なんかバッドエンド世界線ぽかったので死ぬ気でコンティニューさせてみた   作:予備肉食

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先生含めたほとんどの人曇らせてぇなぁ…


バッドエンド?だめだめコンティニュー(神秘どばー)

気がついたらそこはブルーアーカイブの世界だった。

自我を獲得した瞬間、漠然とそう認識した。

これから何が起こるのかも、なんとなくだが把握していた。

しかしこれらの知識がどこから来たものなのかがさっぱり分からない。

キヴォトスで沢山のことが起こり、それらは全てキヴォトスの滅亡に関わっていて、それを先生が解決する。

そんな知識が、ただ漠然と頭の中にあった。

 

その後、私はすぐに件の先生がいるシャーレに身を寄せた。

名前も、家も、所属もないからシャーレに所属させて欲しいと頼み込んだら先生に歓迎された。

後々になって考えてみなくても先生が知識に違わぬ生徒に優しすぎる大人だと思った。

 

それから『夢野カナエ』という名前を貰ってから1~2ヶ月シャーレで仕事を手伝っていると、ついに対策委員会編がはじまった。

そして先生は倒れた。

 

そこで初めてここがバッドエンドに向かう世界のキヴォトスであると認識した。

 

そこからの日々は目まぐるしいものだった、いや、死にものぐるいと言うべきだったか。

先生の代役を私が務めた。かなり無理を言って代役の座に滑り込まさせて貰ったが、私はただただこの世界が消えないようにすることに必死だった。

最高の未来を知っているからこそ、諦められなかった。

 

 

先生が倒れて1ヶ月が経った。先生はまだ目を覚まさない。

知識を利用して上手くいったものもあれば、救えなかった生徒が出たものもあった。

まだ、希望はある。

 

 

先生が倒れて2ヶ月が経った。先生はまだ目を覚まさない。

段々知識が役に立たなくなってきた。それでも手を差し伸べるのをやめなかった。

まだ…まだ、希望はある。

 

 

先生が倒れてから、3ヶ月が経とうとしていた。

先生は、まだ目を覚まさない。

もう、駄目なのかもしれない。

救えたものもあったが、圧倒的に私ではもうどうしようもない事が多かった。

ただ先生が目を覚ませばどうにかしてくれるから耐えてほしい、その一心だった。

だがそれももう、限界がきていた。

 

今のままでは、この失われかけている『ブルーアーカイブ』を取り戻すことは出来ない。

だからもう、手段は選んでいられない。

私は決して頭がいいわけじゃない。戦闘能力にいたってはヘイローを持ったキヴォトス人の中では最弱だ。

だけど、私の身体の内に秘められた神秘だけは膨大にあった。

先生の代役を務めている間にこれを何かに使えないかと模索し続けた。

 

 

見つけた、否、使い方を理解した。

それは願いを叶える御業。

しかし現状を打開するほどの願いとなると、その代償は計り知れない。

命を落とす可能性が極めて高いだろう。

しかし1人の命でこの風前の灯のキヴォトスが息を吹き返せるのなら、安いものだろう。

 

 

この計画を連邦生徒会長に話したら猛反対された。

激しい口論の末なんとか納得してもらった。

 

 

実行の日。

最後のわがままで面会謝絶状態の先生との面会が叶った。

最後に一目見ておきたかった。叶うならば、もう一度起き上がった先生とお話をしたいとも。

 

 

 

起きた。

先生が、起きた。

ありえない、意識が回復する兆候なんて無かったはずなのに。

私の呼ぶ声が聞こえたから起きた…?生徒のこと好きすぎでしょ先生。

 

 

 

最後の心残りも消えた。

あとは願いを叶えて終わりだ。

最後に奇跡を見せてくれてありがとう、先生。

後は、頼みます。

 

 

 

ああ、そらが、あおい

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「──て─生」

 

…誰かの呼ぶ声が聞こえた気がした。

 

「───い、─きて、先生」

 

とても必死で、今にも泣きそうな声だ。

 

