遊戯王の世界に転醒したけど握ってるデッキがバトスピだった 作:みかんこ、アーイイ。実にイイ。
Prayer:海音 手札:1
LP:4000【Tern3】
フィールド魔法:夕影の小麦畑
④:悪夢の鉄錠(複製トークン)
⑦:悪夢の鉄錠
⑫:天星12宮 光星姫ヴァージニア
⑲:伏せカード
LP:3200
Prayer:トア 手札:3
もう! どうしてあたしに気持ちよくデュエルをさせてくれないんだ!! もう!!!
あたしとデュエルをしろおおおおおお!!!!
「あたしのターン、ドローッ!!!」
怒りに任せてドローしたけど、行き場のない怒りに反してこのターンあたしが出来ることは殆どない。
適用中の[夕影の小麦畑]の効果でバトルフェイズは行えず、余計な動きをすればライフを無駄に削るだけ。とはいえ、下手な除去が飛んできても困るし……しゃーなし!
「あたしは手札から[ワイバーン・ベラ]を召喚して効果を発動! 手札から[天星12宮 聖星使ジェミニック]を配置し、星座カウンターを置く!」
トア LP3200→3000→2800
くっ、ライフバーンが重い。
が、これでベラには罠と破壊耐性が。ヴァージニアにも手札のシープを使えば耐性を付与できる。
本当ならドロー効果も使いたいけど……追加で効果を起動することで要求されるライフは400、いたずらにキルターンを近寄らせたくない。パスしかないか。
「あたしはこれでターンエンド」
「じゃあ、フェイズ変更前に手札から[
「んにゃぁ!?」
予想外の宣言に思わず変な声が出た。
嘘でしょ、あんなことを言っておきながらこの子……
「結局使うの、そのテーマのカード!?」
「ふふふ、コントロール使いの言葉を鵜呑みにしたらダメ」
「ぐぎぎぎ……」
いや、唸っててもしょうがない。相手の思う壺だ、これじゃ。
「……効果は」
「手札・フィールドのこのカードをリリースし、相手のモンスターゾーンまたは魔法&罠ゾーンを1ヶ所指定して発動できる。指定したゾーンのカード1枚を墓地へ送る。この効果は相手ターンでも発動できる」
「耐性貫通暗殺者ぁ……!!」
スコルリッターで妨害する? いや、あれじゃ止めるだけ。でもそれで相手の手札の妨害は吐かせきっ──いや待て、なにか忘れてる気がする。
「[夕影の小麦畑]の効果を適用。暗殺者をリリースする代わりにデッキから幻想魔族[蠢動するナーガ]をリリースして、指定するのはセットカードがあるゾーン。通る?」
うぐぐ、うぐぐぐぐ、ぬぬぬぬぬ!!!
「通し……ます」
「じゃあそのカードを墓地へ送るね」
このデッキ、このデッキアレだ。遊陽や聖くん、あの自称プロ講師(本物)とかとは構築のレベルが一味も二味も違う!
多種多様なテーマから必要なカードを集めて作ってるこれは、むしろOCG次元のデッキに近い。見誤ってた、見誤ってた、見誤ってた!!
「そしてリリースされた[蠢動するナーガ]の効果を発動」
知ってた。このレベルの構築をする相手が、コンボでリリースしたカードに意味を持たせていない筈がない。
「自分・相手の墓地のカードを1枚ずつ対象として発動できる。そのカードをデッキに戻す。その後、自分は1枚ドローできる。
対象にするのは[蠢動するナーガ]自身と[天星12宮 鋼星騎スコルリッター]。通る?」
「チェーンはない、です」
しゅるしゅると、竜のような蛇が墓地からデッキへと戻っていく。
「ん、続行。バウンスして1枚ドロー。
ナーガにはデッキに戻った場合にデッキから「合成獣融合」のカード名が記されたモンスター1体を特殊召喚する効果もあるけど、私のデッキにそんなカードは入ってない」
あっ、君そのリメイクかぁ!
いやいやいや、そんなこと言っている場合じゃない。1枚ずつとはいえ汎用除去、追加されるだろうロック、増える誘発、詰みがもうすぐそこまで見えている!
「処理の終了後、エンドフェイズは続行!
あたしの手札を1枚切って、鉄錠本体を自壊させる!」
手札のセフィロシープを切るわけにはいかない以上、破壊できる鉄錠は1個だけ。最悪だ、残してはいけないアイテムを残してしまった。最悪、さいあく!!!
