当する数字は……」

 

◆むむ、もっと考えてみよう――

A. カギBにコードを再入力する。★62へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★64 カギBを開錠

 

【「61920」と入力した】

 

「……だめだなあ。数字が違うね……」

「みゅー……何の数字がちがうでござるか……?」

「『6』が違ったか。これは動物の本、って言っても、農家や獣医さんの専門書じゃなくて()()だからね……。それに『1』も間違い……愛とか共感って言っても、哲学や宗教の話じゃないしな……」

「うみゃ、うみゃ、みみみみんみ、みんみ~(知恵熱)」

 

◆よーく考えないとな――

A. カギBにコードを再入力する。★62へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★65 カギBを開錠

 

【「74250」と入力した】

 

「ダメだ、この暗証番号じゃないな……」

「にゃニャ……にゃにが違うのかにぇ~?」

「あ、しまった、『2』が違った! これ、現実に起こった事件じゃなくて、ホームズの()()だ」

「ほうむず? どっかで聞いた名前だニャン……キリンがたしか、めーたんていがどうのって……」

 

「ええっと、この『5』も多分違うかな。このトクガワ・ツナヨシって誰だったかなぁ? 建築家や発明家の日本人とかじゃなかったっけ……?」

「ほうむずは、わとすんが、こなんどいると、じぇれみーで……とかにゃんとかって、キリンが……」

 

◆このド忘れは、記憶喪失の症状かなぁ――

A. カギBにコードを再入力する。★62へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★66 カギBを開錠

 

【「74920」と入力した】

 

 カチャ!

「やったぜ! 正解だ!」

 

 江戸時代の画集→芸術→7

 ダーウィンの生物学の本→自然科学→4

 シャーロック・ホームズの長編物語→文学→9

 トクガワの江戸時代の本→歴史→2

 百科事典→総記→0

 

 5冊の本のジャンルを、分類番号の数字に変換するという、カンタンな暗号だ。

 

「ウワー! やったニャでござる、ハナ子どの! お主はやっぱりチョー聡明でゴザルよ! すっごいにゃ!」

「ははは、よせやい」

 

◆やったあ! これで――

A. 箱の中身は、なんだろな?(2回目)★68へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★67 ハ・ナ・コ・サン・ヨ

 

【「87534」と入力した】

 

「いや、これ、私の名前でんがな!」

「……」

「こんなギャグ、しょうもないわ、ほんま~~」

「……」

 

「……って勝手にボケても、独りでよう突っ込まんわ! なあ~自分!」

「……ハニャ子~、()()()()()()()()からって、()()()()()()()()()()でござるネ?」

「ち、ちがわい! ゴマカシクソドッグじゃないわい!」

 

◆こ、こんな箱~、簡単に開けてやる――

A. カギBにコードを再入力する。★62へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

★68 ふたつのカギを開錠

 

 どうにかして、2つの錠前を開錠したぞ!

 

「やったー! これで、にゃかのオタカラが拙者たちのモノに……!」

「中の臭いは(くんくん)……金属や火薬の臭いだ……。銃器がある、しかも明らかに拳銃よりも大きいもの……ライフルか何かだな。それに……Smells tasty... 食べ物の臭いもするな!」

「た、食べ物っ! じゅるり!」

 

「Hehehe……カラカル、今のあんた、どろぼう(シーフ)ネコみたいな顔してるぜ……」

「にゃにゃにゃ……ハナ子屋、今のおぬしも悪いニコニコ顔よのう……」

「へっへっへ……」

 

 でも、そんなに冗談でもなくて。今までの()()()()()()()()()するのとはわけが違って、鍵のかかっていた箱の中のものを勝手に取ってしまうのは、本当にどろぼうになってしまうんだけどなあ……開けてくれと言ってるような謎解きとはいえ……。

 

「うーん、よく考えると、やっぱり気が進まんなあ」

「え! いまさら何を申すか! ここまで来て()()()()とは!」

「そう言われりゃ、まあ、そうではあるんだが……」

「さっきまでノリノリでナゾ解いてたくせに!」

「まあな」

 

「ええーい、ゆーじゅーふだんは武士の恥ニャ!」

「だってな~、イヌはイヌでも、ドロボーイヌにはなりたくないよ」

「た、たうぇ、食べ物! タベモノ~ッ!」

「わわわわん! こうなったら、とりあえず開けちまおう!」

 

 エーイ! 武器弾薬でも水食料でも情報でも、今の状況では必要なものだ! 取ってしまおう! 問題があったら、その時はその時に考えることにしよう!

 

◆(どっきどっき)――

A. よし箱を開けるぞ……。★69へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★69 Heart of Lightness(光の奥)

 

 開けた!

 

 途端ピカー!

 

「ウワーッ! 罠かっ?!」

「にゃぎー! たぺたむぴかぴかする~!」

 箱を開けると、中からものすごい光が飛び出してきた!

 

 お、黄金か?!

 それとも、即席爆弾(IED)の爆発……?!

 

◆な――

A. 何の光?!★70へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★70 しゃ、しゃべった~?!

 

「……って、コレ、ただのL字型ライトの光じゃないか……。ベトナム戦争ぐらいの古いモデルだ」

「え、えるじが……??」

 

 カラカルの眼が動物の反射板(タペタム)のように、照射光を反射してして光っている。

 ……まるで本物の猫のようだ。

 

「ああ、懐中電灯(フラッシュライト)だ。こうやって暗い所を照らす道具だよ」

 

 そう言ってライトを掴むと……。

 

『Sleep Mode, OFF... Activated!』

 

 懐中電灯が言葉を発した!

 

『STANDARD INFO DIAGNOSIS PROCEDURE... Network Access: Unavailable. Current Datetime & Location: Unidentified. Air Temperature: Normal...』

「ウワーッ! しゃ、シャベッター!」

 

『External Maneuver Output: Disabled. Audiovisual Sensor System: Active. Now Booting 'Optical Core Unit' Standalone...』

()()()()()()()()とは、ことばをはなす動物でござるか!」

 

『Hello! Please set the language and oral communication options!』

「な、なんかいってるにゃ!」

「ほ、本当だ……機械音声か……?」

 

『……周囲の音声を認識・判別シマシタ。自動設定により日本語『トーキョー地方方言』を、使用言語に設定致しマス……』

「こやつ、()()()を申すぞ!」

「通信機か何かか?」

 

『ドーモ、はじめまして。Lovely to meet you!』

「こ、こちらこそ、初めまして……」

「おはつにお目にかかるでござる」

 

『お二人とも、驚かせて、申し訳アリません。Let me introduce myself. ワタクシ、英国王立ジャパリパーク派遣軍の、RAVC「英国王立獣医隊」所属のAI隊員 'Lackey Beast'「ラッキービースト」と申しマス』

「えっ、軍人さんか……。従属する動物(ラッキービースト)とか言ったけど……」

『YES. ワタクシ、あなたがたニンゲンとフレンズの、忠実な()()()でゴザイマス』

 

「RAVCってのは、()()()()()の……。それに人工知能(AI)って言った?」

『AFFIRMATIVE. ワタクシは、United Kingdomよりジャパリパークに派遣された、軍属の人工知能です。当地においての、人間の隊員様の任務の補佐などをおもな業務としてイマス』

 

「らきいびいすとと申したな。さっきの説明じゃ何の動物か全然わからんけど、なにゆえに声とぴかぴかだけでござるか?」

『ワタクシ、もともとは、ヒト様にお仕えするための『立派なカラダ』があったのデスが……マァ、人生色々ありまして……。今はコウシテ、懐中電灯(トーチ)にメインユニットと発声装置のみが付属している形にナリマス』

「おぬしも苦労してるでござるのニャね……」

たいまつ(トーチ)って……? ……ああ、イギリスの英語で懐中電灯(フラッシュライト)のことかい」

『ちなみに階級は陸軍の技術少尉(セカンド・レフテナント)になりマス。人間様の同階級よりも権限は少なくナリますが』

 

 RAVCのLB(ラッキービースト)、か。少尉(セカンド・ルーテナント)といったら、士官学校出の小隊長レベルだ……。

 人工知能だって言ってたけど……つまり、ロボでメカだな。

 

「ドーモ、宜しくお願いシマス。ナンデモ、ご命令クダサイ」

 

◆よろしくとか言ってるぞ……ど、どーしよう――

A. 「こちらこそよろしく、ハナ子です」とりあえず自己紹介をする。★71へ進む。

B. 「でもあんた、なんでこの箱の中に?」LBについてもっと聞く。★72へ進む。

C. だいたいわかったので、とくに聞きたい事は無い。★73へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

★71 夕暮れ空にはじめまして

 

「あ、名乗るのが遅れたね。こちらこそよろしく、私の名前はハナ子――『ノライヌのハナ子』だ」

「拙者はカラカル・カラカル。人呼んでカラカルでーす。ハナ子とカラカル! では、二人合わせて?」

「え?! (私に急に振るの?)……ふ、二人合わせて、サバンナの珍獣、嵐を呼ぶネコイヌ・ブラザーズでーす!」

『Incomprehensible Protocol... Let me analyse the context of that cryptic message...』

「オヤ? らきいびいすとには、ウケなかったみたいよ?」

「『今の全然わからんセリフは何のつもり?』って言ってるな」

 

『Awa-wa-wa-wa-wa-wa...』

「すっげー反応に困ってるみたいだぞ……」

「ハナ子殿よ、さっきの自己紹介はふつうすぎたでござるから。もっと『いんぱくと』を入れないと」

「うーむ……こんなに悩ませて、悪いことしたなあ」

「事前にネタの打ち合わせをしておくべきだったにゃー……」

 

『アノー、おふたり様は、お笑い芸人(コメデイアン)のコンビ様でいらっしゃいマスか?』

「え? ど、どっちも違うけど、たぶん……」

 

『ハイ。了解致しマシタ。「ノライヌのハナ子」様は芸人デハナイ、「カラカル・カラカル」様も芸人デハナイ。よって「ド・モルガンの法則」にヨリ、ハナ子様×カラカル様は「お笑いコンビ」ではアリマセン!』

「よぉし! こやつはハナ子で、拙者のことはカラカルと呼ぶのでゴザルよ、お控えなすってェ!」

「動けないからお控えできんよ。この人、懐中電灯だし」

「あ、そっか。じゃ、略式のご挨拶で失礼申し上げるニャ」

 

『「ハナ子」様と、「カラカル」様。以上2名を、現地の民間人(シビリアン)の協力者として、サポート対象リストに登録(エンロール)致しマシタ。今後トモ、宜しくお願い致しマス』

「よろしくにゃ♪」

 

「民間人、か……イヤ、その点なんだが、私のほうは……」

『ドウカ致しましたか? ハナ子様?』

「いや、やめとこう。まだ()()()()()()だ」

『そうデスカ……』

 

◆次に私たちは――

A. 「あんた、なんでこの箱の中に?」LBの事をもっと聞く。★72へ進む。

B. だいたいわかったので、とくに聞きたい事は無い。★73へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★72 機械の国からはるばると

 

「あんた、LBと言ったけど……軍人サンなんかが、なぜこの箱の中にいたんだ?」

『この場合の「なぜ?」は、複数の解釈ができマスが、アナタ様の質問は「ワタクシの任務は何か?」という認識でよろしいでしょうか?』

「ああ」

 

『ワタクシの任務は、このジャパリパークの「平和維持活動」デス』

「おお、平和維持」

『RAVCの隊員、ならびに他の部隊の行動のサポート。民間人や「フレンズ」との協力。パークの財産や施設、野生動物の保護。軍用動物の治療・訓練・管理。有害な特殊災害「セルリアン」の排除・発生防止。……これらを主な任務としておりマス』

「にゃるほどな~」

「カラカル、本当にわかってるのか?」

 

「平たく言うと、この()()()()()()()は、()()()()()()()()()()()()ってワケにゃね?」

「エクセレント! 本当にだいたいその通りだ。A+のスコアをあげよう」

「にゃははー!」

 

『ワタクシを見つけた、ということは、ハナ子様、カラカル様、お二方は高い確率で()()()()()()()というコトになナリますね』

「え! なんでにゃ?!」

 

()()()()()()()()()()*89()()()()()()()の組み合わせでナイと、ロックを開錠できない仕組みにナッテいたハズですから……(ぴかぴか)」

 と言いながら、フラッシュライトのLBは()()()()()()()()()()()()()()

 

「なんニャ??」

「なんかの信号か?」

『失礼ですが、コレ何色に見えマスか?』

 と尋ねるので、カラカルと私は見えたままの色を答えた。

 

「お、やはり拙者とハナ子では、(いろ)の見え方が違うのかニャ?」

「そうだ、さっきの色のついた絵ハガキもそうだったけど……ジャパリパークのフレンズって……」

 

『ドーモ、ありがとうゴザイマス。外見上の特徴、使用言語の文法・語彙の特徴、ならびに光学改良式フレンズ色覚テスト*90などから、「ウチダ式簡易フレンズ種判定法」ニテ判断しマスと――同定精度:約72%で、ハナ子様が「ヒト科」、カラカル様は精度:約98%で「ネコ科動物」という判定結果が出マシタ』

「さよーかー。つまり、ぴかぴかのひとも、拙者と同意見かにゃ……」

 

I see(なるほど)……そういうことだったか……。あの箱も、外部の人間と現地住人(フレンズ)が協力して開けられるように……」

「えっ? どーいうことにゃの?」

 

『ハイ。中身をセルリアンに破壊・強奪されないヨウにボックスにカギをかけて……かつ()()()()()()()がナゾを解いて中身が入手できるヨウに、という意図デ……』

「外からやってきた人間と現地住人(フレンズ)の組み合わせなら、()()()()である確率は下がるってワケだな」

『ハイ。ただ、もちろん動物の色覚は様々デスし、様々な状況が想定されますので、100%確実な方法ではアリマセンが……なにしろ()()()()だったノデ……』

 

その緊急事態(ケース・オブ・エマージェンシー)ってのは一体……? それに、いったい誰があんたをこの箱なんかに入れて……?」

『ACCESS DENIED. 申し訳ありません。その項目は任務上の機密事項に分類サレるため、情報クリアランスレベル「民間協力者」に該当するお二人には、申し上げるコトができまセン』

「あー、しょうがないか~。軍人さんには、そういうのは守秘義務だよな~。いや、聞いて悪かった」

『あい、スミマセン。ご了承下サイ』

 

「その、きんきゅーじたいって、あの()()()()()と関係あるのかもニャー?」

「え、何?」

「ああー、その話すると長くなるから、後でおいおい話すでござるよ」

 

◆次に私たちは――

A. 「ハナ子です」「カラカルですにゃ」遅くなったが自己紹介する。★71へ進む。

B. だいたいわかったので、とくに聞きたい事は無い。★73へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★73 おぬしはヒカリ殿ね!

 

「それじゃ、長くなるけど、私たちのことも色々話そう。えーっと、かくかく、かくかく――」

「しかじか、しかじか、でござる」

『ほう、ハナ子様はマルマル、マルマル。カラカル様はウマウマ、ウマウマ、ですか……ナルホド……。デハ、ハナ子様、アナタ様は記憶が無いのデスネ?』

「ああ」

『失礼ながら、時折お話になる英語の喋り方や語彙、知識ナドから仮説推論(アブダクション)シマスと、もしや合衆国(アメリカ)の方でいらっしゃいマセンか?』

「うん、たぶんそうだなあ……」

 

「ほー、ぁめ~りか、とな」

「なにか知ってるのか? カラカル?」

「『じだいげき』で『めりけん国のくろふね』とやらが出てくるコトぐらいしかしらんなー」

「お~、アメリカの歴史をよく知ってるじゃない! ヒストリーにA+のスコアをあげよう!」

「ニャハー!」

 

「それにしても、ぴかぴかのひと、おぬしの名前『らきいびいすと』じゃ長いのニャー」

「確かにそうだな」

『そうデスか?』

 

「光るから、光ってるからな~……じゃ、おぬしの名前は『ヒカリ』でどうでゴザルか?!」

「そのまんまだなあー。分かりやすくていいけど」

『了解致シました。'HI-KA-RI' を固有名詞として、内部語彙に登録致しまシタ』

 

「よろしくにゃー、ヒカリどの」

『コチラこそ、カラカル様』

「Glad to meet you、ヒカリ」

『So am I、ハナ子様』

「もしよければ、これから……()()()()()()の、この未知(やみ)の世界を()()()()になってほしい」

『With pleasure. ワタクシは、その為に生まれてきまシタ。ワタクシは、アナタ方人間様の、忠実な従僕でゴザイマス』

 

【仲間加入:懐中電灯の軍用AI「ヒカリ」が仲間になりました!】

 

『ア、箱の中には、他にも役立つグッズがアリますので、ドーゾお使いくだサイ』

「おお! ありがたい! なんと、ダクトテープ*91もあるじゃないか! やったぜベイビー!」

「だくとてぇぷ……って、それすごいにゃ?」

「そりゃもう! ダクトテープさんはなぁ、ホントにすっごーいんだぞ!」

「おぉ~っ!」

 

【その他グッズ:何にでも使えるぞ!「ダクトテープ」を入手しました!】

 

 さきほど拾った「鏡の破片」に……ダクトテープを巻いてふちを強化して、さらに持ち手をつくっておこう。

 

【その他グッズ:「鏡の破片」がなくなりました】

【その他グッズ:いろいろ使えそうな「破片の手鏡」を入手しました!】

 

◆さて、テンションが上がってきたところで――

A. 箱の中身をもっと調べる。★74へ進む。

B. 装甲車の周囲をよく調べる。★75へ進む。

C. ふわぁ~、疲れたしもう寝るか~。★76へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★74 ガンズ・アンド・ローゼス

 

 ヒカリの光(おかしな言い方だ)を使って、コンテナの中をさらに調べてみた。

 なんだこれは? この場に似つかわしくなく、花屋の木箱がある。

 荷札には「ジャパリセメタリー」とある……どっかの墓地へのおそなえものか?

 

 中には()()()()()がたくさん……。

 ……と思ったら、一緒に2つに分割された散弾銃(ショットガン)と弾薬が入っていた!

 

「10番径(ゲージ)のショットガンだ!」

『ハイ。合衆国製のウィンチェスターM1897*92「トレンチガン」ですネ』

 

「手動装填だから色々なのを撃てる利点があるな。弾薬はショットシェルとスラグだ……」

『これは、非反応性人工サンドスター・ビスマス合金系の、生体低毒性/環境影響ALARA仕様の「アンチ・セルリアン・ショット」デスネ。ハナ子様のおしりの45オートのACP弾と同じ、特注品デス』

散弾(ペレット)は、No.00B(ダブルオー・バック)9粒弾か。至近距離(クロースクォーターズ)での非装甲目標(ソフトスキン・ターゲット)の相手には最適だ」

『銃身の絞り(チョーク)がユルい平筒(シリンダー)デスノデ、中距離ではペレットがある程度散開シテ、複数目標に対しての行動制圧力に優れマス。「多勢に無勢」の状況デ、集団の敵の掃除(ちらかし)に有効デスヨ』

「場合によっては、一粒(スラグ)弾に換装してもいいな」

『ハイ。ベンツのドアも貫通()けるスラグ弾デス。装甲型(Armoured)や大型のセルリアンにも、ある程度の殺傷能力がアリマス』

「おお~! それに、ショットシェル用のスピードローダーもあるぞ……」

 

「……よ、()()()()が多いでゴザルな、おぬしらって……。け、結局、何の話にゃ?」

「すごい武器ってこと」

「わかったにゃ」

 

『シカシ、コンナ物騒なモノを戦争で好んでお使イになったんですカラ、マッタク合衆国の方は()()()でゴザイマスね』

「ヤバンとな? ハナ子殿って、ヤバンチャンか?」

「……し、失礼な……まあ事実だけど……。しかしハッキリ言う奴だなアンタって……」

『ハイ、スミマセン。任務の性質上、ワタクシの会話用ソフトウェアの、用語取捨選択アルゴリズムには忖度(そんたく)機能は付加サレテいませんノデ』

「HAHAHA……」

 

「なーなー、ハナ子殿って、ヤバンチャンなのか? おぬし()()()()()()か?」

『Correct. ハナ子様はヤバンチャンでございマス。新規の固有形容詞トシテ、内部辞書に登録しましタ』

「さ、さっきからうるさいよアンタラ! それよりも、さっそく組み立ててみよう!」

 

【※分解状態のショットガンを組み立てました。】

 

「しかし……旧式の骨董品とはいえ、これがあればセルリアンとの戦闘で役に立つだろうな……」

『ドーゾ、お持ち下さい』

「本当にいいのか?」

『先程の「箱開けテスト」や、お話をうかがった結果、あなた方には「正しい目的」のためにソレを使って頂けるだろうと判断シテイマス』

「Thx! じゃ、ぜひありがたく貰っていこう!」

 

『このショットガンは、旧式な機関部の構造上、暴発での速射ち(スラムファイア)が可能デス。安全面ではちょっとキケンですが……』

「でんじゃらす! 出会い頭での“粗挽き肉(グラウンド・ミート)作りには最高ってワケか!」

『やはり()()()()()()ですネ、アメリカンは……(小声)』

 

「ん、ん~? なんか言ったかナ?」

『NEGATIVE. 何も言ってマセン』

「にぇーにぇー、ヒカリ殿ぉ~。ノライヌ・ハナ子殿は()()()()なのだぞ」

「ハイ。オ名前通りの犬耳(ドッグ・イヤーズ)*93をお持ちデスネ……』

 

「にゅえ~、にゅえ~、さっきからさー、その()()()()()()って、そんなにすごいのでござるか?」

「チョーすごいぜ!」

『マジゲキヤバ威力ですが、セルリアンが相手なので「ハーグ陸戦条約」には抵触シマセン』

 

【射撃武器:連射可能なショットガン「ウィンチェスターM1897」を入手しました!】

【弾薬:接近時の集団戦に強い散弾「00B散弾」を入手しました!】

【弾薬:強力な単発威力の一粒弾「スラグ弾」を入手しました!】

 

◆こいつはすげーぜ!――

A. 装甲車の周囲を調べる。★75へ進む。

B. 疲れたしもう寝よー。★76へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★75 天然ガラス:ジャパリパーカイト石

 

 ヒカリの光(まぎらわしい言い方だ)を使って、装甲車の周囲の暗がりをさらに調べてみた。

 すると地面にきらきらと、光るものがたくさんあった。

 

「あらま、何だこりゃ? さっきは気付かなかったが……」

「ぴかぴかいしでござる!」

『ワタクシの光を当てて下さい、分光分析いたしマショウ。(ぴかぴか)……屈折率やその他光学特性から判断しますと……試料(コレ)は有意に高い可能性で、主成分をSiO₂する物質、つまり二酸化ケイ素(シリカ)のカタマリですネ。()()()()()()()*94ですヨ。色からすると、酸化サンドスターの含有量も多いようデスガ』

「えぇー! ガラスのカタマリだってェ? なんでそんなものがたくさん転がってる?」

 

『ハイ。自然界でもマレに見られる「天然ガラス*95」化現象デス』

「なるほど、自然のものなのか」

「ヒカリ殿はものしりでござるよ!」

 

『火山噴火や落雷、隕石衝突などの大きなエネルギーが必要ナノデ、珍しい現象デスけどネ』

「ほ~、かざんふんか、とな。あの大きな山が、ジャパリパークの火山なのでござるよ、ヒカリ殿」

『ハイ、カラカル様。ワタクシの現在の地理データにも、同様の記録がアリマス』

 

「……うーん、しかしまさかこんなところで、理科のお勉強をするとは……」

「いいじゃニャいか。『ガクモンはどこでもできる』と()()()()も言ってたのでござる!」

 