「一生のお願いだから、起きてよ先生…」

 

───生徒たってのお願いなら、私は起きなければ

 

意識が覚醒する。

身体の節々が痛い…いや、激痛だ。のたうち回りたいほど痛い。

だけど、それよりも、目に大粒の涙を浮かべて助けを求めている生徒がいる。

私の身体の痛みよりも、心を痛めている生徒が目の前に。

 

”……おはよう、カナエ”

 

涙を携えた瞳が信じられないものを見たかのように大きく見開かれる。

 

「先…生……?……う、そ……意識が回復する兆しなんて…」

 

”カナエが、私を呼ぶ声が聞こえたからね”

 

「なんでずがそ゛れ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛」

 

感極まったのだろうか、カナエは私の胸で思い切り泣いた。

私はカナエが落ち着くまでただ背中をさすり続けた。

しばらくすると泣きやみ落ち着いたのだろう、改めてカナエと向かい合う。

 

「ごめんなさい先生。こんなことしてる場合じゃないのに」

 

”いいんだよ。君はまだ子供なんだから、好きな時に泣いていいんだ”

 

「……本当は先生の身体の方が、泣きたいくらい痛いくせに」

 

”大人だからね。生徒の前ではかっこつけていたいんだ”

 

そう言うとカナエは呆れたように少し笑った。

…そろそろ本題を聞くとしよう。

 

”それでカナエ。一体どうしたの?”

 

「…!そうでした。先生、私は先生が倒れてから先生の代わりにシャーレの代表として各地を奔走しました。

ですがもう、限界ですっ…!私では、全てを崩れないギリギリで踏みとどまらせるのが、精一杯でした…」

 

”………”

 

「先生、あなたが必要なんです。先生じゃなきゃ駄目なんです。私じゃ…誰1人、救えない!」

 

”カナエ…”

 

そう言いながら握る手には力がこもっており、悔しさを表すように震えている。

所々に巻かれた包帯が、傷を隠すように貼られた絆創膏が、痛々しくもカナエの頑張りを表していた。

 

「今先生がとても痛くて苦しいことは重々承知しています。でも!私にはもう、この状況をいい方向に導き頼れる人が、先生しかいないんです…。だから先生どうかっ、生徒のために、キヴォトスのためにっ…もう一度だけ、立ち上がって下さい!」

 

カナエは頭を下げて私にそうお願いしてきた。

答えは決まっていた。

 

”いいよ”

 

”それが生徒たってのお願いなら”

 

”私は何度でも立ち上がるよ”

 

”だからカナエ、顔を上げて”

 

顔を上げたカナエと目が合う。

安堵、それと緊張、不安といった感情が見てとれた。

だから

 

”よく頑張ったね、カナエ”

 

そっと頭を撫でた。

それだけで不安と緊張は消え、止まった涙がまたポロポロとカナエの瞳からこぼれていく。

本当に、よく頑張ったんだね。

そうしてカナエを撫でているとおもむろにシッテムの箱が起動した。

 

「先生、生徒の期待に応えるのはいいのですが、先生の身体は依然危険な状態です。どうしますか」

 

”痛いところを突くねアロナ…”

 

そうだ、生徒の期待に応えたいのは山々だが、その為にはまずこの身体の状態をどうにかしなきゃいけない。

何か方法は無いのだろうか。

 

「…先生、私がすぐになんとかします。だからここで待っていてください。ちょっと行ってきますね」

 

そう言ってカナエは何かアテがあるのか病室を出ていこうとした

その時

酷く、嫌な予感がした。

 

”カナエ!”

 

「はい!なんですか?」

 

”……ううん、気をつけてね。…いってらっしゃい”

 

「…ありがとうございます。いってきます」

 

 

多分、気のせいだろう。

私はカナエを信じて待つことにした。

窓から見た空には曇天が広がっていた。

 

 

 

『先生、カナエちゃんはもう、目覚めません』

 

 

 

生まれて初めて、広がる青い空を呪いそうになった。




続け
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