Prayer:海音 手札:2
LP:4000
フィールド魔法:夕影の小麦畑
④:悪夢の鉄錠(複製トークン)
⑫:天星12宮 光星姫ヴァージニア
⑬:ワイバーン・ベラ(星座C1)
⑰:天星12宮 聖星使ジェミニック
LP:2800【Tern4】
Prayer:トア 手札:1
「私のターン、2枚ドロー」
どうか、どうかこれ以上、余計な妨害を引かないでほしい。純コントロール相手に多分無理な願いだけど!
「……仕方ない。スタンバイフェイズ、手札の[夕影の暗殺者]の効果を発動。対象は[ジェミニック]が存在するゾーン、リリースはデッキの[蠢動するナーガ]。通る?」
「通る……」
「なら墓地送り。その後ナーガの効果、ナーガとジェミニックを戻して1ドロー」
コンボが、コンボが整ってしまっておられる。
堅実にリソースと除去が積み上げられていく。
「ん、いいもの引いた。メイン移行。2枚目の[悪夢の鉄枷]を発動、なにもなければ墓地の[魔導複製術]の効果が誘発。サルベージする」
「ないです……」
キッツイ、なにこれ吐きそう。
「これで私はターンエンド」
Prayer:海音 手札:5
LP:4000【Tern5】
フィールド魔法:夕影の小麦畑
④:悪夢の鉄錠(複製トークン)
⑦:悪夢の鉄枷
⑫:天星12宮 光星姫ヴァージニア
⑬:ワイバーン・ベラ(星座C1)
LP:2800
Prayer:トア 手札:1
加えてこっちが散々悩んでデュエルを回しているのに、こうもあっさりターンが回ってくるのも腹が立つ。
スタンディングデュエルで許されている、完全に手を止めていい思考時間は最大30秒。マスターデュエルと違って1アクション挟めば回復するけど、それでも深く思考を潜らせられない。
「私のターン、ドロー!」
────きた。きた! 来た!!!
この詰み寸前、実質あたしのファイナルターンをファイナルターンにしないで済むかもしれない打開札が!
「スタンバイ、メイン」
だけど悟られるな。
打開札が来たとはいえ、それに妨害を当てられたら結局あたしは詰みのまま。
5枚もある彼女の手札は一見恐ろしいけど、そのうち2枚は暗殺者と複製術で確定済み。未知の妨害(仮定)は3枚しかないのだ。慎重に、慎重に、ぶち抜ける貫通力はまだあたしの場と手札に残ってる!
「あたしは手札の[天星12宮 樹星獣セフィロ・シープ]をリリースして効果を発動! 自分の場のカードに「星座カウンター」を2つまで置く!」
「通すよ」
「カウンターを置くのは[ヴァージニア]と[ワイバーン・ベラ]!」
天星12宮 光星姫ヴァージニア(星座C0→1)
ワイバーン・ベラ(星座C1→2)
トア LP2800→2600→2400
ライフバーンは痛いが第一段階はよし。
このタイミングでヴァージニアをやられてたら、プランが全壊していた。一縷の望みは繋がってる!
「EXデッキの[天星12宮 地星兵リブライヴァ]は自分の「星座カウンター」を1つ取り除き、レベル・ランク3以上のモンスターの上に重ねてX召喚できる!」
ワイバーン・ベラ(星座C2→1)
「エクシーズ、チェンジ!
現れて、ランク6
地星兵リブライヴァ、煌臨!」
トア LP2400→2200
輝きを纏ったヴァージニアに重なるように、青く巨大なゴーレムが現れる。
「その後、X素材が持っていた「星座カウンター」と同じ個数のカウンターをこのカードに置く」
天星12宮 地星兵リブライヴァ(星座C0→1)
ここまでが一連の処理とされるため、追加のライフバーンはなし。多分ライフは1000を切るけど、出来っこないよりやらなくちゃ!
「そしてX召喚された[リブライヴァ]の効果を発動! 自分の創界神カードに置かれたものを除く「星座カウンター」2つにつき1枚、相手の場の魔法・罠を選んで破壊する──あたしが選ぶのは[夕影の小麦畑]!」
トア LP2200→2000→1800
先ずはアレを割る。
そうすれば暗殺者とナーガによる毎ターン1枚除去と1ドローという望外の妨害コンボは破綻させられる。
通ればそれはそれで儲けものだし、妨害があったとしてもここに吐かせれば本命のカードは通る……はず!