「しかし、あの火山とはここは、だいぶ距離が遠いけどな~」

『そうシマスと、この天然ガラスを作ったエネルギー源は、今のところ謎デスネ。この周辺には、それらしき化学的エネルギーの痕跡が全くアリマセン』

 

「しいて言えば、この装甲車の、砲弾を食らったような傷跡か……」

『デハ、過去の災害や事故、テロ、戦争記録のデータから、物的被害の例を検索して、類似性を照合シてみます……。パターン照会中……。...FAILED. このサンプルは経年のため特徴が不明瞭で、参照に失敗しまシタ』

「だめかニャ~」

 

「さてと、じゃあこのガラスも拾っておこう。何かの役に立つかもしれない」

「ハニャ子、光るものがすきか?」

「人をカラスみたいに言うなよ……」

「おぬしはカラスじゃなくて()()()()だものな」

 

『シカシ、実際ハナ子様には、イヌのように収集癖がございマスね』

「そりゃ、そうだよ。この状況……愚かさやビョーキ以外はなんでも、サヨナラせずに集めておくに限るよ」

『オッシャル通りでございますネ』

 

 この天然ガラスを、ドロボーが窓ガラスを割るように割って加工して、ダクトテープで柄をつけて……ガラスナイフ*96を作っておこう。

 

「わ~、ハナ子、おぬしツメをつくっちゃったのでゴザルかぁ~!」

「不格好だけど、ガラスで靴を作るよりかは、役立つだろう」

『ハナ子様には、靴ヨリも、ソチラがお似合いデス。ジャパリパークの王子様も、きっとそうオッシャルことでしょう』

「褒めてんのかソレ~……。まあ、真夜中の鐘が鳴って元の砂に戻らないといいけど!」

 

【近接武器:切れ味鋭いが欠けやすい「ガラスナイフ」を入手しました!】

 

 さらに、手ごろな大きさの赤い岩石を拾い集めて、予備の靴下の中に押し込む。靴下の口をきつく縛って、ブラックジャック*97だ。

 

【その他グッズ:「予備のソックス」がなくなりました】

【近接武器:遠心力を活かした打撃武器「ブラックジャック」を入手しました!】

 

◆よし、次は――

A. コンテナの中身をよく調べる。★74へ進む。

B. 疲れたしもう寝ようか。★76へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆5 あなたは何のフレンズさんですか?◆◆

 

★76 Meal, Ready-to-Eat

 

【時間帯:夜】

 すっかり太陽も沈んでしまうと、あたりは真っ暗になった。

 

「コンテナの中には他に何かないかな……。あ、野戦用のファーストエイドキットがあるぞ」

 

【回復グッズ:ケガ人に使おう「救急キット」を入手しました!】

 

「ムム……さらにこの奥の方には……わんだふぉー、()()()()があった!」

 

「にゃ、にゃ……ハブショ!」

 カラカルがネコのようなくしゃみをした。

「大丈夫? 日が落ちてだいぶ寒くなったな」

 昼間の暑さが嘘のように、風が肌寒い。

 

「みみ……サバンナの夜はこうして冷えるのニャ~」

「そろそろ、休むとしようか……」

「(ぶるぶる)そうにゃね~」

「このトレーラーの中で寝るのがいいかな」

 

 ホテル並みの寝床……とは呼べないけれど、地面よりはマシだ。こうして高い床や風よけの壁があるほうが、当然体熱が奪われにくい。

 

「明日も早くなるな。今のうちに、履きっぱなしのブーツを脱いで、手入れをしておくか……。……!!」

『ハナ子様、どうかシマシタか?』

「い、いや……! ()()()()()()……」

 

「みゃーうにゃー」

 と一声鳴くと、カラカルはひとっとびのジャンプでトレーラーの屋根の上に登った。

 

 まるでレンジャー部隊や、パルクール選手並みの身体能力……いや、それ以上か……!?

「すげぇジャンプ力ぅ……。あんた、まるで()()()()()()()()()……」

 

「にゃニャ、にゃんにゃん」

「……そんな所で寝るのか? 降りてきなよ」

「高い方が落ち着くでござるよ~(ごろごろ~)」

 

「で・も、寝る前に……『あの箱』の中にイイモノを見つけたから、それを楽しもう!」

()()()()()()()? とにゃぁ~?」

 まるで本物のネコのようにヌルリと高所から降りてきた。

 

「"Curiosity wakes a cat."か」

『ジャパリパークでは「好奇心はネコを起こす」ヨウですネ』

「いや~。拙者は元々『はくめいはくぼせい』でゴザルからにゃ~。日暮れには目が覚めるのでござる」

 

【回復グッズ:うまい!「ジャパリレーション」*98をコンテナから取り出しました!】

 

『合衆国製のレーション*99ですネ』

「粉末のコーヒー*100があったよ」

紅茶(ブラックティー)がナイのが残念デス……』

「それに、なんとピザだってあるぞ。製造年は20XX年か(最近なのか昔なのかわからん)……。でもTTIラベルの色はOKだし、見た目も普通だ……。それに(くんくん)臭いも変じゃない。ペロッ……味も大丈夫だな」

「ほぉ~、こぉひぃ、でござるか? ハニャ子どの達はものしりなのだにゃー」

「眠れなくなるかもしれんが、疲れた時にこの味は最高だよ」

 

『このピザは植物性原料100%の「ジャパリピザ」ですネ。コーヒーもピザも「ヒートパック」がついていますヨ』

「にゃんだそりゃ?」

『火を使わずに、食べ物・飲み物が暖まりマス』

「ほんと~? 火は苦手にゃんで、ありがたいでござるけど……」

 

「こうして水筒の水を入れると……!」

 

【回復グッズ:「水筒(水入り)」の水を使い切りました】

【その他グッズ:「水筒(中身無し)」になりました】

 

 それから約12分後……夜空の星が3°ほど回転して…。

 

(ぼぼぼ、ぼわ~!)

 

「にゃわ~! す、すごーい! まほうみたい!」

「あとは、かき混ぜるモノはないかな?」

 

◆かきまぜ棒(マドラー)になるモノは――

A. 昼間に拾った「先割れスプーン」を使う。【※「先割れスプーン」を拾っていて、戦闘中に使用していない場合】★77へ進む。

B. 落ちてる木の枝かなんかを使う。【※「先割れスプーン」を拾っていない or 戦闘で紛失した場合】★78へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★77 この、いつのまにかなくしてたこの先割れスプーンは、後にとあるフレンズ達の手に渡って数奇な運命を辿りますが……それはまた別のお話……。

 

「昼間に拾ったスポークを……って、アレ? 無いな? 戦ってた時に、どこかで落としたかな」

 

◆しかたない――

A. その辺に落ちてる木の枝を使う。★78へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★78 おいしいものもたくさん食べよう

 

「ほら、ブラックでいいかな。……いや、あんた、自分が()()()()()()()()()()とか言ってたから、コーヒーはマズかったか?」

「なにゆえ?」

「人間以外の動物って、人間の食い物は食べたらダメなのが多いからな。たとえばイヌの話だけど、飲めない・食べられないのは、コーヒーとかチョコとか、ねぎ(リーク)たまねぎ(オニオン)とか、アボカド、ブドウ、マカダミアナッツ、キシリトール……」

「ほ~、ハナ子殿、イヌの生態にはくわしいニャ」

「そうみたいだな……。あと、砂糖や柑橘油やキノコとかも、イヌにはよくないらしいよ」

 

「でも、聞いたことが無い食べ物ばかりでござるネ……。しかし、イヌって()()()()()()()()()()だと『先生』から聞いたけど、ヒトの食べ物が、いろいろダメなんでゴザルね~」

 

『ハナ子様、問題無いデスヨ。フレンズ化現象が起こった動物は「ヒト様雑食化」が進むノデ、ドノ種のフレンズも人間の食物を摂取可能にナリマス』

「そうか、それは良かった」

『一般的な例デスと、肉食性のオオカミが、ヒトによる家畜化で雑食性のイエイヌに進化したのと、仕組みじたいは同じデス。遺伝子の変化やエピジェネティクな変化の蓄積と、淘汰圧による表現形質の変化――これらが水平伝播的に一瞬で起こりうるのが、ジャパリパーク特有の「フレンズ化」現象ナノデス』

「むつかしいみんみ~」

「……ヒカリ、あんたもフレンズ化がどうとかって……。やっぱりその話って、本当なのかねえ……」

 

「ね? ね? それよりも、こぉひぃとやら、いいのか? 飲んでいいのか?」

「おお、はいこれどうぞ」

「かたじけぬ、ありがたく頂戴いたすぞ……()()()()()()()だが……」

『ニホンゴで「キャット・タン(猫舌)」という言葉がありマスが、実際にはネコの舌はそれほど温度差に敏感デハナク、ドチラカと言えば()()()()()()()()()()()()ようデスヨ』

「へえー」

 

「……ぶ、ブヘーッ! にゃ、にゃんじゃこりゃー!」

「ああ、体質的には大丈夫でも、味の方がお気に召さなかったか?」

()()()()!」

「あらら、クリームと砂糖いる?」

 

『ワタクシもカラカル様と同意見デス。紅茶(ティー)に比べたら、ソレはマサに泥水と形容すべきでゴザイマス』

「さすがイギリス製ロボだな……」

『ハイ。嗅覚センサーをOFFに致シマス』

「ちぇ、みんなオトナの豊潤な味の分からんのね……」

 

「いや、拙者、ハナ子殿の好意を無下にはできぬナリ! 武士道とは飲むことと心得たり!」

「いやいやいや。嫌いなのに、ムリしなくていいぞ?」

「え、えーい、武士に二言はない! こぉひぃ、望むところ! にゃにゃにゃ……(ちびちび)」

「べつにそんなつもりじゃないけどなあ」

「ううむ……。な、慣れればスキににゃるかも~……」

「そ、そりゃよかったが……」

「良いこぉひぃは口に苦しでござる」

 

『ワタクシ、感動致シマシタ!(ぴかぴか)』

「なんだ唐突に」

『カラカル様は、ジャパンのセンゴクピリオドのブショーコマンダーの、イシダ・ミツナリとオオタニ・ヨシツグのフレンドシップの心意気!』

「そんにゃ~、おおげさニャ~」

『なので、ワタクシも、人工嗅覚を高感度に設定致しますゆえ! Scent Sensor: Activated.』

「よーし! じゃ、やるのにゃ~! ヒカリ殿、拙者のこぉひぃの臭いが飲めぬか~!」

『Set Sensitivity: High. Awawa-wa-wa-wa-wa-wa...』

「げげ! 紅茶じゃないからって、禁断症状かっ?!」

 

『チャリーン!』

「アラ? なんだ、レジスターみたいな音出して」

『ハイ。コーヒーの()()()()デスノデ……』

「お金の()()()だけってコトか?」

「おあとがよろしいようでニャ」

 

「そして、おまちかねの……レッツ・エンジョイ・ピッツァ・タ~イム!」

『ウーン、やはりワタクシのセンサーは、贅沢を申しマスと、英国の料理のレーションの匂いのほうが……』

「イギリス料理のレーションなんてあるの? 紅茶の原産地とかライスカレーとかはインドでしょ?」

『コーヒーやピザだって、もとはエチオピアやイタリアでゴザイマスよ』

「いーや、本格派のアメリカン・コーヒーはこーしてドロドロが正解だし、ピザは焼き方が違うよ、アメリカのピザは生地が分厚いんだ」

「うにゃー、美味~いでござるっ! ぴっつあ・ぱわ~」

 

【というわけで……回復グッズ:「ジャパリレーション」を3人で心ゆくまで楽しみました……】

 

◆そして夜も更けて――

A. ふたりに()()()()()()()がある……。★79へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★79 Whodunit?(フーダニット) ~()()()()をできたのか?~

 

【時間帯:深夜】

 

「今日は、本当に色々あったよ。今朝、いわゆる「記憶喪失」状態で目覚めてから、ジャパリパーク、フレンズ、セルリアン、ラッキービースト……」

「うんうん」

「正直、信じられないことばかりだ」

『デショウネ。ジャパリパークというのは、トクベツな環境でゴザイマス。外部の方には、にわかには信じ難い現象が多いという評価デス』

 

「で、『ノライヌのハナ子』のこと、つまり私の正体について、一日のこれまでの()()()()()から、自分なりに推理してみたんだ」

「さようか! それはキリンの申すところの、めいたんていでゴザルでしょう!」

『ドウソ、ハナ子様のお話をお聞かせクダサイ』

 

【!!読者への挑戦!!】

【さあ、いままでお読みになった本小説の描写から「主人公ハナ子の職業」を推理してみて下さい!】

 

◆結論から言おう、私の正体はおそらく――

A. 警察官とか捜査官だな。★80へ進む。

B. ギャングとかマフィアみたいな、裏稼業の人間だ。★81へ進む。

C. 軍人か、軍関係者だ。★82へ進む。

D. 今をときめく超オモシロお笑い芸人に決まってる。★83へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★80 い・ぬ・の、おまわりさん

 

「私の正体……それは、警察官とか、刑事とか、そういうのじゃないかと……」

『おかっぴきね。オカピね。ごよーきき、とか、めあかし、とも言うでござる』

「時代劇だとな」

「でも、その『すいり』には、何か『証拠』があるかにゃ? キリンはよくそういってるニャ」

 

「(キリンて誰だよ?) まず銃の取り扱いに詳しい点。あと『シロ子』を助けた時に、色々なイヌに関わる知識がパッと思い浮かんできた」

『犬、と言えば、警察犬。ナノデ、その関係カモ?という推理なのデスカ?』

「そうそう」

『ウーン……状況証拠とシテは、かなり弱いと思いますヨ』

「えー、そうかなあ……」

 

『だいいち、物的証拠が何もないのデハ?』

「まー、たしかに何も物証は無いんなんだけど……」

「じゃ、だめだにゃ~」

 

◆じゃ、じゃあ――

A. ギャングとかマフィアかな。★81へ進む。

B. 軍人とか、軍関係者とか。★82へ進む。

C. お笑い芸人だぁっ! 美人薄命系のお笑い芸人に決まってる!★83へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★81 おぬしは腐ったミカンじゃにゃい!

 

「残念だが、ギャングとかマフィアの構成員……私の正体って、そういう、ちんぴら(ヘンチマン)の類だろうと思う……」

()()()()()殺陣(たて)で、ばっさばっさ斬られる、わるいやつのこと?」

「まあそんな感じ。銃器や戦闘に詳しいあたりが……。ふ、あたしの正体は、うすぎたねえスラムドッグってわけよ……」

 

「え、えー! そうかにゃあ? 違うと思うけど」

『デスヨネエ~。ワタクシも、そう判断しています』

「そ、そう? そう言ってくれる?」

 

「だってにゃ~。ハニャ子、おぬし、いい奴だもん」

『ワタクシも、ハナ子様の行動パターンを、出会ってカラ全て記録していますガ、犯罪心理学の統計データとは、特徴が一致しマセン』

「あ、ありがと! ふたりとも~! 私はこんなにいい友達ができて、とても嬉しい! I'm touched! うっうっ……(感謝の握手)」

「(ぐらぐら)……す、すいりは、どうしたにゃ~!」

「あ……そうだったね」

 

◆そ、それじゃ――

A. 警察官とか刑事、つまり「おまわりさん」かも。★80へ進む。

B. 軍人や軍属の「ソルジャー」かなぁ。★82へ進む。

C. お笑い芸人よっ!「スーパースターコメディアン」に決まってる!★83へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★82 ひとつの推理

 

「軍人や軍属、とにかく何かの形の軍隊の関係者の人間だった……ていうのが、もっとも可能性が高いんじゃないかと思う」

 

『その推理に、何か根拠はアリマスカ?』

「状況証拠を3つ言おう。証拠その1。私はどうやら銃器や軍の装備や車両に詳しいし、近接格闘のやり方も()()()()()()()。民間人ではないな。で、色々な点から総合的に判断すると、おそらく米軍関係者ってことになる」

「ハナ子どのの使う『じゅう』は、『ぐんたい』の武器にゃのでゴザルな。『いえ』で見た『じだいげき』でも、『ひなわじゅ~』なるものが出てきたし」

「そうそう」

「それに『よんよんまぐなむ』ってのも見たことあるでござるよ!」

「イヤ、たぶん時代考証はガバガバだぞ、その番組……」

 

「で、そして証拠その2。昼間に見かけた軍用救急車(ハンヴィー)も証拠のひとつだ。あれは所属こそ英軍だったがアメリカ製の車両だ。最後に証拠その3:だいいち、ヒカリ、あんた自身の存在そのものが、明らかな証拠だろ?」

『……。AFFIRMATIVE. それらの点については、オッシャル通りで。特に、RAVCに所属するワタクシの存在が「少なくとも英国軍がこの地にイタ」という確固たる証拠デス』

「ということは、同じ西側陣営であるアメリカ軍がいてもおかしくないって話になる」

 

『ときにハナ子様、「状況証拠」とおっしゃいマシタが、もしや「物的証拠」もお持ちデスカ?』

「ああ、これだ」

 

【ハナ子は、だいじなもの:()()()()()()()()()()()()()を、自分のブーツの中から取り出しました!】

 

『……! コ、コレハ……!』

()()()()()()()()()()んだ、気付いたのはさっきだけど。つまり、求めていたものは、実は最初からあったんだ。『灯台下暗し』『青い鳥は、すぐそばにいた』……」

 

『……』

「あんたもよく知ってるはずだ、これはドッグ・タグ(軍用個別認識票)。……米軍の正規の形状や書式ではないから、この現地で作ったものらしいけど」

 

『……』

「聞いた事があるが、IED(即席爆発装置)なんかのせいで()()()()()()()()()に備えて、ブーツの中にこういうモノを入れておく米軍兵士もいたらしい、イラク戦争の頃の話だ。そういうことだろう」

「ぶぅつ? って……ハニャ子、足の毛皮がとれて拙者正直ビックリなんにゃけど、そのぺらぺらのものが大事なモノなのでござるか?」

「ホレ、『HHANAKO』って、名前が彫ってある……。こっちのキャッシュカードと同じ名義だ。そして、『U.S. MARINE(アメリカ海兵隊)』だ。そして『SGT』つまり『Sergent(軍曹)』ともある」

 

「コレは、私の身元を示す動かしがたい証拠だ」

『……』

 

【!!「読者への挑戦」をクリア!!】

【!!あなたの推理はみごと正解しました!!】

 

【謎解き行動評価――A:2つのカギのコード入力とこの正体推理で間違えた回数が合計0~3回 B:4~8回 C:9回以上】

 

「この「ハナ子軍曹どの」こそが、私の正体なんだ……。でもなぜ、あのサバンナの建物で、記憶喪失で寝ていたのかは謎だが……」

『……』

 

「ヒカリ()()殿()……。英軍のあんたもここにいるってのが、私には『ただの偶然』とは思えない。もしかしてあんた……この人間について何か、くわしく知ってるんじゃないか?」

 

『ハナ子様……今カラ、その「HHANAKO」というワードで、ワタクシたち『人間軍』のデータを検索してミマショウ。その上で、アナタ様が「知る権限のある情報」を話させて頂きマス』

「ああ、お願いする」

 

◆……どきどき――

A. ヒカリの話を聞く。★84へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★83 シリアスな状況でネタ系選択肢を選んじゃう女!

 

「私は……体を張って笑いを取るのが仕事の、体育会系お笑い芸人、サバンナのノライヌこと、スカーレット・オハナだっ!」

「……」

「耳穴かっぽじって、よう見よ! 新春かくし芸! イヌの鳴き真似! ウーッ、ワフッ、ワフッ、ワフューンッ!(めちゃくちゃ上手い)」

『……』

 

「あれ? あんまりウケなかった?」

 

『NAGATIVE. 全然、フロートしマセン』

「さようで。ハナ子は、()()()()()()()()()でござるか?」

「ぶ、ぶくぶく~……」

「おぼれたにゃ」

 

「イヌって、みんな、こういう()()()()()()なのかにゃ?」

『犬種で言うと、ラブラドール・レトリバーやニューファンドランド犬のような、水に縁のあるイヌではないデスネ。情報信頼性:A+デス』

「……」

「しずんだにゃ」

 

「げほっ、げほっ!」

「陸にもどってきたにゃ」

 

「ふ、ふたりとも辛辣っ! 私、今すごく真剣にボケてるのに!」

「さよお~でござるか~(どうでもいい)」

『真剣さと面白さは、必ずしも相関関係や因果関係にはアリマセンよ。だいいち合衆国の人間は、ジョークのセンスが皆無デス。イギリスのドラマや演劇のウィットを見習ってクダサイ』

「んもー、あんたたちキライッ!」

 

「えーい! この、おばかぁっ! 最初から、まじめにこたえにゃさいっ!」(ネコパンチ炸裂)

「ギャー! ス、スミマセン……」

 

◆(しょぼーん)真面目に答えよう、私は――

A. ギャグセンスのない警察官とか捜査官です。★80へ進む。

B. ギャグセンスのないギャングとかマフィアです。★81へ進む。

C. ギャグセンスのない軍人や軍関係者です。★82へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★84 推理は続くよどこまでも

 

『ハナ子様……。この「HHANAKO」という固有名詞に関連する項目は、ワタクシたちの所属する「人間連合軍」のひとつである「アメリカ海兵隊」に、一件のみ存在シマス。該当する「ハナ子軍曹」は、合衆国の海兵隊に、間違いなく存在してイマシタ』

「やはりな……」

 

『シカシ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ワタクシは軍の人間にお仕えスル存在です。ナノデ、該当の「米軍のハナ子軍曹」に関するこれ以上の情報を、()()()()()()()()()()()()にお伝えする権限を持っていマセン』

「な、なんだそれは?」

「ニャンだそりゃー!」

 

「ど、どーいうことだ?? 私って海兵隊の軍曹だろ。なのに、軍の人間じゃないって……。でも米軍のハナ子軍曹とも言ったし……。()()()()()()()()()()()()してるぞ、ヒカリ!」

『NEAGTIVE. 矛盾シテイマセン。そもそも、ワタクシの軍用の昔ながらの(レトロスペクティブ)AIでは、矛盾する(パラドキシカルな)情報変数は、機能衝突(コンフリクト)にヨリ、職務に支障をきたす可能性がアリマス。ヨッテ、強固なプロテクトによって、矛盾の発生スル概念は取り扱うコトができまセン』

「む、矛盾してないって……? 話が全然わからんぞ……」

「よ・こ・も・じ……が、多い、ニャ。みみみみみ……」

「見ろ! アンタのハナシが分からなすぎて、カラカルのほうが、ロボになってフリーズしてるじゃないか!」

 

「みみみ、みみ、みんみ……みんみ~……」

「えーい、フリーズ、解除!(猫バンバン!)」

「ハッ! ……()()()に戻って来たでござるにゃ」

「この手にかぎる」

 

「しかし……いったいどういうことなんだ?? このドッグタグやキャッシュカードの『ハナ子』って、私とは()()()()()()()、ってことなのか??」

『AFFIRMATIVE but NEGATIVE. その質問に対しては、解釈によって、ハイとイイエ、どちらとも言えマス。あるいはそもそも、あなた様と「該当のハナ子軍曹」を()()()()()()()()()とも言えマス』

「いや~、そ、そんな事言われても……」

 

◆いや――

A. わからん……。★85へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★85 推理はもうお腹いっぱいだよ~

 

「では、拙者が今までのお話をまとめよう。大岡裁きにゃ! とゆーわけで、ひとりで喋らせてにゃ」

「ああ、カラカル。第三者がやってくれると助かる」

『宜しくお願い致しマス』

 

「話を聞くところ、海兵隊っていうトコロは『ぐんたい』の一種で、つまりヒトの群れにゃね」

「That's right. そのとおり」

「その『軍隊』の『ハナ子軍曹』と申すヤツに、話題を絞るのにゃ。1.)『ハナ子軍曹』という名前が書かれた軍隊のモノが、ふたつも見つかっているにゃ。2.) ヒカリは『ハナ子軍曹は軍隊に存在した』と言ってるでゴザル。3.) というわけで、1.) と2.) より『ハナ子軍曹』なるヤツは、軍隊に本当にいた」

「うん」

「この1.) 2.) 3.) のコトは、ヒカリも本当だと認める所にゃね?」

『ハイ。認めマス』

「うーん、ここまでなら、話が分かるんだよな~」

 

「4.) 今から言うのは、()()()()()でござる。この『ハナ子軍曹』ってヒトが、もしくは()()()()が、サンドスターでフレンズ化して、いまここにいる『ハナ子』になった……と、拙者は考えておる。でも、この推理は『このハナ子軍曹って誰なのか』っていう今の話題には関係ないので、今はこの話は脇に置いておくでござるネ」

「うん、そうだな」

 

「かんわきゅーだい。5.) でも、ヒカリは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とも言ったニャ。これも、認めるでゴザルね?」

『YES. 認めます』

 

「この問題の『5.)』が、今までと話が合わなくて、どうにも分からないんだニャー」

「『1.) 2.) 3.)』と、ムジュンしてるんだよなあ」

「わからないにゃ~、みんみ~」

「ヒカリ、このムジュンを持ちかけてきた本人から、なんか言うこと無いのか?」

 

◆私はもうお手上げだよぉ~……――

A. とりあえずヒカリの話を聞く。★86へ進む。

 

 

 

 

 

 

★86 結局ぜんぜんわかりませんでしたぁっ!

 

『……デハ、結論を言いまショウ。これは軍の作戦や装備ナドの「機密」に関わる事です。ワタクシの権限と、アナタ様がた「民間人」レベルの情報公開優先度デハ、これ以上の、詳細な説明を申し上げるコトができません。申し訳アリマセン』

「守秘義務ってヤツだな。どんな任務でもあるだろうけど」

 

『でも、ワタクシ、ハナ子様を助けたいと思ってイマス……。ユニオンジャックと紅茶とフィッシュ&チップスに誓って、コレは本当です。デモ、ワタクシの立場上は……』

「ヒカリは話せない事が多いってワケだな」

「くろうにんにゃのね」

『本当に、申し訳アリマセン』

「……いや、悪かったな。そういうこと、しつこく聞いて……」

 

『スミマセン。ただ、ハナ子様……「あなた様が知ろうとすること」を止める権限は、私は持っていまセン』

「ほう……つまり、邪魔はしないから()()()()()()調()()()ってわけだな」

『ハイ。そういうことでゴザイマス』

 

「でも、なんだか、全体的に軍関係のきな臭い話だ……。あんたも軍人ならわかるだろうが……任務の意図や、上級指揮官の命令上、()()()()()()()()()()()()()()()()、って状況になる可能性は高いかもしれないぞ?」

『イイエ。そういう条件下では、ワタクシ「スリープモード」に入ります。ナノデ、何も見マセンし、聞きマセンし、言いマセン!』

「ヒカリ、あんたって、()()()のロボットだったの?」

「NEGATIVE! これは、ジャパニーズ・ラクーンドッグ・スリープ・システムです!」

 

「ま、勝手に独りで調べろ……か。もとから、ワン・マン・アーミー(ひとりぼっちの軍隊)……いや正確には、ワン・マン・マリーンだけど、そのつもりさ」

「ハニャ子どのは、ひとりでもガンバる()()()()()()()なフレンズなのでござるからね!」

「そのとーり!」

 

「あ、でも……ハナ子どのは、1人じゃないでござるよ! 拙者を忘れちゃ困るのにゃ! それに、ヒカリ殿だって『しゅひぎむ』で話せないことがあるけど……頼れる、ものしりの、すっごいいい奴でござるよ! それは間違いない! 1人じゃなくて、なんと、すっごいフレンズが3人もいるでござるっ!」

「……。そうか……そうだったな。いや、スマン」

「わかればよいで候」

 

「寝る前に長話して悪かったな。じゃ、この話は、もうおしまいにしよう!」

 

◆そういうわけで――

A. 本当に寝よう。★87へ進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

★87 ALWAYS FAITHFUL

 

「ところで、このドッグタグ。よいことが書いてある。海兵隊の標語(モットー)、"SEMPER FI"。エーゴで言うと"ALWAYS FAITHFUL"だ」

「なんなのにゃそりゃ?」

「意味は『いつも忠実に』だ」

「ホー、武士みたいで、よい言葉でござるよ。でも、いったい何に忠実に?」

 

「シロ子……あのイヌ、アイツがセルリアンの罠にかかってた時、『助けたい』って思ったんだ。私の正体や、軍人だとしたら()()()()がどんなものだとしても……私は、どんな種類の人間だとしても、あの時のシロ子みたいに、困ってる動物も人も『助けたい』気持ちに『いつも忠実に』いたい」

「ハナ子どの、おぬし、立派な武士にゃのね……それだけは、拙者が保証するでござるよ」

 

「そう言ってくれるのは、ありがたいよ。もし仮に私がずっと独りだったら……きっと、不安で不安で、しょうがなかった」

「でも一人でも、ものすごい勢いでセルリアンと戦ってたのに?」

「ははは、言うじゃないか。……カラカルは、私の正体って、気になる?」

「ハナ子は、ハナ子でしょ。3人でいっしょに、こぉひぃと、ぴざを食べた、そのハナ子でござる」

「また一緒に、あんな美味いものを食べたいもんだな」

「うん……」

 

『ハナ子様、()()()()()()()()()()()()()()

「ヒカリ、なんだ? ブッシュからスティックに?」

 

『ワタクシの内臓レコーダーによると、アナタ様は「未知の世界という闇を照らす光になってほしい」とおっしゃいマシタね』

「それがどしたの? もちろん()()()()()()で言っただけど、でもあんたは懐中電灯で、実際光だし、そのまんまのたとえじゃないか」

『それ、()()()()()()。アナタ様がたが、暗い箱の中のワタクシを発見スルまで……()()()()()()()()()。存在目的の不在。nullです。生きた状態と死んだ状態の重なりにすぎまマセン』

「つまり、シュレディンガーのラッキービースト?」

『ハイ。観測者が居なければ、量子である光子は不確定のままデス』

「なんのはなしにゃ?」

 

『ハナ子様。カラカル様、アナタ様方は、人間です――正確に言えば、()()()()をお持ちデス。ワタクシの電子頭脳は、ソノヨウニ判断していマス。デスカラ、ワタクシがお仕えすべき人間の心こそが、()()()()()()()()()()ナノデス』

「……」

 

『今一度申しマスが、ワタクシは、あなたが人間という光につかえる従僕の獣 'LACKEY BEAST' でゴザイマス。だから、個体識別名は「ヒカリ」はピッタリなのですネ』

「……あんた、アヤシイところもあるけど、でも、それを言ったら何者かもわからない私のほうがアヤシイ奴だ。その全てが分からない世界でも、カラカルと、ヒカリ、あんたたちが大好きだ。それだけは間違いない!」

『Me, too. ワタクシもです』

「みゃー、すりー、にゃ」

「カラカル、英会話を覚えたの?」

「なんとなくにゃ。だって、ふたりだけでエーゴよく喋ってるにゃろ? でも拙者、もっとふたりと一緒にいて、エイカイワを覚えたい所存でござるよ」

「エクセレント、立派なサムライだ! ジョン・マンジロー!」

「それに、もっと3人でこのパークを冒険したいでござるよ。3人でいろいろな事を知りたいし、いろんな場所に行って、おいしいものをまた一緒に食べたいニャ……ムニャムニャ……」

 

「……眠そうね。じゃ、そろそろベッドの時間だ。パジャマ・パーティーはそろそろお開きにしよう。水や食べ物は明日の分を残しておいてあるから、明日の朝はやく、また朝食を食べてから出発するってどう?」

「うん、そうするのがよかろう」

 

「……今日は、あんたたちに出会えて本当に良かった。ありがとう」

「こちらこそ、ありがとうでござったよ! とってもおいしかったニャ!」

「そいじゃコーヒーの残りを、私のはじめての温かい友人たちに……熱い血を分けてもらった友人と、光のように聡明な頭脳を持つ友人に……乾杯!」

 

「それじゃ、また明日」

「おやすみにゃ~」

 カラカルは屋根に飛び乗ると、丸まって眠り始めた。

 

『ワタクシもスリープモードになって、節電イタシマス』

「私も寝なきゃ……と、言いたいけど……コーヒーのせいと、今日一日色々あり過ぎて……ああ、これじゃカンタンに眠れないよ」

『デハ、おもしろい「おはなし」でもシマショウカ?』

「眠れない良い子チャンのための『おやすみまえのおはなし』タイムか? じゃ、ナレーションよろしく頼むよ」

 

『デハ……解説付きプラネタリウムと洒落込みマス。夜空の「おおいぬ座」のあの明るい星の、あのシリウスの事ヲお話しシマス……。古代ギリシャ人は、あのシリウス「イヌの星」を、太陽を導く星だと考えたそうですよ』

「ほう、私もそんな『イヌの星』になりたいもんだな」

 

 ヒカリは星にまつわる神話を色々話した。

 

「なんてロマンチックな話だ。古代のギリシャ人やエジプト人ってのは、頭の良さとロマンを一緒に持ってたんだな」

 

『ハイ。ところでワタクシ、イギリスの由緒正しいRAVC「英国王立獣医隊」の技術少尉デス』

「ああ、最初にそう言っていたな」

『ワタクシの専門は、戦闘支援ではナク、獣医学デス。そのため職務の効率化のため、いわば「人間の倫理観」といったような感じの情報評価ソフトウェアがインストールされています。これは人間に密接に関わる法曹や医学の分野では、通称「AI法」の制限上で不可能で、それらの分野では単純なAIしか現在認可されてイマセン。しかし産業ロボットの一種の、野戦獣医師の技術支援機体であるワタクシのAIの場合は、動物に対して、いろいろと自分の独立した判断が可能デス』

「うん」

 

『ワタクシの「人間的な倫理観」ソフトの今のバージョンの判断で、「動物の一種」であるヒトのある行動に対して、ひとつ「感想」を言います。ワタクシは()()()()()()()()()()()()()。「戦争は政治の手段」と、クラウゼヴィッツというヒトが言いましたが……ワタクシの「倫理ソフト」による情報判断では、戦争は不合理です、理不尽です、行動評価Dマイナーです。戦争は全く論理的ではアリマセン。戦争が起こると、人間をふくめ動物達が、とくに弱い立場のものが犠牲になります……』

「……」

 

『その戦争の主体となる、人間……論理性の欠如……。でもワタクシは、そんな人間の考えることが、好きデス。「イヌの星が太陽を導く」なんて、そんな、全く論理的ではないコトを考える人間が、ワタクシは好きです」

「……」

 

『今申したこの話は、内容が矛盾していると思いますカ?』

「いや、矛盾してないと思う」

 

『あい、スミマセン。今のワタクシの発言は、個体情報の公開並列化による自己判断機構へのポジティブフィードバックを期待する意図の、不適切な内容デシタ』

「なにそれぇ? ひらたく言ってくれ」

『平易な語彙で言うと、()()()()()です。ハナ子様を、お付き合いさせてしまいマシタ』

「なーんだ。いいよべつに」

 

『ハナ子様、モシカシテ、モット眠れなくなりマシタか?』

「ちょっとな」

『スミマセン。ソレジャ、話題の方向性を3200ミル(ひゃくはちじゅうど)変えマス……。この、サビサビのSd.Kfz.251(ハーフトラック)にまつわるお話をシマショウ』

「え゛?!」

 

『時は1945年、「ラインの守り作戦」つまり「バルジの戦い」で連合軍に破れ、降伏も間近となったナチス・ドイツ……その総統アドルフ・ヒトラーと親衛隊長官ハインリヒ・ヒムラーは神秘主義に傾倒し、不老不死の秘密を欲して伝説の理想郷シャングリ=ラ(シャンバラ)を探し求めてイマシタ。チベット奥地にかつて存在したこの秘密の楽園は実は()()()()()()()()()()()()()によるものであり、第二のシャングリ=ラはこの太平洋のジャパリパークに有ると彼らは突き止めマス。ナチスはひそかにUボートにSSの探検隊を載せ、連合軍艦隊の監視を逃れつつ太平洋に進出し、旧日本軍と協力してこの地に――』

「ちょちょ、ちょっと待て! それ、()()()()()()()()()()()()()()()じゃないかっ!」

 

『オヤ? では、ジャパンの最古の文学「竹取物語」の作者と言われるキノ・ツラユキが左遷されたのは、しこくえりあのトサちほ~ではなく、実はここジャパリパーク、って話はいかがデス。彼は、ここでフレンズにインスパイアされて「かぐや姫」のアイデアを発想したと言われてマス。同じく「ウラシマ・タロー」に登場する竜宮城も、じつはココ、ジャパリパークのことで、助けたカメのフレンズにつれられて――』

「マ、マジすか? Really?」

 

『それに、古代チャイナの「ファーストエンペラー」に仕えた道教の道士ジョ・フクが不老不死の霊薬を求めて最後にたどり着いたのも、ここ古代ジャパリパークなのデス。あと、中世ヨーロッパの謎多き写本「ヴォイニッチ手稿」も、植物セルリアンの秘密を暗号で解説したものデス。フランスの占星術師ミシェル・ノストラダムスも「ジャパリパークのフレンズの秘密を学ばなければ人類は滅亡する!!」という内容の詩を書き残してイマス、ジャパンのマンガ編集部による独自研究ですガ……』

「!? な‥‥なんだって――――!!」

 

『さらにあのフロイトの唱えた潜在意識論も、ユングの集合的無意識論も、スキナーの行動心理学も、ユメイノー・Q・サックの脳髄論と胎児の夢説も、マグリットやデ・キリコやサルバドール・ダリのシュルレアリスムも、全てがサンドスターのパワーに影響されていて――』

「うう! き、気になりすぎて、眠れね~よ!」

 

『アトランティス大陸も、ムー大陸も、レムリア大陸も、その正体は、実は超古代のこのジャパリパークだったのデス!』

「ウワー! すげえ! むにゃむにゃ……」

「おぬしら! ふたりとも、うるせーにゃー……」

 

◆Zzzz……――

A. ぐーすかぴー。★88へ進む

 

 

 

 

 

 

 

 

★88 明日は明日の陽が昇る

 

 と、いうわけで……私、ハナ子の長い長~い暑い日(ドッグデイ)はこうして終わっていった。

 

 ジャパリパーク、カラカル、フレンズ、セルリアン、ラッキービースト、ヒカリ、米軍、海兵隊……。

 いったい、私「ノライヌのハナ子*101」は、何者なのだろうか……?

 

 でも、『いつも忠実に』だ。それさえ覚えておけば、きっと明るい道が開けるに違いない。

 

 さあ、明日は早起きして、川を渡らなければ!

 

 カラカル曰く、川を越えればすぐ近く「家」があるらしい。

 そこには、フレンズの『先生』もいて……。

 

 ほかにも、道中でたくさんのフレンズとの出会いが待っているに違いない!

 

『アメリカ版けものフレンズ ~けもののきろく~』

◆◆第0章(プロローグ)~完~◆◆

 

【→ TO BE CONTINUED... 第1章に続く】

*1
【※TIPSのチュートリアル】このように、作中で登場するワードに対して「TIP(注釈解説)」がつく場合があります。基本的には、ストーリー進行を理解するだけなら()()()()()()()()()()が多数ですので、気になる専門用語以外は飛ばして本編を読んでいくと進行がスムーズです。

*2
犬の日(ドッグ・デイズ)】欧米では真夏(北半球では7月~8月ぐらいの期間)をこのように"dog days"と呼びます。名前の由来は、この時期が暑すぎて()()()()()()()()()()から、というワケではなくってぇ……。星座「おおいぬ座」の鼻先(マズル)に位置する星、1等星シリウス(別名:Dog Star)と関係があります。この真夏の時期になるとシリウスが日の出とともに天に登り、日の入りとともに沈むことから「犬の日」と呼ばれるようになったそうです。「シリウス」はギリシャ語で「光り輝くもの」「焼き焦がすもの」という意味で、古代ギリシャ人が「暑い太陽を先導する星」だと考えたからと言われています。ギリシャ神話では、このシリウスの正体は実は、どんな得物でも捕まえる神犬「ライラプス」(どんな猟犬からも逃げる神狐「テウメッサの狐」と戦う)だとか、アテナのイカリオス王の忠犬「メーラ」(ハチ公的なエピソード持ち)だとも言われています。あるいはホメロスの『イーリアス』では、おおいぬ座のすぐそばにある「オリオン座」が象徴する狩人オリオンの連れていた猟犬のことであり、「戦争」や「災害」と関係する星であると説明されています。さらエジプト神話には、シリウスの神格化であるソプデト(ソティス)という女神がいます。天のシリウスの沈んだり出たりの様子で、夏至やナイル川氾濫など、農耕での重要なタイミングを判断できることから、豊穣を司る女神だとされています。ところで、偶然なのか関係あるのか、このソプデト女神の聖獣は「雌犬」なんだそうです。なおシリウスの等級(星の明るさを表す単位)は「-1.5等星」で、太陽を除いて()()()()()()()()()()です。※これはシリウスが8.61光年と比較的地球に近いためで、宇宙の恒星の中で特別に明るいわけではないです。「冬の大三角」を構成する恒星の中でも一番明るくて、都会の明るい夜空でもとても見つけやすいので探してみてくださいね。

*3
【ウェイクアップコール】ホテルには「モーニングコール」といって、朝に電話で起こしてくれるサービスがありますが……実は「モーニングコール」は和製英語! 英語では、正しくは作中のように"wake-up call"と言います。英会話では要注意です。「この人物」がここで言っているように、ホテルのフロントや電話でスタッフに直接頼めたり、プッシュホン式で時間指定できる場合が多いです。が、しかし目覚まし時計の設置により、このモーニングコールのシステムが無いホテルも増えている。

*4
【※選択肢のチュートリアル】このように、本編中で主人公が行動に迷うと、選択肢が出現することがあります。好きな選択肢を選んで下さい。()()()()()()()()()()()()します。また、その選択肢を「選ぶための条件」(過去にある行動を取ったか、ある道具を入手済みかどうか、など)が設定されている場合もあります。過去に選んだ選択肢や、入手済みの道具などは、暗記しておくとよいでしょう。また、以下のとおり「シーンスキップ」の選択肢も時々出てきます。細かい描写を読みたくない読者様はスキップするとよいです。

*5
【熱帯装備】第二次大戦を舞台にした戦争映画やプラモデルの箱絵なんかで見かけるような、イギリス軍やアメリカ軍、DAK(ドイツアフリカ軍団)みたいな熱帯仕様の服装です。この頃の軍服は、元々オリーブグリーンやカーキ色だったのが、熱帯の強い紫外線ですぐ退色・変色して真っ黄色になってしまうそうで……。キャンバス地のベルトは、革製に比べて乾燥地で劣化しにくいために身につける兵士が多く、そして頭部のゴーグルやスカーフは、熱風や砲撃の爆風や砂塵から目鼻口を守るために有効だったそうです。

*6
【出っ張っていない】つまりヒトをふくめて動物共通の法則として、オスではなくてメスです(※ブチハイエナなど一部例外アリ)。初回からいきなり下ネタなんていやぁ~ね~、お下品ですねぇ~。……話は変わりますが、「生物の基本形はメスである」という説があります。生物の数の()え方には、「有性生殖(オスとメスで増える)」と、「無性生殖(分裂などで増える)」があるのですが、無性生殖(分裂)のほうが歴史が古い――つまり、世界はかつて「メスだけであった」とも言えます。またヒトの場合の性決定は性染色体(※染色体とは細胞内に存在する体の設計図みたいなもの)が「XX」だとメス、Xの異型のYを持つ「XY」だとオスになるため、(ヒトの)オスはメスの変形である、と言えるのですね。※この解説は純粋に生物学的なもので、差別的な意味はありません、念のため。

*7
掩体壕(えんたいごう)】鉄筋コンクリートや土嚢、鉄板、木材などで補強された防御用の陣地(軍事建造物)のこと。特火点やトーチカ(ロシア語から)とも呼ばれ、英語ではbunkerやpillboxだ。他にも掩蔽豪(えんぺいごう)とか退避壕(シェルター)とか防空壕とか似たような言葉があり、構造や設置目的が違うがだいたい同じ意味。銃撃や砲撃や爆風などの攻撃から中の兵士を強固に守る事ができる、小さな要塞のようなもので、「銃眼」と呼ばれる小さな隙間から、機関銃の銃身だけ出して安全に外を攻撃することができる。より簡易だが構築しやすい「塹壕(トレンチ)」と組み合わせたり、人間は通さないが銃弾は通す悪魔的な発明である「鉄条網(有刺鉄線)」などの障害物で囲ったりなどして、迷路じみた複合構造になることもある。近代以前の戦争ではこういったような「穴ぐらに引きこもりながら飛び道具で戦う」戦法は、昔の銃器や弓矢では攻撃力が少ないためあまり決定的ではなかった(おまけに敵に突っ込まれてしまうと、閉所ゆえに騎兵や長槍兵といった近接攻撃専門の兵士の援護も受けられない)。なので、トーチカや塹壕などといった「塹壕戦術」は、18世紀に初めて提唱されて以降、19世紀~20世紀初頭の戦争(南北戦争や日露戦争、ボーア戦争など)で、高性能な機関銃や火砲などの銃火器や野戦築城技術が発達して、あの地獄的な第一次世界大戦によって本格的に生まれたものなのだ。

*8
【ティンガティンガ】エドワード・サイディ・ティンガティンガは、1960~70年代、タンザニアの都市ダルエスラームにて活躍した画家だ。ゾウ、キリン、イボイノシシ、バオバブの木、キリマンジャロなど、アフリカの動植物や自然風景を題材に、エナメルペンキを使って壁や建材に絵を描いた。正規の美術教育を受けていない自由奔放な作風が特徴。詳しくはこの回の終わりにある「参考資料」のリンク先のページをどうぞ。

*9
【不気味な絵】まったく関係無いのですが、イメージ的に言いますと、上野公園前の廃駅「博物館動物園駅(京成電鉄本線)」の「ペンギンの絵」みたいな感じなのです。この駅はずっと前(1997年)に使われなくなった駅なのですが……秋本治先生の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の95巻にもそのエピソードが載っているので、知っている方も多いかもしれません。作中で『子供が見たら泣くぞ!』と言われたり、怪談話が語られているあの絵です。なお博物館動物園駅は、2018年には「東京都選定歴史的建造物」に選定されて一般公開され、その後もイベント等で使われています。

*10
【バックパック】背中に背負う袋状の入れ物のこと。古い日本語では背嚢(はいのう)。backpackは英語で、リュックサック(rucksack)はドイツ語(英語でも使う言葉だけど発音が違う)、どちらも「背中の袋」の意味。そして「かばん」なら日本語……なんだけれども、その語源には諸説あります。中国語で「文挟み」(時代劇や古文や歴史の教科書で見かける、えらいひとにお手紙を差し出す時に使ってるあの杖)を意味する「夾板(キャバン)」から来ているとも、中国語で「お(ひつ)」の意味の「夾槾(キャマン/キャワン)」が由来とも、オランダ語の古語"kabas(カバス)"が語源とも……ただしどれも論拠は不明です。少なくとも「かばん」は、明治時代に使われ始めたけっこう新しい言葉です(明治6年のウィーン万博で初出)。それまでは「胴乱(どうらん)」などが、この意味として使われていたそうです。そして「鞄」という漢字も、元々は中国では「物を包むためのなめし皮」や「なめし革職人」の意味であって、袋物を入れて持ち運ぶ袋状の道具を指していなかったそうです――現代中国語でもかばんのことは「鞄」ではなく「(バオ)」と言います。……で、明治初期には「革手提」「革袋」「革包」「革盤」など色々な漢字が「かばん」に当てられていました。そこで初めて「鞄」の漢字に「かばん」という読み方や意味を与えたのは、老舗のかばん屋さん『銀座タニザワ』創業者の谷澤禎三氏であったと言われています。さらに明治22年には国語辞典『言海』でこの漢字と読みが取り上げられて、一般に広まったということなのです。「かばん」については本当に諸説色々あって不明な点が多く、そもそもが大和言葉なのか外来語なのか、もし外来語ならばどの言葉が由来なのかという、基本的な事柄すらもはっきりしないという、すっごいミステリ~な言葉なんですね……。ところで(かばん)(くつ)って似てる……似てない?