「ダメ。チェーン、[
「……あきついり?」
内心のガッツポーズより先に、聞いたことのない妖怪娘シリーズであろうカードに思考が止まった。なにそれ。
「妖怪娘、2巡目。手札・フィールド/デッキ/墓地の3箇所からカードを破壊する効果を無効にする」
「ぐぎぎ……」
見慣れた妖怪娘シリーズとは違う、黒い髪の少女がくすくすと笑いながらリブライヴァに纏わりつく。それだけで槌を振り上げていたリブライヴァの動きは止まってしまった。
これが通ってくれなかったのは残念だが、妨害を吐かせる目的は達成した。この状況で手札から発動できる破壊効果に対応するカードを私は知らない。妨害はもうない。間違いない! このカードは通る!
「でもこれは通るでしょ! あたしは手札から[ハーピィの羽根箒]を発動!」
「ッ! チェーン、[夕影の暗殺者]! コストはデッキのナーガ、対象はリブライヴァのゾーン!」
トア LP1800→1600→1400
油断、あるいはほんの少しの強欲。それが
「あたしに対抗札はない、逆順処理だね」
「暗殺者の効果でリブライヴァは墓地へ送られ、羽根箒の直撃で私の場は壊滅する……ッ」
青い巨人が崩れ去る中、ハーピィの羽根箒が巻き起こした風が小麦畑を吹き散らしていく。そうして暴風が全てを奪い去っていった後、残ったのはあたしの場にいるひ弱なワイバーンのみだった。
「解決後にナーガの効果。ナーガ自身とヴァージニアを戻して1ドロー」
残りライフは1400。
次のターン、再び枷や錠を使われたら……いやそれ以前に、あれだけ稼がれた手札からフィニッシャーが出てきてもあたしは終わり。
なら、ライフを確殺される圏内に落としてもこのターンで決めるしかない!
「あたしは[ワイバーン・ベラ]をリンクマーカーにセット。
アローヘッド確認、召喚条件は『《星座カウンター》が置かれたモンスター1体』──サーキットコンバイン!
リンク召喚、現れよリンク1!
[
トア LP1400→1200
バトルフィールドではなく、あたしの後ろに現れたのは2つの杖を持つ4つ腕の女性。
現時点であたしの墓地には[レオザード]と[シュタイン・ゴイル]がいる。召喚時効果でヴァージニアが落ちてくれるのが1番だけど、最低でも1800打点の2回攻撃が可能。ダメでもゴイルのサーチ次第でまだ舞える。レオザードの攻撃時のサーチでも同様!
運良くヴァージニアが落ちてくれて、そこから[アドベントスター]か[コズミックリターン]を死ぬ気で引き当てて来れれば、もうリーサルまで持っていける。
見えた、勝利へ続く
「この勝負、あたしが貰ったァ!」
「なるほど、ね」
リリアの効果を読み込んだのだろう、落ち着いた様子で彼女はゆっくりと頷いた。
「強固な耐性を持つ、墓地肥やし可能なシステムカード。墓地にはサーチ持ちと連続攻撃持ち、サーチャーは見たし、ドロソがあるならリクルート用のカードもある筈。知らないテーマだけど」
「確かにあるよ。[アドベントスター]っていうカードだけど」
「厄介。確かに通れば、私の負けも見えてくる」
そして、ゆっくりとした所作でデュエルディスクを操作して。
「でも、それはあくまで
墓地の[刻を捻る星瞳]の効果。1ターンに1度、相手がモンスターを召喚・特殊召喚する際、墓地のこのカードを除外し、手札から「刻を捻る星瞳」1枚を捨てて発動できる。それを無効にし、破壊する」
あたしの背後、リリアが爆散する音がした。
「いくら強固なモンスターでも、着地しなければただのカード。ヘビーコントロール相手に、油断したね?」
「……ぇ、あ」
ガラガラと、プランが崩壊していく音がする。
手札──なし
場───なし
墓地──効果持ちなし
ライフ─風前の灯
以上を以て、あたしの詰みが確定した。
「たーんえんど、しか、ない……?」
いや待て、まだ何かある筈だ。
墓地は上からリリア、ベラ、羽根箒、リブライヴァ、シープ、ゴイル、レオザード、スターリードロー、アポローン。
だめだ、なにも、何もない。
なにもできることがない。
なにも、なに、も……
「………………たーん、えんど」
Prayer:海音 手札:4
LP:4000
LP:1200【Tern6】
Prayer:トア 手札:0
「私のターン、2ドロー」
・・・
「手札から[波動キャノン]、波動キャノンを対象に[魔導複製術]を発動。更に[強欲で謙虚な壺]を発動、デッキトップを3枚確認して……[灰流うらら]を手札に」
ごうん、ごうん、唸りをあげて巨大な砲塔があたしに狙いを定めた。
「ターンエンド」
Prayer:海音 手札:4
LP:4000
①:波動キャノン
②:波動キャノン(複製)
LP:1200
Prayer:トア 手札:0
「あたしの、たーん。ドロー……」
手札に来てくれたのは、[コズミックリターン]のカード。
いける、いける……か?