*11
雑嚢(ざつのう)】その漢字のとおり、雑多なモノを収納しておく「軍用かばん」の一種。肩からストラップで下げたり、腰のベルトに吊り下げられるサイズの、やや小型のものを指す。米軍/英軍タイプのものは作中のように通称ハバーザックと呼ばれ、別名「ミュゼットバッグ」「スモールパック」。第二次大戦時のモデルの「M1936型ミュゼットバッグ」が有名だ。腰ベルトに下げるドイツ軍タイプのものは「ブレッドバッグ(独語:ブロートボイテル)」と呼ばれているぞ。名称は知らなくても、戦争映画やプラモデルで、あるいはファッションとしてこの形のバッグを見かけたことがある人は多いでしょう。

*12
【水筒】水を入れて持ち運ぶ容器。日本語で「水」と書かれるのは、やはりアジアでは竹製の筒状のものが一番一般的だったからと言われている。このように水「筒」と言いつつも、水の持ち運び容器としては、木、ひょうたん、瓶、陶器、動物の革・胃袋・膀胱などの容器も昔から広く見られる。ひょうたん製や革製であれば、(とくに乾燥地帯では)表面の微細な穴から水分が蒸発し、気化熱によって内部の水が冷やされるという利点がある。そしてキャンプ用や軍用の水筒はとくに「キャンティーン」と呼ばれ、専用カップが付属しているものが多い。アルミやスチールなどの金属製の水筒は、頑丈で壊れにくく、緊急時には火にもかけられるメリットがあるが、ジャングルなどの湿度が高く土壌が酸性・アルカリ性の場所では腐食しやすいという弱点も。なのでプラスチック(ポリエチレン)製水筒がベトナム戦争の頃から使われ出してから、最近の軍用水筒はそっちが多い。プラ製だと折り畳めるものもある。兵士や旅人にとっては水分補給用の必需品だが、怪我人の傷口を洗浄したり、毒ガス攻撃の有毒成分を洗い落とすなど、医療用としても重要となる。

*13
【チャームズキャンディ】Charms Candy Company社のあめ玉(ハードキャンディ)です。第二次大戦から2007年までの長きにわたって、米軍の糧食(レーション)(Kレーション・Cレーション・MRE)に含まれていた由緒あるお菓子です。こういうお菓子は非常時のカロリー補給用であるため、おいしすぎて食べ過ぎてしまうとイザというとき困るので、わざとおいしさを抑えてビター風味にされているとか。"Charms"は「魔除け」の意味。ちなみに、アメリカ英語では"candy"は甘いお菓子類全般を指す言葉(※ただしケーキやドーナツなどの粉モノを除く)。"candy"と言ってチョコレートやラムネなども含むのは、日本人から見るとなんかへんな印象ですね。

*14
【Hanakoのほうが姓…】これは、なんとも日本人らしからぬ考え方だ。というのも、日本語の場合は、名前は名前として、苗字は苗字として、多くが片方のみに決まっていて「どちらでも使える名前」はほとんど無い。しかし欧米だとHenryとかSmithとかThomasとかTaylorとか、(ラストネーム)にも(ファーストネーム)にも成りうる名前がたくさん存在している。もともと英語圏の姓(つまり苗字)は「同じ名前の人達を区別する」目的で、12世紀以降に始まった習慣なのですが……17世紀からは、なぜかこの順序が逆になって、()()()()()()()()()文化が英米(とくにアメリカ)で一般化した。これが()()()()()()()()()()()が英語圏でたくさんある理由なのです。

*15
【タブロイド判】新聞紙のサイズの1種。縦:406mm×横:272mm(見開き時:406×545mm)となる(※国や印刷物の種類によって多少異なるようです)。コレを2倍にしたのが、日本国内の普通の日刊新聞の大きさである「ブラケット版(スタンダード版)」の新聞で、サイズは縦:545mm×横:406mm(見開き時:545×812mm)になる。この新聞紙の見開き時の対角線の長さは、「三平方の定理」と電卓で計算してみると分かるが、√(0.545² + 0.812²) ≒ 0.98mで、約1mになる。まとめ:()()()()()()()()()()()()()()()()()()。何かのサイズをパッと測る時に役に立つので、覚えておくとよいかも。

*16
【サバンナ】中学高校で習う「ケッペンの気候区分(植物景観を元にした世界の気候の分類)」のひとつ。雨のたくさん降る夏(雨季)と、乾いた冬(乾季)という、ふたつの明確な季節のある熱帯の気候帯がサバナ(サバンナ)に分類される。赤道直下の熱帯雨林気候の周囲部分(だいたい北緯/南緯10°~20°あたりの地域)に多く分布している。地球の地軸は23.4°傾いているため季節によって太陽光の受け方(受光量)が異なり、サバナ気候の地域は夏(北半球なら7月付近)には赤道低圧帯(熱帯収束帯)の元に入るため低気圧(上昇気流)のはたらきで雨が降り、冬(北半球なら1月付近)には中緯度高圧帯(亜熱帯高圧帯)に入って高気圧(下降気流)の影響で天気が良くなって乾燥する――南半球ではこれが逆になる。気候記号では、サバナ気候はAw(Aは熱帯、wは「冬に乾燥」の意味)と書き、『アフリカ(A)の、若干ゃ草(w)生えているところ』と覚えるといいのです。なお、サバナ気候帯で見られる背の高い草原と疎林(まばらな低木林)という植生(特定地域の植物の集まり)のことも、同じくサバナ(サバンナ)植生と呼ばれる。英語ではどちらでも"Savanna"だが、なぜか日本では、気候のほうをサバナ、植生をサバンナと呼び分ける場合が多い。アフリカ大陸ではその植生の45%をサバンナが占めており、まさにアフリカを代表する植生だと言える。乾季に葉をつけていると気孔から水分が蒸発してしまうため、サバンナでは乾季に葉を落とす落葉広葉樹が多く分布している。この落葉のために年間の光合成量が少なくなり樹高は低くなりやすい傾向にある。多くの樹木が傘のような樹形をしており、根っこも同じく形に広がり、なるべく多くの水分を吸収することができる(※一般的に樹形と根の形状は似る場合が多い)

*17
【サバンナまめちしき】南米・東南アジア・オーストラリアの同じサバナ気候にもサバンナ植生が分布しており、景観こそ似ているが植物の分類的にはほとんど共通性が無いぞ。日本では小笠原諸島の最南端のみがサバナ気候だ。ところで、季節風や山地などの局所的な影響で「夏が乾季で冬が雨期」という、サバナ気候の季節が逆転した気候である「熱帯夏季少雨気候(As)」があるが、地球上では本当に狭い地域にしかなく、サバナ気候に含まれる場合が多い。ちなみにアフリカ大陸の南部、ナミビア・ボツワナ・南アフリカ共和国にまたがって位置する「カラハリ砂漠」は()()()()()()()()のです。名前が非常にまぎらわしいが、カラハリ砂漠は真の砂漠ではなく、乾燥した疎林地帯や「ゼリック・サバンナ生態域」(乾いた草地)といった、半砂漠地帯に属している。棲んでいるのもライオンやハイエナ、ダチョウ、オオミミギツネ、アードウルフなど、砂漠の動物ではなくサバンナの動物達だ。※この地域は3~4万年前頃には()()()()()だった時期もある。というわけで、今の「アフリカにある砂漠」は、サハラ砂漠(リビア砂漠を含む)と、ナミブ砂漠だけなのです。

*18
赤い土(ラトソル)】気温が高い熱帯気候では土壌の岩石鉱物の分解反応が激しく、鉄分やアルミニウム分が遊離し、それらが雨で酸化、つまり錆びて、酸化鉄や酸化アルミニウムになる。そういうわけでサバナ気候での酸性土壌は「錆び」て赤っぽい色になり、「ラトソル(ラトゾル)」や「ラテライト性土壌」と呼ばれている。落ち葉などの植物質が腐った腐植(栄養分の多い黒土のもとになる)は、微生物の働きが活発となる熱帯ではすばやく分解されてしまうため、この赤い土は栄養が乏しく農業には向いていない。

*19
【赤い岩(フェリクリート)】降水の少ない乾燥地域において、地下水に染み込んでいた成分が蒸発により登ってくる現象により、地表付近に集まって形成される固い風化殻の総称を「デュリクラスト」と言う。鉄分が多いフェリクリート、ケイ酸に富むシルクリート、石灰成分のカルクリートがあり、後者ほどより乾燥した気候で形成されるため、その地形が形成された時期や気候を示す指標となる。このうちのフェリクリート(別名:キュイラス、カラパス)は赤褐色の岩石で、地下で鉄被殻(鉄盤層)を形成し、植物が根を張る時の大きな障害となる。サバンナでは大きな木が育ちにくく、農耕に向かない原因のひとつだ。なお、カルクリートは、アフリカ南部の乾燥地域のナミビアやボツワナでは、地面に撒いて固めて簡易舗装として使われることがある。周囲は赤い土壌なのに道だけ白くなっているのだ。雨が降ってもぬかるみやわだちができにくいカルクリート道だが、土地に慣れない地元民でないドライバーだと車でスリップしての事故が多いという。日本や米国以外の多くの国々では、今でもマニュアル車が多いので、現地に行かれて車に乗る方は注意です。

*20
【背の高い草むら(エレファントグラス)】アフリカサバンナを構成する草本の一種、エレファントグラス(ナピアグラス)と呼ばれるチカラシバ属のイネ科植物。じつは日本にも入ってきていて、エノコログサ(ねこじゃらし)の親玉のような外見の、草丈1~2mにもなる草だが、熱帯アフリカの日差しの下では4~5mと、ものすごくデカくなるのだ。マズイのか?消化が悪いのか?アフリカの地元の草食動物はこの雑草には見向きもしないが、現地住人はこの草を()いて屋根や壁にしたり編んで道具をつくるなどして有効利用している。こういった単子葉植物であるイネ科植物は、タケ・ヤシなど一部除いて多くの種が草本(草になる植物)で、地下の浅いところに「ヒゲ根」を伸ばし、広範囲から水分を吸収できるために乾燥地に強いぞ。生物量(物質量)では、地上よりも地下の方が多くなるほどだ。イネ科のほかにも、サバンナでは双子葉植物のナス科植物や多肉植物などもいたるところに生えている。

*21
【アカシア】アカシアの仲間はたくさんあり、東アフリカのケニアのサバンナだけでも40種以上ある。マメ科(※異説ではネムノキ科とも)アカシア属のサバンナアカシア(学名:アカシア・トルティリス"Acacia tortilis")がとくに有名。成長すると高さは20mにもなり、テレビのドキュメンタリー番組のサバンナの風景としておなじみ。ゾウやキリンが低いところの葉を食べるため、傘のように横に広がるという特徴的な形状になるので、別名アンブレラ・アカシア。実はものすごく鋭いトゲだらけの木で、動物たちは平然と葉を食べるけど平気なのだろうか……? ちなみに日本にあるアカシアは、明治時代に輸入された北米原産の「ニセアカシア(ハリエンジュ)」を指していることが多いです。ところで、こいつらアカシアの仲間は、みんなマメ科の植物なので、「根粒菌」という細菌を根っこのコブに共生させて、土壌中の空気から窒素からアンモニアを合成できる(=肥料を自力で作れる)という、ドイツ人(ハーバーさんとボッシュさん)もビックリのスゴイ植物だったりします。

*22
【他の木々(ミオンボ林、モパネ林)】「ミオンボ」も「モパネ」もアフリカ中部~南部の固有種のマメ科(※もしくはジャケツイバラ科とも)の樹木のこと。ミオンボはアフリカの南緯5°~20°あたりの地域に分布するブラキステギア属の総称で、細長く成長する樹木だ。樹高は条件が良ければ10m~20mほどに達して「疎林」を形成することがある。モパネ(モパネノキ)は南緯20°付近の狭い範囲に分布している1属1種の半落葉樹だ。蝶のような形の双葉と薄い果実が非常に特徴的で、丈夫な幹は建材や燃料として地元では重宝される。ちなみにモパネの木の葉を好んで食べる「モパネワーム」というヤママユガ科の幼虫が、現地の貴重なタンパク源として食用にされている(※虫嫌いの読者さんは検索注意です!)。ナミビアの首都ウィントフックのレストランでは「モパネワームのトマトソース和え」が食べられるんだとか……。

*23
【ベトン】軍事用語でコンクリートのこと。フランス語もしくはドイツ語に由来しているらしい。なんだか毒々しい響きのポケッタ~リな言葉だが、「タイプ:どく」では無いし、レベルアップで別のモンスタ~リな存在に進化したりもしない。

*24
【ステンシル】特徴的な形のアルファベットや数字の「型」のこと。金属製の場合は多くは真鍮(しんちゅう)製。とくに軍需品や軍用車両などはこのステンシルと、カラースプレーやペンキとハケを使って文字と数字がペイントされている。簡単に効率的に同じ図柄を量産でき、曲面や凸凹面にも塗装しやすい、というメリットがある。※全く関係無いのですが「ステンシル」と聞くと個人的には、少女漫画雑誌などのファンシ~な付録っぽいイメージがあります。

*25
【岩山:残丘(コピエ、メサ、ビュート)】まるで海原に浮かぶ島のような、準平原に孤立した「島山」地形のことを、地理学用語では残丘(ざんきゅう)(モナドノック/インゼルベルク)と言う。火山活動や地殻変動による隆起ではなく、逆に断層運動や浸食により「取り残された山(残存山地/浸食山地)」のことだ。アフリカのサバンナに点在する岩山地形「コピエ」も、花崗岩からなる残丘の一種で、オーストラリアのあのウルル(エアーズロック)も巨大な残丘なのだ。日本国内では、大岳山(おおだけさん)御岳山(みたけさん)(東京都)、北上高地にある早池峰山(はやちねさん)(岩手県)、阿武隈高地の大滝根山(おおたきねやま)(福島県)、筑波山塊の筑波山(つくばさん)(茨城県)などが残丘地形だぞ。この残丘の一種として、西部劇などで見かけるあの特徴的な、メサ(卓状台地)やビュート(メサがさらに削れた細い地形)という、乾燥地特有の平たい台地地形がある。メサ・ビュート地形は、国内なら香川県の屋島や琴平山などで見られるが、湿潤な気候である日本ではかなりレアな地形。一般的に、湿潤な地域では岩が()()()()()()ようにして浸食が進み、三角形の山になりやすいからだ。一方、乾燥地においては浸食作用により岩山が()()()()()()()()()()()、テーブル状の地形になりやすい。これらメサやビュートの上部の平坦面では、浸食されにくい岩盤であるデュリクラスト(※上記の*19【赤い岩】のTIPを参照)が形成されやすい。

*26
【虹の色(科学的な説明)】日本や、アメリカやイギリスの古典的な考えでは、虹はこの7色とされているが、これは虹色の()()()()()()だ。虹の7色:紫・藍・青・緑・黄・橙・赤(※おぼえかた:英語のそれぞれの色の頭文字を取って、VIBGYORとか、Roy G. Bivなどと語呂合わせ)。虹の色について初めて科学的な実験を行ったのは、かの有名な英国の科学者アイザック・ニュートンで、壁に空けた穴から線状の白色光をプリズム(ガラスや水晶製の三角柱)に照射する、という実験をした。すると「色の無い光」が、プリズムを通ると「7色の色彩」に分解(分光)される、という結果になった。これは空気中を進んできた光が、プリズムという異なる媒体に進入するために起こる。白色光を構成する7色のそれぞれの光成分が、屈折率(※異なる媒体への光の進入時、その進路が曲がる割合。その物質や、光の色=波長によって変化)の違いにより、それぞれ違う角度で屈折して7つの光線に分かれるのだ。このように()()()()()()()()を「分光スペクトル」と呼ぶ。このプリズム分光実験と同様のことが、大気中で自然に起こる現象が「虹」だ。虹が出るには2つの条件がある。1.) まず雨上がりの時や大きな滝のそばなどで、その場所の空気中に水分が多いこと。2.) 観測者の背後に太陽などの光源があること。ナイアガラの滝やビクトリアの滝の写真や映像などに、ほぼ必ず虹がうつっているのは、この2つの条件を常に満しているためだ。虹の見えるメカニズム:1.) 光が空気中の水滴という媒体に飛び込む。2.) プリズム実験と同じく屈折により7色の光への分光が起こる。3.) それら7色の分光が水滴内から空気へと出る際、角度が大きいと「全反射」という現象が起こり、鏡のように逆方向へ反射する。4.) この反射光が、水滴から空気中へ浅い角度で出る時にも光の屈折が起こる。5.) 空気中の様々な場所の水滴から、様々な色の光が(赤い光なら上の方から、紫の光なら下の方から)観測者の目に飛び込んでくる……というわけだ。3.)の「全反射」が起こるためには、水滴への光の()()()()()()(40~42°)である必要がある。この角度以外の光線は目に届かない(=見えない)。なので虹の形は、目へ一定の角度で進入してくる7色の光の集合、つまり、目を中心として現れる「虹色の光の円」になる。これが普通は光の下半分が地面で隠されるため「半円形」になるというわけです。

*27
【虹の色(文化的な説明)】科学的には虹は7色なのだが、実際の虹の光学スペクトル(色調)は連続しており、明確な境界があるわけではない。キリスト教では「7が聖なる数字」とされていて、7曜日や7音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)の数も聖書に由来している。ニュートンはこれらを参考にして虹の色も7色としたと言われている。しかし、世界中どこでも「虹」という気象現象は同じだが、言語や民族によって「色」や「数」に対する考え方が異なるため、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。現代のアメリカやイギリスでは一般に「藍」を抜いて6色とされているし、ドイツやフランス、中国、メキシコなどでは5色。ロシアやインドネシアやショナ族(ジンバブエやザンビア)やフィリピンのハヌノオ族では4色。そしてリベリアのバサ族(カメルーンのほうのバサ族ではない)では、(あか)(暖色)と(くろ)(寒色)の2色としており、ほかにも虹を「明暗の2色のみ」としている文化は世界中にかなり多いようだ……日本の沖縄ちほ~でも、昔は「オールー(明るい)」と「アハイル(暗い)」の2色だと認識されていた。また、それぞれの文化における「尊い数」というのも重要で、たとえば昔の日本では「五行思想(中国から入ってきた仏教や風水に関わる思想)」の影響により、5色とされた時代が長く、中世ヨーロッパでは長らくキリスト教の聖なる数「三位一体」の3色とされてきた。さらには明確に何色かに決まっていなくて、個人の感性によって数が異なる国もあるようだし……。このように、虹の色の数はまさに典型的だが、異なる言語(=文化・思考)によって()()()()()()()()()()()()()()()()()、という考え方を、サピア=ウォーフの仮説(言語的相対論)と言う。結論:()()()()なんてとっさに思うこの「ハナ子」という人物は、日本語の話者ではあるが、基本の価値観は()()()()()()()ようなのだ。

*28
蒼鉛(ビスマス)】赤みを帯びた銀白色の金属元素で、希少金属(レアメタル)の一種だ。元素番号:83。元素記号:Bi。輝蒼鉛鉱(きそうえんこう)(化学式:Bi₂S₃)という硫化鉱物に含まれるほか、単体の自然蒼鉛(しぜんそうえん)という鉱物としても産出し、天然の自然蒼鉛では結晶形にならない。ビスマスはナイフで切ることができるほど柔らかく、さらに融点が約271 ℃と低いため、加工しやすい。以上の性質は鉛(Pb)と似ているが、鉛と違って人体に毒性が低い……などの特徴がある。そのため、精密品の金型に加工されたり、鉛の代替として()()()や釣り用の(おもり)や銃弾用に使われたり、顔料、医薬品(整腸剤の次硝酸ビスマス)として利用されている。ビスマス結晶は融点の低さゆえに、家庭用のガスコンロなどでも簡単に作ることができ、「骸晶(がいしょう)」という、面部分がくぼんだ特徴的な形状の結晶になりやすい。ビスマスは結晶が生成されてから冷却されると、空気中の酸素と化合して虹色の酸化被膜をつくり、きれいな骸晶・酸化膜のビスマスの結晶標本は、観賞用や理科教材用として市販されている。ビスマスを含む低融点合金(ウッドメタル)は約70℃という低い融点で溶ける合金という性質を利用して、火災消化用スプリンクラーの口金やヒューズに使われたり、あるいは氷やドライアイスに代わって現代の推理小説の化学トリックにもなることも……。さらに、ビスマスには超伝導体(液体窒素で冷却されると電気抵抗が無くなる)の性質もあり、ビスマス系を材料にした超伝導電磁石が「山梨リニア実験線」で使われている。まとめ:なんだかスゴイ金属です!

*29
【ブロッケン現象】太陽光が山頂に差し込み、雲や霧の粒によって光線が拡散して、観測者の影の周囲に「虹の輪」が出現する気象現象。ドイツでは「ブロッケン山の怪物」と呼ばれ、日本の仏教や修験道では阿弥陀如来の「御来迎」などと呼ばれて、長らく神秘現象だと思われてきた。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に登場する「天気輪」もコレだという説がある。基本的に山岳・航空機から観測できる気象現象だが、福島県・奥会津の只見町の名物になっているように、特殊な条件下においては平野部でも観察できる。また太陽光ではなく、自動車のヘッドライトによりブロッケン現象が起こることもある。

*30
【遠くは細部がぼやけて】美術では「空気遠近法」と呼ばれる視覚現象。大気中の水蒸気により、遠くのモノほど輪郭が不明瞭になり、彩度が下がって見える現象。ルネサンス期にかのレオナルド・ダ・ヴィンチが発見し、研究して自身の作品に生かしたと言われている。

*31
【オパール】宝石の1種で、一般的にはゆで卵のような色あいをしているので、和名は蛋白石と呼ばれる。ちなみに結晶ではない(=非晶質(アモルファス)状態の)鉱物だ。※アモルファスについて詳しくは下記のTIP*94【ガラス】も参照してみて下さい。その名はサンスクリット語で「貴石」を表し、文豪ウィリアム・シェイクスピアいわく「宝石の女王」だ。色は乳白色以外にも、赤・青・黄色・緑・黒などとさまざま。だが、主成分で言うとただの砂(珪砂)や、ふつうのガラスや、お菓子の乾燥剤(シリカゲル)と同じで二酸化ケイ素(シリカ。化学式:SiO₂)だ。この二酸化ケイ素が結晶化してものは石英(水晶)となる。ケイ酸(ケイ素・酸素・水素の化合物)を含む地下の熱水鉱脈では、一般的には石英ができるが、低温で長い時間をかけるとオパールが形成される。オパールは唯一の()()()()()()()(※重量として最大で水分量10%)なので、()()()()()()()であり、保管状態が悪かったり熱源に近づけたりすると、内部の水分が失われるとガラスのようにひび割れてしまう。取り扱い注意です。このケイ素の結晶が薄片構造を作り、光が当たると反射干渉して表面が虹色に輝くのです。とくに見る角度によって色がゆらめく「遊色効果」と呼ばれる現象が起こるものは、宝石としての価値が高い。また、地下に埋まった動物や樹木に、ケイ酸を含む地下水が染み込み、生体組織がケイ酸へ変化(=()()()()())した「生体鉱物」が発見されることもある。そして温泉地では、湯の花(温泉沈殿物)の1種として、おもに直径数mmだがまれにとても大きくなる「玉滴石(ハイアライト)(魚卵状オパール)」ができることも。

*32
Humvee(ハンヴィー)】アメリカ合衆国のAMゼネラル社が生産する、HMMWV=High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle(高機動多用途装輪車両)。現代アメリカ軍を筆頭に、様々な国で現役で広く採用されている大型軍用車両だ。かつての第二次大戦中の米軍にはG()I()()()として、小型車両「ジープ」=「ウィリス・オーバランド モデルMB」4×4(四輪四輪駆動)1/4tトラックや、大きな軍用トラック「ジミー」(「GMC CCKW 352(353)」6×6 2 1/2t(デュース&アハーフ)ライトヘビー・トラック)などの大小の車両が採用されていた。この2種の中間となる大きさの車両「ビープ」(「ダッジ WC-51(WC-52)」4×4 3/4tトラック)は、とても使い勝手のいいサイズ感の車両で、1980年代中盤からは、同じくらいの大きさのこのハンヴィーが採用されている。2010年代からは後継となるJLTV(統合軽戦術車両)に更新されつつあるが、アメリカ国防総省いわく『完全に置き換えるつもりではない』という方針で、今でもハンヴィーは現役である。このハンヴィーの民生版が、シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー氏)の要望により、かつてAMゼネラルやGMから発売されていた「ハマー」だ。ハマーは2021年にはGMCからEV(電気自動車)として復活しているぞ。なお、ハンヴィーは見た目こそ強そうだがもともと装甲が無い()()()()()()()だった。しかし1993年のソマリア内戦のモガディシオの戦闘では、非装甲のためボッコボコにされて大きな損害を出し、エンジンを換装し重量も2倍近くにした軽装甲タイプも生産されるようになる。この「モガディシオの戦闘」については、2001年の戦争映画『ブラックホーク・ダウン』で詳しく描かれている。作中では非装甲のハンヴィーが、ゲリラ兵の銃弾でドアの風通しを良くされまくって、乗員が多数犠牲になっていたのが印象深い。運転手が血まみれで『こんな車じゃ無理だって! 装甲車よこせ!』というセリフが非常に悲惨です……。

*33
【英国王立獣医隊】現代イギリス軍で最も規模の小さい部隊のひとつ。おもに軍馬や軍用犬などの軍用動物の治療や、軍犬兵(ドッグハンドラー)の育成、獣医学やバイオセキュリティーの研究などを行う。その設立は1796年にまで遡り、第二次大戦以降、ほぼ全ての戦場でイギリス軍を何らかの形で支え続けてきた歴史がある、ものすごーく由緒ある部隊なのです。他の組織と連携することが多い部隊で、英国の陸・海・空軍の各部隊に軍用犬や専門家を派遣したり、紛争地帯の現地で空挺兵の訓練を行ったりなどの任務もある。他にも空軍警察と協同で訓練したり、過去にはオーストラリアやニュージーランド、アメリカのスタッフに軍用犬訓練の指導なども行っていた。部隊規模は小さいけれど、世界じゅうの紛争地やテロの現場では、軍用犬によるIED(即席爆発物)の捜索や、パトロール(※軍用犬とハンドラーのペアで5()()()()()()()()()()()()()をすると言われる)の仕事には、不運にも常に事欠かないため、とても忙しい部隊のようである。ちなみに、RAVCの隊員と獣医将校は戦闘員とみなされるため、赤十字の腕章をつけていない。

*34
【コルトM1911A1】アメリカ製の大型自動式(セミオート)拳銃。使用弾薬:.45ACP弾。装弾数:7+1発。作動方式:ティルトバレル式ショートリコイル。撃発機構:ハンマー方式(シングルアクションのみ)。愛称:GIコルト、コルト・ガバメントモデル、ハンドキャノン、ポケット砲兵、etc.……。天才銃器職人ジョン・ブローニングによってデザインされ、1911年にアメリカ軍に正式採用された拳銃で、A1はその改良型。設計こそ古いが、堅牢・安全・大威力と、素晴らしい名銃として現代でもバージョンアップされて軍や民間で使われ続けている。現代の軍や警察で主流の9mm弾ではなく、より大口径・低速の45口径拳銃弾を使用する。これは軽量・高速の9mm弾と比較して防弾ベスト等への貫通力こそ下がるが、弾丸の重量による一撃の行動停止力(ストッピングパワー)に優れている。1985年に「ベレッタ M9」に、そして2017年に「シグ・ザウエルM17 (M18)」に置き換えられるまで、WW1からベトナム戦争後まで、70年以上もの長きにわたって米軍の制式拳銃であったのが、Colt M1911なのです。スゴイ!

*35
【シングルアクション】拳銃の撃発の仕組みの分類で、()()()()()()()()()()()。SA機構とは、引金(トリガー)を引くことで、撃鉄(ハンマー)(銃弾のお尻を叩いて発火させる部品)が倒れる――という、引金が()()()()()()()()を持っていること。対義語はDA(ダブルアクション):こちらは引金を引くと、撃鉄を起こしてから、落とす――つまり引金に()()()()()()がある。M1911は、初弾がS()A()()()()()()()()()()()拳銃だが、初弾射撃をDAとSAのどちらの仕組みでも撃てる自動拳銃もある(※なお自動拳銃の連続射撃の場合は、二発目以降なら必ずSA射撃になる)。たとえば米軍のベレッタ M9(ベレッタ 92)拳銃など。M9の初弾は、すぐ撃てるDA射撃(ただし撃鉄を起こすために引金が重くなる)と、引金が軽く命中率の高いSA射撃、場合によって使い分けることができるぞ。なお、DA射撃の状態ならばトリガーストローク(引き金を引く距離)が長くなるので、ある拳銃の状態が「SAなのかDAなのか」は引き金の見た目ですぐ分かる。結論を言うと、SA射撃専用の拳銃であるこの「M1911A1」は、引き金には撃鉄を落とす機能しか有していないため、「最もすばやく撃てる」ようにするには……初弾装填"administrative load"(弾が薬室に装填されている)状態、かつコック(撃鉄が起きている)状態にしておく必要がある。

*36
【バッテリー】蓄電池のこと。あるいは野球のピッチャーとキャッチャーのコンビ。ラテン語の"battuere"(打つ・叩く・攻撃する)に由来する、らしいです……。野球のバット"bat"や、戦い"battle"も同じ語源だそうです。軍事用語で「砲兵科の中隊」の意味もある(※歩兵中隊は、「一緒にパンを食べる仲間」という意味の"company")。「電池」「投手&捕手」「砲兵中隊」――どれもこれも意味がバラバラだが「複数の要素の組み合わせで力を発揮する」という意味は共通している――電池は色々な材料が組み合わされる、ピッチャーはもちろんキャッチャーとの組み合わせ、砲兵部隊では複数の砲の同時発射で火力を発揮する。この意味で言うならば、たとえば、この小説の読者の大多数が見てそうな某アニメの「ヒトの子とネコ科の子とBOSS」なんかは、お互いを補って大きな力で冒険する「ばってりーなトリオ」と言えるでしょう。

*37
【先割れスプーン(スポーク)】スプーンとフォークを合体させてスポーク。スプーンしてもフォークとしても使えて便利……いや逆に考えると、スプーンとしてもフォークとしても微妙に使い辛いとも言えるかも? 介護用食器、幼児用食器、そして刑務所内での食器としても(おもにプラスチック製のものが)使われる。コンビニなんかでももらえますね。個体と液体が混ざった食べ物の時に便利で、フルーツやラーメンを食べるときにも使われる。そして使い手によっては、()()()()()()()であっても有効な使い方ができるだろう。

*38
竜の歯(トブラローネ)】鉄筋コンクリート製の約1mの高さの「歯」のような形のでっぱりを多数作り、土台と組み合わせて地面に埋めた対戦車障害物(タンクトラップ)。歩兵には効果が無いが、敵の戦車や装甲車両の進行を物理的にくい止め、キルゾーン(防御側が有利に攻撃できる場所)へと誘導できる人工的なバリケードだ。戦車砲は装甲を貫徹するには有効だが、岩やコンクリの塊などの()()()()()()()()()()を粉々に破壊するのは意外とニガテなのだ。もし敵工兵部隊によって除去されてしまっても、時間稼ぎとしての効果はある。第二次大戦中の欧州戦線で、「あしか作戦」に備えての英国の海岸線や、ドイツ防衛線「ジークフリートライン」やフランスの「マジノ線」で対戦車用に大規模に構築されたものが有名。その目的ゆえに耐久性が高いため、現在でもそのまま残っている当時の「歯」は多い。単純だが安価で効果的なため、現代の戦争でも変わらず防衛用に用いられており、2022年に始まるロシアのウクライナ侵攻においても、ロシア軍工兵部隊によりマウリポリ周辺の防御陣地で、対戦車壕や地雷原と組み合わされ多数敷設されている。……ところでトブラローネというのは、コレにそっくりのスイス製チョコレートのブランドで「竜の歯」の俗語だ。

*39
【チェコの針鼠】忍者のマキビシの親玉のような、鉄骨3本足の物体。こちらもWW2中に開発された防御用対戦車障害物。複数の鉄道レールや鉄板をテトラポッドのように組み合わせただけの簡素な作りで、爆風などで転がっても障害として機能する形状だ。積み上げた土嚢やドラム缶(砂や水を詰めたもの)よりも、敵歩兵に遮蔽物として使われにくい利点もある。名作戦争映画『プライベート・ライアン』の冒頭の連合軍のノルマンディー上陸作戦で、オマハ・ビーチでの背景に転がっている姿が印象深い――ドイツ軍によって連合軍の船の進路妨害用に設置されていたが、干潮時だった(あと連合軍のDD戦車は上陸時に海に沈んだ)ので、特に役に立っていなかった。この「針鼠」も、現代の戦争で使用させれており、2022年ウクライナ侵攻では、ウクライナの家具職人さんがWikipediaで作り方を調べて作ったりしているそうです。

*40
開豁地(かいかつち)】遮蔽物(障害物)の無い、草原や砂漠や畑などの開けた地形のこと。※反対語は錯雑地(森林や市街地など)。「快闊」も同じ意味だが、こっちの漢字は「オープンな人の性格」に使われる場合が多い……ような気がする。

*41
迂回(うかい)】茨城県の海岸から黒い海鳥を捕まえてきて、飼育・調教して魚を採らせること――ではない、もちろん。攻撃側が、敵の強固な防御陣地などの攻めにくい場所を避けて、()()()()()()()()()ように動く行為が「迂回」だ。「包囲」も似たような言葉だが、軍事学ではこちらは()()()()相手を包み込むような機動を取ること。つまり攻撃側がその場所を避けて別の場所を戦場に選ぶのか、それとも防御側選んだ戦場で戦うことにするのか、といった違いがある。迂回と包囲、それぞれ攻撃側と防御側、()()()()()()()()()()()()()()()という違いで、その点においては本質的に真逆の言葉だと言うことができる。

*42
隘路(あいろ)】両側が渓谷や海、河川、湿地などの障害に挟まれて、ボトルネック状に狭くなった一本道のこと。大規模な陸戦部隊の通行が困難となる通路地形なので、本編中の上記の説明どおり、隘路の出口に防御陣地を構えれば、一ヶ所から出てくる敵を集中して叩くことができる。まさに敵の火力と機動(ファイアー・アンド・ムーブメント)は制限しつつ、味方の火力と機動を一方的に活かせる地形なのだ。このような隘路地形をうまく利用することで、劣勢な軍が大軍勢と戦った有名な戦いが、古代ペルシア戦争における「テルモピュライの戦い」だ。紀元前480年、ギリシャ語で「灼熱の門」を意味するテルモピュライの地で、スパルタ・ギリシャ連合軍300人が、100万のアケメネス朝ペルシャ軍と戦ったのだ。このテルモピュライの戦いを題材にしたのが、2007年のアメリカ映画『300(スリーハンドレッド)』だ。ほとんど歴史モノじゃなくてファンタジー筋肉映画だけど。

*43
【緊要地形】戦闘において、隘路や丘などの、重要な影響を与える場所のこと。こういった場所を、敵も味方もなんとしても奪取・保持しようと試みるため、緊要地付近では激しい攻防が繰り広げられることが多い。たとえば有名なのは、エジプト北部の港町「エル・アラメイン」。北は地中海、南は流砂で通行困難な「カッターラ低地」に挟まれていて、ここより東にある港町アレクサンドリア・首都カイロ・スエズ運河を攻略するためには、必ず通ることになる隘路の緊要地形だ。WW2での北アフリカ戦線では、連合軍と枢軸軍との間で、地雷や戦車を駆使した大激戦「第2次エル・アラメインの戦い」の舞台となった。現在のエル・アラメインには戦没者墓地や慰霊碑が作られており、当時の激しい戦いがまるで嘘のように、兵士たちの魂が今は静かに眠っている。

*44
【機甲部隊】戦車を中心とした戦闘部隊のこと。このような戦車部隊を中心とした師団(※国や時代によって異なるが、だいたい1万人弱~2万人ぐらいの定員で構成される、諸兵科の連合部隊。陸上自衛隊では約6,000~9,000名)を、旧日本陸軍では戦車師団と呼んだが、米軍・英軍のArmor (Armour) Divisionは機甲師団、ドイツ軍のものは装甲師団(Panzerdivision)、旧ソ連軍のものは戦車師団(Tankovogo Diviziya)と日本語に翻訳されることが多い。

*45
【フットホールド・トラップ】トラバサミやレッグホールドトラップとも称される狩猟用の設置罠。「踏み板」を踏むことでのストッパーがはずれ、アゴのような形の部品(かつてはノコギリ歯がついていたものも存在した)が跳ね上がり、二枚貝のように獲物の脚を挟み込んで動けなくさせる、という単純な仕組みのトラップ。アゴのそばには板バネや巻きバネなど、何らかの力を伝えて「アゴ」を閉じる仕組みがあるので、アゴ部分よりも、その「跳ね上げ機構」に手足で力を加えれば、罠にかかったものを外しやすい。中~大型動物用の物は、間違って人間がひっかかれば、成人の脚の骨を粉々にするほどの威力がある。かかった動物に長時間の苦痛や後遺症を与える点や、人間(とくに子供)やペットなどへの()()()()()()()()()が批判されている。日本国内では2007年より鳥獣保護法の改正で、原則的に()()()()()()()()使()()()()()()()されている――狩猟での使用には当局からの許可が必要で、使用許可があっても鋸歯のついた物や緩衝材の無い物、表示標識の無い物、大型の危険なトラバサミは違法となる。海外では、EU加盟国では同様に狩猟用としては基本禁止されているが、EU内でも一貫せずにオーストリアなどではトラバサミが使われていたり、他のアメリカやロシアなどの毛皮産業がさかんな国ではそれなり頻繁に使われている場合があるようだ。

*46
【人間を含め、傷ついた動物は…】外傷を負った動物は、闘争や逃走を司る交感神経が有利になる(やっぱり、うん、人間も一緒です)。そのため、たとえ飼い主であろうと、助けようとしていることを理解できなくなる。真っ先に行うべきは、口という「イヌの唯一の武器」を封じる、本編のようなマズル・コントロール(安全化)だ。専用の口輪があれば一番だが、なければ包帯(伸縮しないもの)などでも可能。鼻先(マズル)を巻いてから、イヌの後頭部にある突起に包帯を引っかけて固定するのだ。

*47
【※戦闘のチュートリアル】さあ戦いだ! このように作中で()()()()()()に陥ると、登場キャラクターなどの生命力が、HPとして数値で表される場合があります。HPの数値は「敵対者」からの攻撃を受けるなどで一方的に減っていきますが、なんらかの手段で増加する場合もあります。これからしばらく、お手数ですが、読者様のお手元に紙と鉛筆や電卓を用意するか、あるいは暗算にてHP値の計算をしてください。キャラのHP値が0になると死亡しますので、死なないように頑張って下さい!

*48
【オキシドール】医療用消毒液の一種。3%程度に希釈された過酸化水素水(H2₂O₂)のこと。傷口にかけると、生物が細胞内に持つ酵素「カタラーゼ」の働きにより、過酸化水素はすぐに酸素と水に分解される。この酸素の殺菌作用により消毒を行う。

*49
【手首の動脈】親指側の「橈骨(とうこつ)動脈」と、小指側の「尺骨(しゃくこつ)動脈」。それぞれ前腕の骨、橈骨と尺骨から名前を取られている。※親指側にある骨が橈骨で、親指「(トウ)さん」と覚えましょう。皮膚に近く、骨のそばにあり、皮下脂肪が少なく、また衣服で覆われにくい動脈であり、よく脈拍の測定に利用されるのもココ。手首に限らずだが、動脈性出血は非常に短い時間で大量の血液が失われるため、もっとも迅速に対処する必要がある負傷のひとつだ。

*50
【黒い染み】床や衣類に広がった血液であれば、1平方フィート(約30cm四方)あたり、およそ100mLと概算できる。地面の場合だと、深く染みてしまうので出血量が分かりにくくなる。

*51
【五つ眼の古生物】このように形容される生物が、かつて地球上に実在した。約5億年数千年前から始まった「古生代カンブリア紀」という時代の生物……カナダの「バージェス動物群」の、節足動物オパビニア・レガリス(Opabinia regalis)だ。5つの眼だけでなく、体の両側には泳ぐためのヒレと、頭部に「先端に切れ込みのはいったノズル」を持っていて、これで獲物をつかまえて、頭部の底にある口へと運んだと考えられている。通称「五つ目のゾウ」だ。こいつの(ノズル)は、ゾウの鼻のように使っていたらしい。その珍妙な外見には、1970年代に学会で発表された時には、集まった生物学者たちも大笑いしたという……。かつては分類不明化石(プロブレマティカ)であったが、研究の結果、現代で繁栄している「節足動物」の仲間であるらしいことが分かっている。この古生物は全長10cm程度であったそうだが、主人公のハナ子のいる「この場所」では、それが陸に上がって歩脚を持ち、大型犬ほどにも巨大化するとは……ここはいったいどこなんだ?? ※ところで、前述のカンブリア紀などの「地質年代」は、「国際層序委員会」という専門家の組織が、元素の分析・研究により公式に決めています。今の基準(2023年9月版)では、カンブリア紀は5億3,900年前~4億8,500年前とされていますが、技術の進歩により変わる場合があります。たとえば、恐竜が絶滅した「白亜紀の終わり」(=新生代古第三紀の始まり)は、6,600万年前→6,550万年前→6,500万年前……と、この数十年で微妙に年数が変化しています――微妙といっても、100万年とか50万年なのだから地質学はスケールがデカイ。

*52
【スポークがどこか遠くへ】この滑ってはるか遠くへ飛んで行った先割れスプーンは、草むらで寝ていた「ハダカデバネスミ」と呼ばれる某人物の頭部に当たって、彼女を驚かせます。そしてその後で、とある「すてきな三人組」の人達によって拾われて、奇妙なひと騒動を巻き起こすのですが……それはまた別のお話……。

*53
【動く的には当たらない】1994~2000年にかけてのNYPD(ニューヨーク市警)での距離別の拳銃(ピストル)命中率の統計によると『0~2ヤード:38%、3~7ヤード:17%、8~15ヤード:9%……(1ヤード=約90cm)』と、たとえ訓練された警官が使っても()()()()()()()()()()()()()()()()ことが分かる。()()()()という、掴みかかれるような至近距離でも、()()()()()()()()という驚くべき低さになっている。これは色々なシチュエーションが考えられる実戦でのデータなので、射撃訓練場(シューティングレンジ)の射撃スコアとは大きく異なっているようだ。ちなみに大型犬を飼っている読者の方は、()()()()()でリードを引っ張られて、自分がグルグルされる姿を想像してみて下さい。……う~ん、目が回る~! とても射撃どころではない!

*54
【掌底や鉄槌】どちらも格闘技の打撃技。掌底は少林寺拳法では「熊手突き」とも言う。拳を握らないために出が早い掌底打ち(パームストライク)と、握り拳の小指側での打撃「鉄槌打ち(ハンマーパンチ)」だ。どちらも正拳(ナックルパート)でのパンチよりもリーチは劣るが、肉厚の部位に包まれた手首の「手根骨」での打撃のため手を痛めにくく、相手の頭蓋骨や手足の関節などの固い部位へ攻撃する場合に適している。「点」の打撃である正拳突きより、「面」の打撃である掌底や鉄槌は、内部へ衝撃力を伝えやすく、脳や内臓へのダメージが大きいと言われている。ちなみに、こういう殴り方を工夫する技法は、実は()()()()()()()()()動きである。ヒトの指は闘争時に「握り拳で殴りやすい形に進化した」という学説があり、危機がせまるとヒトは、本能的に拳を握ってがむしゃらにロングフック(大振りパンチ)気味の動きを出してしまう傾向がある。格闘技経験のある人間でも、路上での喧嘩などの高いストレス下では、スキだらけの「テレフォンパンチ」を無意識に出してしまうことが多い、と言われている。

*55
(エルボー)】ヒジ打ち。空手や拳法では猿臂(えんぴ)と言う。横か縦の軌道で、ヒジを回すように打ちつける技。親指を胸にピッタリつけて、体の回転の勢いを叩きつけて攻撃する。ヒジはヒトの部位の中でもっとも固く、形が鋭いため、目標が人体であればどこに当てても打ち負けない必殺の「斬撃技」になる。あまりにも強いので、フルコン空手や総合ではルールで禁止されている場合が多い。ルールでヒジ打ちが認められているムエタイの試合では、ヒジの骨と頭蓋骨ではさまれた額の血管が、カミソリのようにスパッと切れる現象が見られることがある。また、肘の先端だけでなく、前腕部の太い尺骨(前腕の小指側の骨)を打ち付けることもできる。この場合、()()()()()()()にすることで、前腕部の筋肉を収縮させずに、硬い骨を筋肉で包まずに叩きつけられる(※指の握るための筋肉は前腕の筋肉と繋がっているため)。ただし肘打ちは、拳よりも大幅にリーチが短く、腕関節の構造上、前方には攻撃しにくい、などといった欠点がある。この当てにくいという弱点を補うため、前述の掌底打ちと合わせて、まずフェイント気味の掌底→その勢いのまま間合いを詰めて肘打ち、という連携もできる。

*56
【手打ち】いわゆる()()()()()()()()「速いが弱い」打撃のこと。どの打撃系格闘技でもそうだが、地面で踏ん張って、背骨や足腰などの下半身と体幹の回転力をしっかり伝えるか、あるいは体重移動による力を利用しなければ、攻撃は威力が発揮されない。不安定な姿勢で、肩甲骨から先の腕関節だけしか使えないとなると、人間は驚くほど非力だ。

*57
【らちが明かない】漢字で書くと「埒」――意味は馬を囲った柵のことらしい。確かに競馬場のゲート(らち)が開かないとレースにならない。ちなみにこういうゲートが開かない事故のことを、競馬用語でカンパイ(カンバイ)と言い、英語の「カムバック」に由来するとか。

*58
袖釣込腰(そでつりこみごし)】相手の両袖、あるいは袖と襟を掴んだ状態から、腕組みをするようにして相手を投げる、柔道の投げ技。一般的な投げ技である背負い投げや大腰とは、前回りさばき(体の動き)の方向が逆のように見える点が特徴。※「参考資料」に貼った3Dムービーを見ると背負い投げとの違いが分かりやすいです。作中のように、左手で怪物の口吻を、右手で口吻の根本を掴んだ状態で、かつ負傷した左手をあまり使わず、右手の腕力を生かして自分より小さい相手を釣り上げ投げる場合、ふつうの背負い投げよりも、両腕を組んでロックして投げるこっちの投げ方のほうが有効……と瞬時に判断してこの技を繰り出している。難易度が高い技だが、色々な組み状態から繰り出せるために効果的で、これを得意技とする柔道選手も多い。マスターした熟練の選手だと、なんと()()()()で繰り出せる(男子柔道73kg級の橋本壮市選手)! スゴイ!