枷はない、錠もない、見えてる妨害は暗殺者とうららの2枚だけ!
残りの手札2枚に何がいるかは分からないけど、ゴイル→効果でトップサーチが出来ればまだ! まだ! まだ舞える!
「あたしは手札から[コズミックリターン]を発動!
自分の墓地のテキストに「星座カウンター」が記されたカード[天星12宮 シュタイン・ゴイル]を対象として、そのカードを手札に加える!」
「ダメ。チェーンして[屋敷わらし]の効果、無効」
うふふ、と聞こえた笑い声。
カードの効果が無効になる音。
あ、あ、ああ、あ…………
「……たーん、えんど、です」
「ん、私のターン。
2枚ドローからスタンバイメイン。
チェーンがないのは知ってる、[波動キャノン]斉射。2000ポイントのダメージで、私の勝ち」
トア LP1200→200→0
デュエルディスクが告げる決着のアラームが遠くに聞こえた。
(まけ、た……?)
まけた? 負けた? 負け、た。
たった1ポイントのライフも減らすこともできず。
払わせることも出来ずに。
それは『僕』にとってはありふれたことで
それは『私』にとっては許されないことで
それは『あたし』にとっては、産まれてはじめての……一方的な、敗北だった。
「ぇ、あ、え……?」
かくん、と意図せず力が抜けて膝が折れた。
ジワジワと視界が滲んで、まともに声が出なくなる。
「……ふぐ、ひぅ……ぐすっ」
おわり? これで? あたしの人生?
「ふぇぇぇぇぇぇ!!」
やだ、そんなの。
だってあたし、
めのまえが、まっくらになった。
そんな気がした。
「……さて。セバス、確保して」
「おい待てクソお嬢様。まさかこんな、デュエルに負けた程度で大泣きするような相手が黒幕とか言わないよな?」
「言う。善人が悪事の要因になるなんてよくあること。この精霊が、私の大切を傷つけたことに変わりはない」
「……そうか。それなら、これ以上は言わん。どう収集をつけるのかについてもな」
「嫌われるかな?」
「少なくとも遊陽少年からは間違いなく。寧ろ嫌われないと思っていた頭のお花畑具合に驚きだよ」
「そう……でも。それで遊陽を助けられるなら嫌われてもいい」
「馬鹿が。しかし承知致しました、お嬢様。
尋問用の道具と精霊を拘束する部屋、準備を進めておきます」
「たのんだ、よ」
味方陣営の紹介デュエル終わらせるだけで10万文字超って何考えてんですかね作者。
2025/7/23
続き書けるくらいには落ち着いてきたので終わり方を変更しました。日和るなよ、過去の私
・遊陽:遊戯王バトスピ混合、ミッドレンジ展開寄り(イメージ色:紫)
・聖 :遊戯王メイン、ソリティア(イメージ色:緑)
・海音:オリカメイン、パーミッション×ロック×バーン(イメージ色:青)
・トア:バトスピメイン、ミッドレンジ魔法罠寄り
ヨシっ!
【本日のテーマ紹介──
基本ギミックとしてリリースを多用する、戦士族・魔法使い族・EXに悪魔族を有する光・闇属性テーマ。ゾーン指定の効果が特徴
・夕影の
・夕影の
・夕影の暗殺者──強い(字レア)覆面。
・夕影の
・カプシェル──名誉夕影カード
EX
・夕影の誘惑蛇──融合、場にいる時しか(ry
なんでお前リリース時効果メインなんだよ。悪魔悪魔してる。
魔法
・夕影の小麦畑──フィールド、効果の衝突事故。
・手を招く夕影──モンスターのサーチ札、リリースを要求される。
・夕影の揺めき──リリース融合内蔵永続。無効化効果もある。
罠
・夕影畑で捕まえて──万能無効、リリースを要求される。
・夕闇空の影送り───モンスターの代わりにリリースできるリクルート効果持ち
デュエルの強度(難解さ・戦術等)は
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このままでいい
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もっと難しくていい
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もっと簡単でいい