*59
【手根骨】豆状骨・三角骨・月状骨・舟状骨(近位手根骨)と、大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨(遠位手根骨)の、計8個の骨で構成される。「()()()()()()()()()()()()()()()()()に使えよ」などと語呂合わせで覚えましょう。余談だが「キリストの磔刑」を描いた宗教画では、よく掌に釘が打たれている姿が描かれるが、これだと受刑者の自重ですぐ肉が裂けて体が落下してしまうため、実際には外れないようにこの手根骨に食い込むように釘が打たれた、と言われている。

*60
【失血死】成人の全血液重量は、体重の約1/13~1/12(≒8%)で、4~5Lとなる。一升瓶(=約1.8L)や2Lペットボトルの、だいたい2.5本ぶんだ。この全血液量のうち1/3(およそ1L以上)を短時間に喪失すると、急激な血圧低下(循環血液量減少性ショック)による致命的な症状が見られる。2L失うと非常に危険だ。全血液の半分を失うと確実に死に至る。血液量が体重の約19分の1と少ない子供の場合は、さらに少ない出血量でも命にかかわり、新生児の場合は30mL(ペットボトルキャップ4~5杯ぶん)でも危険だ。ちなみに男性よりも女性の方が出血に耐えやすい体質だと言われている。米軍では"CAB"という標語があって、"Circulation, followed by Airway and Breathing"(血液循環・出血の制御、続いて気道と呼吸の管理)と言われる通り、気道・呼吸の確保よりも、()()()()()()で実行されるべき救命処置だ――気道と呼吸の異常も致命的ではあるものの、受傷後3分間は体内に蓄積された酸素で生存できるが、致命的大出血の()()()()()()()()5()0()%()にも達する。

*61
三角絞(さんかくじめ)】柔道の絞め技。相手の片腕を取って引き寄せ、この腕と自分の両足で「三角形」を作り、首を絞め上げる。作中の場合では腕ではなく、怪物の口吻を掴んでいるが、技の要領は全く同じだ。敵の猛突進の勢いを逆用しての、ガードポジション(仰向け状態)からの、カウンター三角絞めなのです。はたして「怪物」に頸動脈への絞めが効くのかどうかは不明だが……少なくとも、奴の唯一の武器である「大アゴ」を押さえて攻撃を封じる効果はある。もし左腕を負傷していなければ、左手を使って、敵の頭を腹へ押し付けたり、足首・膝裏のフックを固くして、技を完璧に()めることができるのだが……。

*62
腕挫十字固(うでひしぎじゅうじがため)】柔道の関節技。プロレス・総合格闘技・ブラジリアン柔術・サンボ・古流柔術などでも広く使用される。プロレスでは腕ひしぎ「逆」十字固めと呼ばれ、故・アントニオ猪木氏の必殺技として有名。両腕と両脚で、相手の手首・肘・肩・肩甲骨の動きをロックし、支点・力点・作用点の「てこの原理」で肘関節を破壊する。「三角絞」とは技の初動が似ているが、「相手の頭の位置が近い」三角に対して、「相手の頭が遠い」腕十字は、真逆の性質だと言え、作中のように抜けられそうな時にもう一方の技へ移行することができる。ちなみに、掴んだ相手の手の()()()()()()()()(=手首の横の動きを封じ、肘の力を出しにくくさせる)、両脚で相手の頭や肩の自由を奪う、「支点」にあたる自分の腰を浮かす……などの細かいテクニックがポイント。しかし、この怪物の「口吻」は、ヒトの腕関節とは構造が全然違い、多足類のようにぐねぐねと動くので、あまり有効な技とは言えないようだ……。

*63
【オモプラッタ】BJJ(ブラジリアン柔術)の関節技。オモプラッタとはブラジル公用語のポルトガル語で「肩甲骨」の意味。ガードポジション(クロスガード)から、名前通りに膝を使って相手の肩を搦めて、ついでに肘も固める寝技だ。柔道では体固腕挫(たいがためうでひしぎ)(もしくは腕挫膝固(うでひしぎひざがため))と呼ばれる。

*64
【フライング・ヘッドシザース】メキシカン・プロレス「ルチャ・リブレ」の空中殺法の技。別名:コルバタ(スペイン語でネクタイの意味)や、ティヘラ(鋏)とも。大きく跳躍して両脚で相手の首を抱え込み、体をひねって回転をかけることで相手を投げ飛ばす。優れた運動神経や瞬発力、バランス感覚が要求されるアクロバティックな大技。同様の技に「フランケンシュタイナー」や「ウラカン・ラナ・インベルティダ」があるが、細かい点で動きが異なる。プロレス界の名言として『指一本分角度が違えばなぁ、もう別の技なんだよ~! よく見とけよお前!』(by「理不尽大王」こと故・冬木弘道氏)と言われるとおりなのです。

*65
【モザンビーク・ドリル (Mozambique Drill)】近接戦闘での拳銃の射撃術。的のデカい体の中央部へ2発撃ち込んでまず動きを止め、それから頭部へ1発銃弾を食らわせて敵を確実に無力化する。LAPD(ロサンゼルス市警)の警官も学んでいる方法だとか。別名"Failure to Stop Drill"とも。

*66
【カエルのヘソみたいな】地球上にこんな生物いるわけない!ありえない!……という意味の表現だろうか……?

*67
【3本の指のツメを…】極真空手には、人差し指・中指・薬指の3本指を使う「目突き」の技法がある――この形だと、中指が額に当たって止まるので、()()()()()()()()()()()()()()()事態を防ぐ効果があると言われている。だが!この()()()()の技は逆……人差し指と薬指をクッションにして、中指の(クロー)のみを突き刺し、そのまま一本指に体重をかけて斬り下ろす技なのだ! この際、人差し指と薬指の()()()()()()()()で、中指のツメが刺さる深さを調整しているぞ。名付けてこの技、必殺『サバンナクロー・ジ・エンド』と呼ぶ!(誰が?)

*68
Cln.(セルリアン) バンダースナッチ】「セルリアン」というのは、この地に住む怪物のような存在です。※この後に「彼女」から詳しい説明があります。Cln. Bandersnatchは、5つの眼と大きな顎と自在に伸縮する食道を持つ肉食性の怪物。大型犬ほどの大きさだが、イヌとは違って鎖骨を持ち、上肢のパワーや柔軟性、耐久力はクマやイノシシ並みに高い。モグラやアナグマ、昆虫のケラのような掘削に向いた爪のある前肢を使って、サバンナ土壌の鉄盤被殻(フェリクリート)でもばりばりと砕いて地面に穴を掘るぞ。土の中身を潜め、目玉と口吻だけを地上に出す「待ち伏せの罠」で通りかかる得物に襲い掛かって捕食する。噛みついた後は鋭い爪をスパイクのように地面に突き立て、踏ん張りを効かせることで罠にかかった得物を引きずり回して疲労させ抵抗を奪ってからトドメを刺す。若干ゃ背の高い草の多いこのサバンナでは、「罠」の位置が見えにくいためにやっかいだ。そして()()()()()を持つ5つの眼は、(やぶ)の中の少ない光量でもよく見え、「ぼかし効果」を利用した立体視に適している。各眼球は飛翔昆虫を遥かに凌駕する「フリッカー融合頻度」(動体視力)を持ち、360°全方位からの攻撃を回避してくるぞ。なお、「大アゴでの噛みつき」しか攻撃手段が無いことが弱点で、硬い大アゴや伸びる頚部(チューブ)は攻撃が通りにくいが、アゴの隙間から()()()()()()()()を狙うか、本体(ボディ)を攻撃するのが効果的だ。ただ……観察記録によると、自分より小さい動物を捕食するのが普通で、()()()()()()を襲った記録はほどんど無く、ましてや作中のように何度も反撃を食らいながらも逃げずに攻撃してきたなどという例は皆無なのだが……。※ちなみに「バンダースナッチ」とは作家ルイス・キャロルの詩に登場する「素早く動き、長く伸ばせる首と、素早く閉じる顎を持つ」とされる正体不明の凶暴な怪物。

*69
【血が止まる】およそ4~5Lである成人の血液量のうち95%が静脈及び動脈内に存在している。軽い出血であれば傷口の血管の収縮作用や、血小板(一次血栓)と血液凝固(二次血栓)による止血機構により放置していても自然に血が止まる(約5~10分)。しかし大きな血管が損傷した場合は形成途中の血栓が出血で流されてしまうため、二次血栓の作られる10分間は少なくとも人為的に血流を抑える必要がある。とくに動脈性出血(鮮やかな赤い色の出血)は、()()()()()()こうやって自然に止まることは絶対無いはず、なのだが……。

*70
【直接圧迫止血法】基本であり最も汎用的な止血方法。すべての外傷に対してまず試みるべきで、とくに頭部・背面・四肢などの深部に骨がある部位では、体表面からの圧迫で血管が骨に強く押し付けられるので効果が高い。方法:1.) 周囲の安全を確保する。2.) できればビニール手袋などを装備。3a.) 出血部位を特定し、血栓形成を助けるために滅菌ガーゼなどの清潔なドレッシング材(なければハンカチ、タオル、シーツなど)を当ててその上から指で圧迫する。※生理用ナプキンやタンポンも、清潔で吸水性に優れるため滅菌ガーゼの代用として有用。3b.) 出血部位が特定できない場合や複数の場合は、広い範囲にガーゼを当てて手全体で圧迫する。細静脈や毛細血管からの出血であれば、直接圧迫止血法法のみで多くの場合は止血が可能だ。ちなみに多くの人が誤解しているが……直接圧迫止血法は力で押さえつけて「物理的に出血を抑える」というよりも、傷口に異物(ガーゼ)を接触させることで()()()()()()()()()()()()()効果を利用して止血している。なので大きな傷の場合は、ガーゼで傷の外から押さえるのではなく、ガーゼを()()()()()()()()()()()と(痛そうだが)異物と出血組織との接触面積が最も大きくなり、最大の止血効果を得ることができる。

*71
【ディップ】ディズニーの実写&アニメ映画『ロジャー・ラビット』(1988年)(「カートゥーンスピン」のほうが有名か?)に出てくる恐怖の溶解液。アセトン・ベンジン・テレビン油の混合でつくれるらしい――ようするに、ただの有機溶剤(シンナー)ですな。しかし同作に登場するトゥーン(アニメキャラ)達は不死身なのだが、この溶解液を食らってしまうと溶けて元の絵の具に戻ってしまうという、まさにトゥーンにとっては猛毒のようなもの。

*72
【水を飲みながら】ケガが少量の出血で止まってしまえば、その後は体内組織からの血管へ体液の流入が起こるため、軽度の貧血が起こるだけで、血液量はすみやかに回復していく。あとはこうして飲み物を飲んだり、あるいは輸液をしてもらって、水分を補給して体液バランスを回復させればよい。しかし、()()()()()()()()()()()でないと効果が無い。というかむしろ逆効果で、出血が止まらない状態だと、水分の増加で血圧が下がってショック症状が悪化していくだけ、と昔から言われている。名作戦争映画『西部戦線異状なし』(1928年)にて「撃たれた~! 喉が渇いた~!」「撃たれた奴に水をやるのは駄目だ!」と言ってるシーンは、おそらくこのことを指しているのだろう。

*73
【ゴロドニャンスキー中将】実在の第二次大戦中の旧ソ連軍の将軍。1942年5月、第二次ハリコフ戦にて、ソ連赤軍南西方面軍の第六軍を率いたが、ドイツ軍により突出部を包囲されて孤立。他の司令官とともに包囲網の中で戦死。このハリコフの戦いは赤軍の敗北に終わるのだった。……だがネコとは何の関係もない、たぶん。

*74
【女子プロレスラーみたいな名前】本小説は増補改訂を繰り返し、過去に2回ほど大きく書き直しております。そして、今回が第3版になるのですが、第1版のときに読者の方(※もうハーメルンから退会されています)から頂いた「それ女子プロレスラーみたいな名前ですね」という感想が非常にインパクトが強くて作者の心に残っています。

*75
【スカーレット・オハナ】いかにも風と共に去りそうなネーミングセンスだ。南北戦争に人生を翻弄されながら、明日は明日の風が吹きそうな名前です。夫から『お前よりネコの方が母親としてマシだな!』とも言われそう。はたして、可憐でカッコイイ……のか?

*76
【ホテル・カリフォルニア】アメリカのロックバンド、イーグルスのアルバム『ホテル・カリフォルニア』に収録されているタイトル曲。うーん、名曲です。カリフォルニアの砂漠のハイウェイに立つ架空のホテルについて歌った曲で、"You can checkout any time you like, but you can never leave!(いつでもチェックアウトはできるが、完全に立ち去ることはできない!)という、なんとも幻想的で哲学的な歌詞が有名。しかしイーグルスのドン・ヘンリーいわく『そんなつもりの歌詞じゃないのに、みんな拡大解釈しすぎだよ~』とのこと。

*77
【太陽の角度】1.) 太陽は東から昇って西へと沈む(※正確な真東・真西ではなく、季節によって変化)。2.) 1日で360°(=1時間で15°)動く。この二つの現象は北半球でも南半球でも地球上どこでも同じ、という性質を利用して、太陽の角度と時計(現地時間にあわせたもの)から方角を知る方法がある。1.) アナログ時計があれば、時計を水平にして短針を太陽の方角(と同じ方向にある地上の目印)に合わせる。2.) ()()()()()()()1()2()()()()()()の方向が、北半球であれば「おおよその南」の方位になる――南半球なら、同じ方法で逆に「北」の方角が求められる。※季節や現在位置の緯度・経度によってズレがあって正確な方位では無いです。なおデジタル式時計しか無い場合でも、紙に時計の文字盤を描いてみることで同様に方角が分かる。太陽での方位測定法には、上記の「時計を利用する方法」以外にも、近代的な道具を使わない「シャドースティック法(影先端法)」があるぞ。1.) 地面に木の枝を立てる(垂直でなくてよい)。2.) 木の枝のつくる影の先端の点に目印a(小石や棒など)をつける。3.) 10~15分経ってから、同様に影の先端に印bをつける。4.) すると()()()()()()西()()()()が得られる――最初の印aが西で、後の印bが東になる。さらに、正午をはさんで長めの時間(4時間ほど)を取れるなら、発展形である「インディアンサークル法(隔午法)(均等影法)」がより正確だ:1.) シャドースティック法と同様に印aをつける。2.) ヒモと小石などをコンパスのように使って、スティックの根元を中心にして、印aを通る「円」を描いておく。3.) 正午をはさんでから、太陽の影の先端と「円」が一致する時、そこに印bをつける。4.) 線分abから東西線を得る。これはとても精度が高い測位法として、古代中国の儒教の経典『周礼(しゅらい)』の「考工記」や、数学書『周髀算経(しゅうひさんけい)』などに記されている。奈良時代の日本でも測量に使われていたらしく、こうして求めた東西線を底辺に「各辺の比が3:4:5の三角形」を描き、三平方の定理(「鉤股弦(こうこげん)(勾股弦)の法」と呼ばれていた)で直角を作図して南北の方角を求めたそうだ(※諸説あります。夜に北極星を探して測位したとも)。以上のシャドースティック法とインディアンサークル法は、緯度を選ばず(=つまり北半球でも南半球でも)使える。古代だけでなく、WW2の北アフリカ戦線でも使われていたそうで、こういった寒暖差があってオイル式コンパスや精密機械が壊れてしまうような厳しい環境でとくに役に立つと言える。ただしこれら太陽の影を利用して方位を知る方法は、正午に近い時間や赤道に近い場所ほど、太陽の位置が高くなり()()()()()()()()()()()()作図が難しくなるという注意点がある。

*78
【食パンになって】香箱座り、というネコのポーズの一種。香箱とは、お香をしまっておく箱のこと。前脚を体の下に折りたたむ独特の姿勢で、これを英語ではloaf(パンやおにくの1斤)にたとえて、catloafやmeatloafと言う。なおネコは足裏の肉球に汗をかくので、暑い時にはこの「足裏が蒸れる」姿勢をとらなくなる。実はネコ科以外にも、イヌ・ヤギ・ヒツジ・クマなどの四足動物が“香箱を作る”ぞ。

*79
【恐竜の映画】1993年のアメリカ映画『ジュラシック・パーク』のこと。コハクに閉じ込められた恐竜時代の蚊の化石からDNAを採取して、バイオテクノロジーで恐竜をよみがえらせて、テーマパーク「ジュラシック・パーク」を作っちゃう、というおはなし。赤道直下のイスラ・ヌブラル島という、コスタリカの近くの(架空の)無人島全体を恐竜動物園にしている設定だ。

*80
【島の遊園地】千葉の遊園地じゃないです。ディズニー映画『ピノキオ』に登場する「プレジャー・アイランド」のこと。この映画の悪役(ヴィラン)のコーチマンが、学校に行かない悪い子供たちをここへ集めてきて、そして……ああ怖い! その後の展開はトラウマになります。ファウルフェロー様とギデオンちゃんもそりゃブルブルよ。

*81
【あの有名なゆうえんち】夢と魔法の王国。ジャパンの夢と魔法の王国の場合、住所的にはマイハマー・ディストリクト、ユーラヤス・シティ、チーバ・プリフェクチャーに位置している。あどべんちゃ~ちほ~、うぇすたんちほ~、なんぶのうたちほ~等、ここジャパリパークと同じくいくつかの区域に分かれている。この『ゆうえんち』は、日本だけでなく、カリフォルニア州アナハイムの本家をはじめ、フロリダ州オーランド、フランス・パリ、中国・上海/香港と、世界中に6ヶ所も展開しているぞ。

*82
【自分達】「人間」「仲間」「自分たち」などを意味する「自称」が、そのまま外部からも呼称される一般的な()()()となる例は、世界に多々ある。北海道の「アイヌ」民族、北極海沿岸に住む「イヌイット」、アマゾン川流域の「ヤマノミ」族など。実は「ドイツ」なんかもそう(Teutsch(トイチュ)の元の意味は「人々」)。ジャパリパークに生息する住人たちは「フレンズ」(もちろん英語のFriendsからの借用語)と自分達でも名乗って、他者からもそう呼称される。そのネーミングからは、彼女たちが()()()()()調()()()()()文化を営んでいることが伺える――言葉(ロゴス)という概念を古代ギリシャの哲学者たちが唱えたように、「使う言葉」はまさにその使い手たちの価値観や論理を反映しているのだ。この「フレンズ」という呼び名は、我々の人間の感覚で言えば、旧ソ連での「同志(タヴァリシチ)!」に近い……だろうか? いや、全然違うよ~な……。

*83
【カラカル(どうぶつのほう)】カラカルは、イエネコの2~4倍のサイズのネコ科の動物です。ライオンを除けば、サバンナに生息するネコ科動物としてはかなり大型なのです。体長:62~91cm。尾長:18~34cm。体重:13~20kg。カラカルは、完全な砂漠や雨林地帯を除いての、アフリカからアジア西部の広ーい範囲にかけて、分布していて8つの亜種がいます。耳の先端についた黒い房毛(長さ約4.5cm)が特徴的で、これには集音アンテナのように聴力を高める役割や、耳の動きを強調させてコミュニケーションに役立つ役割があるようで。※カラカルとはトルコ語で「黒い耳」を意味しています。体には長く密集した毛を持っていて、サバンナや乾燥地の昼の暑さと夜の寒さを防ぐ役割があります。非常に敏捷な動きと、高い跳躍力の優秀なハンター動物ですかねぇ……。短距離ならかなりの速さで走ることができ、2~3mにも及ぶジャンプ力ぅ……で、飛び立つ鳥をも前肢で叩き落として仕留めます。木登りも上手く、木の上のワシを狩ったという例もあるそうです。おもに夜行性なので、昼は木の上や、他の動物の放棄した巣穴で寝ていることが多いです。学名(ラテン語を世界共通の学術的な名前)は、Caracal caracal(※学名はこのように、苗字と名前のように、属名+種小名というシステムで書く)と、めちゃおぼえやすい。ヤマネコの一種なのですが、昔のインドちほ~や、イランちほ~では、鳥やノウサギの猟のために飼われいていたらしいですよ。なお「サーバルキャット」というサイズの似たネコ科の別の動物がいますが、カラカルのほうがより乾燥地を好むと言われています。なので別名:サバクオオヤマネコです。また、同じカラカル属の仲間として「アフリカゴールデンキャット」という動物が熱帯雨林に棲んでいますよ。

*84
【カラカル(フレンズのほう)】「サバンナちほ~のラスト・サムライ」を自称する現地住民(フレンズ)。たしかに、動物の見た目、ジャパニーズ・サムライ感、ありますね。戦闘では、両手から「サンドスターのツメ」を自由に出し入れし、熟練の剣術家のようなツメ斬撃でセルリアンを攻撃するぞ。ネコがそうであるように、上肢のパワーと体幹の柔軟性を生かし、組みつきからの投げ技や固め技も強い。また、そのすっごいジャンプ力と空中機動で、ドロップキック、フランケンシュタイニャ~、などなどのアクロバティックな飛び技で、ルチャドールも真っ青の空中殺法も行う。武士の狩衣のような赤い装束と、丁髷(ちょんまげ)のようにまとめた黒い耳の房毛がトレードマークです。ちょっとナ行のセリフのアヤシイ女性。座右の銘:『ほら見な、あんな雲にニャりてえんでゴザルよ』。星座と血液型での性格設定:義理人情に厚く、細かい事はちょっと適当だけど、会話や美的センスの全体的なバランス感覚に優れる「てんびん座のO型」。口癖:「にゃ!」「ござる!」「ちぇすとー!」

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【Pray tell】"Pray tell"とは「続けてくれたまえ」という意味の古風な英語だ。現代的なハナ子には似合わないが、カラカルの言う「()(ぞうろう)(※さ+なり+(そうろう)の変化した形)」(=さようでごニャいマース!)のセリフに対抗しているつもりなんだろうか?

*86
半装軌装甲車(ハーフトラック) (half-track)】前部には自動車のタイヤ、後部は無限軌道(キャタピラ)という、クルマとトラクターをニコイチにしたような車両のこと。なお「トラック」はtruck(貨物自動車)ではなく、track(履帯(キャタピラ))のことなので、半装軌(()()()()()()())車両の意味となる。戦前の自動車はエンジンの出力が小さく、またサスペンション技術も未発達で、不整地は装輪車(タイヤの車)では走行不能で、走るには装軌車(戦車などの履帯装備の車両)が必要でした。※参考「第二次大戦時のハーフトラックと現代の小型乗用車の馬力比較」――ドイツ軍 Sd.kfz.251:100hp、米軍 M2A1/M3A1:147hp、トヨタ・カローラ:87~132hp(メーカー公表値)。しかし装軌車は走るのが遅く、操行装置が複雑なので壊れやすいという欠点が……。そこで!タイヤとキャタピラを合体させた「ハーフトラック」なのです。ロシア人ケグレス(革命時フランス亡命)の発明により、フランス・シトロエン社が1930年代に開発した「ケグレス式ハーフトラック」は当時のサハラ砂漠横断・アフリカ縦断・シルクロード走破などの探検用に広く使われました。第二次大戦時にこれに注目したのが、機動力を重視するドイツ軍と、自動車大国のアメリカ軍。ハーフトラックは全装軌車よりも安価で簡単に生産でき、信頼性・整備性が高く、普通の車のハンドル操作で運転できて、装輪車両よりも悪路走破性が高い(もちろん装軌車両よりは劣るが)……などなど多くの()()()()()()のメリットがあったのだ。しかし戦後になると、モータリゼーションの進歩に伴い、ハーフトラックの()()()()()()な車両という欠点が目立つようになる。整備された道路上では全装輪車両のスピードについて行けず、路外を走ると全装軌車両に置いてきぼりにされる……という中途半端さのため、軍用車両としては製造されなくなってしまった。しかし民生用としてはまだまだ現役で、農業用や林業用、雪国仕様のハーフトラックが今でも使われているぞ。とくに本田技研のケグレス式の「T360クローラ」(豪雪地帯向け)や、「アクティクローラ」が有名・

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【ハノマーク・装甲ハーフトラック】ドイツのハノマーク社とビュッシンクNAG社の製造していた、ドイツ軍の中型半装軌装甲車。制式名称「Sd.Kfz.(スダコフツ)251 Ausf.D」。タミヤ社の名作プラモデル「ドイツ・ハノマーク兵員輸送車D型 シュッツェンパンツァー」の名称が有名。※この「Sd.kfz.」とは、Sonderkraftfahrzeug(ゾンダークラフトファールツォイク)=「特殊用途車両」の意味で、制式番号をつける時の符号だ。戦車や自走砲などのドイツ軍車両には全てつけられており、たとえばタイガー重戦車(Ⅵ号戦車E型 ティーガーⅠ)は、Sd.Kfz.181の番号が当てられている。D型とは、枢軸軍の負けが濃厚になってきた大戦後期の1943年から生産されるようになった簡略化型だ。「Sd.kfz.251 ハーフトラック」は、3tハーフトラック(Sd.kfz.11)という普通のハーフトラックをベースにして、7.92mm機銃などの武装と軽装甲を加えたものだ。見た目は半分戦車みたいで強そうだが、最大装甲14.5mm(小口径ライフル弾や飛散する砲弾の破片を防げる程度)で後部はオープントップ式なので、うっかり戦車砲や火砲の直撃を食らうとあっさりやられてしまう。なお作中で登場したものは「Sd.Kfz.251/6」という1943年に廃止されるまで生産された「装甲指揮車」タイプ。無線機やエニグマ暗号機を搭載し、車体後部にフレームアンテナがついているのが特徴。でも史実ではA~C型のものしか無かったそうです(ほとんどがA型)。Sd.kfz.251は戦後もチェコのスコダ社が生産し「OT-810」の名で陸軍に採用されている。

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【著作権的にだめだ】ハハッ(謎の甲高い声)アメリカで2023年に著作権が切れたのって『蒸気船ウィリー』の初代のボクだけだよ!

*89
【大多数の哺乳類の色覚】現生の哺乳類はおよそ4,500~6,000種ほどで、このうちネズミの仲間が約半分、4分の1ほどがコウモリの仲間だ。※日本には約100~200種の哺乳類が生息している。哺乳類の先祖は、恐竜のいた時代(中生代)には夜行性であったため認識できる色が少なくなり、現生の哺乳類でもその()()()()()()()()()()()()である――つまりイヌやネコなどは、黄色や青色は見えるが()()()()()()()()()()。※明度などで一応は区別できるが、ヒトよりは遥かに色が区別しにくいようだ。ヒトを含むサル類の()()()()()が、哺乳類の中では()()()なのだと言える。

*90
【色覚テスト】仮性同色表と呼ばれるシートを用いて、「色覚特性」(※他にも「色覚異常」「色盲」「色弱」などの言い方を、本小説TIPSで適宜使用する場合がありますが、差別的な意図はありません)を判定するための試験のこと。1916年(大正5年)に、日本の石原忍博士が徴兵用に開発した「石原式色覚検査表」――通称「石原表」(Ishihara Plates)がもっとも有名かつ優秀な方式で、今でも世界中で使われている。※PCなどの()()()()()()()()()()()()()()()ので、作中でこのLBの行ったものは光学式の簡易型テストだ。正常色覚者だけが文字や数字が見える図表や、異常色覚者だけが読める図表、色覚異常があってもなくても読める図表……などなどを使って、色覚異常の有無や、異常の種類を判定するぞ。なお、この「色覚特性(色覚異常)」についてだが、たとえば日本人の場合、もっともよく見られる先天性赤緑色覚異常(赤と緑が区別しにくい)を持つ人間は、男性では5%(女性では0.2%)と、つまり「20人に1人の男性」というなかなか高い割合で存在している。割合が高すぎてもはや「異常」とは呼ぶべきではないのかもしれない。しかし、このジャパリパークの住民(フレンズ)の場合は、「正常なヒトとは異なる色覚特性」を持つ住人の()()()()()()()()、しかもその()()()()()()()()()()()()()らしい……。このことが一体何を意味しているのか……。こういった、ヒトやその他の動物の色覚の話は、非常に長~くなりますので、次回以降のTIPSでも説明しましょう……(つづく)

*91
【ダクトテープ】アポロ13号の修理にも使われた、超最強の銀色布テープ。「ダクトテープ」という名称はいちおう商標なのだがほぼ一般名詞化してしまってます。ふつうの粘着(ガム)テープ(クラフトテープ)以上に、防水性・接着力が高く、経年劣化で粘着力が落ちにくく、ハサミがなくても指で切れ、しかもノリの跡があまり残らずに剥がせて便利です。一般的な工作用途のほか、窓・雨具・水道ホース・車・ボートなど濡れるものの応急修理、固いビンのフタに貼り付けて引っ張る、などに使える。緊急時には、新聞紙や段ボールを補強して靴にしたり、編んでロープをつくったり、ケガの応急手当、対化学兵器・生物兵器用のシェルターをつくる(←米国土安全保障省が推奨、マジです)際にも有用。他にも、武器の製作・改造、つかまえた人質の口や手に貼り付けて拘束する、などの用途も(『イヤ、犯罪はダメですヨ!』byヒカリ)。なんにでも使えます。アメリカ人ってばコレが好きで何でもくっつけて雑に修理しちゃうイメージがありますが、実際ダクトテープはアメリカで生まれたものです、日本の発明品じゃありません、英語版wikipediaの解説もやたら長い。ダクトテープ略史:20世紀初頭より荷物梱包用に、防水・防湿の耐久性の高い粘着テープの開発が始まっているが、開発は難航。そして世界最初の実用的なダクトテープが第2次大戦中に軍用に開発されました。あのバンドエイドで有名なジョンソン・エンド・ジョンソン社が発明(つく)りました。ダクトテープまめちしき:1.) 昔は名前が「ダックテープ」だった――ダック(あひる)の羽毛のように防水性があるからとも、オランダ語で帆布(キャンバス)を意味するdoek(ズック)が語源とも。それに色はもともと緑色だったのが、戦後なぜか銀色になって、いつのまにか名前がダクトテープになりました。2.) 実は「民間用」や「軍用」などのグレードが存在していて、テープの「引き裂き抵抗」が異なっている。3.)「核にも耐える」という宣伝文句のダクトテープも売られているぞ、ホントかよ、さいきょうすぎるだろ……。4.) 実はダクトテープは一般的には()()()()()()()です、つまり名前に反して長期の()調()()()()()()()()()()()()のです。でもおなじ銀色テープのよく混同される「アルミテープ」ならば、温度変化による劣化に強くてダクト修理に向いています。しかしコッチはちょっと高額でふつうの粘着テープの何倍の値段もしますね。しかし最近では「ダクト修理もできるダクトテープ」も開発中らしい(へんな話だ)。

*92
【ウィンチェスターM1897 (M97)】第一次・第二次大戦・ベトナム戦争などで使われた、アメリカ軍の塹壕戦・ジャングル戦用「コンバット・ショットガン」だ。天才職人ジョン・ブローニングが設計・開発した銃のひとつ。マフィア映画『アンタッチャブル』や、米国海兵隊を描いた映画『ウィンドトーカーズ』などでも登場。口径:12ゲージ。装弾数:5発。作動方式:ポンプアクション(スライドアクション)式。撃発方式:ハンマー露出式。ショットガンはヨーロッパでは専ら狩猟用のみとして使われていたが、「開拓者の国」であるアメリカでは、狩猟・護身・警備用あるいは犯罪者の凶器として、広く()()()()()として用いられてきた。まずショットガンは構造がシンプルで故障しにくく、発射時に広範囲に広がる散弾が命中させやすいため射撃に慣れない者でも使いやすく、独りでも複数人の敵相手に有効であり、近距離での銃創が悲惨であるために心理的威圧感も強く、散弾の貫通力の低さは警備用としては逆に使いやすい……などなど多くの利点があり、非常に有用な「平時の武器」であったのだ。米軍もこれに注目し、19世紀末から陸軍が軍用にショットガンを採用し、WW1にアメリカが参戦してからはM97が塹壕戦で大活躍した。WW2の頃には後継モデルのM1912(M12)にとって代わられていったが、その後も少数のM97が引き続き使用されている。作中登場の「トレンチ」タイプは、塹壕など狭い場所でも取り回しがやすいように、銃身が20インチ(=約510mm)と猟銃タイプよりも短くなっているほか、軍用ライフルと共通の「M1917銃剣」着剣用のラグと、負い革紐(スリング)用の吊環、放熱用の銃身カバーが付属しているという野戦仕様だ。なおM97は()()()()()()()()()()()()()()()()という特徴があり、フォアエンド(先台)を動かしての手動装填(ポンピング)時に、高熱の遊底(ボルト)(※薬室内の銃弾のおしりを押さえる部品)の後退には気をつけないといけないが、利点として不発(ミスファイア)に対応しやすい。また「ディスコネクター」という安全機構が無いため暴発が怖いが、引金を引きながらポンピングを行うことで「スラムファイア」という()()()()()()による高速連射(ラピッドショット)が可能だ。作中登場のモノは、軍・警察で一般的な12ゲージよりも大口径となる「対セルリアン用10ゲージ」の特注仕様。※有名どころでは、映画『ターミネーター2』に登場するウィンチェスターM1887(M1901)ソードオフが10ゲージという設定、らしい。

*93
【ドッグ・イヤー】1.) "dog year" ヒトよりも早く大人になり、そしてヒトよりも早く命を終えるイヌ……一説には、成長の早いイヌの1年はヒトの7年に相当すると言われるが、そこから転じてコンピューターなどの分野で「技術の進歩スピードが早いこと」のたとえ。 2a.) "dog ear" 本のページの角を折り曲げて、栞の代わりにすること。道具もいらずお手軽だが、当然ながら古本売買の時に大幅に価値が下がってしまうし、見栄えも悪い。本を読む人は「ドッグイヤー派」と「ふせん派」で好みが分かれるところ。 2b.) イヌ並みに聴力に優れること。とくに「噂話や評判をすぐ聞きつける習性の人」のことも指し、作中での意味はコレ。いわゆる「地獄耳」と同じ意味。※なお2b.)の定義は辞書には載ってないです、ヒカリがこの場で新語彙生成アルゴリズムを使って言ってるだけなのです。余談その1:じつは地獄耳とは「一度聞いたことを忘れない」のがもともとの意味だそうです。余談その2:英語で言うと、「地獄耳」は、「噂をすぐ聞きつける性格」なら"have big ears"、「聞いた事を忘れない性格」は"have a memory like an elephant"と表現します。後者の通り英語圏ではゾウは「記憶力がいい動物」の象徴なのです。『象は忘れない』というコトワザもあって、アガサ・クリスティの推理小説(ポワロシリーズの長編)のタイトルにもなっています。

*94
【ガラス】二酸化ケイ素(SiO₂)を主成分とする素材のこと。ガラスは鉱物の石英(水晶)とは違って二酸化ケイ素単体ではない。また、ガラスは結晶構造を持たない「液体のような固体」の状態にあり、こういう状態を非晶質(アモルファス)状態といって、ガラスと言うと専門的にはこの状態を指す。たとえば砂糖(グラニュー糖)という物質は、氷砂糖だと完全な個体(結晶)状態なのに対して、アメや綿菓子だとアモルファス状態だ。素材としてのガラスは、二酸化ケイ素以外の成分によって色々な種類があるが、鉛などの金属元素を含む場合は金属並みの硬度になる。また金属のように研磨ではなく「割る」という加工によって、非常に鋭利な刃物にもなる。が、弾性・靭性では金属に劣り(=※ガラスの刃は割れやすい・欠けやすい)扱いは慎重を要すため、一般的には日用品の刃物の素材としてはガラスはあまり使われない。

*95
【天然ガラス】石英を主成分とするふつうの砂(珪砂)に、高温・高圧などの自然界の何らかの大きなエネルギーが加わると、融点である1,650℃を越えてケイ酸が溶けることで、天然のガラスが生じる。たとえば、火山噴火のマグマのエネルギーによってできる「火山ガラス」、高電圧の落雷によって生じる「閃電岩(フルグライト)(雷管石)」など……。また、隕石衝突によるテクタイトもしくはインパクタイト/インパクトグラスの一種、と言われるリビア砂漠の「リビアングラス」や、チェコの「モルダバイト」(名前はボヘミアちほ~のモルダウ川から)……などなどが知られている。またこれは自然現象では無いけれども、1945年のアメリカの「トリニティ実験」の核爆発で砂漠の砂から生成されたガラス質鉱物「トリニタイト」も有名だ。さらに、1945年8月6日に広島市に投下された原爆による「ヒロシマ・ガラス」なるスゴイ物質の存在がつい最近発見され、これを調べれば太陽系の起源が明らかになるのでは?と研究者に期待されている。

*96
【ガラスナイフ】こういう、ガラス片やカミソリ刃に柄をつけた、手製のナイフなどの即席武器のことを、英語ではshankとかshivと言います。刑務所を舞台にした映画や洋ドラなどではお馴染みですね。このように刑務所では、使いようによってはドライバー、アイスピック、テーブルフォーク等の日用品も凶器と化し、ほかにも鉄板や鉄パイプや歯ブラシの柄などの先端を尖らせたモノなども……コワイ! ※よい受刑者さんは真似しないで下さい。

*97
【ブラックジャック】某無免許医やトランプゲームのことではなく簡易鈍器の一種。サップとも呼ばれる。砂や石、硬貨、電池、缶詰などの重量物を、革や布の袋(靴下やストッキングやポリ袋など、強度があれば何でもいい)につめて、口を縛って閉じたもの。ただのこん棒と違って柔軟性があるため、()()()()()()()()()――つまり()()()()()()()(物理的に言うと「力積:力F×時間t」が大きくなる)ため、目標に衝撃力を伝えやすい武器と言える。中世ヨーロッパの武器フレイルや、中国拳法のヌンチャク・多節棍、古武道の契木(ちぎりき)、護身武器のスラッパーも似た性質を持つ。利点としては、遠心力により「ヘッド」が高速で動くため非力な者でも破壊力を出せる、攻撃時の衝撃が手に伝わらないために疲労しにくい、相手の「防御を回り込む」ように攻撃できる……など。しかし跳ね返ったり空振りしたヘッドが制御しにくいため、勢い余って自分や味方に当たりやすいという欠点もある。敵の攻撃を受けるのも棒状武器より難しいだろう。ブラックジャックは、推理小説では犯行後に元の材料に戻すことで「消失する凶器」としてたまに登場するほか、やっぱり刑務所の映画やドラマでも見かける。

*98
携行糧食(レーション)/MRE】軍用の長期保存食料のこと。※広義では「レーション」だと「配給品」の意味なので、軍で配給されるタバコや石鹸やカミソリなどもレーションだと言えます。缶詰やレトルトパック、フリーズドライ技術などをつかっていて、炊飯・調理の必要がなくてすぐに食べられる上に、小型軽量、腐りにくい、ゴミが出にくい、効率的にエネルギー補給できて飽きが来ない……など、非常食と同様の利点があります。米軍では通常のメニューのほか、作中のようなベジタリアン・メニューのほか、ユダヤ教・イスラム教の戒律に従って調理されたコーシャ/ハラル・レリジャス・ミール(三日月マーク付き)もある。なお、世界のどこにでも飛ばされるアメリカ軍の場合は、駐屯地によって劣化進行の差が大きくて「明確な消費期限」を設定しにくいため、製造年月日だけ書いてあることが多く、食べられるかどうかは最終的には保管環境や見た目・味で判断するしかない。

*99
【レーションまめちしき】作中のセリフの「TTIラベル」とは、米軍調理開発研究所「ナティック」の開発した「時間・温度 指標(Time Temperature Indicator)ラベル」のことで、内部の飲食物の状態を示すシールだ(1枚5円ぐらいで買えるらしい)。「食べられません」状態だと表示が黒くなるぞ。「ヒートパック」とはライターもマッチも必要ない携帯燃料のこと。別名:MREヒーター、FRH(Flameless Ration Heater)。袋の中に水を注いで、発熱物質(マグネシウムなど)と水との化学反応により、短時間で中の飲み物や食べ物を温める仕組み。発熱体の種類によっては水素などの危険なガスが出たり、空気中の酸素をたくさん消費するので、閉所での大量の使用は厳禁。民生品でも同じように駅弁や熱燗を温めるモノが発売していますね。※ピザのレーションについて:「米軍のMREピザ」は実在します。アメリカ人の念願の食べ物として、30年近く試行錯誤して2018年に開発に成功しました。さらになんと現在は、3()D()()()()()()()で好きな具をオーダーメイドできるシステムも開発中だとか。※コーヒーのレーションについて:アメリカ人はコーヒーが好きで、米軍では19世紀中頃から(当初は生豆のまま!)配給されており、南北戦争では焙煎したものが登場、WW2では粉末が登場します。で、紅茶は英国のイメージですが、コーヒーと比べて好みが分かれにくいため、近年ではアメリカ軍やスイス軍でも採用されています。

*100
【コーヒー】コーヒーノキ:アカネ科の常緑高木で、樹高は3~5mになる。天然ゴムやカカオと同じく熱帯に適した農作物だが、熱帯雨林気候(Af)を好むそれらふたつと異なり、コーヒーノキは乾季/雨期のある「サバナ気候(Aw)」や弱い乾季のある熱帯雨林の「熱帯モンスーン気候(Am)」でよく生育するぞ。また火山性土壌を好むので、火山帯や高地が適していて、ブラジルの「テラローシャ」土壌が有名。パークのさばんなちほ~のこの辺の高地は最適なのですね。日陰を好むので、「シェードツリー」といって日陰用の樹木と一緒に育てられる。コーヒー豆:3種類あって、アラビカ種(アラビアコーヒーノキ)、ロブスタ種(ロブスタコーヒーノキ)、リベリカ種(リベリアコーヒーノキ)だ。世界の流通量のうち、約70%がアラビカ種(エチオピア原産)、約30%がロブスタ種(ベトナムで生産量が多い)だぞ。アラビカ種はカフェインが少なく繊細な芳香で、高級豆。ロブスタ種はカフェイン含有量が多くて安価で、インスタントやブレンドでよく使われる。生産国トップ8(2019年):ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピア、ホンジュラス、ペルー、インド。

*101
【主人公「ノライヌのハナ子」の、これまでに判明した7つのひ・み・つ】1.) 謎の女。2.) 謎の男ではない。3.) 身長:約175cm。4.) 銃器や白兵戦や軍隊のことには詳しい。 5.) ニホンゴも話せるけどたぶんアメリカ国籍。6.) 「ハナ子軍曹」なるものが、アメリカ海兵隊にいたらしい(ヒカリ情報)。7.) 「ハナ子軍曹」という人間は、アメリカ海兵隊にいなかったらしい(ヒカリ情報)←む、矛盾してるぞ! ※おまけの8番目のひみつ(作者より)……星座と血液型での性格設定:真面目さと努力・忍耐力に優れ、一見地味だけど実は野心家で、さらに意外とお茶目な「やぎ座のA型」。※今がやぎ座生まれとなる12~1月である証拠に、彼女らの夜空には冬の星座が見えてますね。座右の銘:「"Semper Fi!"(いつも忠実に!)」「"Once a Marine, Always a Marine!"(生涯ずっと海兵隊!)。口癖:「わんだふぉ~!」「う~ら~っ!」




★1 作者のあとがき

あの人気アニメ『けものフレンズ』無印版の二次創作小説でした!

本編のプロローグにあたるこの第0章だけで「俺達の冒険はこれからだ!」オチで話がいちおう完結しております。この0章だけで、主人公の正体を推理していき、終盤に「ある程度の正体」が判明するというミステリ~短編小説仕立てになっています。

ここまで読んだ読者の皆さん、はたして面白かったでしょうか?(※あるいは後書きから先に読む人も多いのかも……?) 感想や批評など嬉しいのでお待ちしています。

原作のノリとは全然違う上に、原作キャラも基本的に登場しない(予定)ですが……作者の意図としては、そういった創作術の細部(手段)よりも、たつき監督版けもフレの「動物モノ」「面白く作る」「ミステリアス」という、大元(目的)の部分を重要視して書いていく所存です。
 
さらにストーリー部分の面白さだけでなく、自然科学やミリタリーの専門知識などを解説するTIPSや、ゲームブック的な選択肢システムなど、多彩な面白さを加えた内容により、読者さんが飽きないようにしていきたい方針です。でも科学やミリタリーの知識ナッシング勢の作者ですので、一応きちんと調べてはいますが、正確性の点はあまり期待しないで下さい……。

あと「最新話の最後」に「読者アンケート」を用意しましたので、よければお願いします。

プロローグだけで激長になっちゃいましたけど、続きも頑張ります。つまりは、これからもどうかよろしくね。



★2 参考資料

【0 総記】

◆日本十進分類法 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%8D%81%E9%80%B2%E5%88%86%E9%A1%9E%E6%B3%95



【069 博物館】

◆『新ヤマケイポケットガイド⑬ 動物園の動物』さとうあきら/山と渓谷社/2011さとうあきら/山と渓谷社/2011/111



【2 歴史】

◆『方位読み解き事典』山田安彦 編/柏書房/2001/12-14

◆古代の方位測定法 - なぶんけんブログ 奈良文化財研究所
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2013/06/20130601-1.html

◆古代都城の正方位測定法がインディアンサークル法ではない根拠
https://www.kotenmon.com/cal/houi/indian_circle.html



【29 地理, 地誌, 紀行】

◆『アフリカ自然学』水野一晴 編/古今書院/2005/29-30, 96-105, 130-140, 218

◆「カラハリ砂漠の生態系」『ナショナルジオグラフィック日本版 2021年8月号』日経ナショナルジオグラフィック社/98-125

◆『サファリへ行こう 東アフリカのサバンナ実践ガイド』ヒサクニヒコ/JTBパブリッシング/2008/60, 87-88



【39 国防, 軍事】

◆『アメリカ海軍SEALのサバイバル・マニュアル』クリント・エマーソン 著/小林朋子 訳/三笠書房/2017/162-163, 170-171

◆『アメリカ海軍SEALのサバイバル・マニュアル 災害・アウトドア編』クリント・エマーソン 著/竹花秀春 訳/三笠書房/2017/24-25, 246-249

◆『コンバット・バイブル アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル [増補改訂版]』上田信/コスミック出版/2015/53-64, 133-138

◆『コンバット・バイブル2 スコード・リーダー編 アメリカ陸軍教本完全図解マニュアル2 [増補改訂版]』上田信/コスミック出版/2016/139

◆『最新SASサバイバルハンドブック』ジョン・ワイズマン 著/高橋和, 弘友清仁 訳/並木書房/2009/306, 234-235

◆『米陸軍サバイバル全書』米国陸軍省 編/鄭仁和 訳/並木書房/2011/33, 35, 271-272

◆『歴史群像アーカイブ VOL.2 ミリタリー基礎講座 戦術入門』学研プラス/2008/12, 22, 33-34, 44, 64-71

◆『歴史群像アーカイブ VOL.3 ミリタリー基礎講座Ⅱ 現代戦術への道』学研プラス/2008/4-9

◆『歴史群像シリーズ [戦略・戦術・兵器詳解] 図説 第一次世界大戦 上』学研プラス/2008/116-124

◆『歴史群像 第2次大戦欧州戦史シリーズ VOL.5 北アフリカ戦線』学研プラス/1998/8, 16-17 98, 112-115, 120-121

◆『歴史群像 第2次大戦欧州戦史シリーズ VOL.15 ソヴィエト赤軍興亡史 Ⅱ』学研プラス/2001/77-78

◆『歴史群像 第2次大戦欧州戦史シリーズ VOL.21 アメリカ陸軍全史』学研プラス/2003/86-87

◆『世界の軍用犬の物語』ナイジェル・オールソップ 著/河野肇 訳/エクスナレッジ/2013/80-96

◆『レックス 戦場をかける犬』マイク・ダウリング 著/加藤喬 訳/並木書房/2013/214-215

◆Royal Army Veterinary Corps - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Royal_Army_Veterinary_Corps

◆テルモピュライの戦い 世界史の窓
https://www.y-history.net/appendix/wh0102-070_1.html



【4 自然科学】

◆『チャレンジ自然探検ゼミ第1巻 よむ図鑑 世界自然探検図鑑』今泉忠明 総合監修・構成/福武書店 (ベネッセコーポレーション)/1993/131-154



【42 物理学】

◆『光と色彩の科学―発色の原理から色の見える仕組みまで』齋藤勝裕/講談社/2010/12-23, 135-139

◆虹ができる仕組み 光と色と THE NEXT
https://opticaltale.blogspot.com/p/blog-page_1.html

◆第19回 虹の色|CCS:シーシーエス株式会社
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color/vol19.html

◆コラム 虹は本当に七色か 平成17年度一橋大学附属図書館企画展示
https://web.archive.org/web/20161104174130/https://www.lib.hit-u.ac.jp/service/tenji/owen/rainbow-color.html

◆二色の虹 ‐赤と青をめぐる認識人類学覚書‐加藤正春 駒澤大学 学術機関リポジトリ
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/20945/

◆只見町のブロッケン現象|只見町公式ホームページ|福島県
https://www.town.tadami.lg.jp/tourism/natural/000819.html

◆空気遠近法 - くうきえんきんほう | 武蔵野美術大学 造形ファイル
http://zokeifile.musabi.ac.jp/%E7%A9%BA%E6%B0%97%E9%81%A0%E8%BF%91%E6%B3%95/



【44 天文学, 宇宙科学】

◆『星座 全天88星座の見つけ方・楽しみ方』沼澤 茂美, 脇屋奈々代/ナツメ社/1997/128-129, 146-147

◆『ニューワイド学研の図鑑 星・星座 [増補改訂版]』藤井旭 監修執筆/学研プラス/2006/35, 78, 87-88

◆星座図鑑・おおいぬ座 Private Observatory
https://seiza.imagestyle.biz/huyu/ooinumain.shtml

◆Stella Theater Lite - シンプルで使いやすいフリーの天文・プラネタリウムソフト ステラシアター・ライト Toxsoft
https://www.toxsoft.com/sswpro/lite.html
※作中の空の描写はこのソフトで確認させて頂いてます。



【45 地球科学, 地学】

◆『世界と日本の地理の謎を解く』水野一晴/PHP研究所/2021/55-65

◆『世界がわかる地理学入門――気候・地形・動植物と人間生活』水野一晴/筑摩書房/2018/18-19, 21-25, 36-42, 52-54, 108-113

◆『自然のしくみがわかる地理学入門 [第13版]』/水野一晴/KADOKAWA/2023/142-146, 155-160 202-216

◆『世界と日本の地理の謎を解く』水野一晴/PHP研究所/2021/55-65

◆『人間の営みがわかる地理学入門 [再版]』/水野一晴/KADOKAWA/2023/31-40

◆『学研の図鑑 美しい元素 オールカラー』大嶋建一 監修/Gakken/2023/116

◆『学研の図鑑 美しい鉱物 オールカラー』松原聰 監修/Gakken/2023/59, 69

◆『鉱物の秘密がわかる本』科学雑学研究倶楽部 編/学研プラス/2016/13, 24, 69, 116, 204

◆『ポケット科学図鑑⑦ 鉱物・岩石』白尾元理, 千葉とき子, 松原聡, 高桑祐司 指導・執筆/学研プラス/2002/28, 57, 73, 127

◆日本地質学会 - 【国際年代層序表】地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2023年9月改訂版
https://geosociety.jp/name/content0062.html

◆閃電岩 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%83%E9%9B%BB%E5%B2%A9

◆隕石の賜物『テクタイト』 意外に知らない宝石の裏話 作家たちの電脳書斎デジタルデン
https://digi-den.net/shinome/category-nature/2023/06/03/16339/

◆リビアングラス - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%93%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9

◆トリニタイト - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%88

◆広島に投下された原爆によって形成された「ヒロシマ・ガラス」が太陽系の起源を明らかにする可能性 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20240303-atomic-bomb-hiroshima-glass/



【457 古生物学, 化石】

◆『ああ、愛しき古生物たち~無念にも滅びてしまった彼ら~』土屋健 著/芝原暁彦 監修/笠倉出版社/2018/49

◆『カラー図解 古生物たちのふしぎな世界 繁栄と絶滅の古生代3億年史』土屋健 著/田中源吾 協力/講談社/2017/55-56

◆『絶滅生物誌』チョーヒカル 著/森乃おと 文/雷鳥社/2018/18-19

◆『ダーウィンが来た! 生命大進化 第1集 生き物の原型が作られた(古生代~中生代三畳紀)』植田和貴 著/ナショナルジオグラフィック 編/日経ナショナルジオグラフィック社/2021/47, 53, 67

◆『知識ゼロでもハマる 面白くて奇妙な古生物たち』土屋健 著/加藤太一 監修/カンゼン/2019/36-37

◆『ニューワイド学研の図鑑 大昔の動物 [増補改訂版]』志村隆 編/学研プラス/2008/36



【46 生物学】

◆Special Story:雄と雌が決まる仕組み 魚から鳥,哺乳類まで - JT生命誌研究館
https://www.brh.co.jp/publication/journal/024/ss_1.html



【47 植物学】

◆キリンとアカシアの攻防 - 川崎悟司 古世界の住人
https://ameblo.jp/oldworld/entry-11155698053.html

◆アカシア・トルティリスという樹種 - JICA 国際協力機構
https://www.jica.go.jp/project/kenya/005/news/20151001_07.html

◆List of Southern African indigenous trees and woody lianes - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Southern_African_indigenous_trees_and_woody_lianes

◆南部アフリカにおけるミオンポ林とモパネ林の広域比較研究 (2009)大学院教育改革支援プログラム
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kaikaku/reports/2009joint_mopane.html

◆エレファントグラスはサバンナの景色を構成する重要な脇役 ~モザンビーク便り3~
https://www.yamanohi.net/report.php?id=1699



【48 動物学】

◆『講談社の動く図鑑 MOVE mini動物』山極寿一 監修/講談社/2019/63, 122-123

◆『小学館の図鑑 動物』三浦慎吾, 成島悦雄, 伊澤雅子, 室山泰之, 北垣憲仁 指導・執筆/小学館/2008/64

◆『小学館の図鑑 ねおポケット5 動物』成島悦雄 指導・執筆/小学館/2011/61

◆『ニューワイド学研の図鑑動物』志村隆 編/学研プラス/1999/24

◆『ポケット科学図鑑③ 動物』今泉忠明 監修・指導/大谷勉 指導・協力/学研プラス/2002/12



【489 哺乳類】

◆第14回 ヒトの色覚と動物の色覚|CCS:シーシーエス株式会社
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color_part2/vol14.html

◆ネコには世界はどのように見えているのか…人間の視界と画像で比較 | Business Insider Japan
https://www.businessinsider.jp/post-269845

◆いろいろな動物の香箱座りまとめ もふもふちゃんねる。
http://blog.livedoor.jp/mohumohuch/archives/2582661.html

◆まるで巨大な猫!動物園のクマが「香箱座り」withnews
https://withnews.jp/article/f0180613001qq000000000000000W08u10101qq000017499A



【489.5 ネコ目(食肉目)】

◆『ビジュアル博物館 第29巻 ネコ科の動物』ジュリエット・クラットン=ブロック 著/祖谷勝紀 訳/同朋社/1999/38-39

◆『イラストでわかる! ネコ学大図鑑』服部幸/宝島社/2016

◆『LADYBIRD 小学館実用シリーズ 美しすぎるネコ科図鑑』今泉忠明 監修/南幅俊輔 編/小学館/2021/50, 78-79

◆『ネコ科大型肉食獣の教科書』秋山知伸/雷鳥社/2016

◆『猫語辞典』今泉忠明 監修/学研パブリッシング 編/学研プラス/2014

◆『別冊日経サイエンスno.209 犬と猫のサイエンス』日経サイエンス編集部/日経サイエンス
/2015
◆『イヌの博物図鑑』アーダーム・ミクローシ 著/小林朋則 訳/原書房/2019/51

◆どうぶつ図鑑「カラカル」 | 東京ズーネット
https://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?species_code=29

◆カラカル | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/animals/030200005/

◆動物図鑑/カラカル Private Zoo Garden
https://pz-garden.stardust31.com/syokuniku-moku/neko-ka/karakaru.html

◆川崎悟司イラスト集・カラカル
https://paleontology.sakura.ne.jp/karakaru.html

◆カラカルの生態や餌、性格、寿命、ペットとして飼えるのか - pepy
https://er-animal.jp/pepy/87049

◆小型ネコの仲間 アフリカの哺乳類 アフリカの野性動物たち(Animals of Africa)
https://okavangomoremi.web.fc2.com/Mammals/Cat/Cat.html

◆猫は肉球から汗をかいている?知られざる体温調節の方法とは? – ねこびあ
https://tetoan.com/cat-trivia/sweat/

◆猫は猫舌?熱い物が苦手な理由 | ねこちゃんホンポ
https://nekochan.jp/knowledge/article/3521

◆猫は食べ物の温度が鼻でわかる!?猫舌の真実も解説 | ねこちゃんホンポ
https://nekochan.jp/knowledge/article/8781



【49 医学】

◆『イラストでまなぶ! 戦闘外傷救護 -COMBAT FIRST AID- [増補改訂版]』照井資規/ホビージャパン/2020/22-27, 100-101, 127-132, 217-219

◆『やさしく学ぶ応急手当 止血の方法』山本保博 監修/尾方純一, 小井土雄一, 根本学, 畑中哲生 著/ぱーそん書房/2019/19-33

◆脈拍は、一般に橈骨動脈で測定するのはなぜ?|看護roo!
https://www.kango-roo.com/sn/k/view/2470

◆人間の手は「殴る」ために進化したってホント? J-CASTニュース
https://www.j-cast.com/2016/08/19274979.html?p=all

◆手根骨の覚え方・語呂合わせ!理学療法士試験対策 [理学療法士] All About
https://allabout.co.jp/gm/gc/450541/

◆出血量と生命|家庭の医学|時事メディカル
https://medical.jiji.com/medical/027-0004-99

◆ショック - 06. 心臓と血管の病気 - MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/06-%E5%BF%83%E8%87%93%E3%81%A8%E8%A1%80%E7%AE%A1%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E4%BD%8E%E8%A1%80%E5%9C%A7%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF?query=%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF

◆外傷 - 25. 外傷と中毒 - MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/25-%E5%A4%96%E5%82%B7%E3%81%A8%E4%B8%AD%E6%AF%92/%E6%95%91%E5%91%BD-%E5%BF%9C%E6%80%A5%E6%89%8B%E5%BD%93/%E5%A4%96%E5%82%B7

◆第15回 「色」に対する「視覚」特性の要素(その2)|CCS:シーシーエス株式会社
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color/vol15.html

◆色覚の多様性と視覚バリアフリーなプレゼンテーション | 第1回 色覚の原理と色盲のメカニズム
https://www.nig.ac.jp/color/barrierfree/barrierfree1-8.html

◆石原式色覚異常検査表 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%8E%9F%E5%BC%8F%E8%89%B2%E8%A6%9A%E7%95%B0%E5%B8%B8%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E8%A1%A8

◆図書カード:色盲検査表の話 石原 忍 青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/001742/card55751.html



【5 技術】

◆Duct tape - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Duct_tape

◆ダクトテープ:意外に偉大な20世紀の発明品(上) WIRED.jp
https://wired.jp/2006/03/27/%E3%83%80%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97%EF%BC%9A%E6%84%8F%E5%A4%96%E3%81%AB%E5%81%89%E5%A4%A7%E3%81%AA20%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E7%99%BA%E6%98%8E%E5%93%81%E4%B8%8A/

◆ダクトテープ:意外に偉大な20世紀の発明品(下) WIRED.jp
https://wired.jp/2006/03/28/%E3%83%80%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%97%EF%BC%9A%E6%84%8F%E5%A4%96%E3%81%AB%E5%81%89%E5%A4%A7%E3%81%AA20%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E7%99%BA%E6%98%8E%E5%93%81%E4%B8%8B/

◆ASCII.jp:ガムテより万能のアメリカンな粘着テープがオススメ
https://ascii.jp/elem/000/000/198/198263/

◆核にも耐える!? 最強のダクトテープ | ライフハッカー・ジャパン
https://www.lifehacker.jp/article/nuclear/

◆高性能で万能!ダクトテープとは? アクシグ
https://aqcg.jp/what_is_duct-tape/

◆万能すぎるダクトテープの使い方10選!最強テープと噂の使い道とは? 暮らし〜の
https://kurashi-no.jp/I0014200

◆刑務所でおなじみ、スラング「Shank」「Shiv」の意味とは? 海外ドラマの中の英語
https://www.serendipity.page/b/2021/08/shank/

◆さてこれはなんでしょう?囚人が作り出した驚くべき19個の道具 - DNA
https://dailynewsagency.com/2010/09/08/prison_item/

◆ある意味究極のDIY、刑務所の囚人たちがこっそり作ったモノいろいろ - DNA
https://dailynewsagency.com/2014/01/15/creative-ingenuity-prison-inmates-4wm/



【537 自動車工学】

◆『オスプレイ・ミリタリー・シリーズ―世界の戦車イラストレイテッド Sd.Kfz.251ハーフトラック 1939-1945 』ブルース・カルバー 著/山野治夫 訳/大日本絵画/2004/14

◆『ジャーマンタンクス』ピーター・チェンバレン, ヒラリー・L・ドイル 著/富岡吉勝 訳/大日本絵画/1993/169-178, 263-267

◆『大図解 ドイツ軍兵器&戦闘マニュアル (ミリタリー・エンサイクロペディア) 』坂本明/
グリーンアロー出版社/2000/16-17, 30-38

◆『歴史群像シリーズMW 第二次大戦世界の軍用車両』学研プラス/2008/51-56, 136

◆ASCII.jp:憧れの米軍車両「HMMWV(ハンヴィー)」を手に入れた!
https://ascii.jp/elem/000/001/078/1078630/

◆ASCII.jp:米軍の無線機マニュアルにおもしろ擬人化イラスト発見
https://ascii.jp/elem/000/001/431/1431880/

◆ASCII.jp:ハンヴィーにある米軍ファーストエイドキットを開けました
https://ascii.jp/elem/000/001/434/1434925/

◆ハンヴィーの室内|TK6506のブログ|DMZ - みんカラ
https://minkara.carview.co.jp/userid/2340142/blog/35424867/

◆ハンヴィーの型番とコーションプレート|TK6506のブログ|DMZ - みんカラ
https://minkara.carview.co.jp/userid/2340142/blog/35097765/

◆車輪と履帯の「ハーフトラック」が消えたワケ 良いとこどりのはずがなぜハンパに? | 乗りものニュース
https://trafficnews.jp/post/81768

◆Sd.Kfz.251/6装甲指揮車 戦車研究室
https://combat1.sakura.ne.jp/SdKfz251-6.htm



【559 兵器, 軍事工学】

◆『F-Files No.25 図解 ミリタリーアイテム』大波篤司/新紀元社/2010/26-27, 30-31, 128-129, 160-173, 194-195, 210-211

◆『【図解】第二次大戦 各国小火器』上田信/沼田和人 解説/新紀元社/2018/5, 19-20

◆『世界の歩兵装備パーフェクトガイド』坂本明/学研プラス/2019/27, 156-157, 204-211

◆『第一次大戦小火器図鑑 1914~1918』白石光/イカロス出版/2017/86-87, 149

◆『超ワイド&精密図解 世界の軍用銃図鑑』歴史群像編集部/学研プラス/2017/113-114

◆『歴史群像アーカイブ VOL.10 オールカラー 特殊兵器大百科』学研プラス/2009/20-21

◆『歴史群像シリーズMW 図説 アメリカ軍用銃パーフェクトバイブル』学研プラス/2008/8-11, 54, 90-93

◆『歴史群像シリーズ 図説・世界の銃パーフェクトバイブル』学習研究社/2005/56-59, 88-95, 111, 130

◆『歴史群像シリーズ 図説・世界の銃パーフェクトバイブル2 中級編』学習研究社/2005/50-53, 78-83

◆ミュゼットバッグ militaria advisors
https://advisors.link/ww2-us/musette-bag/
https://advisors.link/ww2-us/usmc-musette-bag/

◆M31雑嚢 (Brotbeutel 31) 熱帯用 : 東部戦線的泥沼日記 ~WW2 German Military Collection
http://gerhard03.blog61.fc2.com/blog-entry-255.html

◆ロシア軍が800キロの「防衛線」…ウクライナ軍の反転攻勢に備え : 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230421-OYT1T50397/

◆Dragon's Teeth: The Ingenious Cold War Anti-Tank Measures
https://tankhistoria.com/cold-war/dragons-teeth/

◆戦車止める「チェコのハリネズミ」 ウクライナ AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3395597



【596 食品, 料理】

◆Charms Candy Company - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Charms_Candy_Company

◆Unlucky Charms: Candy So Scary, It Had to be Removed from MREs
https://veteransbreakfastclub.org/unlucky-charms/

◆フレームレス・レーション・ヒーター - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%92%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC

◆アメリカ軍が3年間放置しても食べられる携行型軍事用ピザの開発に成功 - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20140217-military-pizza/

◆米軍の戦闘糧食「MRE」のペパロニピザを食べてみた!そもそもMREって何?も解説! - PizzaLoverJP
https://pizzalover.jp/mre-pizza/

◆【米軍MREレーション】2018年製No.23「PIZZA SLICE, PEPPERONI」の実食レビュー!米軍待望のピザ! - MRE.JP
https://mre.jp/2018-menu23/

◆米軍は戦場でピザをプリント!? 3Dプリンタの軍事転用事情 | PRESIDENT Online
https://president.jp/articles/-/18275?page=1



【659 狩猟】

◆トラバサミ使用による鳥獣捕獲は大変危険なのでやめましょう。 - 会津坂下町
https://www.town.aizubange.fukushima.jp/soshiki/29/10654.html

◆Releasing your Dog from a Trap - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1gbrWIKqcUk



【7 芸術, 美術】

◆Tingatinga - Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Tingatinga

◆一般社団法人アフリカンアート支援機構 | ティンガティンガについて
https://www.africanart-support.org/tingatinga/



【78 スポーツ, 体育】

◆『格闘技の科学 力学と解剖学で技を分析!』吉福康郎/SBクリエイティブ/2011/54-55, 76-77, 118-119

◆『最強の格闘技テクニック―あらゆる戦いに勝利を収める究極の必殺技』広戸聡一/高橋書店/1998/18-25, 120-123, 176-183

◆『図説 関節技』高平鳴海ほか 編/新紀元社/2006/63, 102-103, 209

◆『強くなる近道 力学でひもとく格闘技』谷本道哉, 荒川裕志/ベースボール・マガジン社/2009/101-110

◆『徹底図解 総合格闘技 技の実践マニュアル』野中公人, 修斗, PUREBRED 監修/新星出版社/2001/104-105, 107-114

◆柔道武道館:袖釣込腰/ホームメイト
https://www.judo-ch.jp/dictionary/technique/nage/kosi/sodeturikomi/

◆3D技解説アニメ | 2018世界柔道選手権 - フジテレビ
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/2018/waza.html

◆袖釣込腰の掛け方とポイントについて解説|古賀稔彦 瀧本誠 谷本歩実 オリンピック | FMVスポーツ
https://fmv-mypage.fmworld.net/fmv-sports/post-14665/

◆【得意技は橋本スペシャル】橋本壮市選手(団体男子73kg級) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=xJ0SYc88pNo

◆柔道武道館:三角絞/ホームメイト
https://www.judo-ch.jp/dictionary/technique/katame/sime/sankaku/

◆柔道武道館:腕挫十字固/ホームメイト
https://www.judo-ch.jp/dictionary/technique/katame/kansetu/udejyuji/

◆冬木弘道「指一本ぶん角度が違えば、もう違う技なんだよ!」~一度は使ってみたい“プロレスの言霊” 週刊実話Web
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/39317



【789.7 射撃, 射撃競技】

◆『F-Files No.34 図解 ガンファイト』大波篤司/新紀元社/2012/120-121

◆『GUNシューティングバイブル―正しい銃の撃ち方教えます! 』つくば戦略研究所/笠倉出版社/2014/18-27

◆『カラー図解 これ以上やさしく書けない銃の「超」入門』小林宏明/学研プラス/2019/60-63, 72, 188-203

◆『拳銃の科学 知られざるハンド・ガンの秘密』かのよしのり/SBクリエイティブ/2015/26-31

◆『銃の科学 知られざるファイア・アームズの秘密』かのよしのり/SBクリエイティブ/2012/114-119, 180-189, 196-197, 200-201

◆銃を携帯中は薬室に弾を装填する?しない? HB-PLAZA
https://hb-plaza.com/loaded-ccw/

◆銃携帯時のコンディション2は1より即応性が低い? HB-PLAZA
https://hb-plaza.com/condition01234/

◆携行する銃の状態 | エアソフトガンとシューティング
https://ameblo.jp/yamaneko0327/entry-12608012320.html

◆WertyShootingClub:ジェフ・クーパー
https://wsc.militaryblog.jp/e665727.html

◆ニューヨーク市警の命中率から 火薬と鋼
https://machida77.hatenadiary.jp/entries/2008/06/13

◆Officer-Involved Shootings: What We Didn't Know Has Hurt Us The Police Policy Studies Council - Staff Views
https://www.theppsc.org/Staff_Views/Main.htm

◆Mozambique Drill - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Mozambique_Drill



【8 言語】

◆英語で夏の盛りを「犬の日々」と呼ぶのは夜空と関係 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/072100369/

◆「カバン」の言葉の起源を探る旅 |JAPANBAG.com
https://japanbag.com/story/dangi01

◆カバン=kabas起源説、夾板起源説ついて |JAPANBAG.com
https://japanbag.com/history/bag_roots_study01

◆Category:English-language surnames from H - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Category:English-language_surnames?from=H

◆意外!?英語では名字でも名前でも使える名前がけっこうある | ある暮らし
https://nzlife.net/archives/13535

◆#813. 英語の人名の歴史 hellog~英語史ブログ
http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2011-07-19-1.html

◆English Names - Behind the Name
https://www.behindthename.com/glossary/view/english_names

◆Family Name - Behind the Name
https://www.behindthename.com/glossary/view/surname

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